【JNJ】56年増配を記録する配当貴族銘柄『ジョンソン&ジョンソン』の今後の株価を予想する!

ジョンソン&ジョンソンの株価を予想

バンドエイドやコンタクトレンズなど身の回りのものから、外科手術に使われる医療機器まで、幅広く展開しているジョンソン&ジョンソン。

ベビー用品なども多く製造しており、だれでも一度はジョンソン&ジョンソンの製品を使ったことがあるのではないでしょうか。

 

業績も安定的で、56年連続増配を実現しており、格付け機関であるS&Pからは最高格付けのAAAを付与されています。

AAAを付与されている企業は世界で2社しかなく、ジョンソン&ジョンソンはまさに長期投資にはぴったりの優良銘柄です。

 

このコンテンツでは、そんなジョンソン&ジョンソンの業績推移などから、今後の株価について検証していきます。

 

■ 投資判断:買い

▷ 安定した業績や、連続増配が魅力。長期保有を前提に、押し目ではしっかり買いに行きましょう。

■ 業績推移:

▷ 多くの特許を持ち、安定収入源となる製品多数。売上・利益共に安定的。

■ 株価指標:

▷ PERは20倍ほどで推移。現在は17倍前後なので、やや割安。。

▷ 配当利回りは2.5%程度。

■ 株主還元策:

▷ 56年連続増配している配当貴族企業

▷ 自社株買も積極的に行っている

 

ジョンソン&ジョンソンは、生活用品から医療機器まで私たちの生活に欠かせない様々な製品を販売している、世界最大の総合ヘルスケアメーカーです。

世界各国で事業展開をしており、米国をはじめ、ヨーロッパやアジアなど至る所でジョンソン&ジョンソンの製品を目にすることが出来ます。

 

Jhonson&Jhonsonの事業内容とは?

製品分野は一般向け製品、医療機器、医療用医薬品の3つがあります。

  • 一般向け製品

一般消費者向けに、幅広い衛生用品を製造販売しています。

代表的なものでは、バンドエイドやオーラルケアのリステリン、ベビーオイルやベビーパウダー、ボディークリームやコンタクトレンズなどがあります。

また、薬局で購入できるOTC医薬品も多く手掛けており、目薬のバイシン、鎮咳去痰薬、鼻炎用薬のアネトン、解熱鎮痛薬のタイレノール、皮膚外用薬のテレスHi、禁煙補助剤ニコレットなどがあります。

 

  • 医療機器

医療機器分野では、外科手術に使われる縫合機や縫合糸や医療用消毒器、不整脈診断治療支援システム、骨折治療用機器、脳血管内治療用機器などを取り扱っています。

 

  • 医療用医薬品

医薬衣料品分野では、がん、精神疾患、免疫疾患、神経疾患、代謝・循環器疾患向けの医薬品の他、ワクチンといった事業分野で展開しています。

 

私たち一般消費者としては、ジョンソン&ジョンソンはバンドエイドやボディークリームなどのイメージが強いです。

しかし実はそういった一般向け製品は売上高構成比で言うと2割弱となっていて、売上の大半は医薬品や医療機器によるものです。

 

ジョンソン&ジョンソンは、医薬品や医療機器の分野でたくさんの特許を持っています。

総合的に安定した収益と高い利益率を実現しています。

 

56年連続増配中!自社株買いにも積極的な優良投資先

ジョンソン&ジョンソンはなんと56年も連続して増配を続けています。

 

日本の最長連続増配企業は29年間の花王ですが、ジョンソン&ジョンソンはその2倍近い年月を増配し続けていることになります。

 

配当金は基本的に利益余剰金から支払います。

そのため、増配をするには利益を毎年しっかり増やしていかなければなりません。

 

56年というと、その間リーマンショックをはじめ、たくさんの経済危機などがありました。

苦境の中でも大きく利益を落とすことなくしっかり稼ぐ力があり、成長を続けてきた優良企業の証と言えるでしょう。

 

S&Pの格付けは脅威のAAA

ジョンソン&ジョンソンは、世界最大の格付け機関であるS&PからAAA格付けを取得しています。

 

AAA格付けは最高格付けです。

AAA格付けを付与されている企業は世界でジョンソン&ジョンソンとマイクロソフトのみとなっています。

 

後ほど業績の項目でも詳しく説明しますがジョンソン&ジョンソンは23%を超える高い営業利益率を誇っています。

ジョンソン&ジョンソンは、特に医薬品や医療機器の分野で非常に多くの特許を持っています。

そのため、営業利益率も高く、キャッシュリッチであることが、手厚い株主還元策にもつながっているのですね。

 

バフェット銘柄だったのに見限られた?

これだけの優良銘柄ですので、かつては当然のようにバフェット銘柄のひとつとして君臨していました。

しかし、リーマンショックの時期に他の割安株購入資金作りのためか少しずつ保有量が減少、

その後またジョンソン&ジョンソンを買い増ししたようですが、2011年には再度大きく持ち高を減らし2012年には売却しきってしまっているようです。

 

2011年頃と言えば、ジョンソン&ジョンソンでは大規模リコールや訴訟が相次いだ時期です。

医薬品部門に陰りが出てバフェット氏のジョンソン&ジョンソンの経営に対する疑義が生まれたという報道もありました。

これが原因で見限られてしまったと思われます。

 

ジョンソン&ジョンソンの業績推移

直近5年間は、売上高が緩やかな右肩上がりになっています。

当期純利益に関しては、2017年期は利益が大きく減っています。

これは税制改正に伴う一時的な費用136億ドルを計上したためです。

上記費用がなければ当期純利益もおおむね右肩上がり傾向という推移になっています。

 

