Fast Fitness Japan(7092)の上場日は3/18(水)で、上場市場は東証マザーズとなります。
主幹事は野村證券で、IPOの申し込み期間(BB期間)は3月2日(月)~3月6日(金)となっています。
今回はFast Fitness Japanとはどのような企業なのかを目論見書を基に事業内容や業績をチェックしながら詳しくご紹介していきたいと思います。
また、Fast Fitness Japanの気になる初値予想やIPOでの購入情報もご紹介していきます。
Contents
Fast Fitness JapanのIPOスケジュール
Fast Fitness Japanの主幹事は国内最大手の野村證券です。
上場規模は、想定時価総額268.0億円、吸収金額51.1億円程度と、東証マザーズでは大型の部類に入ります。
ブックビルディング期間 | 3月2日(月)~3月6日(金) |
市場 | 東証マザーズ |
公募価格決定 | 3月9日(月) |
購入申し込み期間 | 3月10日(火)~3月13日(金) |
上場予定 | 3月18日(水) |
当選株式数 | 公募1,600,000株、売り出し200,000株、オーバーアロットメント270,000株 |
想定価格 | 2,470円 |
仮条件価格 | |
公募価格 |
Fast Fitness Japanの各証券会社の割当
それでは、Fast Fitness Japanの引受証券会社及び引受シェアを確認していきたいと思います。
引受シェアは以下のとおりです。
証券会社 | 株数 | 割当率 |
野村證券 | 1,620,000株 | 90.00% |
SMBC日興証券 | 72,000株 | 4.00% |
SBI証券 | 36,000株 | 2.00% |
むさし証券(トレジャーネット) | 36,000株 | 2.00% |
マネックス証券 | 18,000株 | 1.00% |
岡三証券 | 18,000株 | 1.00% |
Fast Fitness Japanの事業内容
Fast Fitness Japanの基本スペックは以下のとおりです。
社名 | 株式会社Fast Fitness Japan |
コード番号 | 7092(東証マザーズ) |
設立 | 2010年5月21日 |
資本金 | 2億157万4千円 |
本社所在地 | 東京都新宿区西新宿6-12-1 パークウエスト6F |
代表者 | 代表取締役副会長CEO森 保平 |
従業員数 | 142人 |
事業内容 | スポーツ施設の企画並びに経営 フィットネスフランチャイズの経営 フィットネス事業コンサルタント |
Fast Fitness Japanの事業内容
Fast Fitness Japanは、米国Anytime Fitness, LLCがグローバルに展開する、24時間営業、マシンジム特化型という特徴を持つフィットネスクラブチェーンである「エニタイムフィットネス」を運営しています。
日本におけるマスター・フランチャイジーとしてフィットネスクラブ運営事業を主たる業務としています。
グループ企業は同社と連結子会社のAFJ Project2社により構成されています。
同社はAnytime Fitness, LLCとマスター・フランチャイズ契約を締結しています。
エニタイムフィットネスの日本におけるマスター・フランチャイジーとしてサブ・フランチャイズを許諾する権利を有しています。
先述の権利に基づき日本のサブ・フランチャイジー(FC)とサブ・フランチャイズ契約を締結しています。
エニタイムフィットネスのフランチャイズシステムの運営を行っています。
AFJ Projectでは同社をフランチャイザーとするサブ・フランチャイジーの1社として、
エニタイムフィットネスの店舗を運営しています。
同社の運営するフィットネスジムは、24時間365日いつでも好きな時に利用できる点が最大の特徴です。
同社は、多様化するライフスタイルに合わせて、誰でも気軽に利用できるようなフィットネスジムを運営しています。
日本におけるフィットネスジム利用率は3%前後と言われていますので、まだまだ拡大の余地がありそうです。
健康ブームや東京オリンピックを控えた運動意欲の上昇により投資家にとってなじみの深い銘柄と言えます。
Fast Fitness Japanの上場理由は?上場による資金調達の目的を探る
新規発行による手取り額
Fast Fitness Japanは上場することにより手数料を引いた手取り金額で51.00憶円の資金を獲得します。
資金使途は後述のとおりです。
調達資金の使途
調達資金ですが、目論見書によれば以下の用途に充当予定とのことです。
- 手取概算額4,225百万円については、連結子会社である株式会社AFJ Projectに対する投融資資金に充当予定
なお、株式会社AFJ Projectにおいては上記投融資資金を直営店の出店にかかる設備資金として2020年3月期に240百万円(出店を計画している9店舗分の一部)、2021年3月期に3,920百万円(49店舗分)を充当予定とのことです。
また、2022年3月期の直営店の出店にかかる設備資金の一部として充当予定です。
Fast Fitness Japanは調達した資金を自社の規模拡大のために用いる計画であった様子です。
最近フィットネスジムが増えていますが、益々増えていきそうです。
目論見書から見るFast Fitness Japanの売上高と利益推移
