サラリーマンが最も気になる話題のひとつが給料です。
そこで一般的なサラリーマンはどの程度の月収を貰っているのかを国税庁が公開している「民間給与実態統計」のデータから調査しました。
年齢別や職業別、勤続年数別など様々な平均月収を調べてみました。
自分が平均月収と比べてどの程度貰っているのかの確認や、今後の資産運用をする際の指針に役立ててください。
目次
サラリーマンの平均年収・月収はいくら?
それでは国税庁が公開している「民間給与実態統計」の調査結果から、サラリーマンの月収がどのくらいなのかを調べてみたいと思います。
まずは直近3年の正規・非正規社員の平均給与は以下の通りです。
- 平成27年 420.4万円
- 平成28年 421.6万円
- 平成29年 432.2万円
少しずつではありますが、徐々に平均給与は伸びているようですが、平均賞与はどうなっているのでしょうか。
こちらも直近3年分を並べてみたいと思います。
- 平成27年 64.8万円
- 平成28年 64.5万円
- 平成29年 68.0万円
平成27年から28年にかけては少し減っていますが、29年には回復して伸びていることが分かります。
そして気になる月収です。
給与から賞与を引き、12で割った額がどうなるか計算してみましょう。
- 平成27年 29.6万円
- 平成28年 29.7万円
- 平成29年 30.3万円
これから分かる通り、サラリーマン(正規・非正規)の平均月収は約30万円になるようです。
- 平成27年 40.4万円
- 平成28年 40.6万円
- 平成29年 41.1万円
■ 正規・非正規合計
- 最高 平成19年 30.7万円
- 最低 平成24年 29.0万円
このように5年しか経っていなくても、月収が1万円以上変動することがあるようです。
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年齢別平均月収
サラリーマンの平均月収を調べてみましたが、これは全ての年代を合わせての平均でした。
それでは、年齢別ではどのようになるのでしょうか。
平成29年の平均給与における賞与の割合は約18.7%なのでその額を引き、12で割った数字を月収とすると次のようになりました。
年齢 | 平均給与(万円) |
19歳以下 | 8.94 |
20-24 | 17.75 |
25-29 | 24.46 |
30-34 | 27.57 |
35-39 | 29.95 |
40-44 | 31.71 |
45-49 | 33.60 |
50-54 | 35.16 |
55-59 | 34.96 |
60-64 | 26.83 |
65-69 | 21.27 |
70歳以上 | 19.51 |
実際の数字とは多少差があるかもしれませんが、このようになっています。
40代から30万円を超えるようになり、50代前半がピークとなるようです。
そしてその後は緩やかに下がっていきます。
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男女での平均給与の違い
年齢別の平均月収を見ると、年を重ねるにつれて月収が上がっていくように思えたと思います。
ですがこれには男女差があり、男性は歳を重ねるにつれて収入が上がっていく一方で、女性は上がるどころか下がっていました。
それでは年齢と男女別の平均給与を見てもらいたいと思います。
- 19歳以下 男性155万円 女性111万円
- 20~24 男性279万円 女性243万円
- 25~29 男性393万円 女性318万円
- 30~34 男性461万円 女性315万円
- 35~39 男性517万円 女性313万円
- 40~44 男性569万円 女性308万円
- 45~49 男性630万円 女性310万円
- 50~54 男性677万円 女性302万円
- 55~59 男性669万円 女性298万円
- 60~64 男性508万円 女性232万円
- 65~69 男性393万円 女性203万円
- 70歳以上 男性353万円 女性208万円
- 全体平均 男性532万円 女性287万円
全体平均(男性532万円:女性287万円)で見ると男性と女性で250万円近く差が開いていることが分かると思います。
女性は20代前半をピークに徐々に下がりはじめ、男性がピークを迎える50代後半で300万円を割っています。
全体平均の給与を、先ほど計算した方法を使って月収を求めてみると、
- 全体平均 男性36万円 女性19.4万円
このように月収でもかなりの差が開いてしまいました。
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業種別平均月収
業種によっても平均月収にかなりの違いがあります。
