マレーシア株は買い?馬国の経済・財政をファンダメンタルズ分析!政府が中所得国の罠を突破できるかが今後の成長の鍵。

マレーシア株は買い?馬国の経済・財政をファンダメンタルズ分析!政府が中所得国の罠を突破できるかが今後の成長の鍵。

マレーシア株に投資をするにも、まずはマレーシアの国について理解する必要があります。

ところで、マレーシアといえば、何を思い浮かべますか?

秀次郎
ペトロナスツインタワー、ココナッツミルクで炊いたナシレマ・・・色々と思い浮かぶのぅ。

日本で有名アーティスト・GACKTさんもマレーシアに移住したことが一時期話題になっていましたよね。

Gacktマレーシア移住

(引用:ORICON)

秀次郎
現地ではセレブ生活をしているみたいで、居心地の良い国なんかのぅ。

そんなマレーシアに株式投資をするにあたり、ファンダメンタルズ分析をしていきます。

家三郎
参考にしてみるのじゃ。

 

早く株式市場そのものについて知りたいという方は以下をご覧ください。

 

【マレーシア株式投資】馬国の代表的株価指数とおすすめ株とは?買い方を含めて解説する。

【マレーシア株式投資】馬国の代表的株価指数とおすすめ株とは?買い方を含めて解説する。

2019年6月27日

 

マレーシアとは?

まずは基本一般事項と経済概況を【JETRO(日本貿易振興機構)】の情報を参考に見ていきましょう。

国・地域名マレーシア Malaysia
面積33万290平方キロメートル(日本の0.87倍)
人口3,205万人(2017年、出所:マレーシア統計局)
首都クアラルンプール 人口179万人(2017年)
言語マレー語、英語、中国語、タミール語
宗教イスラム教 61.3%、仏教 19.8%、キリスト教 9.2%、ヒンドゥー教 6.3%など
注:割合は2010年の推定
出所:米国中央情報局
公用語マレー語

マレーシアは日本の国土の0.8倍と意外に小さく、人口は日本の約1/4程度しかいません。

首都クアラルンプールの人口は179万人と日本の東京(約1400万人)の12%程度です。

続いて基本的なマレーシアの経済概況に移ります。

項目2018年
実質GDP成長率4.7(%)
名目GDP総額354(10億ドル)
一人当たりの名目GDP10,942(ドル)
鉱工業生産指数伸び率3.0(%)
消費者物価上昇率1.0(%)
失業率3.3(%)
輸出額247,519(100万ドル)
対日輸出額17,138(100万ドル)
輸入額217,606(100万ドル)
対日輸入額15,755(100万ドル)
経常収支(国際収支ベース)n.a.
貿易収支(国際収支ベース、財)n.a.
金融収支(国際収支ベース)n.a.
直接投資受入額32,648(100万リンギ)
(備考:直接投資受入額)フロー
外貨準備高n.a.
対外債務残高924,887(100万リンギ)
政策金利3.00(%)
(備考:政策金利)期末値
対米ドル為替レート4.14(リンギ)
(備考:対米ドル為替レート)期末値

GDP成長率は2018年は4.7%と高水準。

一人当たり名目GDPは10,943米ドルとまさに中所得国の罠に突入している状況です。

つまり、産業転換がうまくいくかどうかが今後の経済成長の一つのポイントになりそうです。

ここからはさらに詳しくマレーシア経済について考察していきます。

経済成長(GDP)の推移

マレーシアの過去からの経済推移を見ていきましょう。

IMF「マレーシアGDP成長率推移」

(引用:IMF「マレーシアGDP成長率推移」)

 

推移を見ると、1998年はアジア通貨危機後にV字回復を果たしておりこれはASEAN諸国は同様の形をしていますね。。

2008年にはリーマンショックの影響を多少受けていますが、以降は安定して5%前後の成長率を維持しています。

家三郎
世界経済危機が起きた後の回復力は新興国の強みじゃな。

ASEAN5」の中でマレーシアの経済成長率を比較すると以下の通りとなります。(↙️右にスクロール可能)

