自然エネルギーの分野で投資できるサービスの1つとして、「グリーンインフラレンディング」があります。
利回りが10%を超えるファンドが多く、投資することで多額の配当金を期待できるのが魅力です。
このコンテンツでは、そんなグリーンインフラレンディングの特徴やメリット、リスクについて詳しく解説します。
現在はそもそもグリーンインフラレンディングに新規投資家登録はできません。
ずさんな管理が今回の延滞を巻き起こしたことから、グリーンインフラレンディングを利用するのはおすすめすることはできないことを最初に触れておきます。
目次
Contents
グリーンインフラレンディングの特徴
グリーンインフラレンディングは自然エネルギーに関わる事業をする会社に投資できるサービスです。
株式会社グリーンインフラレンディングmaneoマーケットが提携してサービスを運営しています。
日本だけでなく海外でインフラを整備する会社が多くあり、投資により社会貢献につながるのが特徴。
発展途上国でのインフラ開発であれば、今後の将来性に期待できるのも利点です。
また、国内の事業や不動産に投資するのに比べて高い利回りを見込める特徴もあります。
実際に投資信託や株式の利回りを超えるファンドが多く、利益を増やしやすいのも魅力の1つ。
運営会社が投資家から資金を集めて、エネルギー・インフラに携わる企業に出資するのがグリーンインフラレンディングの仕組みです。
スケジュールに沿って借り手が返済すれば、投資家は元金や利息を受け取れます。
サービスを利用するには
グリーンインフラレンディングを利用するには、最初に投資口座を開設することが必要です。
投資口座には開設条件があり、次の3項目を満たしていれば開設手続きできます。
- 日本国内に住んでいて、在留するための資格を持っている
- 口座開設を申し込む時点で20歳以上かつ75歳以下である
- 提携しているmaneoマーケットの独自審査に通っている
口座開設の条件を満たしている人は、グリーンインフラレンディングの投資口座を開設可能です。
公式ホームページの「新規口座開設」から投資口座の開設手続きに進めます。
口座開設ページでは利用規約等への同意、投資経験の回答、個人情報の入力が求められます。
各ページでの入力を済ませると、本人確認書類や通帳のコピーを送信することが必要です。
本人確認書類の送信が完了すると、運営会社から登録した住所に本人確認ハガキが郵送される仕組み。
ハガキには確認キーが記載されていて、マイページで入力することにより本人確認が完了します。
手続きがすべて完了したら、さっそく資金を投資口座に入金しましょう。
振り込んだお金が反映されると、グリーンインフラレンディングが募集しているファンドに投資できます。
注意点は2019年8月現在、グリーンインフラレンディングは投資家登録を中止していること。
これから投資を始めたい人は投資家登録の受付再開を待ちましょう。
投資先の具体例
2018年6月上旬に募集されていたファンドとして、「メガソーラーローンファンド(第11次募集)」があります。
ファンドの運用期間は11ヶ月であり、想定利回りは12.50%です。
募集により集まった資金は関連会社を経由して、太陽光発電開発事業を行うT社に融資されます。
T社は開発案件を他の事業者やファンドなどに販売して、売却益で返済する予定です。
ファンドには担保としてT社が開発案件に活用する土地に対して抵当権が設定してあります。
もしT社が借りた資金を返済できなくなったら、その土地を返済原資とする仕組みです。
募集金額は2,546万円であり、4日間の募集期間で満額として案件が成立しました。
高い利回りで再生エネルギー事業者に投資したい人に、グリーンインフラレンディングは最適なサービスです。
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グリーンインフラレンディングのメリット
「わざわざグリーンインフラレンディングを使う意味ってあるの?」と思った人はいるはず。
株式投資で会社に出資できる今では、ソーシャルレンディングで会社に投資する必要性は低いこと。
しかしグリーンインフラレンディングには高利回りのファンドが多く、より効率的に資産運用できる利点があります。
投資を検討している人が知っておくべきメリットは次の3つです。
それぞれのメリットについて詳しく解説します。
利回り11%以上のファンドが多数あり
グリーンインフラレンディングには利回りが11%から13%のファンドが数多くあります。
