【VIG】評判のバンガード社の連続増配ETFで「Vanguard Dividend Appreciation ETF」を評価!VOOと比して投資妙味はあるのかを検討する。

【VIG】評判の増配ETFである「Vanguard Dividend Appreciation ETF」を評価!VOOと比して投資妙味はあるのかを検討する。

これまで大型株の高配当利回り戦略や、増配銘柄への投資戦略が数十年にわたり市場平均を凌駕してきていることを取り上げてきました。

 

 

信太郎
上の記事の中で高配当利回りETFである「SPYD」については以下の観点から投資妙味が薄いと考察してきたの!

 

  • 日米での二重課税(30%)の影響が甚大となる
  • 高配当利回りの有効性が確認されている大型株以外も含まれているためパフォーマンスが低い可能性がある

 

 

米国株のETFの種類は豊富にあり、中には増配銘柄だけを組み入れたETFも存在します。

今回取り上げるのは増配10年以上の銘柄だけを組み入れたETFであるVIGについて以下点について考察していきたいと思います。

 

【今回の瓦版内容】

 

  • VIGとはどのようなETFなのか?
  • VIGは投資妙味があるETFなのか?
  • VOOとどちらが魅力的なのか?
  • VIGより魅力的な大型株増配ポートフォリオとは?

 

VIG(Vanguard Dividend Appreciation ETF)とはどのようなETFなのか?

 

信太郎
まずはVIGとはどのようなETFなのか?という点から見ていこうかの!

 

連動するインデックスはNASDAQ Dividended Achievers Select Index

ETFは連動を目標とする指数が存在します。

 

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2019年2月16日

 

信太郎
一番有名なETFでいうとVOOはS&P500指数に連動するETFじゃな!VIGが連動を目指すのはNASDAQ US Dividend Achievers Select Indexじゃ!
淀姫
NASDAQということはNASDAQの銘柄から選ばれておるんですか?
信太郎
そんなことはないぞ!P&Gのようにニューヨーク證券取引所に上場されている銘柄も含まれておる!ただNASDAQが算出しておるということじゃ!

 

以下がナスダックが発表している定義です。重要な点は赤字にしています。

The NASDAQ US Dividend Achievers Select Index is comprised of a select group of securities with at least ten consecutive years of increasing annual regular dividend payments.

The NASDAQ US Dividend Achievers Select Index is a modified market capitalization weighted index.

参照:Nasdaq

 

信太郎
つまり、最低でも10年間以上増配している企業の時価総額加重平均指数ということじゃな!

 

米国には25年以上増配している配当貴族50年以上増配している配当王銘柄が存在しています。

増配10年を達成している企業は非常に多いのです。

ちなみに2020年4末時点で配当貴族は139銘柄、配当王は29銘柄存在しています。

 

また、時価総額加重平均指数はTOPIXS&P500指数のような指数です。

企業の規模である時価総額が大きくなればなるほど組み入れ比率が高くなります。

 

構成銘柄数と構成セクター比率

VIGの構成銘柄数は183銘柄となっています。

ただ時価総額加重平均指数ですので上位10銘柄で40%近い構成比率を誇っています。

 

保有銘柄シンボルファンド構成比
Microsoft Corp.MSFT      6.08%
Walmart Inc.WMT       4.67%
Procter & Gamble Co.PG        4.54%
Visa Inc. Class AV         4.49%
Johnson & JohnsonJNJ       4.17%
Comcast Corp. Class ACMCSA     3.20%
Abbott LaboratoriesABT       3.05%
McDonald’s Corp.MCD       2.71%
Costco Wholesale Corp.COST      2.52%
Medtronic plcMDT       2.47%
合計37.89%

 

信太郎
マイクロソフトはテクノロジー企業じゃのに増配しつづけておるんじゃな!素晴らしいの!

 

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2019年7月31日

 

またセクター別の比率では資本財や消費サービスが多くなっています。

安定して消費の拡大で利益を伸ばしている企業の比率が多くなっているということですね。

VIGのセクター別比率
構成比率
資本財24.60%
消費サービス19.90%
ヘルスケア13.00%
消費財11.20%
金融10.90%
テクノロジー10.70%
公益6.00%
素材3.70%

 

 

VIGは投資に値するETFといえるのか?

では今回の本題部分に入っていきたいと思います。VIGは投資妙味があるETFなのでしょうか?

 

信太郎
結論からいうと良い選択肢じゃが、ベストではないという感じじゃな!

