AHCグループ(7083)の上場日は2/25(火)で、上場市場は東証マザーズとなります。主幹事はみずほ証券で、IPOの申し込み期間(BB期間)は2月5日(水)~2月12日(水)となっています。
今回はAHCグループとはどのような企業なのかを事業内容や業績を目論見書をチェックしながら詳しくご紹介していきたいと思います。
また、AHCグループの気になる初値予想やIPOでの購入情報もご紹介していきます。
Contents
AHCグループのIPOスケジュール
AHCグループの主幹事は国内大手5社の一角、みずほ証券です。
上場規模は12.80億円程度と、マザーズではやや小型の部類に入ります。
ブックビルディング期間 | 2月5日(水)~2月12日(水) |
市場 | 東証マザーズ |
公募価格決定 | 2月13日(木) |
購入申し込み期間 | 2月14日(木)~2月19日(水) |
上場予定 | 2月25日(火) |
当選株式数 | 公募460,000株、売り出し100,000株、オーバーアロットメント84,000株 |
想定価格 | 1,990円 |
仮条件価格 | |
公募価格 |
AHCグループの各証券会社の割当
それでは、AHCグループの引受証券会社及び引受シェアを確認していきたいと思います。引受シェアは以下のとおりです。
証券会社 | 株数 | 割当率 |
みずほ証券 | 504,000 | 90.00% |
SMBC日興証券 | 16,800 | 3.00% |
SBI証券 | 11,200 | 2.00% |
マネックス証券 | 5,600 | 1.00% |
いちよし証券 | 5,600 | 1.00% |
エース証券 | 5,600 | 1.00% |
岩井コスモ証券 | 5,600 | 1.00% |
ちばぎん証券 | 2,800 | 0.50% |
東洋証券 | 2,800 | 0.50% |
AHCグループの事業内容
AHCグループの基本スペックは以下のとおりです。
社名 | AHCグループ株式会社 |
コード番号 | 7083(東証マザーズ) |
設立 | 2010年 |
資本金 | 8,000,000円 |
本社所在地 | 東京都千代田区岩本町二丁目11番9号イトーピア橋本ビル2階 |
代表者 | 代表取締役社長 荒木 善貴 |
従業員数 | 331人 |
事業内容 | 障害福祉事業(放課後等デイサービス、就労継続支援B型、共同生活援助事業所の運営等)、介護事業(通所介護事業所の運営等)、外食事業等 |
AHCグループの事業内容
AHCグループは、福祉事業、介護事業及び外食事業を展開しています。
同社は、AHCグループ、連結子会社(SLカンパニー株式会社、テラスワールド株式会社、介護ジャパン株式会社、センターネットワーク株式会社)の計5社で構成されています。
事業内容は以下のとおりです。
- 福祉事業: 放課後等デイサービス・児童発達支援では、知的障害・発達障害を抱える未就学児・小学生・中学生・高校生を対象とした事業所を展開。主要ブランドは、「アプリ」「TODAY」「Aプラス」「アプリキッズ」
- 介護事業:要介護認定者や要支援認定者の方を対象に、身体機能の維持・回復・改善を支援するデイサービス事業所の展開。主要ブランドは、「グリーンデイ」「あいである」「トリコロール」
- 外食事業:居酒屋店舗の運営。主要ブランドは、「串焼き」「煮込み」「刺身」「天ぷら」等のカテゴリーを軸に毎月厳選した創作料理を提供する「三蔵」、女性をターゲットとしたビストロ業態「TERIYAKI」、カツカレー専門店「とんかつ檍のカレー屋いっぺこっぺ」
マザーズの小型株IPO銘柄であり、注目度は高いと思われます。
AHCグループの上場理由は?上場による資金調達の目的を探る
新規発行による手取り額
AHCグループは上場することにより手数料を引いた手取り金額で8.30憶円の資金を獲得します。
資金使途は後述のとおりです。
調達資金の使途
調達資金ですが、目論見書によれば以下の用途に充当予定とのことです。
- 福祉事業における新規事業所の開設資金として、2022年11月期までに237,240千円を充当予定
- グループ事業規模の拡大にともなう従業員採用費として、2022年11月期までに90,000千円を充当予定
- グループ統制環境の整備にともなう従業員人件費として、2022年11月期までに90,000千円を充当予定
- グループの事業規模拡大にともなうIT環境の整備強化費用として、2022年11月期までに60,000千円を充当予定
- 金融機関からの借入金返済として2020年11月期に短期借入金121,000千円、長期借入金229,613千円、2021年11月期に長期借入金158,102千円への充当予定
AHCグループは調達した資金を自社の発展のために用いる計画であった様子です。
企業規模の拡大及び財務体質の健全化は上場後特に注視されますので、将来を見据えた上場と言えます。
目論見書から見るAHCグループの売上高と利益推移
