銀行員がおすすめする「投資信託は儲からない」という通説は本当か?「やめたほうがいい」という風評の真実を紐解く!

「投資信託は儲からない」という通説は半分真実!そして、半分嘘であることを説明。

世間では投資信託で大損したという方が多いということもあり投資信託では儲からないという噂が蔓延しているかと思います。

 

信太郎
高齢者の方でも銀行の窓口ですすめられた商品を購入して大損を被っているという方はよくみかけるのぉ。

 

実際に儲からないどころか大損してしまう投資信託が残念ながら数多く存在しているのは事実です。

 

以下は金融庁が銀行から集めたデータをもとに発表している資料です。

投資家の半分近くは投資信託によって損失を蒙っていることがよみとれます。

 

投資信託で損失が発生している投資家の割合

参照:金融庁

 

しかし、逆の見方をすると利益を出している人達も半分以上存在しているのです。

正しい投資信託を選ぶことができたら、投資信託を使って大きく儲けることができるのです。

 

信太郎
投資信託は儲からないと嘆いている人は正しい投資信託の選び方を知らないだけというケースが多いんじゃ。

 

本日は、どのような投資信託が儲からないのか、また儲けることができる投資信託を選ぶにはどうしたら良いのか?

という点についてお伝えしていきたいと思います。

投資信託は損をするからやめたほうがいいという人の根拠-売れ筋投信の問題点-

投資信託は損をするからやめたほうがいいという人もある意味では正しいのです。

特に銀行や証券会社等がすすめてくる投資信託は危険です。

株式市場に追い風の環境下でも低い成績の日本の投資信託

以下は日米の売れ筋上位5商品の運用資産額、販売手数料、信託報酬(1年ずつ発生する手数料)、

手数料後の年率収益率の10年平均のデータを金融庁がまとめたものです。

 

規模平均販売手数料信託手数料収益率(年率)
過去10年平均
日本1.1兆円3.20%1.53%▲0.11%
米国22.6兆円0.59%0.28%5.20%

 

ちなみにこの10年間はリーマンショックから回復期間で好景気が続き株式市場の時価総額も世界的に拡大しました。

 

バンガード社の世界全体の時価総額加重平均指数に連動するETFであるVTのリターンは年率8.5%で推移しました。

上記の点を加味すると米国ですら物足りない数値になっています。

日本に関しては圧倒的に株式市場に追い風の環境下において手数料徴収後でマイナスの運用成績に落ち込んでしまっています。

 

信太郎
VTIは米国株全体に連動する投資信託、VTは全世界とバンガード社のETFの名前は紛らわしいの。

 

ちなみにVTIは過去10年の年率リターンは平均12.8%と驚異的な成績を残しています。

米国と日本の株式市場の相関は非常に高いので日本の株式市場も同期間で大きく成長しました。

思い返せば2011年の東日本大震災後に日経平均は7000円台に突入しましたが2020年時点で25,000円目前ですからね。

 

秀次郎
こんな上昇相場でマイナスの運用成績は悲惨じゃな。

 

手数料が低いのに圧倒的に高い手数料

手数料が高くても成績が高ければ問題ありません。

しかし、残念なことに日本の「人気」投信は成績が低いにも関わらず手数料が高くなってしまっています。

 

秀次郎
なぜ、「人気」という部分を強調したんですか?
信太郎
我が国民はプロである金融機関の方におすすめされると購入してしまう傾向があるから人気となるんじゃ。金融機関がすすめる商品は手数料が高いんじゃ。なぜだかわかるか?
秀次郎
手数料が高いと銀行が儲かるからですな。。投資家目線ではなく自社の利益ファーストではないですか。。
信太郎
ゆゆしきことじゃな。金融のプロが勧めてきたからといって信用してはならんぞ!