 

魅力的な点①:大型株の増配銘柄は高いリターンを示現している

前回のシーゲル教授の「株式投資の未来」の内容を紹介した通り、大型株高配当投資と増配投資は市場平均を大幅にアウトパフォームしています。

 

◾️以下図の定義:

 

  • ダウ10種:ダウ平均の中から配当利回りが高い10銘柄を選択
  • S&P10種:S&P500種の時価総額上位100銘柄の配当利回りの高い10銘柄を選択
  • S&Pコア10種:S&P500指数の中で15年以上増配している企業の中から配当利回りの高い10銘柄
  • ダウコア10種:S&P500指数の中で15年以上増配している企業の中から配当利回りの高い10銘柄

 

株式投資の未来の結果

 

増配をしているということは確固とした事業基盤を有していることを意味しています。

更に、配当を増額していくというコミットメントを出すことで経営者のモラルハザードを防いで効率的な経営が実現する確度が高くなります。

結果的に高いリターンを叩き出すことになっていると同書の中で言及されています。

 

魅力的な点②:高配当利回りのように二重課税の影響を軽減できる

大型株の高配当利回りのポートフォリオも高いリターンを出すという結果がでています。

しかし、残念ながら米国で拠出された配当金は米国側で10%に加え、日本側で20.315%の二重課税が課せられます。

 

米国株の配当金は二重課税!?投信に適用される二重課税調整と共に仕組みを解説!外国税額控除を利用して取り返すことも考えよう。

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2020年5月13日

 

SPYDのような高配当ETFですと配当利回りが6%近く拠出される局面もあります。

すると、再投資する場合は30%分が毀損するので4.2%分しか再投資できず結果的に1.8%分が毀損することとなるのです。

しかし、VIGの場合は2%程度の配当利回りでありS&P500指数と大差ない水準ですので配当金再投資時に毀損する分は0.6%に収めることができます。

 

淀姫
この1.2%分の差は大きいですね!!

 

問題点①:増配10年だと期間が短い

配当貴族の増配記録の基準は25年、シーゲル教授のコア指数も15年を設定しています。

増配記録が15年以上ですと、景気の1サイクルを経験することができます。

不況になったとしても配当金を増額できる強い意志と事業基盤を保有している企業をソートすることができるのです。

 

しかし、10年ですと丁度リーマンショックから立ち直る時からの記録となります。

この10年間景気は拡大し続けましたので、配当金の増額も造作もなかったでしょう。

 

信太郎
欲をいうと増配記録は最低でも15年、できれば25年以上あった方が増配銘柄としての地位を確立した企業ということができるの!

 

問題点②:大型銘柄ばかりではない

時価総額加重平均指数ですので大型株の組入比率は均等ポートフォリオのSPYDよりは大きくなります。

しかし、S&P500指数の平均以下の時価総額の銘柄が30%以上組み入れられています。

特に有効性が確認されているのは大型銘柄の増配企業ですので出来れば大型銘柄で固めたいところです。

 

VIGとVOOを比較-下落耐性の高さが魅力-

ではVIGは市場平均を凌駕しているのでしょうか?

VOOとの過去リターンを比較比較

以下がVIGとVOOのリターンです。

 

年率リターンリスク(=標準偏差)年間最大利益年間最大損失
VIG(青)10.88%11.84%29.62%▲8.46%
VOO(赤)11.65%13.13%32.39%▲9.30%

 

VOOとVGIのリターンの比較

 

淀姫
VOOの方がリターンが高いですね?
信太郎
うむ。景気拡大期じゃとS&P500の方が強いが、不況の時期となるとまた別の結果となるんじゃ。もう少し長期で見てみようかの!

 

VFINXと長期で比較

VOOは2011年からと比較的最近に組成されています。

しかし、同じくバンガード社がS&P500に連動するよう組成しているインデックスにVFINXがあります。

VOOとVFINXは殆ど同じ動きを2011年以降していますがVFINXと比較することでVIGが組成された2006年からを比較することができます。

 

信太郎
つまりリーマンショックの時の値動きを見ることができるということじゃ!

 

年率リターンリスク(=標準偏差)年間最大利益年間最大損失
VIG(青)7.98%13.42%29.62%▲26.69%
VFINX(赤)7.66%15.42%32.18%▲37.02%

 

VFINXとVGIのリターンの比較

 

淀姫
年率リターンが優れているだけでなく、最大損失をS&P500に対して抑えられていますね!!