ASEAN5/年199519961997199819992000200120022003200420052006200720082009201020112012201320142015201620172018
Indonesia8.2%7.8%4.7%-13.1%0.8%5.0%3.6%4.5%4.8%5.0%5.7%5.5%6.3%7.4%4.7%6.4%6.2%6.0%5.6%5.0%4.9%5.0%5.1%5.2%Indonesia
Malaysia9.8%10.0%7.3%-7.4%6.1%8.7%0.5%5.4%5.8%6.8%5.0%5.6%6.3%4.8%-1.5%7.5%5.3%5.5%4.7%6.0%5.1%4.2%5.9%4.7%Malaysia
Philippines4.7%5.8%5.2%-0.6%3.1%4.4%2.9%3.6%5.0%6.7%4.8%5.2%6.6%4.2%1.1%7.6%3.7%6.7%7.1%6.1%6.1%6.9%6.7%6.2%Philippines
Singapore7.0%7.5%8.3%-2.2%6.1%8.9%-1.0%4.2%4.4%9.5%7.5%8.9%9.1%1.8%-0.6%15.2%6.5%4.3%5.0%4.1%2.5%2.8%3.9%3.2%Singapore
Thailand8.1%5.7%-2.8%-7.6%4.6%4.5%3.4%6.1%7.2%6.3%4.2%5.0%5.4%1.7%-0.7%7.5%0.8%7.2%2.7%1.0%3.1%3.4%4.0%4.1%Thailand

 

2018年のマレーシアの経済成長率は4.7%に対して、インドネシア(5.2%)、フィリピン(6.2%)、シンガポール(3.2%)、タイ(4.1%)となっています。

3年の平均ではフィリピン(6.6%)、インドネシア(5.1%)、マレーシア(4.9%)、タイ(3.8%)、シンガポール(3.3%)、となっております。

家三郎
ASEAN5」の中では3番目に成長率の高い国じゃが、すでに他国よりGDPが高い状況での成長率であることを忘れてはいかん。すごい伸びなのじゃ。

以下のグラフでは、オレンジの線がマレーシアです。近年は大きな下落なく、成長を続けていることがわかります。

ASEAN5経済成長率

(引用:IMF「ASEANのGDP成長率推移」)

 

次に、一人当たりGDPに着目しましょう。

新興国株式の見通しについて解説しているコンテンツ「下落可能性は?2019年(令和元年)以降の新興国・途上国株式市場の見通し分析。」でも「中所得国の罠」(一人当たりGDP1万米ドル)について触れました。

中所得国の罠とは

「中所得国の罠」とは、多くの途上国が経済発展により一人当たりGDPが中程度の水準(中所得)に達した後、発展パターンや戦略を転換できず、成長率が低下、あるいは長期にわたって低迷することを指す。これは、開発経済学でゆるやかに共有されている概念であり、その端緒は世界銀行が07年に発表した報告書にあるとみられている。

(引用:内閣府「中所得国の罠とは」)

マレーシアの一人当たりGDPは現在どのような局面にあるのでしょうか。

ここでもASEAN5を並べてみていきたいと思います。

199519961997199819992000200120022003200420052006200720082009201020112012201320142015201620172018
Indonesia1,254.021,394.501,308.11572.09829.574870.154834.1391,002.911,186.851,280.701,403.881,764.792,064.232,418.042,464.963,178.133,688.533,744.533,684.003,533.613,367.693,605.723,884.723,870.56Indonesia
Malaysia4,612.505,103.044,941.363,470.473,710.074,286.834,130.384,379.644,673.915,171.425,599.056,264.427,378.598,646.577,439.448,920.4810,252.5910,655.4610,699.6611,008.879,511.819,380.989,827.6710,941.75Malaysia
Philippines1,200.431,276.661,240.77958.161,078.001,051.97970.3771,013.421,024.771,093.481,208.931,405.211,683.691,941.001,851.072,155.412,379.942,591.632,768.472,849.272,882.772,953.212,988.903,103.62Philippines
Singapore24,937.2726,262.2626,386.3521,824.0121,796.2523,793.1121,576.8122,016.9823,573.8527,404.8129,869.9033,579.1639,223.5439,722.1538,577.1746,569.4053,363.9454,891.8756,519.3557,271.7255,330.5156,454.7459,990.0664,041.42Singapore
Thailand2,871.563,071.062,492.621,866.602,057.322,030.731,921.672,133.122,404.942,714.642,955.793,442.394,058.394,471.124,298.305,174.535,600.645,979.226,296.196,079.695,967.676,113.806,730.567,187.19Thailand

 

IMF「ASEAN5一人当たりGDP

(引用:IMF「ASEAN5の一人当たりGDP」)

 

シンガポールはすでに6万米ドル台の一人当たりGDPを誇っており(グラフからは省略)、マレーシアが中所得国の罠にちょうど差し掛かったところ、そしてタイが続きます。

家三郎
中所得国の罠を突破して経済成長が継続できるかが肝じゃのう。

マレーシアはすでに大きな経済成長をしてきたことがわかりました。

ここからは、経済の成長ドライバーとなる「人口」を見ていきましょう。

人口推移とピラミッド

一般的に、中国やインドのように人口が多い国は経済成長力が強く、人口が継続して増えていく段階においてはその成長が加速していきます。

また、人口ピラミッドに表される人口の年齢構成も、若い世代が多ければ多いほど、労働力が担保され、経済成長は維持されます。

マレーシアはどのような人口推移、人口ピラミッドになっているのでしょうか?