本項目では、AHCグループの業績を分析していきたいと思います。
売上高の推移
下記のとおり、同社の売上高は概ね堅調に上昇していることがわかります。
2019年11月期は、2019年8月までの数値を4/3倍すると4,056,785千円程度の売り上げが見込まれます。
前年比大幅なプラスとなりそうです。
売上高(千円) | |
2014年11月期 | 421,296 |
2015年11月期 | 610,427 |
2016年11月期 | 855,902 |
2017年11月期 | 3,048,204 |
2018年11月期 | 3,464,256 |
2019年8月 | 3,042,589 |
※2016年11月期まで単独決算、2017年11月期から連結決算の数値です。
経常利益も右肩上がりに成長
経常利益も、一時落ち込みはあったものの概ね売上高同様安定的に推移しています。
特に2019年11月期は前年比3倍以上の経常利益が見込まれており、大きなプラス材料となりそうです。
経常利益(千円) | |
2014年11月期 | 20,231 |
2015年11月期 | 38,283 |
2016年11月期 | 46,655 |
2017年11月期 | 6,336 |
2018年11月期 | 61,901 |
2019年8月 | 206,406 |
EPSも成長基調
EPSは連結表示に変更となり、且つ株式分割後の2017年11月期に一時マイナスとなりました。
しかし2018年以降大きな伸びを見せています。特に、2019年8月末日時点のEPSは前年比大幅増加しています。
EPS(円) | |
2014年11月期 | 8.07 |
2015年11月期 | 20.40 |
2016年11月期 | 28.79 |
2017年11月期 | -24.26 |
2018年11月期 | 42.50 |
2019年8月 | 78.21 |
AHCグループの上位10位までの大株主とロックアップ情報
ロックアップとは、株式が公開された後に一定期間、市場で持株を売却することができないようにする制度のことです。
株主名 | 保有比率 | ロックアップ情報 |
荒木 喜貴(社長) | 41.49% | 180日間 |
YHC(株) | 35.07% | 180日間 |
G2(株) | 3.51% | 180日間 |
村光 伸介 | 3.51% | 180日間 |
土山 茂太 | 3.04% | 180日間 |
吉元 幸次郎 | 2.92% | 180日間 |
荒木 喜嗣 | 1.90% | 180日間 |
荒木 美幸 | 1.17% | 180日間 |
土山 茂 | 0.47% | 180日間 |
荒木 喜久 | 0.29% | 180日間 |
上位株主には軒並みロックアップが付されています。加えて、上位株主にベンチャーキャピタル等が名を連ねています。
エグジット上場である可能性がありますので注意が必要です。
AHCグループの初値予想
ここでは編集部独自のAHCグループの初値予想を公開していきたいと思います。
AHCグループの総合評価
AHCグループ購入のメリット
- 業績は概ね好調且つ成長が持続している
- IPOは上値抵抗がないため、比較的株価が上昇しやすい
- 小型上場のため、需給面に不安が少なく株価が上昇しやすい
- 今後市場の成長が見込まれる事業を展開している
- 上位株主にベンチャーキャピタル等が名を連ねていない
AHCグループ購入のデメリット
- 小型株のため株価が乱高下しやすい
- 業績が悪化した場合株価が急落する可能性がある
AHCグループの初値予想は2,499円
AHCグループのEPSは2017年11月末時点で-24.26、2018年11月末時点で45.20、2019年8月末時点で78.21でした。
AHCグループの競合として考えられる上場企業として、福祉・介護事業に従事する企業であるニチイ学館、ツクイ、ケア21等が考えられます。競合他社のPERを用いて同社のEPSから推定株価を算出します。
企業名 | PER |
ニチイ学館 | 20.83 |
ツクイ | 20.43 |
ケア21 | 16.58 |
セントケアホールディングス | 12.06 |
シダー | 49.88 |
AHCグループの直近の業績を鑑み、上記のうちPERは競合5社の平均値である23.96倍を用いることとします。
EPSは、同社の2019年8月時点の数値である78.21を4/3倍した104.28を用います。
以上より、想定初値は、PER23.96倍×EPS104.28=2,499円程度となります。
まとめ
2月25日上場のAHCグループですが、業績や利益水準も安定的に推移しており、持続的に成長を続けている点で評価できます。
業種としても今後需要の拡大が見込まれますので、良好なパフォーマンスが期待できると考えられます。
今後の事業拡大を見据えた経営戦略にも更なる注目が集まりそうです。
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