まずは平均月収の高い業種トップ3を見てみましょう。
- 1位 50.6万円:電気、ガス、熱供給、水道業
- 2位 40.5万円:情報通信業
- 3位 39.5万円:金融業、保険業
全体の平均月収が約30万円という事を考えると、トップ3はどれもかなり高い月収なっています。
特に電気、ガス、熱供給、水道業は、2位の情報通信業と10万円以上の差を付けて大差の1位になりました。
逆に平均月収の低い業種はどのようなものなのでしょうか。
- 1位 19.6万円:宿泊業、飲食サービス業
- 2位 23.7万円:農林水産、鉱業
- 3位 25.6万円:サービス業
こちらは宿泊業、飲食サービス業が唯一の10万円台という結果になりました。
農林水産、鉱業、サービス業も全体平均と比べて5万円からそれ以上少ない数字です。
業種間によっては平均月収に30万円以上も差が付き、賞与を含めた年収だと電気、ガス、熱供給、水道業が747万円なのに対し、宿泊業、飲食サービス業は253万円と、500万円近くの差が付いてしまうようです。
公表されているほかの8業種は以下のようになっています。
- 4位 35.5万円:建設業
- 5位 34.2万円:学術研究、専門、技術サービス業、教育、学習支援業
- 6位 33.9万円:製造業
- 7位 31.4万円:運輸業、郵便業
- 8位 31.0万円:不動産業、物品賃貸業
- 9位 29.2万円:総合サービス業
- 10位 28.6万円:医療、福祉
- 11位 26.6万円:卸売業、小売業
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勤続年数別の平均月収
勤続年数によってどの程度平均月収が変わるのかも見てみましょう。
こちらも賞与分を引いた額を12で割った数字を月収として見ていきます。
勤続年数 | 平均給与 | 男 | 女 |
1年~4年 | 21.14 | 25.8 | 16.1 |
5年~9年 | 25.61 | 31.3 | 18.4 |
10年~14年 | 30.22 | 36.7 | 20.7 |
15年~19年 | 34.35 | 41.3 | 22.9 |
20年~24年 | 39.16 | 45.6 | 25.2 |
25年~29年 | 44.31 | 50.1 | 28.5 |
30年~34年 | 46.41 | 51.9 | 28.7 |
35年以上 | 37.94 | 43.8 | 22.6 |
これを見ると、35年以上勤めている場合を除き、勤続年数が長くなればなるほど平均月収が上がっていくということが分かります。
特に30年から34年のグループは、1年から4年のグループと比べると2倍以上の月収を得ているようです。
それ以外に注目したいのは、女性の平均月収です。
先ほど紹介した男女の年齢別平均給与では、女性の場合は年齢が上がっても給与は上がらないどころか下がっていました。
ですが、勤続年数が長くなった場合は、女性でも平均月収が上昇しています。
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まとめ
平成29年度の結果を見ると、一般的なサラリーマンの月収は30.3万円でしたが、業種や年齢、勤続年数によってかなりの差が生まれることがわかります。
そのため業種の選び方を間違えると、平均月収を超えるということは大変難しいことになりますし、女性の場合はそれがさらに難しくなります。
そのため月収を増やしたいと思った場合は、長く働ける会社なのか、業種の平均月収はどのくらいなのかといったことを確認してから、就職したり転職したりするのが良さそうです。
但し、給与が上がらなくても、「資産運用」を行うことで年収は高めることができます。
意外と、多くの人は資産運用に興味が薄く、資産運用をしているだけでも長期的に見れば確実に平均給与を超えた生活水準は確保できるはずです。
フランスの経済学者でかの有名なトマピケティ氏の「21世紀の資本」でも、『経済成長率(g)< 資本収益率(r)』はとても有名な話ですね。
経済成長率(g)はその上昇にに応じて人々の「賃金」も上昇していくことから、「経済成長率」=「賃金成長率」と読み替えます。
資本収益率(r)は資産運用した場合の運用利回りのことです。
この2つを膨大なデータでまとめたところ、資本収益率、つまり資産運用の方が効率よく収益をあげていくことを証明しているのです。
給料を高めることのみに力を入れるよりも、資産運用の必要性やお金について学ぶことも非常に重要です。
この機会に一度、勉強を始めてマネーリテラシーを高めていきましょう。
以上、【うわっ…私の年収、低すぎ…?】サラリーマンの平均年収・月収はどれくらい?その推移・年代別・業種別など様々な切り口から徹底調査。…の話題でした。