【9064】株価暴落中のヤマトホールディングスは買い!?今後の株価見通しを考察。

【9064】株価暴落中のヤマトホールディングスは買い!?今後の株価見通しを考察

ヤマトホールディングスは宅配便のシェアNo.1であるヤマト運輸株式会社などを傘下に持つヤマトグループの持株会社です。

今回はファンダメンタルとテクニカル両面からヤマトホールディングスの今後の株価推移を分析していきたいと思います。

 

■ 投資判断基準:中期的に「様子見」、長期的に「買い」

以下の点を総合的に勘案し長期的に8,000円(現状2,200円)程度が妥当な水準と予想。

■ 業績見通し:

▷ 19年3月期の連結経常利益は前の期比50.4%増の542億円、20年3月期も前期比32.7%増の720億円に拡大を見込んでいるが実現が懸念されていること。

■ 指標関連:

▷ ROE・ROAの安定感が高いこと。

▷ 予想PBRは1.55倍で割安水準。

■ 競合他社比較:

▷ 陸運セクター全体の業績が良いこと。

■ 株主還元策の動向:

▷ 今期3円の増配を実施

 

日本最大の宅配企業であるヤマトホールディングスとは?

日本最大の宅配企業であるヤマトホールディングス。

ここではヤマトホールディングスの業務内容を紹介していきたいと思います。

 

①:デリバリー事業

宅急便などに代表される小口貨物輸送事業であり、国内の航空貨物輸送事業を担うヤマトグループの中心的事業です。

 

②:ホームコンビニエンス事業

引越や家財の配達・セッティングなどのサービスを提供しています。

 

③:BIZ-ロジ事業

効率的・発展的な「モノ」の流れと保管に関するサービスを提供しています。

 

④:e-ビジネス事業

情報システムの開発・システムパッケージの販売を行っています。

 

⑤:フィナンシャル事業

商品配達時の代金回収事業や総合リース事業、クレジットファイナンス事業を行っています。

 

⑥:オートワークス事業

ヤマトグループ4万台の車両管理から運送事業者やバス事業者の車両管理も行っています。

 

⑦:その他の事業

幹線輸送事業、ボックスチャーター事業などを提供しています。

 

⑧:海外事業

海外25か国で事業を展開しています。

 

ヤマトホールディングスの過去10年の業績推移(PL)

ここでは日本を代表する宅配企業である、ヤマトホールディングスの過去10年間の業績推移を見ていきます。

決算期売上高営業利益経常利益当期利益
2007/031,161,56767,16169,14833,813
2008/031,225,97368,18070,59435,352
2009/031,251,92155,72057,82125,523
2010/031,200,83461,38863,31332,282
2011/031,236,52064,31465,95133,207
2012/031,260,83266,65067,90219,786
2013/031,282,37366,20267,99135,144
2014/031,374,61063,09664,66434,776
2015/031,396,70868,94770,88937,533
2016/031,416,41368,54069,42639,424
2017/031,466,85234,88534,88418,053
2018/031,538,81335,68536,08518,231
2019/031,625,31558,34554,25925,682
2020/03予1,695,00072,00072,00040,000

 

わかりやすく可視化すると以下の通りとなります。

ヤマトホールディングスの業績推移

ヤマトホールディングスの売上高は順調に右肩上がりに推移しています。

しかし、本業を表す営業利益は2017年に急激に減少しています。

2017年からの業績の急落は大口法人荷主との契約見直しにより宅急便の総個数が減少したためです。

よって、業績に関しては、事業の悪化原因の解消待ちであるといえます。

 

ヤマトホールディングスが4月26日に発表した決算によると、

19年3月期の連結経常利益は前の期比50.4%増の542億円、20年3月期も前期比32.7%増の720億円に拡大を見込んでいると公表しています。

これによって、14期ぶりに過去最高益を更新する見通しになります。

また配当に関しては、今期の年間配当は前期比3円増の31円に増配するとしています。

 

ヤマトホールディングスのROEとROA

ヤマトホールディングスのROEとROAは以下の通り営業利益の推移に沿っています。

決算期ROEROA
2007/037.49%4.08%
2008/037.43%4.04%
2009/035.37%2.94%
2010/036.29%3.67%
2011/036.44%3.69%
2012/033.84%2.15%
2013/036.58%3.70%
2014/036.31%3.37%
2015/036.64%3.47%
2016/037.33%3.62%
2017/033.35%1.62%
2018/033.31%1.63%
2019/034.54%2.29%
2020/03予7.07%3.56%

わかりやすくグラフにして視覚化すると以下となります。

ヤマトホールディングスのROEとROAの推移

よって2017年に急激に悪化して以降、ここ2年間は回復傾向にあります。

ROEは3.31%~7.49%とほぼ4%の範囲で推移していることから、特段問題はないと分析できます。

しかし日本の東証一部の平均値は8%です。まだ伸びしろがあるといえます。

またROAですが、2017年と2018年を除き日本の東証一部の平均値である2%を超えて推移しています。

よって、安定感があるということができます。

 

ヤマトホールディングスの2020年のV字回復は可能なのか?