まずは過去からの人口推移からですが、数字の方はせっかくなのでここでは「世界」と「日本」の人口と比較します。(国連データより

単位:千人199519961997199819992000200120022003200420052006200720082009201020112012201320142015
マレーシア20,49621,02321,56522,11322,65623,18623,69924,19924,68925,17425,65926,14426,62627,11127,60528,11228,63529,17029,70730,22830,723
(世界対比)0.36%0.36%0.36%0.37%0.37%0.38%0.38%0.38%0.39%0.39%0.39%0.39%0.40%0.40%0.40%0.40%0.41%0.41%0.41%0.41%0.42%
日本126,375126,654126,903127,127127,336127,534127,724127,903128,068128,214128,336128,433128,505128,551128,567128,552128,505128,426128,313128,163127,975
(世界対比)2.20%2.17%2.15%2.12%2.10%2.08%2.05%2.03%2.01%1.98%1.96%1.94%1.92%1.89%1.87%1.85%1.82%1.80%1.78%1.76%1.73%
世界5,751,4745,831,5655,910,5665,988,8466,066,8676,145,0076,223,4126,302,1506,381,4096,461,3716,542,1596,623,8486,706,4196,789,7716,873,7416,958,1697,043,0097,128,1777,213,4267,298,4537,383,009
マレーシアの過去からの人口推移

(引用:United Nation「DESA / POPULATION DIVISION」)

 

マレーシア(緑)は小規模ながら、は右肩上がりで人口が増加、日本は横ばいであることがわかります。

それでは今後の人口見通しはどのようになっているのでしょうか。

(単位:千人)201520162017201820192020202120222023202420252026202720282029203020312032203320342035203620372038203920402041204220432044204520462047204820492050
マレーシア30,72331,18731,62432,04232,45432,86933,28933,71134,13134,54534,95035,34435,72836,10236,46536,81537,15337,47837,79138,09138,38138,65838,92539,18239,42939,66839,90040,12440,34140,55440,76140,96441,16241,35641,54541,729
(世界対比)0.42%0.42%0.42%0.42%0.42%0.42%0.42%0.42%0.42%0.43%0.43%0.43%0.43%0.43%0.43%0.43%0.43%0.43%0.43%0.43%0.43%0.43%0.43%0.43%0.43%0.43%0.43%0.43%0.43%0.43%0.43%0.43%0.43%0.43%0.43%0.43%
日本127,975127,749127,484127,185126,855126,496126,109125,697125,259124,796124,310123,801123,273122,725122,160121,581120,987120,382119,765119,138118,500117,853117,198116,539115,876115,212114,548113,885113,226112,571111,923111,283110,650110,024109,406108,794
(世界対比)1.73%1.71%1.69%1.67%1.64%1.62%1.60%1.58%1.56%1.54%1.52%1.50%1.48%1.46%1.44%1.42%1.40%1.39%1.37%1.35%1.33%1.32%1.30%1.28%1.27%1.25%1.24%1.22%1.21%1.19%1.18%1.16%1.15%1.14%1.13%1.11%
世界7,383,0097,466,9647,550,2627,632,8197,714,5777,795,4827,875,4657,954,4698,032,4878,109,5338,185,6148,260,7108,334,8028,407,9008,480,0278,551,1998,621,4168,690,6748,758,9738,826,3168,892,7028,958,1279,022,5909,086,1049,148,6849,210,3379,271,0639,330,8469,389,6569,447,4559,504,2109,559,9099,614,5459,668,0939,720,5269,771,823

 

国連のデータによると、2050年まで、緩やかにマレーシアも人口が増加していくことが予想されています。

日本は世界人口に対しての比率が小さくなり、人口が減少していくことが予想され、日本国民としては寂しく感じますね。(グラフは2035年まで)

マレーシアの今後の人口推移

(引用:United Nation「DESA / POPULATION DIVISION」)

 

人口について最後に人口ピラミッドを確認しましょう。

若い世代の比重の大きい形となっていれば人口も増加、労働力も十分、という状況になります。

マレーシアの人口ピラミッドは以下の図の通りです。

マレーシアの人口ピラミッド

(引用:JETRO資料「消費を支える世代:若者世代の増加」)

 

