一目均衡表はローソク足チャートとともに純国産のテクニカル指標です。
一目均衡表の特徴は「時間軸」を重視したテクニカル指標であるといえます。
今回は一見難解な一目均衡表を投資初心者でも使えるように説明していきたいと思います。
目次
Contents
一目均衡表とは?
日本の一目山人により誕生
一目均衡表は、1936年に一目山人氏が発表したテクニカル指標です。
一目山人は都新聞の商況部長として活躍した細田悟一氏のペンネームです。
一目均衡表は奥が深く難解なテクニカル指標であるため日本でも熟知している投資家は数名しかいないと言われています。
投資初心者が一目均衡表を活用する場合は細部にこだわらず、「簡単・いいとこどり」で利用するのが無難です。
どんなタイプのトレーダーが愛用しているの?
一目均衡表を好んで使うトレーダーは理論派トレーダーです。
一目均衡表は勉強していくと、相場の転換期などの時間軸からの考察が可能になります。
相場を研究することで、いつどのように相場が動くのかを推測しやすくなるテクニカル指標であるといえます。
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一目均衡表で使う5つの線!「基準線」「転換線」「先行スパン」「遅行スパン」とは?
ここでは、一目均衡表で使われている5つの線をご紹介していきたいと思います。
ただし、線の名前を憶えても、あまり使うことはありません。
「テクニカルアレルギーが…」といった方は飛ばして読んでいただいて大丈夫です(わからなくても、一目均衡表は使えます!)。
基準線
基準線は過去26日間の最高値と最安値の中心値を結んだ線です。
中期的な相場の方向性を見るのに便利な線になります。
具体的には過去26日間の最高値が500円であり、最安値が400円である場合、基準値は450円ということになります。
転換線
転換線は過去9日間の最高値と最安値の中心値を結んだ線です。
短期的な相場の方向性を見るのに便利な線になります。
先行スパン1
基準線と転換線の中心を、26日先に先行させて記入した線です。
先行スパン2
過去52日間の最高値と最安値の中心を、26日先に先行させて記入した線です。
遅行スパン
当日の終値を26日前に記入した線です。
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一目均衡表を視覚からとらえよう!
一見難解な一目均衡表ですが、投資初心者でも利用できる簡単な使い方があります。
ここでは投資初心者向けの一目均衡表の使い方を説明して生きたと思います。
投資初心者でも即使える雲を理解しよう
ⅰ.雲とは
上図はパナソニックの日足チャートに一目均衡表を付けたチャートです。
青い矢印をご覧ください。
何やらピンクの部分に毎回上昇がさえぎられていることを見て取ることができます。
このピンクの部分を「雲」と呼びます。
雲は強力な上値抵抗です。
まさにパナソニックの株価は雲(上値抵抗)に邪魔されている株価推移であることがわかります。
「雲」は先行スパン1と先行スパン2に囲まれた部分です。
上図では先行スパン1が黄色の線、先行スパン2が水色の線になります。
ⅱ.雲の見方
雲は見た目で判断できる便利なツールです。
雲が分厚い場合はそれだけ上値抵抗が強いということになります。
また、雲が薄い場合は上値抵抗が弱いということになり雲を抜きやすい状態であるといえます。
こちらは先ほど見たパナソニックの週足チャートになります。
株価は下落して、買いやすい価格になってきていますが、
逆に上値抵抗である雲は分厚くなっていることがお分かりいただけると思います。
ですから、「安いから買い!」といってパナソニック株を購入してしまうと、高い上値抵抗に阻まれます。
結局「安物買いの銭失い」になりかねないことがお分かりいただけると思います。
【結論】
雲がある銘柄は購入しないようにしましょう!
このように一目でその存在を確認できる「雲」は投資初心者向けの便利なツールであるといえます。
雲のねじれ
上図は日経平均株価の日足チャートです。
水色からピンク、ピンクから水色と雲の色が変わるポイントがあります。
このポイントを変化日といいます。上図の赤い矢印のポイントです。
変化日付近は「なにか起こりやすい」といわれています。
上図を見ると、変化日で相場の様相が変化していることがお分かりいただけると思います。
よって、変化日は相場のトレンドが変わりやすいポイントであるということができます。
ここで気を付けたいのは、「変わりやすい」だけであって、必ず何か起きるわけではありません。
ですから相場の反転を期待して先回り買いに走るといったことはやめたほうがよいでしょう。
どのように変化したのかを確認してからでも遅くはありません。
三役好転は強い買いサイン
以下の条件を満たしたとき一目均衡表では「三役好転」という強い買いサインが発生します。
◼︎ 三役好転の条件:
- 転換線が基準線を上抜け
- 遅行スパンがローソク足を上抜け
- ローソク足が雲を上抜け
ⅰ.転換線が基準線を上抜け
緑の囲いの部分をご覧ください。
転換線(緑の線)が基準線(赤の線)を上抜け(ゴールデンクロス)しています。
ⅱ.遅行スパンがローソク足を上抜け
赤の線をご覧ください。
少々微妙ではありますが、遅行線(ピンクの線)はローソク足を抜いています。
ⅲ.ローソク足が雲を上抜け
オレンジの囲いの部分をご覧ください。
少々微妙ではありますが雲を株価が抜いています。
こうした三役好転銘柄は自分で探さなくても、便利なサイトの情報から知ることができます。
いろいろ確認してみましたがパソナグループのように少し買いサインの判断が早いかなといった難点があります。
また一目均衡表も他のテクニカル同様レンジ相場ではあまり効果を発揮できないというデメリットがあります。
上記の銘柄はレンジ相場のフェイクも多く存在します。
必ず自分の目で確認してからポジションをとるように心がけましょう。
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【一目均衡表の設定方法】Yahoo!ファイナンスで一目均衡表を確認する方法
具体的な分析例に移る前にYahooファイナンスを使って、一目均衡表を確認する方法をお伝えしていきたいと思います。
まずはYahooファイナンスに入りトヨタ自動車を入力します。
その後、以下図の通り『チャート』→ 『テクニカル分析機能』に進みます。
テクニカル分析用多機能チャートに移動して、チャート分析 → 一目均衡表を選べば一目均衡表を確認することができます。
ちなみに日足、週足、月足で各期間毎の図を確認することができます。
それではYahooファイナンスを用いて実際の分析に移っていきましょう!
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一目均衡表を使って、実際に分析してみよう
ここでは、一目均衡表を利用した投資判断や投資術を具体的にご紹介していきたいと思います。
上図は短期でハイボラが出ることが魅力のサイバーステップです。
相場で一番気を付けなければいけないのは、変化日からの分厚い雲です。
このパターンの捕まると長期でずーっと長く下げ続けることが多いからです。
こちらも変化日からの分厚い雲のパターンです。
見事に長期で下げ続けています。
しかし、今後さらに雲が分厚くなることから今後も株価の上昇は難しいであろうことがわかります。
このように変化日からの分厚い雲が出ていたら、長期で下落トレンドが続くことが多いため、株を購入する前に必ずチェックしたいポイントであるといえます。
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まとめ
今回は一目均衡表を投資初心者の方でも投資で活用できるポイントをご紹介してきました。
結論を申し上げますと、雲と変化日だけチェックするだけでも大きな株価変動に巻き込まれる確率が少なくなり相場での勝率が上がる便利なツールであるといえます。
難しいことは考えずに、「投資しようかな?」といった銘柄を見つけた時に上値抵抗があるかをチェックするツールとして使うとよい考えます。
以上、『一目均衡表』『雲』とは?一目山人氏が作った国産テクニカル指標の見方や使い方をわかりやすく解説!…でした。
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