ヤマトホールディングスでは、2020年に14期ぶりに過去最高益を更新する見通しであると公表しています。

ここではこの2020年のV字回復が可能であるのかを検証していきたいと思います。

中期経営計画「DAN-TOTSU経営計画2019」の総括

ヤマトホールディングスは中期経営計画『DAN-TOTSU経営計画2019』を発表しています。

ⅰ 数値目標と達成度

2019年度計画2019年度の見通し達成度
連結営業収益1兆6,700億円1兆6,253億円
連結営業利益720億円580億円
ROE7.7%4.54%

 

数値目標で達成できた目標はありません。

よって、ヤマトホールディングスの見通しは甘めであるということができます。

 

決算後の株価推移

ヤマトホールディングスの日足チャート

上図はヤマトホールディングスの決算後からの株価推移です。

赤い矢印のように決算発表後は寄り天の上髭となり、株価が翌日以降も下がっていることがわかります。

よって、ヤマトホールディングスの決算の見通しは市場参加者に「?」ととられていることがわかります。

 

みずほ証券の投資判断

みずほ証券では、「アンカーキャストの生産性が想定より低い」ことから、他社を大きく上回る利益成長を続けるのは困難とし、

投資判断を「買い」から「中立」に引き下げています。

 

2020年のV字回復が可能であるのか

見てきたようにヤマトホールディングスの見解が甘いうえに、2019 年4 月18 日に公表した「2019 年3月期通期連結業績予想の修正に関するお知らせ」の内容(下方修正)からも、

現状V字回復できる要素は見当たりません。

よって、市場関係者の判断同様、2020年のV字回復は難しいと分析することができます。

 

ヤマトホールディングスのテクニカル分析

ここではヤマトホールディングスは買いか売りかをテクニカル的な側面から分析していきたいと思います。

ヤマトホールディングスの過去10年の株価推移

下図はヤマトホールディングスの過去10年間の株価推移です。

ヤマトホールディングスの株価チャート

日経平均株価とも業績とも比例しない独特な株価を形成していることがわかります。

 

ヤマトホールディングスのテクニカル分析

ヤマトホールディングスのテクニカル分析

 

上図はヤマトホールディングスの年足で上場からの株価推移を表したものです。

1962年から2000年にかけて38年間をかけてヤマトホールディングスは株価100倍を達成していることがわかります。

また、ヤマトホールディングスが株価100倍を達成するまでに9回もの株式分割を行っています。

よって、1962年から2000年まで、ヤマトホールディングスは「成長株」であったことがわかります。

成長企業から安定企業へ、株価の動きも安定化しつつあります。

よって、テクニカル的には、ヤマトホールディングスは安定企業としての相場初動であると判断します。

4,050円を抜いた場合のターゲット値は8,000円です。

 

ヤマトホールディングスの競合他社比較

ヤマトホールディングス(9064)を同業であるSGホールディングス(9143)と比較検討していきます。

ヤマトHSGH
PER22.0 倍21.6 倍
PBR1.55 倍2.71 倍
配当利回り1.39%1.39%
ROE4.54%12.22%
ROA2.29%5.70%

 

①:PER

日経平均株価の平均PERは13~14倍です。よって陸運セクターは割高であると判断することができます。

 

②:PBR

日経平均株価の平均PBRは2倍です。

よってSGホールディングスは割高、ヤマトホールディングスは割安であるといえます。

 

③:配当利回り

配当利回りは両社1.39%と低い設定です。

これは株が割高水域まで買われているためと判断することができます。

 

④:株主優待

両社株主優待を設定していません。

 

⑤:決算予測

ⅰ ヤマトホールディングス

19年3月期の連結経常利益は前の期比50.4%増の542億円、20年3月期も前期比32.7%増の720億円に拡大を見込んでいる。

 

ⅱ SGホールディングス

19年3月期の連結経常利益は前の期比15.3%増の747億円、20年3月期は前期比1.0%増の755億円との見通し。

 

業績はEC需要の高まりから、両社好調です。特にSGホールディングスは3期連続で過去最高益を更新する見通しです。

 

⑥:競合他社比較総合

好業績の陸運セクター。業績の先回り買いが入り、株価は割高水準まで買われています。

これは人気があるための割高で「よい割高」であるということができます。

購入するとすれば、短期の利ザヤ取りなら、青天井相場であるSGホールディングス。

長期投資ならヤマトホールディングスが面白いといえます。

 

まとめ

今回はファンダメンタルとテクニカル両面からヤマトホールディングスの今後の株価推移を分析してきました。

ヤマトホールディングスはファンダメンタル、テクニカル両面で「様子見」です。

まず、実現が懸念されている今年度の業績が達成されるのかを見極めてから、買いで入っても遅くはないでしょう。

 

 

 

■ 投資判断基準:中期的に「様子見」、長期的に「買い」

以下の点を総合的に勘案し長期的に8,000円(現状2,200円)程度が妥当な水準と予想。

■ 業績見通し:

▷ 19年3月期の連結経常利益は前の期比50.4%増の542億円、20年3月期も前期比32.7%増の720億円に拡大を見込んでいるが実現が懸念されていること。

■ 指標関連:

▷ ROE・ROAの安定感が高いこと。

▷ 予想PBRは1.55倍で割安水準。

■ 競合他社比較:

▷ 陸運セクター全体の業績が良いこと。

■ 株主還元策の動向:

▷ 今期3円の増配を実施

 

 

以上、【9064】株価暴落中のヤマトホールディングスは買い!?今後の株価見通しを考察。…でした。




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マネリテ!編集部は東京大学経済学部卒の証券アナリストを中心とした金融知識が豊富なメンバーが株式投資初心者に向けて有益な情報を提供しています。株式投資を行う意義から基本用語、おすすめのネット証券・投資先情報をお伝えするメディアです。日本人の金融リテラシーの向上と明るい未来を目指しています。