 

日本の投信は購入手数料と預け入れ資産に対して年間発生する信託報酬ともに米国の5倍の水準となっています。

 

販売手数料信託手数料
日本3.20%1.53%
米国0.59%0.28%

 

何度もいいますが手数料が高くても成績が高ければ納得いきます。

しかし、手数料の高さとリターンはむしろ反比例の関係になっているのです。

金融庁の調査では年率の信託報酬が高ければ高いほど最終的な運用成績が悪いという結果が出ております。

 

運用利回り信託報酬(手数料)最終利回り
2.03%– 0.5%~1.0%=1.03%~1.53%
1.26%– 1.0%~1.5%=▲0.24%~0.26%
1.27%– 1.5%~2.0%=▲0.73%~▲0.23%

 

 

先ほど信太郎と秀次郎の会話にでてきたように投資信託は手数料ビジネスです。

手数料が高くなるように複雑な商品を組成して大々的に宣伝を行なって投資家に高い手数料負担をしいているのです。

 

 

しかし、特にレベレッジ型の投資信託に代表されるように大きく資産が下落する商品は手数料も高いですしリスクも高いです。

更に最近はブラジルレアルやトルコリラ等の高リスクの通貨と混ぜた運用を行い大きな損失をだしているものも存在しています。

 

レバレッジ(ブル・ベア型)投資信託の仕組みとメリット・デメリットを紐解く!基準価格が一定でも大損する可能性あり?

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2019年2月4日

 

信太郎
高かろう悪かろうで、投資家目線にたった商品を組成し営業できていないという実態となっておるんじゃな。
秀次郎
ですから金融庁が何度もレポートを出して警鐘をならしておるんですな!けしらかんです。

 

長期投資に適さない毎月分配型投資信託の蔓延

日本の売れ筋投資信託は毎月分配金型の比率が多いという特徴があります。

以下の通り売れ筋投信の約9割が毎月分配型となっております。

毎月分配型投資信託の比率

参照:金融庁

 

毎月分配型投資信託の問題点は二点あり以下のコンテンツで詳しく伝えています。

 

毎月分配型投資信託のリスクを徹底解説!元本から拠出される特別配当金には気をつけよう。

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2019年2月5日

 

ここでは簡単な概要だけ整理しておきたいと思います。

 

問題の一点目は特別分配金です。

投資信託の運用によって得られた収益から分配金が支払われて入れば健全な状態です。

しかし、運用収益に対して分配金の方が多い場合は元本取り崩しで分配金を拠出することになります。

 

信太郎
元本を取り崩して配当する分配金を特別分配金とよんでおるぞ!

 

分配金の全額が特別分配金となった場合の税金の取り扱い

 

特別分配金が発生すると投資信託の価格自体が下がってしまい運用総額が小さくなります。

また分配した分については、投資信託の購入時に支払った購入手数料分無駄になってしまいます。

 

二点目は分配金拠出による複利効果の効果減少です。

更に仮に利益が出ている分から分配金をだしていたとしても機会損失をこうむってしまいます。

分配金を一度だしてしまうと税金が20.315%取られてしまいます。

 

分配金を出さずに長期的に運用することで複利効果を無駄なく享受することができます。

結果的に毎月分配しない方が投資家にとっての最終利益が大きくなるのです。

 

信太郎
毎月のお小遣いに目がくらんでしまっては最終的に損であることを十分心に留めておくがよいぞ!

 

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インデックス型の投資信託は低手数料・高品質で長期的にほぼ100%の確率で儲かる

ここまでは投資信託は儲からないとする立場の方の論拠について示してきました。

注意していただきたいのは結果が悪いのは純資産額が多い『売れ筋』の投資信託のデータということです。

 

『売れ筋』ということは窓口等で銀行や証券会社の営業員が積極的に販売している商品のことです。

『売れ筋』=『質の高い商品』というわけではありません。

 

信太郎
逆にいうと銀行や証券会社が積極的には売りたくない商品こそ質が高い商品ということになるぞ!
秀次郎
手数料が低い投信を販売したとしても営業の成績にはなりませんからな。では質が高い商品とはどのような商品なのですか?
信太郎
うむ。先ほどヒントをだしておるぞ。バンガードのVTやVTIのような指数に連動するインデックス型の投資信託じゃ!

 

先ほど申し上げた通り、全世界の株式の時価総額加重平均指数はこの10年間8.5%、米国の株式の時価総額加重平均指数は12%という素晴らしい成績を残しています。

 

秀次郎
奇をてらった商品より王道をいくのが良いということじゃな!