本項目では、Fast Fitness Japanの業績を分析していきたいと思います。
売上高の推移
売上高(千円) | |
2015年3月期 | 501,405 |
2016年3月期 | 839,877 |
2017年3月期 | 1,442,516 |
2018年3月期 | 5,203,195 |
2019年3月期 | 8,024,399 |
2019年12月 | 8,343,400 |
※2018年3月期から連結の数値です。
上記のとおり、同社の売上高は右肩上がりに上昇していることがわかります。
2020年3月期は、2019年12月までの数値を4/3倍すると11,124,573千円程度の売り上げが見込まれ、
前年比大幅のプラスとなりそうです。
経常利益も右肩上がりに成長
経常利益(千円) | |
2015年3月期 | 11,020 |
2016年3月期 | 74,223 |
2017年3月期 | 229,423 |
2018年3月期 | 635,534 |
2019年3月期 | 1,666,508 |
2019年12月 | 2,261,152 |
※2018年3月期から連結の数値です。
経常利益も、売上高同様右肩上がりに成長しています。
特に2019年3月期は前年比2倍以上の経常利益が計上されました。
2020年3月期は、このままのペースで推移すれば、3,014,869千円程度となることが見込まれ前年比約2倍程度の想定です。
EPSも急成長
EPS(円) | |
2015年3月期 | 10.68 |
2016年3月期 | 4.95 |
2017年3月期 | 17.67 |
2018年3月期 | 37.94 |
2019年3月期 | 102.06 |
2019年12月 | 149.99 |
EPSは、2017年以降2019年3月期まで大きな伸びを見せています。
2020年3月期も、このままのペースで推移すれば前年比大幅プラスの見込みです。
Fast Fitness Japanの上位10位までの大株主とロックアップ情報
株主名 | 保有比率 | ロックアップ情報 |
(株)オーク | 47.43% | 90日間 |
大熊 章 | 16.02% | 90日間 |
RM Japan, LLC | 9.00% | 90日間 |
土屋 敦之(社長) | 5.35% | 90日間 |
大熊 章太 | 4.38% | 90日間 |
大熊 絢子 | 4.38% | 90日間 |
加藤 薫 | 3.40% | 90日間 |
高嶋 淳 | 3.40% | 90日間 |
稲垣 稔 | 2.43% | 90日間 |
森 保平 | 1.62% | 90日間 |
ロックアップとは、株式が公開された後に一定期間、市場で持株を売却することができないようにする制度のことです。
上位株主には軒並みロックアップが付されています。
加えて、上位株主にベンチャーキャピタル等が名を連ねていないため、
上場時の売り圧力が小さく、需給面の不安は比較的小さいです。
Fast Fitness Japanの初値予想
ここでは編集部独自のFast Fitness Japanの初値予想を公開していきたいと思います。
Fast Fitness Japanの総合評価
Fast Fitness Japan購入のメリット
- 業績は好調且つ成長が持続している
- IPOは上値抵抗がないため、比較的株価が上昇しやすい
- 上位株主にベンチャーキャピタル等が名を連ねていないため、余計な売り圧力がない
- 投資家にとってなじみの深い業種である
Fast Fitness Japan購入のデメリット
- 業績が悪化した場合株価が急落する可能性がある
- フィットネスジムは競合も多く、成長性に疑念を抱かれる可能性がある
- 発行株式数がマザーズ内では多いため、相対的に値上がりしにくい
- 上場ラッシュが続き、投資家の買い意欲が低下している可能性がある
Fast Fitness Japanの初値予想は2,652円
Fast Fitness JapanのEPSは2019年3月末時点で102.06、2019年12月末時点で149.99でした。
Fast Fitness Japanの競合として考えられる上場企業として、フィットネスジムを運営する企業であるルネサンス、セントラルスポーツ等が考えられます。
競合他社のPERを用いて同社のEPSから推定株価を算出します。
企業名 | PER |
ルネサンス | 11.44 |
セントラルスポーツ | 12.11 |
コナミホールディングス | 28.27 |
東洋 | 18.40 |
Fast Fitness Japanの直近の業績を鑑み、上記のうちPERは競合7社の平均値である17.56倍を用いることとします。
EPSは、同社の2019年3月期から2020年3月期までの平均値である151.03を用いることとします。
2020年3月期の想定EPSは、2019年12月末日時点のEPSである149.99を4/3倍した199.99を用います。
以上より、想定初値は、PER17.56倍×EPS151.03=2,652円程度となります。
まとめ
3月18日上場のFast Fitness Japanですが、業績や利益水準が急激に成長している点で評価できます。
フィットネスジムは競合も激しく、市場がやや飽和気味である可能性があります。
加えて、3月の上場ラッシュで投資家の買い意欲が低下している可能性もあるので注意が必要です。
コメントを残す