「カクヤス」(7686)の上場日は12/23(月)で、上場市場は東証2部となります。
主幹事は野村証券で、IPOの申し込み期間(BB期間)は12/5(水木)~12/11(水)となっています。
今回はカクヤスとはどのような企業なのかを事業内容や業績をチェックしながら詳しくご紹介していきたいと思います。
また、カクヤスの気になる初値予想やIPOでの購入情報もご紹介していきます。
Contents
カクヤスのIPOスケジュール
カクヤスの主幹事は国内最大手の証券会社である野村證券です。
時価総額は114億円程度、吸収金額は35.7億円程度と、東証2部ではやや大型の部類に入ります。
ブックビルディング期間 | 12月5日(木)~12月11日(水) |
市場 | 東証2部 |
公募価格決定 | 12月12日(木) |
購入申し込み期間 | 12月13日(金)~12月18日(水) |
上場予定 | 12月23日(月) |
当選株式数 | 公募株式数:285,000株 売出株式数:1,757,000株 オーバーアロットメント(OA):306,300株 |
想定価格 | |
仮条件価格 | 1,520円 〜 1,600円 |
公募価格 |
カクヤスの各証券会社の割当
それでは、カクヤスの引受証券会社及び引受シェアを確認していきたいと思います。引受シェアは以下のとおりです。
証券会社 | 株数 | 割当率 |
野村証券 | 1,838,000 | 90.01% |
みずほ証券 | 81,600 | 4.00% |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 40,800 | 2.00% |
SMBC興証券 | 20,400 | 1.00% |
マネックス証券 | 20,400 | 1.00% |
SBI証券 | 20,400 | 1.00% |
岩井コスモ証券 | 20,400 | 1.00% |
カクヤスの事業内容
カクヤスの基本スペックは以下のとおりです。
社名 | 株式会社カクヤス |
コード番号 | 7686(東証2部) |
設立 | 大正10年11月 |
資本金 | 10,000万円 |
本社所在地 | 東京都北区豊島2-3-1 |
電話番号 | 03-5959-3088 |
代表者 | 代表取締役社長 佐藤 順一 |
従業員数 | 1,430人 |
事業内容 | 卸売業 |
カクヤスの事業内容
カクヤスは「お客様の利便性を中心としたお届け販売事業」を経営の中心としています。
カクヤスの事業の中核は、個人及び法人向けの酒類の販売であると言えます。
東京都23区内において、1店舗の商圏を半径1.2kmとモデル設定し、「23区内どこでもビール1本から2時間以内(当時)で無料配達」する体制を構築し、
受注から配達まで一貫して自社で提供するワンストップのサービスを作り上げてきました。
一般的な酒類販売業者は、個人向け及び法人向けの酒類の販売手法の違いから、いずれか一方に特化しているケースが多いですが、
カクヤスは両方の顧客に対しサービスを提供することで配達量を増加させ、
短時間でお届けできるよう効率的な配達サービスの実現を目指しています。
カクヤスの上場理由は?上場による資金調達の目的を探る
新規発行による手取り額
カクヤスは上場することにより手数料を引いた手取り金額で35.7憶円の資金を獲得します。
資金使途は後述のとおりです。
調達資金の使途
目論見書によると、同社の上場の目的を以下としています。
独立的な資金調達能力の拡大による自己資本の充実
社会的信用度及び知名度の向上
優秀な人材の確保並びに人材のモラル向上
今後は資本市場においてさらに認められた存在して、
事業をさらに発展させることで従業員に安心して働いてもらえるような企業とすることとしています。
目論見書から見るカクヤスの売上高と利益推移
本項目では、カクヤスの業績を分析していきたいと思います。
売上高の推移
売上高(百万円) | |
2015年3月期 | 105,789 |
2016年3月期 | 109,503 |
2017年3月期 | 110,963 |
2018年3月期 | 109,806 |
2019年3月期 | 108,507 |
2019年9月 | 55,198 |
上記のとおり、カクヤスの売上高は安定的に推移していることがわかります。
2020年3月期も、このままのペースで売上を計上することができれば2019年3月期と同水準程度になりそうです。
経常利益も安定的に推移
経常利益(百万円) | |
2015年3月期 | 1,078 |
2016年3月期 | 1,238 |
2017年3月期 | 748 |
2018年3月期 | 1,179 |
2019年3月期 | 1,807 |
2019年9月 | 805 |
経常利益は2017年3月期にやや減少幅が大きくなりました。
しかし、2018年3月以降復調し2019年3月期には前年比大幅な増加となりました。
2019年9月時点では前年比ややマイナスですが、過年度比では経常利益も高い水準となりそうです。
EPSも成長基調
EPS(円) | |
2015年3月期 | 68.38 |
2016年3月期 | 53.79 |
2017年3月期 | 68.77 |
2018年3月期 | 60.04 |
2019年3月期 | 103.03 |
2019年9月 | 70.53 |
EPSも概ね安定的に推移しています。同社が安定的に事業を成長させてきた証拠であると言えるでしょう。
カクヤスの上位10位までの大株主とロックアップ情報
株主名 | 保有比率 | ロックアップ情報 |
(株)SKYグループホールディングス | 87.16% | 90日間 |
カクヤス従業員持株会 | 2.70% | |
佐藤 順一(社長) | 0.25% | 90日間 |
田島 安希彦 | 0.20% | 90日間 |
並木 吉彦 | 0.12% | 90日間 |
赤坂 敏明 | 0.12% | 90日間 |
関口 信彦 | 0.12% | 90日間 |
森山 雅司 | 0.07% | |
新里 正 | 0.07% | |
川口 雅博 | 0.07% |
ロックアップとは、株式が公開された後に一定期間、市場で持株を売却することができないようにする制度のことです。
上位株主には軒並みロックアップが付されています。
ですが、上位株主にベンチャーキャピタル等が名を連ねておらず、エグジット上場ではなさそうです。
カクヤスの初値予想
ここでは編集部独自のカクヤスの初値予想を公開していきたいと思います。
カクヤスの総合評価
【カクヤス購入のメリット】
- 安定的な経営がなされており、今後も大幅な業績悪化は想定しにくい
- IPOは上値抵抗がないため、比較的株価が上昇しやすい
- 上位株主にベンチャーキャピタル等が存在しない
【カクヤス購入のデメリット】
- 酒類の卸売りはっ不人気なセクターであり、注目が薄い
- 12月はIPOラッシュであるため、資金が分散しやすい
- 上場の目的や資金使途が不明瞭
カクヤスの初値予想は2,687円
カクヤスの競合として考えられる上場企業として、やまや、チムニー(居酒屋チェーン花の舞を展開)、国分ホールディングス及び日本酒類販売等が考えられます。
このうち上場企業はやまや及びチムニーですので同2社のPERを用いて同社のEPSから推定株価を算出します。
企業名 | PER |
やまや | 12.18 |
チムニー | 63.73 |
PERは上記2社の平均値である37.96倍を用いることとします。
カクヤスの直近の業績を鑑み、EPSは、過去5年間の平均値である70.80を用います。
以上より、想定初値は、PER37.96倍×EPS70.80=2,687円程度となります。
まとめ
12月23日上場のカクヤスですが、業績は魅力的な銘柄であるものの12月はIPOラッシュとなっています。
他企業の上場も控えており投資家の資金不足が懸念されます。
他社の赤字上場を経たのちの黒字上場ですので好感を得られる可能性が高いです。
特に上場目的が不明瞭であるため、今後どのように会社規模を拡大していくのかに注目が集まりそうです。
コメントを残す