このコンテンツでは普段聞きなれない「債券」と「金利」について書いていきます。
「債券とは何?」「債券に興味はあるけどいまいちよくわからない」といった方は、ぜひこの機会に理解していきましょう。
目次
債券とは?
簡単に言うと債券とは「借金」のことです。
しかし個人の借金ではなく、国や企業の借金の形のひとつです。
ここで債券の定義について確認しておきますと、債券は「国家・公共団体・銀行・会社等が、事業に必要な資金を借り入れるため発行する有価証券」と定義されています。
簡単に言うと借金なのに、この表現では少し難しくなってしまいますね。
要は、債券とは国や企業がお金を借りたので、代わりに借りたことを証明する借用証書のようなものです。
例えば、あなたがもし日本国債を額面100万円分持っていたら、あなたは「日本に100万円分お金を貸している」ということになります。
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なぜ債券があるのか
それは国や企業はお金を借りることで、サービスを提供できているからです。
例えば国の場合は財政のサービスを維持するために国民からの税金だけでなく借金によってサービスを維持させています。
また、企業はこれから成長していくための設備投資をするにも現金が要ります。
しかしこれから事業を行って、稼ぐため、利益を上げていくために必要な投資なので、いま手元に現金がないこともあるでしょう。
そこで企業は設備投資するために、いろんな方法で資金を集めます。
例えばいろんな人に出資を募ったり、銀行から借り入れるなどです。
その方法のひとつが、債券を発行することによって銀行を介さずに直接借り入れる方法です。
債券を発行するメリットとして銀行から借り入れするよりも、銀行をはさまない分低金利で借り入れがしやすい。
また大きな金額でも借り入れがしやすいというメリットがあります。
これで、国や企業が債券を発行する理由は分かりましたが、債券を買う人はどんなメリットがあるのでしょうか。
それはお金を貸している分決まった時期に金利をもらえるということと、満期になったら額面の金額返ってくるということです。
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なぜ金利がつくのか
ここで、お金を貸すとなぜ金利がつくのか、の理由で説明します。
まず1つは、お金を貸したらその分、そのお金が返ってこないかもれないことに対しての代償としてです。
一般に「信用リスク」といわれるものですが、例えば友達に100円を貸したら、基本的に帰ってくるという前提で貸すと思いますが、その友達が返さないですっとぼける可能性も否定し切れません。
同じように企業にお金を貸すということは、以下のリスクがあります。
①企業が返さないと開き直られる可能性。
②企業が返したくても返せなくなってしまう。
これではお金を貸すということには、得することはなくて、損する可能性しかないので、誰もお金を貸さなくなってします。
結果として、今お金が必要なひとにお金が行き届かなくなってしまします。
なので、お金を借りる人が「金利」という形で貸した人がリスクをとった分のリターンを出しているのです。
2つ目はお金をもっている人がお金をその期間つかえなくなることです。
今現金が必要な人がいたとします。その人は今日100万円のお金がないと困ってしまいます。
それを見かねた人が100万円を貸したとします。
その後に急遽お金を貸した人もお金が10万円必要になっていました。
すると本当は100万円持っていた人が、100万円を貸してしまったために10万円を借りないと困ることになってしまいます。
これはまた借りてきてお金を用意しなければならないことになります。
お金を貸したことによって、リスクを負った対価としてリターンをもらうことになります。
たとえば現金で持っていればこのリスクは極めて低くなります。
また、同じく銀行預金についても、普通預金であればすぐに解約もできるので問題ないでしょう。
しかし満期まで10年の債券などは売却しない限り、基本的に10年間その資金が使えないということになります。
この点に関しては、リスクが高いといえるでしょう。
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なぜ金利の高いものと低いものがあるのか
世の中にはさまざまな債券がありますが、なぜ同じような債券なのに金利(利率)が違うのでしょうか。
それは先ほど説明した「リスク」が関わってきます。
まずひとつは「発行体」の違いです。
一般に「信用リスク」が高い(返ってこない可能性が高い)ほど利率は高くなります。
考えてみれば当たり前ですが、返ってこない可能性が高いということは、その分だけメリット(金利)が高くないと誰もその債券をほしがらないということです。
利率を低くしてお金が集まらないと困るので、信用力の低い企業は、利率を高くして債券を発行します。
もうひとつは「期間の長さ」の違いです。
同じ発行体(債券を発行する企業のこと)でも資金が使えなくなる期間が違うと利率が違います。
お金を貸す場合5年で貸すより、10年で貸したほうがお金を使えない期間としては長くなります。
その分、他の事に使えた資金がその債券に使われているので、長期間貸すほうが一般的には利率は高くせざるを得ません。
また先ほどの信用リスクについても期間がかかわってきており、5年間貸すのであれば倒産しないかもしれない。
でも、10年後には倒産するかもしれない企業には、金利が高くないと長い期間お金を貸したくないと思います。
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債券投資のメリットとデメリット
さて、債券について理解したところで、なぜ債券を買うのでしょうか。
債券投資のメリットは、なんといっても利益があらかじめ分かっていることです。
もちろん発行体によっては、利金が支払われなかったり、償還金が返ってこなかったりということがあります。
しかし、そういったことがなければあらかじめ約束された分のリターンが得られることになります。
これは価格変動の大きい株式で配当を得ることや空室リスクや天災等のリスクのある不動産で賃貸収入を得ることとは違う安心感があります。
ほかの資産と比べると、日本円で投資したり、または通貨をしっかりと選べば、価値が暴落するリスクも低く、比較的低リスクでの運用といえるでしょう。
銀行預金では金利がほとんど付かない時代です。
債券であれば日本円での投資でも、国債で0.05%は保証されています。
中にはリターンが1%を超える債券もあります。
預金にただ寝かせておくよりも、債券を購入したほうが効率的ということも分かっていただけると思います。
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債券投資の注意点
ここで債券を投資する際の注意点を説明します。
まずは債券を購入する場合は証券会社に口座を開いて購入することが一般的です。
ネット証券でも良いですし店舗に行って口座を作って、債券を購入するのもいいと思います。
その際に「利回り」という言葉を言われると思います。
「利回り」は、投資した金額に対してのどのくらいリターンがあるか、ということになります。
投資をする際には、基本的には「利回り」を見ていれば大丈夫です。
この「利回り」を見てに、明らかに高すぎるリターンがある商品は注意してください。
債券には種類がいろいろとあって、日本円で買うものだけではなく、他の通貨で買うもの、いろいろな仕組みが絡んでくるものがあります。
リターンが大きい商品は基本的に何かしらのリスクがある商品です。
そのリスクが理解できない商品に投資すると大きく損する可能性もあります。
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まとめ
債券の仕組み、金利について理解できたでしょうか。
債券や金利については苦手意識を持っていると近寄りがたいかもしれません。
しかし、知ってしまえば難しくないので、興味のあるかたは債券を購入してみると良いでしょう。
以上、【債券とは?】債券投資のメリット・デメリットと注意点を解説。…の話題でした。