株式投資で、自身で銘柄選択を行なっていると、なかなか利益を出すのが難しいなと悩むことがあります。
たしかに株式投資は古今東西資産を形成をする上で必要不可欠な資産運用なのは疑いがありません。
しかし、しっかりとした知識をもっていないと、自身での運用で却って損失を被る危険性を孕んでいるのです。
株式投資初心者の方はまず以下に紹介する二つの手法で、株式投資の成功体験と喜びを実感するのが長い投資人生を歩む上で良い経験になると思います。
今回はローリスクで勝率が高いと評判の「立会外分売(たちあいがいぶんばい)」の概要とメリット並びにデメリットについて説明していきたいと思います。
目次
Contents
立会外分売はどのような取引なのか
まずは立会外分売がどのようなものが見ていきましょう。
いかにも名前から難しい内容であることが想定される立会外分売。
特徴を列挙すると以下となります。
■ 立会外分売の特徴:
- 立会外分売は株式市場の取引時間外に行われる取引
- 特定の株主からの売注文を細分化して不特定多数に売り出す方法
- 前営業日の終値から数%割引価格で購入ができる
- 申し込みができる時間が短い
まず、立会外分売とは株式市場の取引時間外に既存の株主から大量の『売り注文』を証券会社が預かります。
証券会社が預かった売注文を細分化して不特定多数に売り出す方法のことをいいます。
証券会社が分売を実施する場合証券会社は以下の手順にそって立会外分売は実施されます。
(引用:SBI証券)
- まず注文を受けた証券会社は金融商品取引所に届け出を行います。
- 分売実施前営業日の終値をベースとして分売価格を決定(前営業日)
- 条件発表後から分売実施当日の朝まで申し込み受付(証券会社によって8時半迄のところもあれば8時20分迄のところもあります)
- 株式市場が開場した時に抽選があたった方に約定通知が届いて売買が可能となります。
そして、非常に重要なことなのですが、分売価格は前営業日の終値より数%(約2.5%-3%) ディスカウントされた価格で決定されます。
つまり、実際に取引されている価格より数%安い価格で株を仕入れることができるのです。
では、そもそも立会外分売は何故実施されるのでしょうか?
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立会外分売が実施される理由
数%割引価格で購入できるなんて、そんなウマイ話があるんだろうか。
何か裏があるのでは?と考えられた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
◼︎ 立会外分売が行われる理由:
- 流動性を高めたい
- 『市場替』や『指定替』を狙っている
- 大株主の利益を確定させたい思惑
流動性を高めたい
立会外分売りで様々な投資家に株式を保有していることで流動性は高まります。
極端な例を用いて説明させていただきます。
ある企業Aが1,000,000株(百万株)を発行していたとします。
1,000,000株のうち999,900株を金融機関や創業一族が保有していた場合はどうでしょう。
市場で流通している銘柄はわずか100株ということになりますね。
100株しか流通していなければ一般投資家の太郎さんがA株を購入したい時にA株を売却したい人がいる可能性が低くなります。
結果的に購入したくても購入できないという事態に陥ってしまいます。
故に創業一族や金融機関が保有している株を売に出してます。
様々な方に株式を保有してもらうことによって『売りたい時にいつでも売れる』『買いたい時にいつでも買える』状態に流動性を高める目的で実施される場合があります。
- そもそも買い手がみつからない
- 結果的に株価が大幅に下落する可能性がある
というリスクを抱えるため、数%お得な価格で株式市場が空いてない時間でお得感を持たせて抽選形式で実施を行うのです。
さらに流動性を高めることで次の『市場替』や『指定替』を狙う場合もあります。
『市場替』や『指定替』を狙っている
『市場替』や『指定替』を狙って立会外分売が実施される場合もあります。
市場替とは『JASDAQ』→ 『東京証券取引所』や『名古屋証券取引所』→ 『東京証券取引所』のように上場する証券取引所を変更することです。
一方、指定替とは『東証マザーズ』→ 『東証二部』や『東証二部』→ 『東証一部』のように上場してい市場を変更することです。
上位の証券取引所や市場に市場替や指定替を行う場合は、株主数が要件として見られるため、投資家の数を増やす目的で立会外分売が実施されることがあります。
ちなみに東証一部に昇格する条件として株主は2,200人以上で流通株式は2万単位以上という条件があります。(参照:日本証券取引所)
SBI証券の調べによると2017年1月〜10月の10ヶ月の間に132銘柄が立会外分売を実施して26銘柄。
つまり約20%が市場替や指定替を立会外分売の後に実施しております。
特に東証一部への市場替や指定替が行われた場合は株価が上昇する傾向(後述)にあります。
立会外分売で安く仕入れることができ二重でお得ですね。
大株主の利益を確定させたい
今までの二つはポジティブな理由から立会外分売を実施するパターンでした。
3つ目は必ずしもポジティブというわけではありません。
例えば創業者が自分の保有している株がもう高値圏であると考えており利益を確定させたい場合があります。
創業者の中には相当なポーションの株を保有されている方もいらっしゃいます。
もし株式市場で大きなポーションの売却を行なった場合に株価が大きく下落してしまう可能性があります。
株価が大きく下落するくらいであれば、初めから数%割安な価格であっても売却して利益を確定させたい、という思惑をもって立会外分売が実施される場合もあるのです。
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立会外分売のメリット