 

指数を上回るアクティブ型の投資信託は長期的にみると殆ど存在しません。

投資の神様『バフェット』も自身の死後は米国株指数に連動する「インデックス型」のファンドに投資をするよう遺言しています。

 

■ インデックス型とアクティブ型:

指数に連動する投信をインデックス型投信、指数に対してプラスのリターンを出すことを目指す投信をアクティブ型投信と呼びます。

 

実際に、米国の代表的な株価指数であるS&P500指数はこの100年間平均して8%で上昇しています。

 

【S&P500指数とは?】米国の代表的な株価指数の全容をダウ平均株価との違いも含めてわかりやすく解説する!

【S&P500指数とは?】米国の代表的な株価指数の全容!「NYダウ平均株価」との違いもわかりやすく解説。

2019年12月2日

 

信太郎
幾多の危機を乗り越えて着実に右肩上がりになっておるな。

 

S&P500指数の超長期の値動き

 

無理に指数よりもプラスのリターンを狙うということをしない方が良いのです。

着実に指数に投資しておけば結果的に大きく儲けることをできることを示しています。

 

秀次郎
しかし、なぜここまで堅調に上昇していっているのですか?
信太郎
うむ。それは企業が利益を再投資することに答えがあるのじゃ。

 

企業が稼いだ利益を事業に再投資し利益を増やします。

さらに再投資を実施するという活動を繰り返し利益を拡大させていくことが株価上昇の要因となっています。

 

利益→再投資→利益拡大→再投資額拡大→更に利益拡大・・・という活動を繰り返しているのです。

 

株価は結局のところ1株あたり利益(=EPS)に比例して上昇していくので、利益の拡大を通して株価が上昇していくのです。

 

信太郎
さらに日本のような特殊な国をのぞいて世界の人口は増加の一途であることも利益上昇の後押し要因となっておるぞ!
秀次郎
世界的には赤子が生まれる数は増加の一途じゃから彼らが消費活動を行うだけで世界の経済のパイは大きくなっていきますの!

 

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インデックス型投資信託の長期投資の威力と楽天証券での投信積立のススメ

それでは魅力をお伝えしたインデックスに連動する投信への長期投資の威力を説明していきたいと思います。

現在100万円を以下の4つの投資対象に投資し30年が経過したとしましょう。

 

■ 比較対象 :

・日本の人気投信:

平均年率▲0.1%

・米国の人気投信:

平均年率+5.2%

・長期世界平均(調子悪い):

平均年率+7.0%

・長期世界平均(調子良い):

平均年率+10.0%

 

運用結果は以下の通りとなります。

 

資産運用で構築できる資産

 

  • 日本の人気投信:97万円
  • 米国の人気投信:457万円
  • 長期世界平均(悪):761万円
  • 長期世界平均(良):1744万円

 

信太郎
何も考えずに米国または世界の成長にベットしているのが最も手堅く勝てるということがわかるの!

 

長期的に資産を形成するのに適したファンドについて『長期投資に適した投資信託の選び方を徹底解説!証券アナリスト視点で『おすすめ投資信託』を紹介する。』で紹介しているので参考にしてみてください。

また長期投資を行うのであれば「積立投資」を行うのが現実的な選択肢となります。

 

積立投資を行うことで現在お金がなくても将来大きな資産を形成できるます。

ドルコスト平均法」で買い入れコストを平準化することができるのも大きなメリットですね!

 

楽天証券では楽天カードのクレジット積立を行うことで1%のポイント還元を行なってもらえるので非常にお得です。

楽天証券で投資信託を購入・積立するメリットを徹底解説!ポイント購入に加え楽天カード積立で1%のポイント還元!?

楽天証券で投資信託を購入・積立投資するメリットとは?現金いらずのポイント購入・楽天クレジットカード積立で1%のポイント還元!?

2018年12月20日
楽天証券で楽天カードクレジット決済で1%ポイント還元を獲得するための設定方法を画面付きで解説する。

【楽天証券で投信積立】楽天カードクレジット決済で1%ポイント還元を獲得するための設定方法を画面付きで解説!

