株式投資が個人の間でも行われるようになって、我々日本人にとっても「株」がかなり身近な存在になってきました。
個人投資家の中でも、機関投資家並みに資産を構築するような「スーパー投資家」も出現してきます。
日本人の投資家の中でも、莫大な利益をあげている投資家が存在するのです。
株式投資で莫大な利益をあげてる有名投資家として「BNF氏」「cis氏」の両氏が挙げられます。
他にも、日本人の著名な投資家はいますが、上記の2人は「会社役員や起業家ではなく、まったくの個人から投資家になった人」です。
私たちが学べる部分も多いので、今回はこの2人にフォーカスを当てていきます。
それでは、詳細情報を確認していきましょう。
目次
ジェイコム男「BNF」
個人投資家として、圧倒的な成功を収めた投資家の筆頭として、BNF氏が挙げられます。
BNF氏の名前は、「2ちゃんねる」で使われていたハンドルネームが由来です。
BNF氏は「ジェイコム男」という名称でも知られています。
このように呼ばれている理由は、BNF氏がジェイコムの株式取引で莫大な利益をあげた為です。
株式取引のコンピューター化は時に予想もしない「事件」も生み出した。
2005年12月8日に新規上場した人材サービス会社ジェイコム(現ライク)株の売買で、みずほ証券の担当者が「61万円1株売り」とすべき注文を「1円61万株売り」と誤って入力。
発行済み株式数の42倍もの大量売り注文で株価はストップ安に。
その後、間違いに気付いたみずほ証券の反対売買でストップ高となるなど株価は乱高下した。
結果、みずほ証券は407億円の損失を被った一方、動きに乗じた当時27歳の個人トレーダーは20億円超の利益を得た。
(引用:日経新聞「ジェイコム事件」)
BNF氏がどのように利益をあげたのかを知るには、ジェイコム株の急騰事件を知っておく必要があります。
(ちなみに、ジェイコム株式会社は、人材派遣業を主体とする企業で、ケーブルテレビのジェイコムとは関係ありません)
ジェイコム株式会社は、2005年12月8日に東京証券取引所のマザーズに上場。
新規上場したジェイコム株式を保有していたみずほ証券は、上場と同時にジェイコム株式を売りに出します。
ただ、この際にみずほ証券の担当者が売り注文の内容を誤ってしまい、一気に大量のジェイコム株を売ってしまったのです。
新規上場の株式は通常、上場後の期待値なども相まって、株価が高くなりがちですが、みずほ証券による大量の売り注文によって、ジェイコム株が異常に価格を落としてしまいました。
この異変に、BNF氏はいち早く気付きます。
新規公開の株式が、かなり割安で売られてるということに目を付け、ジェイコム株を大量に買い付けたのです。
みずほ証券の担当者は、相場の急落を見て誤発注に気づき、すぐさま注文の取り消しを申請します。
ただ、当時の証券取引のプログラムにバグがあり、かつ東京証券取引所も「みずほ証券側で、取り消しを行ってもらう」という姿勢を崩さなかったため、みずほ証券は損失を最小限に食い止めるため、やむなくジェイコム株の買い戻しを断行します。
すると、急落したジェイコム株が一変、次は急激に価格を上げていったのです。
ジェイコム株を大量に保有していたBNF氏は、ジェイコム株の急騰により、約20億円もの利益を手にします。
ーーただ、BNF氏はジェイコム事件だけで投資家として成功したわけではありません。
株取引を始めたのは、在学中の2000年で、最初の運用額はアルバイトなどで貯めた「160万円」だったとのことです。
その後、約1年間で資産を6,000万円にまで増やします。
そして、ジェイコム事件をきっかけに、一気に資産額を増やし、現在は秋葉原の商業ビルを保有するなど、不動産投資も行っています。
BNF氏が行っている株式の運用方法は「スイングトレード」と呼ばれる手法です。
スイングトレードとは、数日から数週間ほど株式を保有し、売買を行うことで利鞘を稼ぐ投資手法です。
(ちなみに、数時間など短いスパンで取引を行うことをデイトレードと言います)
BNF氏は、企業業績などはほとんど見ず、市場の取引価格の推移から、売買のタイミングや銘柄を決定しています。
市場が示す価格が、その企業の価値を表すという考えを大切にしているのです。
BNF氏は、個人投資家として莫大な資産を築き上げました。
ただ、驚くべきことに、日常の生活は非常に質素です。