それでは一部触れてきましたが立会外分売のメリットについてまとめていきたいと思います。
数%割引価格で購入できる
まずはなんといっても市場で取引されている価格に対して約2.5%〜3%の割引価格で購入できる点が最大のメリットです。
2017年全体の勝率はなんと82%となっています。(分売価格と分売実施日の終値を比較)
立会外分売を実施した企業数 | |
10%以上 | 4 |
7.5%-10% | 9 |
5%-7.5% | 17 |
2.5%-5% | 24 |
0%-2.5% | 54 |
▲2.5%-0% | 21 |
▲5.0%-▲2.5% | 3 |
▲7.5%-▲5.0% | 1 |
(SBI証券データを元に管理人作成)
中には10%以上の利益を得られる銘柄も存在してました。
また仮に損失がでたとしても殆どが▲2.5%に収まっている点も魅力的ですね。
『市場替』や『指定替』で利益が望める
先ほど東証1部への『市場替』や『指定替』で株価が大きく上昇する傾向にあるという点にふれました。
特に最後が重要になります。
ETFや投資信託に組み入れられることにより機関投資家や資産運用会社からの大口の買が入り上昇する傾向にあるのです。
資産運用会社が組成する日本のインデックス型の投資信託やETFには日経平均と並んでTOPIXを連動目標としてものが非常に多くあります。
TOPIXは東証一部に上場されている全ての銘柄の時価総額加重平均です。
連動目標を達成させるためには東証一部の銘柄を購入する必要がでてくるのです。
結果的にETFや投資信託からの買が発生するので価格が上昇していくのです。
反対に、立会外分売に外れたとしても東証一部への『市場替』『指定替』を狙っていると見込むことができるのであれば、素直に買っておくのも一つの投資手法となります。
購入時手数料が無料
立会外分売は証券取引所外での取引ということもあり購入手数料もかからないというメリットがあります。
割引価格で尚且つ手数料もかからず購入できるのは魅力の一つです。
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立会外分売のデメリット
メリットばかりと思われる立会外分売ですが、何かデメリットはあるのでしょうか?
立会外分売は基本的にはメリットの方が多いのですが、数少ないデメリットもあるのでお伝えしたいと思います。
利益がでるとは限らない
特に夜間の米国株式市場が暴落ということにでもなってしまえば日本株全体も大きく値下がりして開始する傾向にあります。
数%の割安価格で購入できたとしても、それ以上の勢いで下落して取引が開始となるケースもでてくるのです。
IPO同様世の中確実に儲かる話というのはありません。
あくまで立会外分売も『儲かる可能性が高い』投資手法であるということは念頭においておきましょう。
利益は限定的となる場合が多い
また仮に抽選で当選したとしても当たるには多くても数単元程度ですので大きな利益を望むのは難しくなります。
それでも最大で10%程度の利益もでることもあります。
1単元50万円の銘柄が2単元あたった場合は10万円の利益を得られる可能性もあるので見過ごせないですよね。
さらに『市場替』『指定替』となる銘柄は立会外分売が行われている銘柄の20%ありま。
『市場替』『指定替』が見込まれる銘柄であれば、保有し続けて大きな利益獲得を狙うことができます。
申し込み期間が短いため忘れる可能性がある
最初に申し上げた通り通り分売価格が決定(前日18:00前後)されてから申し込みが締め切られる(当日8:30前後)まで非常に短いです。
申し込みを忘れてしまうということが十分起こり得ます。
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立会外分売におすすめの証券会社
立会外分売の一番の問題は『いつ立会外分売が発生するかわからない』という点です。
SBI証券ではメールの通知設定を行うことで『ディスカウント価格で株式購入/立会外分売実施!』という題でメールが配信されます。
年間の立会外分売数は100-150程度ですので約2日〜3日に一回の頻度でメールがきます。
通知メールには以下の内容が記載されています。
- 銘柄名
- 割引率
- 買付申込数量の上限
- 受付期間
SBI証券の口座開設とSBI証券の魅力については以下にてまとめておりますので参考にしてみて下さい。
SBI証券に口座を開設されている方に向けて設定方法をお伝えします。
まずログインを行い『口座管理』→ 『お客様情報設定・変更』→ 『Eメール通知サービス』をおします。
真ん中まで進んでSBI証券からのご案内メール状況の欄の『変更』を押します。
その次の画面でSBI 国内株式 news の受信するを選択します。
一番したの『設定変更の確認をする』を押して設定が完了します。
IPO同様、立会外分売については様々な証券会社から申し込んだ方が当選確率がたかまります。
SBI証券の通知を利用しながら様々な証券会社から申し込まれた方が賢明となります。
注目度が高かったり、魅力度が高い立会外分売案件については編集部が
- 銘柄の業績の魅力度
- 東証一部への鞍替え可能性
- 当選可能性の高低
という観点からまとめていますので参考にしてみてくださいね。
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まとめ
立会外分売は高い確率で利益を得られる魅力的な投資手法です。
- 立会外分売は株式市場の取引時間外に割引価格で購入できる投資手法
- 勝率は80%を超える
- 主に流動性を高めたり『市場替』『指定替』のために行われる
- 『市場替』『指定替』となる可能性は約20%更に儲かる可能性も
- SBI証券では立会外分売の実施メールが届きチャンスを見逃さずに済む
以上、立会外分売とは?ローリスクで勝率80%以上で儲かる株式投資初心者にもおすすめの投資法。…の話題でした。