ジョンソン&ジョンソンは、取り扱っている製品が基本的に景気の動向に左右されずに需要がある製品がほとんどです。

特許を持つ製品など、安定して高い利益率を維持できるものも多いため、業績にもそこまで大きな動きはありません。

Dec-14Jan-16Jan-17Dec-17Dec-18Dec-19
売上高74,331.0070,074.0071,890.0076,450.0081,581.0081,518.82
営業利益20,563.0019,196.0019,803.0017,673.0017,999.0025,803.92
税引前当期利益20,563.0019,196.0019,803.0017,673.0017,999.00
当期利益16,323.0015,409.0016,540.001,300.0015,297.0019,317.12

 

ジョンソン&ジョンソンの業績推移

 

ジョンソン&ジョンソンの株価指標を分析する

それでは、現在の株価は買ってもいい水準なのでしょうか?

いくつかの株価指標を使って見て行きましょう。

まずはPERです。PERは株価が業績に対して割安か割高かを見る指標です。

日本語では株価収益率と言います。

 

現在の株価を投資金額、予想1株利益(EPS)を1年で得られる利益とした場合、投資金額を何年で回収できるかを示しています。

PERは業種や企業によって割安割高と判断する水準が違います。

 

ジョンソン&ジョンソンの場合、PERは大体20倍前後で推移しており、それがひとつの目安となります。

現在のPERは17倍台後半となっているため、普段よりは少し割安に評価されていると言えます。

 

Dec-14Jan-16Jan-17Dec-17Dec-18Dec-19
PER(倍)18.0418.7918.7426.322.9819.37
ジョンソン&ジョンソンのPER推移

 

EPSは直近堅調に推移

また、株価はPER×EPSで表されます。

予想EPSは7.31ドルです。

仮にPERが20倍で計算すると、株価は146ドルほどになります。

現在の株価は130ドルなので、PERが20倍の水準に戻るとすれば12%ほどの上昇余地があるということになります。

以下はジョンソン&ジョンソンの過去からのEPSの推移です。

Dec-14Jan-16Jan-17Dec-17Dec-18Dec-19
EPS5.85.566.045.315.76.77
BPS25.0625.8226.0222.4322.4423.76

 

ジョンソン&ジョンソンのEPSの推移

 

 

配当貴族企業であるが現時点での配当利回りは平均並み

ジョンソン&ジョンソンの場合、株主還元に積極的なので、毎年配当金をしっかり増やしています。

増配歴は56年と既に半世紀以上も配当金を増額していっています。

 

配当貴族銘柄の魅力

株価上昇・毎年増配!?「配当貴族・配当貴族指数」とは!米国と日本の代表個別株式銘柄と共に魅力を紹介。

2019年9月21日

 

しかし、配当利回りは『配当金÷株価』で導きだされます。

配当金自体が増額したとしても株価も一緒に上昇してしまったら配当利回りは上昇しません。

ジョンソン&ジョンソンの過去10年の株価推移

上記のようにジョンソン&ジョンゾンは株自体の人気が比較的高いので、株価が高く配当利回りとしては2.5%前後です。

米国企業の中では突出して高いわけではありません。

Dec-14Jan-16Jan-17Dec-17Dec-18Dec-19
配当(ドル)2.762.953.153.323.543.73
配当利回り2.64%2.82%2.78%2.38%2.70%2.84%

 

ただ、平均2%弱の日本企業と比較すると、十分魅力的な配当利回りです。

また米国企業は、配当支払いが年4回あるところが多いです。

ジョンソン&ジョンソンは、3月、6月、9月、12月に配当をもらうことが出来ます。

1回当たりの金額は少ないですが、株を買ったらわりとすぐに配当の権利をもらうことができるのも魅力のひとつです。

 

今後の増配に期待して長期で保有することが魅力的な銘柄であるといえるでしょう。

まとめ

ジョンソン&ジョンソンについて見てきました。

現在、米中貿易摩擦など様々な政治・経済的な混乱から世界的に景気減速が懸念されており株価も乱高下している状況にあります。

ジョンソン&ジョンソンのようなディフェンシブ銘柄と呼ばれる景気に業績が左右されにくい株式は相場が不安定なときこそ本領を発揮します。

もちろん全体の相場下落の影響も受けます。

しかし、景気敏感株に比べると株価の下落幅が小さい傾向があるほか、株価が下がってもしっかりと配当金を受け取ることができるのも魅力です。

株価が下がっているときにはぜひ買ってみたい銘柄です。

 

■ 投資判断:買い

▷ 安定した業績や、連続増配が魅力。長期保有を前提に、押し目ではしっかり買いに行きましょう。

■ 業績推移:

▷ 多くの特許を持ち、安定収入源となる製品多数。売上・利益共に安定的。

■ 株価指標:

▷ PERは20倍ほどで推移。現在は17倍前後なので、やや割安。。

▷ 配当利回りは2.5%程度。

■ 株主還元策:

▷ 56年連続増配している配当貴族企業

▷ 自社株買も積極的に行っている

 

 

以上、【JNJ】56年増配を記録する配当貴族銘柄『ジョンソン&ジョンソン』の今後の株価を予想する!…でした。

 

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2019年9月23日

 

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マネリテ!編集部は東京大学経済学部卒の証券アナリストを中心とした金融知識が豊富なメンバーが株式投資初心者に向けて有益な情報を提供しています。株式投資を行う意義から基本用語、おすすめのネット証券・投資先情報をお伝えするメディアです。日本人の金融リテラシーの向上と明るい未来を目指しています。