2019年3月6日

 

インデックス投信は0.2%程度の信託手数料なので1%もポイント還元を受ければ、手数料が実質マイナスになりますね。

楽天証券の口座開設方法についてのコンテンツもありますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

 

 

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騙されないために必要な金融リテラシーを高めよう!

金融機関の職員は手数料ビジネスのために適切ではない投信を皆さんに勧めてくるとお伝えしました。

 

信太郎
金融機関だけでなく、あらゆる投資詐欺の話が皆の衆におそいかかる局面があるぞ!正しい情報を見抜かないと大きな損を被る可能性があるんじゃ。
秀次郎
しかし、どうすれば判断できるようになるんじゃ。。
信太郎
金融リテラシーを身につける必要があるんぞ!日本人は総じて低いからな。

 

金融リテラシーとは?調査で日本人が低いと分かった身につけるべき必須の教養を徹底解説。

金融リテラシーとは?調査で日本人が低いと分かった身につけるべき必須の教養を徹底解説。

2019年6月16日

 

金融リテラシーを身につけるためには、しっかりと勉強をする必要があります。

本来学校で教えなければいけないのですが、何故が日本の教育システムには組み込まれていません。

 

自分で勉強するのもよいのですが、しっかりと体系化して学びたいという方におすすめなのが「お金の学校」です。

優良な「お金の学校」では将来数億円の価値のある情報を教えてくれています。

知っているか、知らないかで資産に大きな差がでてきます。

 

各スクールは無料のセミナーを提供しています。

資産運用の勉強を始めるにあたっては丁度よいレベル感ですので、金融リテラシーを高める第一歩として覗いてみてもよいかもしれません。

 

おすすめセミナー

 

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まとめ

投資信託は儲からない」というのは、窓口の販売員に勧められるがままに「質の低い投信」を購入してしまった人の悲劇によって生まれました。

しかし、成長が継続することが確実な世界経済や米国経済にBetするインデックス型の投信では手数料も非常に低く、長期的に高い利回りを継続しています。

 

積立投資で1%のポイント還元を得られる楽天証券を用いて、インデックス型の投信を積立てることにより長期的な資産を形成することが可能。

目先の派手なリターンを狙わずに一歩ずつ着実に資産形成を行なっていきましょう。

 

以上、「投資信託は儲からない」という通説は半分真実!そして、半分嘘であることを説明。…でした。

 

【投資信託の基礎知識まとめ】これを読めばOK!投信の始め方・ネット証券活用法・購入のリスク、そして基礎用語。

【投資信託の基礎知識まとめ】これを読めばOK!投信の始め方・ネット証券活用法・購入のリスク、そして基礎用語。

2019年5月24日

[お金の学校特集]

 

昨今の2000万円問題もあり、投資による自助努力で、老後資産を築き自身の身を守る必要が出てきてました。

 

しかし、焦って投資を進めてしまうのはおすすめしません。 必ず失敗します。

 

知識をしっかり仕入れた上で投資は実践していく必要があります。

 

 

その知識を学ぶにあたり、近年「お金の学校」への注目が高まっています。

 

長年、資産運用を学んできた編集部が、お金を専門としたスクールについての特集コンテンツを作成していますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

お金の学校特集

お金の学校の特集へ

 

 

[おすすめ株式投資セミナー特集]

 

株式投資を「専門家や現役で成功している投資家に学びたい」という方は多いのではないでしょうか?

 

 

現在は、有難いことに、会場開催型、オンライン型など、優良セミナーが数多く開催されています。

 

ここでは、株式投資で成果を出したい初心者の方におすすめできるセミナーを以下の観点から、ランキング形式でお伝えしています。

 

◯ 講義は満足できる内容か?

◯ 運営は信頼できるか?

◯ 口コミや評判は良好か?

 

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マネリテ!編集部は東京大学経済学部卒の証券アナリストを中心とした金融知識が豊富なメンバーが株式投資初心者に向けて有益な情報を提供しています。株式投資を行う意義から基本用語、おすすめのネット証券・投資先情報をお伝えするメディアです。日本人の金融リテラシーの向上と明るい未来を目指しています。