平均年齢は28.3歳と同じASEANの雄・インドネシアに比べると、経済成長のドライバーとしては役不足感が否めません。

経済産業省「マクロ経済動向[2018年人口動態:男女年代別]

(引用:経済産業省「マクロ経済動向[2018年人口動態:男女年代別]」)

 

マレーシアの人口を総括すると、人口は緩やかに上昇、平均年齢は低い水準なるも、長期的な経済成長に寄与するとは断言できない状況であるというところでしょう。

ここから先は、マレーシアの産業構造と財政について考察していきます。

産業構造は産業転換の段階を確認、財政については国を操縦する政府が経済成長に向けて適切な政策を取っているのかをみることを目的としています。

産業構造

マレーシアの産業構造を読み解いていきます。

以下はみずほ銀行、みずほ総研の資料です。

マレーシアの産業構造

(引用:みずほ総研「経済構造[産業・貿易]」)」

 

■ マレーシアは、ASEAN主要国の中で最も工業化が進展した国の1つ。GDPに占める工業の割合は低下傾向にあるものの、現在でも約4割となっている。

■ プランテーションによるパーム油生産など、農業部門も引き続き一定のシェアを占めている。

■ サービス化が進展し、主力産業となっている。

右図の2017年に目を向けると、サービス業の強さが目を引きますね。

  • サービス業:52%
  • 工業:39%
  • 農業:9%
  • 情報・通信:6%
  • 金融・保険:6%
  • 建設:5%
  • 運輸・倉庫:3%
  • 宿泊・飲食:3%
  • 電気・ガス:2%
  • 不動産:1%
  • 上下水道:1%

道路、通信、電力といったインフラの整備状況は、マレーシアはすでにアジアのなかでは優れています。

マレーシアは一人当たりGDPが1万ドルを超えている水準の通り、低賃金による労働集約型(外資工場など)による経済成長は終焉を迎えていることがわかります。

中所得国の罠を脱すべく、サービス業や金融・保険、情報通信などの知識集約型産業へのさらなるシフトが今後の経済成長のポイントとなります。

家三郎
現状は良い感じに産業転換は進んでいそうじゃな。

支出面からみるGDP成長率

ここでGDPとはそもそもどのような計算式で導かれるのかを念のため、おさらいします。

[GDP = 個人消費 + 政府支出 + 民間と政府の投資(=固定資本) + 純輸出 (輸出 – 輸入)]

家三郎
それぞれの言葉の定義は以下の通りじゃ。そう難しくはないじゃろう。
  • 個人消費:国民のモノ・サービスへの消費
  • 政府支出:政府が使用した金額
  • 固定資本:民間+政府の投資
  • 純輸出:貿易で得た利益

ここで注目したいのは「固定資本」です。

基本的に、経済成長を継続していくには投資を止めることができず、投資を継続していく必要があります。

すでに国の投資比率が高い水準にある場合は、今後さらに投資を実行していく必要があり、金額も巨額になっていくため、どこかでブレーキがかかります。

 

また、その投資先がとある他国との貿易のため(工場設備への投資など)に実行しており、大規模であればあるほどそのとある他国への依存度は高くなります。

家三郎
資産運用と同様、「分散投資」の観点は国の経済成長に於いても非常に重要なことなのじゃ。
マレーシアの支出面から見るGDP

(引用:みずほ銀行・総研「経済情勢」)

■ 2018年の実質GDP成長率は、2017年対比で低下した。主な低下理由は、財貨・サービス輸出の減速と、在庫 投資の減少。

■ 2018年10~12月期の実質GDP成長率は、前期から低下した。9月に売上・サービス税が導入され、個人消費が減速したことなどが低下要因。

 

上記図を見て見ると、サービス税導入により多少減速しているものの、個人消費(内需)が大きい割合を占めており、安定的な成長をしているといえます。

しかし、総固定資本形成の割合も低めであり、投資への依存度も高くなく、今後も徐々に資金を投じて国の成長を拡大できる

 

純輸出 (輸出 – 輸入)に目を向けると、マレーシアは主要貿易国が中国(とシンガポール)であることがわかります。

マレーシアの主要貿易国

(引用:JETRO「クアラルンプールスタイル」)

 

ASEAN主要国の中でも中国依存度は高く、中国経済が減速するようなことがあれば、それはマレーシア経済にインパクトをもたらすことも頭に入れておく必要があるでしょう。

中国輸出依存度

(引用:公益財団法人 国際通貨研究所)

 

家三郎
最後にマレーシアの財政面を見ていくぞよ。

財政

マレーシアは現在のGDP水準でも高い経済成長率を誇っており、また知識集約型産業への転換が進んでおり、今後も投資先として魅力的な国といえます。

しかし、経済成長をしていくにはその国の「ドライバー(運転手)」、つまり政府がしっかりと成長へ導く必要があります。

 