移動手段は自転車が中心で、食事はカップラーメン、身の周りのものは100均ショップでそろえるなど、主婦顔負けの生活を送っています。
カップラーメンを食べる理由は、「満腹になると、頭が働かなくなるから」とのことで、常に株取引のパフォーマンスを上げるためのことを考えているのです。
BFF氏は、インタービューの中で「お金を増やすことに興味はあるが、使うことにはまったく興味がない」と語っています。
BFF氏の中で、株取引は一種のゲームのようなもので、そのゲームにのめり込んでいるという状態だということです。
この感覚は、一般人からすると理解しがたいものではあります。
しかし、投資家として成功するには、BFF氏と同じぐらい、株取引に没頭する必要があるということですね。
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資産額230億円!?「cis」
cis氏は、BNF氏と同様、ジェイコム事件をきっかけに資産を爆発的に増やした個人投資家です。
著書「一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学」も好評です。
cis氏は、大学時代にパチンコで2,000万円ほどの貯金をつくることに成功します。
その後、資産を増やすために競馬に手を広げますが、ここで1,000万円ほどの損失を出してしまいます。
資産をより確実に増やす方法を模索しているとき、「投資で勝負する」と決心します。
cis氏は、投資を始めたころは「長期運用」のスタイルで投資を進めていました。
割安株を購入して、それを売りさばくという投資スタイルです。
ただ、この長期投資が上手くいかず、300万円あった軍資金が104万円にまで減ってしまいました。
ここで、cis氏は投資スタイルを長期投資から「短期トレード」へ変えていきます。
短期トレードへ転換した後は、利益を大きくだせるようになり、資産を拡大させていきます。
そして、2005年のジェイコム事件を迎えることになったのです。
ジェイコム事件当日、cis氏はストップ安となったジェイコム株を大量購入して、急騰後に売却し、約6億円の利益を得ます。
ジェイコム株の購入は、短期トレードに転換したことがきっかけとも言えますね。
ちなみに、ジェイコム株で同じく利益を出したBNF氏とは、2007年に経済誌のZAIにて対談を行っています。
その後も大型株を中心にトレードを積んでいき、2018年には資産230億円に到達します。
cis氏は、自身が株で成功できた理由を「時代が良かった」としています。
cis氏が投資を始めた2000年代初頭は、株式取引の手数料が自由化された時代で、かつまだ投資が個人の間で広がっていない時代でした。
この時代に、株式投資に時間を割けたことが、何よりもよかったと振り返っています。
cis氏は、大学卒業後、サラリーマンとして3年ほど勤務した経験があります。
サラリーマン時代は「1日1万円稼げるかどうか」という状態で、それと比較すると、株式取引で儲けることは非常に楽だと主張しています。
株で利益をあげる生活を「天国状態」と例えており、株式取引の有用性を身をもって体感しているとのことです。
実際に、サラリーマンから個人投資家になったという話を聞くと、今勤めている方も個人投資家になるチャンスは十分にあると言えますね。
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まとめ
2人の個人投資家が、どのようにして資産を増やしていったか見てみると、共通点として、「短期トレード主体」「資産を爆発的に増やすタイミングを見逃さなかった」点が挙げられます。
毎日、株で利益を出すことを考え、その結果、ジェイコム株のストップ安を見逃さずに掴むことができたのです。
日中、サラリーマンとして勤めている方は、1日中、株のことを考えるのは難しいかもしれません。
ただ、空いている時間や仕事後、休日を使って株のことを考えることは可能です。
莫大な利益を出すためには、株式投資を継続しなければなりません。
一歩ずつで良いので、BNF、cis両氏のように、株に割く時間を増やしていくことから始めてみましょう。
千里の道も一歩からです。
以上、株式投資で富を築いた日本人資産家!ジェイコム事件で有名になったBNF・cis氏の投資手法とは?…でした。