 

下落相場ではVIGが強く、上昇相場ではVOOの方が素直に強いといえそうですね。

 

VIGより魅力的な大型超長期増配株

VIGは下落体制に強い反面上昇局面を取りにくいという結果となっていることが分かります。

ただ、大型株の長期銘柄であれば基本的に市場平均を大幅に凌駕することができます。

 

以下は増配年数が長い銘柄順にS&P500指数の平均時価総額である450億ドルを超える銘柄を選んだリストです。

機械的に増配年数上位でソートして時価総額が高い順から選んでいるので恣意性は働かせていません。

 

名前Ticker増配年数配当利回り時価総額(億ドル)年間配当金
Procter & Gamble Co.PG642.6827733.16
3M CompanyMMM623.878745.88
Johnson & JohnsonJNJ582.6938084.04
Coca-Cola CompanyKO583.5719791.64
Colgate-Palmolive Co.CL572.505941.76
Target Corp.TGT522.415752.64
Altria Group Inc..MO508.567113.36
Becton Dickinson&CoBDX482.636754.28
Kimberly-Clark Corp.KMB483.094634.28
PeosiCo & CoPEP472.8918003.82

 

上記の銘柄を10%ずつ組み入れたポートフォリオとVIGとVFINX(=S&P500)のリターンを比較したものが以下です。

平均年間配当利回りは3.48%と若干高いですが高配当というレベルではないので二重課税による毀損はある程度抑えられています。

 

信太郎
以下リターンは配当金を再投資し、年一回リバランスを行なった場合のリターンじゃ。

 

年率リターン年率リターン
(配当税既存分加味)
リスク
(=標準偏差)
年間最大利益年間最大損失
大型増配戦略(黄色)9.74%8.70%11.92%29.25%▲20.95%
VIG(青)7.98%7.38%13.42%29.62%▲26.69%
VFINX(赤)7.66%7.06%15.42%32.18%▲37.02%

 

長期増配銘柄のリターンの高さ

 

信太郎
年率リターンが最大で、リスクは最小で尚且つ最大損失も最小に抑えられておるの!

 

因みにリバランスを行わなかった場合のリターンは以下となります。

 

信太郎
つまり、一度購入したら配当金だけ同一銘柄に再投資して、後は放置という戦略じゃな!

 

 

年率リターン年率リターン
(配当税既存分加味)
リスク
(=標準偏差)
年間最大利益年間最大損失
大型増配戦略(黄色)9.22%8.26%12.12%29.07%▲20.87%
VIG(青)7.98%7.38%13.42%29.62%▲26.69%
VFINX(赤)7.66%7.06%15.42%32.18%▲37.02%

 

リバランスを行わなかった場合のリターン

 

淀姫
リターンは減ってしまったものの、同じようにリターン、リスク、最大損失と優れたリターンを叩きだしていますね!

 

まとめ

 

信太郎
今回のまとめは以下ぞ!

 

【VIGの概要】

  • 最低でも連続10年以上増配している銘柄で構成した時価総額加重平均指数
  • 消費財や資本財セクターの比率が高くテクノロジーセクターの比率が低い
  • 上位10銘柄で40%の構成比率を占めている

 

【VIGの強み】

  • シーゲル教授の提唱する大型株増配投資をある程度の確度で行うことができる
  • 均等ポートフォリオに比して大型株比率が高く配当戦略の効果が得られやすい

 

【VIGの弱み】

  • 増配歴が10年だと景気の1サイクルを経験できていない銘柄も存在している
  • 30%はS&P500指数の時価総額の平均未満の銘柄で構成されている

 

【VOOやVFINXといったS&P500連動ETFとの概要】

  • 上昇相場においてはS&P500より弱いが下落相場では底堅さを見せている
  • VOOが組成された2011年からのリターンは市場平均に劣後
  • リーマンショックを経験したVFINXとの2006年からの比較だとVIGに軍配

 

【より魅力的な大型増配銘柄ポートフォリオ】

  • S&P500の平均時価総額を超える銘柄の中から配当増配年数が長い順に10銘柄を均等ポートフォリオで組成
  • 上記ポートフォリオを配当金再投資(年一回リバランスするかどうかは自由)
  • 年率リターン、リスク、最大損失の小ささ全てにおいてVIGやS&P500を大幅に凌駕

 

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2019年7月2日

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