【2978 】IPO当選のチャンス到来?2019年7月31日上場の「ツクルバ」の魅力を徹底評価!

7月31日上場予定のIPO「ツクルバ」。

ツクルバは2,202,200株と公開株式数が多いため、参加しやすいIPOになっています。

今回はツクルバとはどのような企業なのかを事業内容や業績をチェックしながら詳しくご紹介していきたいと思います。

また、気になる初値予想やIPOでの購入情報もご紹介していきます。

 

ツクルバのIPOスケジュールと各証券会社の割当

ツクルバの主幹事はIPOでの株価が上がりやすいと評判の大和証券です。価格帯も20万円前後と参加しやすい株価帯になっています。

ツクルバのIPOスケジュール

以下はツクルバのIPOスケジュールとなっています。

ブックビルディング期間7月16日(火)~7月22日(月)
市場東証マザーズ
公募価格決定7月23日 (火)
購入申し込み期間7月24日(水)~7月29日(月)
上場予定7月31日(水)
公募株式数535,000株
仮条件価格1,900円~2,050円

 

ツクルバの各証券会社の割当

ツクルバの証券会社への割り当ては以下となっています。

楽天証券が今回も引き受けを受けておりIPOに力を入れ始めているのが実感できますね。

証券会社株式数割当率
大和証券(主幹事)2,106,700株95.00%
みずほ証券38,300株2.00%
いちよし証券19,100株1.00%
SBI証券19,100株1.00%
マネックス証券9,500株0.50%
楽天証券9,500株0.50%

 

今回は主幹事の大和証券の割当率が95%になっているため、大和証券での申し込みをおすすめします。

 

ツクルバの事業内容

「ITを活用したリノベーション住宅の流通プラットフォーム」がツクルバの事業の柱の一つです。

業種分類では「不動産業」に属しているツクルバですが、通常私たちが思い浮かべる不動産業とは、違った事業を展開していることがわかります。

ツクルバ

ここではツクルバはどのような事業を展開しているのか、具体的な事業内容をご紹介していきたいと思います。

ツクルバの基本スペック

社名株式会社ツクルバ
設立2011年8月
本社所在地東京都目黒区上目黒1-1-5 第二育良ビル2F
代表者代表取締役CEO 村上浩輝      

代表取締役CCO 中村真広

従業員数117名

 

基本スペックでの注目点はツクルバではCCOという役職を設置している点です。

CEO(最高経営責任者)という役職は一般的になっていますが、CCOとはいったいどのような役職なのでしょうか?

CCOとはChief Customer Officerの略称です。具体的には下記のような仕事を行っています。

 

≪CCOの役割≫

  • データを元に顧客のニーズや動向を細かく分析
  • 顧客中心の組織文化を作るために各部署へ働きかける
  • 顧客の期待に応えるサービスを提供する

 

よって、「CCOを設置する=顧客第一の経営を行う」ことになります。

このことから、ツクルバは顧客満足度を重視した経営が企業の基本的な経営方針であることがわかります。

 

ツクルバの事業内容

<<ⅰ.「cowcamo(カウカモ)」事業>>

ツクルバでは「cowcamo」というリノベーション物件を販売するサイトを運営しています。

この「cowcamo」の運営がツクルバの事業の柱の一つになっています。

COWCAMOのリノベーション事業

cowcamo

 

おすすめ物件を見るとわかるように、ツクルバではかなり価格設定の高い物件が多いことがわかります。

これはツクルバでは、リノベーションによる1点ものにこだわり付加価値をプラスすることで、

販売価格帯を上げていることが要因といえます。

 

<<ⅱ.シェアードワークプレイス事業>>

ツクルバのもう一つの事業の柱であるシェアードワークプレイス事業では、以下のサービスを提供しています。

・コンサルティング

成長の先をも見据えた上で、「組織」と「働く場」に関するコンサルティング業務を行っています。

 

・物件仲介

設計・仲介の専門家が、クライアントの課題・ニーズをヒアリングを加味し、ありたい”場”を実現するための物件を仲介しています。

 

・デザイン

企業の文化、職種に応じた働き方を反映させ、最適な空間をデザインしています。

 

・運用支援

オープン以後のサポートも行っています。

 

ツクルバでは上記のほかにもインターネットサービスの開発や空間デザイン・プロデュースに関する調査分析・企画・デザインといったサービスも提供しています。

 

ツクルバの上場理由とは?上場で得た資金の使い道を探ろう!

ツクルバは上場して得た資金をどのように活用するのでしょうか?