株式や投資信託に比べて利回りが高く、投資により資産を増やしやすいのがメリットです。
例えば利回り12%のファンドに10万円投資して、1年間運用すると12,000円の利益を得られます。
獲得した利益で再投資をすれば、より自分の金融資産が増加するものです。
株に投資して10%以上の利回りを狙うのは難しいですが、グリーンインフラレンディングなら10%以上の利回りに期待できます。
投資によるリターンを重視している人にオススメです。
幅広い運用期間のファンドを選べる
投資家の都合にあわせて最適な運用期間のファンドを選べるのもグリーンインフラレンディングのメリットです。
運用期間の幅は5ヶ月から24ヶ月までであり、長期投資から短期投資まで対応しています。
例えば2年後に使う資金を保有しているときに、資金の一部を数ヶ月で運用が終わるファンドに投資することが可能。
長期的に投資したいときは24ヶ月のファンドが役に立ちます。
注意すべきポイントはソーシャルレンディングは元本保証されてなく、貸し倒れリスクがあることです。
あくまでも投資では余剰資金を活用して、生活に必要なお金は手元に残しましょう。
分散投資に役立つ
ソーシャルレンディングでは不動産投資をメインとするサービスが多く、分散投資しにくい課題点があります。
再生エネルギーに投資できるグリーンインフラレンディングなら、リスクを抑えられる分散投資にも便利です。
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グリーンインフラレンディングのデメリット
幅広い運用期間と高い利回りを期待できるのがグリーンインフラレンディングのメリット。
資産を増やしやすい本サービスには、次のようなデメリットもあります。
■ グリーンインフラレンディングのデメリット:
- 100億円を超える延滞が発生
- 最低投資額が高い
それぞれのデメリットについて詳しく見ていきましょう。
100億円を超える延滞が発生・今後の対応は?
2019年8月現在、グリーンインフラレンディングでは22件のファンドにおいて返済の延滞が発生しています。
延滞金額は100億円を超えており、ファンドの募集や新規口座開設を停止している状態です。
延滞の経過報告は同社HPで公表しています。
グリーンインフラレンディング問題の流れ
グリーンインフラレンディング問題は次のような流れで進んでいきました。
2018年5月 | アウトサイダーズ・レポートがグリーンインフラレンディングには問題があると報道 |
2018年6月 | maneoよりグリーンインフラレンディングの新規募集を停止すると発表 |
2018年7月 |
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2018年8月 | グリーンインフラレンディングで遅延が発生 |
2018年11月 | JCサービスより12月中旬に分配すると発表 |
2018年12月 | 予定していた分配ができないと発表 |
2019年3月 | JCサービスがmaneoに対し、2018年12月28日に簡易裁判所に民事調停の申立をおこなったと発表 |
2019年3月 | グリーンインフラレンディングに集団訴訟が起きたと報道 |
2019年4月 | maneo代表の瀧本社長退任 |
2019年9月 | maneo株式約85%をNLHD社へ譲渡 |
2019年10月 | 外部調査委員会の設置を発表 |
2018年5月の報道から1年5か月で、ようやく外部調査委員会の設置まで進んでいます。
しかし、外部調査委員会による調査が完了するまで3ヶ月かかるため、調査結果が出るのは2020年1月頃です。
そして、2020年1月には損害賠償訴訟についての主張が発表されましたが、言い訳に等しい内容となっています。
また、maneo本体ではグリーンインフラレンディングのファンド募集はしないと発表しています。
しかし、グリーンインフラレンディングの案件と思われるものが募集され、その後キャンセルとなっています。
審査の結果、キャンセルしたとのことですが、本当のことを言っているのか怪しい状況です。
不誠実なことを行っていた社長の交代により、グリーンインフラレンディング問題の解決に向けて進展する可能性がありますが未知数です。
どんな集団訴訟が起きたのか
グリーンインフラレンディングに集団訴訟を起こしたのは、57人の投資家です。
集団訴訟を起こされた会社は次をご覧ください。
