「日経レバレッジ」「ダブルインバース」と呼ばれるETFが存在します。
どちらも日経平均の2倍値動きするETFです。
「日経レバレッジ」は日経平均が上がると2倍上昇。
「ダブルインバース」は日経平均が下がると2倍上昇するという動きをします。
少ない金額で購入でき、投資効果も2倍になるため、うまく活用すれば投資の強い味方になります。
このコンテンツで、日経レバレッジとダブルインバースの仕組みとその魅力を見ていきましょう。
目次
Contents
そもそもETFとは
ETFとは、「上場投資信託」のことです。
株価指数に連動した設計になっているものが多く、「日経平均」や「TOPIX」に合わせて値動きするものをはじめ、さまざまな種類があります。
小額から購入可能で、投信と同様、その指数に含まれる投資対象に分散投資をしている効果があります。
また、投資信託は価格が分からない状態で注文し、一日に一回しか値段がつきません。
一方ETFは、株のように相場が動いている間は常に値段が動いています。
売買方法も株と同じで、成行や指値が使えるほか、信用取引も可能です。
(目次に戻る)
日経レバレッジとは
さて、ようやく本題です。
「日経レバレッジ」は、日経平均の2倍の値動きをするETFです。
たとえば、日経平均が1%上がると日経レバレッジは2%上昇。
日経平均が1%下がると日経レバレッジは2%下落します。
日経平均に連動するレバレッジ型ETFはいくつか存在します。
しかし、一番取引高が多いのは1570(NEXT FUNDS)「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」です。
他にも、TOPIXに連動するものや、JPX日経400に連動するレバレッジ型ETFなどがあります。
好みや、自分の相場予想に合わせて選んでいきましょう。
(目次に戻る)
日経レバレッジの魅力
日経レバレッジの最大の魅力は、投資効率の良さでしょう。
「レバレッジ」とは、小さな力で大きなものを動かすことがでる、テコという意味です。
日経レバレッジは、先述のとおり、日経平均の2倍の値動きをします。
同じ金額を投資しても、単純な日経平均連動のETFと日経レバレッジを比べると、相場上昇時に2倍の利益が見込めるのです。
そのため、うまくタイミングが合えば、短期的に大きな利益を生み出すことができます。
(目次に戻る)
日経レバレッジで取引する上での注意点
とても魅力的な日経レバレッジですが、取引する上で注意すべき点もいくつかあります。
まず理解すべき点として、2倍の値動きをするということ。
これは、相場が下落する局面では日経レバレッジは日経平均の2倍値下がりするということです。
単純な日経平均連動のETFと比べ、「ハイリスク・ハイリターン」なのです。
「2倍儲かる」ということだけではなく、「2倍損する可能性もある」ということもあるのです。
これを念頭に置いて、相場が崩れたときは「早めに損切りする」。
「投資金額を小さくする」など、慎重に取引しましょう。
また、日経レバレッジは変動率がその日の変動率の2倍になるように算出されています。
何日も持っているとだんだん日経平均の変動率と乖離が出てきます。
そのため、短期的な投資には向いていますが、長期的に持つのはあまりおすすめしません。
(目次に戻る)
ダブルインバースとは?
ダブルインバースは、日経平均と逆の動きをするETFで、変動率は日経平均の2倍です。
つまり、日経平均が1%下がるとダブルインバースは2%値上がりします。
反対に、日経平均が1%上がるとダブルインバースは2%値下がりします。
レバレッジ型のように、指数と逆連動するインバース型のETFはいくつかあります。
日経平均やTOPIX、JPX日経400に連動しているものもあります。
(目次に戻る)
ダブルインバースの魅力
ダブルインバースは、日経レバレッジとは逆で、日経平均が下がりそうと思ったときに活躍するETFです。
ダブルインバース相場が下がる局面で値上がりします。
そのため、信用取引の空売りのような効果があります。
空売りとは、相場が今から下がりそうと思ったときに、証券会社から借りた株を売ります。
そして、相場が下がってから売った株を買い戻して株を証券会社に返し、その売買の差額が利益になるという取引です。
しかし、信用取引をするには証券会社に信用口座を作ったり、担保を入れたりと、さまざまな制約があります。
また、取引金額も非常に大きくなります。
これに対してダブルインバースは、2万円台から投資することができます。
普通の株のように取引きすることが可能なため、初心者でも手軽に空売りと同じような投資効果を得ることができるのです。
また、相場全体が下落する局面で持っておくと、他に保有している普通の株とは逆の動きをします。
資産全体での損失を抑えるという効果もあるのです。
(目次に戻る)
ダブルインバースで取引する上での注意点
注意点については、日経レバレッジと同じです。
ハイリスク・ハイリターンであるため、慎重な取引が必要です。
長期保有してしまうと日経平均との変動率の乖離が出てくることに注意しましょう。
(目次に戻る)
日経レバレッジやダブルインバースの運用の仕組み
最後に、少し難しいですが、日経レバレッジとダブルインバースETFの運用の仕組みについて解説していきます。
これらのETFは、運用会社が先物取引を行って運用しています。
具体的には
- 日経レバレッジ → 純資産額の2倍の先物買いポジションを建てる
- ダブルインバース → 純資産額の2倍の先物売りポジションを建てる
ということをしています。
純資産額とは、そのETFに組み入れられている株の時価に配当金を加え、運用に必要な費用を差し引いたものです。
たとえば、日経レバレッジの純資産が仮に100億円だった場合、200億円分の先物を買い建てます。
その上で、リバランス取引や、設定・解約に応じた取引を日々行っています。
リバランス取引とは、先物の買い建て(売り建て)額と、純資産額の差額を埋める作業です。
例えば、上のケースで先物が2%上昇すると、日経レバレッジは2倍上昇するので4%上がった104億円になります。
一方200億円分買い建てている先物は2%しか上昇しないので204億円です。
純資産額の2倍の金額と先物の買い建て金額を合わせなければレバレッジが2倍になりません。
従い、【(104億×2)-204億円】の4億円を新たに買い建てる必要があります。
これがリバランス取引と呼ばれるものです。
リバランス取引では、おおむね相場が上昇すると先物を買い増し、相場が下落すると先物を売る取引をしています。
また、新たにETFの解約や設定があった場合にも、その都度先物の買い増しや売却を行っています。
日経レバレッジでは、設定があると先物を買い、解約があると先物を売ります。
反対に、ダブルインバースでは、設定があると先物を売り、解約があると先物を買い戻しています。
(目次に戻る)
まとめ
日経レバレッジやダブルインバースについて簡単にまとめてきました。
どちらも小額から投資することができ、投資効率もよく商品性もわかりやすいことから、個人投資家の間でも人気のETFです。
そのため、相場が大きく動く局面では、売買高が上位にランクインすることも少なくありません。
日経レバレッジやダブルインバースは、上手く使えば大きな利益を生み出せるETFです。
以上、「日経レバレッジ(NF)」「ダブルインバース」とは?人気ETFの仕組みとその魅力をわかりやすく解説。…でした。