ここでは目論見書から資金のつかいみちを探っていきたいと思います。

 

①:新規発行による手取り金額

ツクルバは上場することにより手数料を引いた手取り金額で1,046百万円の資金を獲得します。

 

②:手取り金の使途

ⅰ.宣伝広告費 165百万円

「cowcamo」の新規ユーザー獲得のための広告宣伝費。

 

ⅱ.システム開発費 89百万円

「cowcamo」のシステム開発費。

 

ⅲ.事業拠点開発費 366百万円

ワークスペースシェアリングサービスの事業拠点開発に伴う費用及び敷金

 

ⅳ.人材採用費及び人件費 246百万円

人員の拡大に伴う人材採用費及び人件費の一部。

 

ⅴ.本社拡張費 80百万円

 

ⅵ.借入金の返済 80百万円

 

ツクルバの資金の使途から、ツクルバは上場することによって、さらに事業を拡大していくことがわかります。

しかし、追加人員の採用や、広告宣伝費などに資金を投入することは前向きの資金の使途であるといえますが、

従業員の給料や借金の返済に資金を充当するのはいささか疑問が残る資金の使い道であるといえます。

よって、ツクルバの経営状態は要警戒すべきであるといえます。

 

目論見書からみる『ツクルバ』の売上高と利益推移

ここではツクルバが発表している目論見書からツクルバの業績を分析していきたいと思います。

右肩あがりの売上高

売り上げはまさに右肩上がりに推移しています。

5年で売上高がおよそ10倍にも増加していることから、ツクルバの事業には高い需要があるということがわかります。

ツクルバの売上高の推移

ツクルバ目論見書

 

業績急降下の経常利益(損失)

比較して経常利益(損失)は年々損失が増加していることがわかります。

ツクルバの経常利益の推移

やはり資金の使途に借金の返済や社員の給料といった項目がある企業はリスクが高いことが経常利益からも見て取ることができます。

急回復が見込まれる1株あたり利益だが、、

2019年にはなぜかプラスに転じる予定になっている1株あたり利益ですが、

目論見書を見る限り、プラスに転じる理由を見つけることはできません。

ツクルバの1株あたり純利益

改善傾向の自己資本比率

 

年度自己資本比率
2015年76%
2016年44.2%
2017年44.4%
2018年45.6%
2019年52.4%

 

ツクルバの自己資本比率は年々改善傾向にあります。

リスクの高い新興企業は自己資本比率が年々低下する傾向があるため、

新興企業に投資する際には自己資本比率もしっかりとチェックしましょう。

 

配当は無配

ツクルバは無配当です。

むしろベンチャー企業は配当をださずに事業拡大に投資するべきなので当然の結果といえるでしょう。

 

結論から申し上げますと、ツクルバは赤字会社であり、投資先としてはかなりリスクの高い企業であるといえます。

 

ツクルバの上位7位までの大株主とロックアップ情報

ロックアップとは、株式が公開された後に一定期間、市場で持株を売却することができないようにする制度のことです。

ツクルバの上位株式保有者はすべてロックアップの設定がなされているので、

大株主の売却による暴落リスクは比較的低い銘柄であるといえます。

株主保有比率ロックアップ情報
村上 浩輝(CEO)23.43%90日間

1.5倍

中村 真広(CCO)22.27%
(株)エイチ10.27%
合同会社エム10.27%
(株)アカツキ6.41%
イーストベンチャーズ投資事業有限責任組合6.16%
佐藤 裕介2.28%

 

 

気になるツクルバの初値予想!

ここでは編集部独自のツクルバの初値予想を公開していきたいと思います。

 

①:ツクルバの総合評価

ⅰ.ツクルバ購入のメリット

  • IPOは上値抵抗がないため、株価が上がりやすい傾向がある
  • ツクルバは公開株式数が多いため、当たりやすいIPOである
  • 事業の形態が特殊である(独自性が高い)
  • 売上高が右肩上がりに成長している

 

ⅱ. ツクルバ購入のデメリット

  • 赤字企業である
  • 公開株式数が多すぎるため、需給に不安がある
  • 上場で得た資金を人件費や借金の返済に充てている

 

②:ツクルバの初値予想

2,050~2,100円

 

まとめ

7月31日上場のツクルバ。

公開株式数が多いうえに、財務状況も「赤字」とリスクの高いIPOであるといえます。

また気になるセカンダリーですが、こちらもあまり期待できない銘柄です。

IPOは不人気銘柄の場合、上場から数日で出来高が激減し、毎日のように株価が下がってゆく銘柄も多く見かけます。

よって、ツクルバは様子見が良い銘柄であるといえるでしょう。

 

以上、【2978 】IPO当選のチャンス到来?2019年7月31日上場の「ツクルバ」の魅力を徹底評価!…でした。

 

2019年新規公開株一覧!!魅力的なIPO銘柄に投資をしよう。

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2019年8月22日

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マネリテ!編集部は東京大学経済学部卒の証券アナリストを中心とした金融知識が豊富なメンバーが株式投資初心者に向けて有益な情報を提供しています。株式投資を行う意義から基本用語、おすすめのネット証券・投資先情報をお伝えするメディアです。日本人の金融リテラシーの向上と明るい未来を目指しています。