- maneo(ソーシャルレンディングの大手)
- グリーンインフラレンディング(再生可能エネルギー事業中心のソーシャルレンディング)
- JCサービス(再生可能エネルギー事業の会社)
- エスクローファイナンス(案件の審査を担当する会社)
集団訴訟の理由は次のとおりです。
- ファンド募集時にウソの説明で勧誘を受けた
- ウソの説明による損害を賠償してほしい
グリーンインフラレンディングの社長とJCサービスの社長は中久保氏となっており、同じ人物が2つの会社で社長となっています。
そのため、投資家から預かった資金を無断でJCサービスに貸付した疑惑があります。
そして、損害賠償約11億円を求める第1回裁判が、2019年4月にはじまりました。
供託金は15.5億円あるため、約11億円の損害賠償金をまかなえる計算です。
しかし、遅延は135億円もあるため、ほかの投資家への分配金は不足する可能性が高くなっています。
また、今後は会社側が不正が明らかになる前に、裁判で和解を目指してくる可能性があります。
しかし、法務局にあるはずだった供託金を取り戻したことがわかり、裁判での和解成立も難しい状況です。
最低投資額が高い
他社に比べてファンドの最低投資額が高く、多額の投資資金が必要になるのもグリーンインフラレンディングのデメリット。
5万円以上の資金がなければ投資家はファンドに投資できません。
最低投資額が2万円のサービスが多くある今では、他社に比べて投資ハードルが高いものです。
ファンドに投資する資金に余裕がなければ、他のソーシャルレンディングを検討しましょう。
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グリーンインフラレンディングの有効な活用法
ファンドの延滞によって口座開設が停止されている現状では、新規でファンドに投資するのは不可能です。
ソーシャルレンディングのリスクを知るために、トラブルに対する運営会社の対応を確認しておくことを勧めます。
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安全度の高いソーシャルレンディング事業者
投資家から預かった資金については、分別管理するソーシャルレンディング業者が一般的です。
しかし、グリーンインフラレンディングでは取引約款に分別管理すると定めているにも関わらず、しなかった疑いがあります。
会社の資産と顧客の資産と分けて管理するのが分別管理です。
悪質なソーシャルレンディング業者と取引してしまうと大切な資金の大部分を失いかねません。
そのため、安全度の高いソーシャルレンディング事業者と取引したいところです。
貸し倒れのないクラウドバンク
クラウドバンクは実績平均利回り6.99%と比較的低めながら、貸し倒れのないソーシャルレンディング事業者です。
2020年2月時点で元本回収率100%となっており、安全度の高いソーシャルレンディング事業者となっています。
太陽光発電ファンド、中小企業支援型ローンファンド、不動産担保型ローンファンドなど、さまざまなタイプのファンドを扱っており、投資してみたいタイプにあったものを選べます。
1万円から投資できるため、貸し倒れリスクを抑えた投資をしたい方にも魅力が大きいです。
海外に分散投資できるクラウドクレジット
クラウドクレジットは海外に分散投資できるソーシャルレンディング事業者です。
表面利回り4.3~12.0%で、複利運用できるのが魅力の一つとなっています。
ファンド実績を公式サイトで公開しており、どなたでも閲覧可能です。
クラウドクレジットでも1万円からの投資ができます。
まとめ
グリーンインフラレンディングは再生エネルギー事業に投資できるサービスです。
10%を超える利回りのファンドが多くあり、短期や長期で資金を運用できるメリットがあります。
しかし、延滞で新規投資家登録もできず、今後も今回のような延滞が起こる可能性のある事業者であれば、利用は控えておくべきでしょう。
また、グリーンインフラレンディング問題により、ソーシャルレンディングの大手であってもリスクが明確になりました。
安全度の高いソーシャルレンディング事業者であっても、リスクの高い集中投資は避けたほうが良いです。
以上、延滞発生のグリーンインフラレンディングとは?特徴やリスク・利用するメリットとデメリットを詳しく解説!今後の返済の目処は立っているのか?…でした。
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