政府の財政を見る、というのは高度なことのように感じます。

しかし、稼ぎに対して借金がどれくらいあるのか、という視点で考えるとわかりやすいです。

ポイントは政府の債務額に着目することですが、これはGDPに対しての比率を見ます。

マレーシア政府債務

(引用:公益財団法人 国際通貨研究所「マレーシア経済の現状と展望」)

 

右の図、「公的(政府)債務残高」は50%超、これはASEAN主要国の中でも最も高い水準にあります。

ASEAN主要国の一般政府債務残高対GDP比率の推移

(引用:三菱UFJリサーチ&コンサルティング)

 

まだまだ発展途上な国では、財政不安がある状況下では株式市場、債券市場などから外資資本の資金が引き上げられてしまいます。

上記のようにASEANの中でもマレーシアの対GDP債務比率は高くなっていますが、直近はどのような状況になっているのでしょう。

1957年の独立以来初の政権交代から10日で1年となったマレーシアのマハティール首相の支持率が下降線をたどっている。腐敗の象徴だったナジブ前首相を起訴し、消費税を廃止するなど国民の関心が高い政策に注力してきたが、財政再建路線は後退が目立つ。成長戦略も具体化には遠く、2年目の政権運営は厳しさを増す。

東南アジア研究所(ISEAS)のケイシー・リー上級研究員は「マレーシアの製造業は日本や韓国の水準に達するはるか前に、ピークを過ぎようとしている」と指摘。先進国入り前に成長率が鈍る「中所得国のわな」に陥っていると警鐘を鳴らす。

政権交代前は5%を超えていた成長率が4%台に落ち込むなど、経済は伸び悩んでいる。生活水準が改善しないことへの国民の不満も高まっている。世論調査機関ムルデカ・センターの最新の調査では、マハティール首相の支持率は就任以来、初めて5割を切った。

(引用:日経新聞「財政再建路線が後退 マレーシア、政権交代から1年 」

財政再建路線は後退、先進国入りを前に「中所得国の罠」に陥っていると日経新聞が報じています。

政権の支持率も下がっており、今後の経済成長は政府の役割が大きくなっていく中、どのような舵取りをしていくのかを注視していくべきでしょう。

まとめ

マレーシア株を分析するにあたり、ファンダメンタルな要素を読み解いてきました。

新興国株式投資で基本的に重要となる指標は上記で解説した経済成長(+率)の推移、人口・産業構造、財政があります。

国自体の経済成長が期待できることを理解した上で、為替リスク、そして株価・個別株分析をしていくことになります。

以下マレーシアの指数とおすすめの個別株、さらに購入方法についてお伝えしているのでご覧ください。

 

【マレーシア株式投資】馬国の代表的株価指数とおすすめ株とは?買い方を含めて解説する。

【マレーシア株式投資】馬国の代表的株価指数とおすすめ株とは?買い方を含めて解説する。

2019年6月27日

 

現状、マレーシアの経済成長は政府の今後の舵取り、「中所得国の罠」を抜けられるかどうかで判断すべきでしょう。

リターンの大きい新興国株式投資、考えられるリスクは回避できるよう、分析を実施した上で楽しく投資をしていきましょう。

 

以上、マレーシア株は買い?馬国の経済・財政をファンダメンタルズ分析!政府が中所得国の罠を突破できるかが今後の成長の鍵。…でした。

【新興国株特集】令和元年!2019年以降リターンを最大化できるのはどの国?徹底検証!

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2019年6月27日

[お金の学校特集]

 

昨今の2000万円問題もあり、投資による自助努力で、老後資産を築き自身の身を守る必要が出てきてました。

 

しかし、焦って投資を進めてしまうのはおすすめしません。 必ず失敗します。

 

知識をしっかり仕入れた上で投資は実践していく必要があります。

 

 

その知識を学ぶにあたり、近年「お金の学校」への注目が高まっています。

 

長年、資産運用を学んできた編集部が、お金を専門としたスクールについての特集コンテンツを作成していますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

お金の学校特集

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[おすすめ株式投資セミナー特集]

 

株式投資を「専門家や現役で成功している投資家に学びたい」という方は多いのではないでしょうか?

 

 

現在は、有難いことに、会場開催型、オンライン型など、優良セミナーが数多く開催されています。

 

ここでは、株式投資で成果を出したい初心者の方におすすめできるセミナーを以下の観点から、ランキング形式でお伝えしています。

 

◯ 講義は満足できる内容か?

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