ボリンジャーバンドについては前回概要と基本的な活用方法についてお伝えしてきました。
今回は専門用語を交えながらのボリンジャーバンドの中級編をお届けしていきたいと思います。
スクイーズ→エクスパンション→バンドウォークと相場の進化とともに一緒に進化するボリンジャーバンドを理解して、大相場をボリンジャーバンドを活用して予測できるようになりましょう!
目次
Contents
ボリンジャーバンドの専門用語解説
ボリンジャーバンドとは、テクニカル分析に使われる、株価の値動きを表すラインですが、株価のばらつきを示す標準偏差を利用して引かれています。
ここでは、ボリンジャーバンドの3つのパターン「スクイーズ」「エクスパンション」「寸胴型」について解説するとともに「バンドウォーク」についても解説を行います。
スクイーズ
上図はコロプラの週足チャートにボリンジャーバンドを当てはめた図です。
株価の下落とともにボリンジャーバンドの幅が狭くなっていることがわかります。
このようにボリンジャーバンドの幅が狭まっている状態を「スクイーズ」と呼びます。
このボリンジャーバンドでいう「スクイーズ」の状態を他の言い方で表現すると「レンジ相場」ということになります。
レンジ相場は、株価の充電期間です。
次に動くためのパワーを充電している期間ということになります。
よって、ボリンジャーバンドの「スクイーズ」の状態は、相場のパワーを充電している期間であるといえます。
ボリンジャーバンドの3σを突破して起こるエクスパンション
下図は先ほどのスクイーズ状態であったコロプラの現在の株価推移です。
スクイーズ状態でパワーをため込んだコロプラ相場が一気に激しく動き出していることがわかります。
このように急激な株価の変動によって、ボリンジャーバンドの幅が急拡大する局面を「エクスパッション」といいます。
これを先ほどのレンジ理論で説明すると、レンジブレイクからの急騰ということになります。
よって、エクスパンションが発生した場合、その場面は「相場の初動」であり、利確ではなく、そのままじっとホールドすることになります。
バンドウォーク
下図はオンコリスバイオファーマーの週足チャートにボリンジャーバンドを当てはめたものです。
1σを基準としてきれいな右肩上がりに株価が推移していることがわかります。
このボリンジャーバンドのバンドに沿った値動きを「バンドウォーク」といいます。
エクスパンション→バンドウォークの繰り返しが3回、株価は500円台から4,410円まで高騰しています。
これを他の用語で説明するとエリオット波動の第3波動ということになります。
ボリンジャーバンドを活用すれば、面倒なエリオット波動の計算はいりません。
エクスパンションで買い、バンドウォークの終了で利確するだけでよいからです。
エクスパンションはトレンドの見極めにも使える
強いトレンドの現れであるエクスパンションはトレンドの判断材料としても使うことができます。
エクスパンションが起き、直前の高値や安値を更新すれば、それまでのトレンドが続くサインになりますし、逆に更新しなければレンジ相場になることが考えられます。
このように、エクスパンションでブレイクするかによってトレンドの見極めができるのです。
寸胴型
寸胴型とは、上下で同じ幅のボリンジャーバンドが続くことを指しますが、スクイーズとは異なります。
幅が狭くなっているスクイーズに対し、寸胴型は±2σと広い幅となっている状態を指します。
ボリンジャーバンドの動きでわかること
ボリンジャーバンドの3つの形であるスクイーズ、エクスパンション、寸胴型ですが、それぞれの特徴を理解することで、相場の動きを見極めることができます。
さまざまな指標と同様にボリンジャーバンドは投資のタイミングを教えてくれるのです。
スクイーズ状態では値幅が小さいためトレードには不向きであったり、エクスパンションや寸胴型では値幅が大きいためキャピタルゲイン獲得のチャンスであったりするなど、相場の見極めに活用することができます。
また、ボリンジャーバンドは3つのパターンの繰り返しであるため、しっかりと理解しておくことで、投資をよりスムーズに進められます。
バンドウォークの終了後
バンドウォーク終了後の株価推移はどうなるのでしょうか?
暴落です。
理由はボリンジャーバンドの幅が拡大しているということは、上値だけではなく、下値も拡大するからです。
トレンド相場の終焉をボリンジャーバンドで判断する方法としては、ブレイクした方と反対側のラインが閉じ始めたら終焉のサインだと覚えておきましょう。
このように急騰後の銘柄がその後急落する理由もボリンジャーバンドから解説することができます。
2σ割れから見事に-2σまで暴落していることがわかります。
ボリンジャーバンドは相場のすべてを見渡すことができる非常に便利なテクニカル・ツールであることがわかります。
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ボリンジャーバンドから見る大相場探し
ここでは、ボリンジャーバンドから大相場を解説していきたいと思います。
ボリンジャーバンドと相場を一緒に理解することで、ボリンジャーバンドを活用した大相場探しができるようになります。
そして、トレンド相場を見つけたければスクイーズを探すことが重要です。
それはエクスパンションの前兆がスクイーズだからです。
エクスパンションがどこで始まるかが、利益を大きく左右するため、基準足のスクイーズを見つけてエクスパンションを待つことで利益獲得につなげましょう。
大相場は長いスクイーズの後に突然現れる
前述したコロプラのように大相場は長期のスクイーズの後に突然起こります。
よって、「どこでインしてよいのかわからない」と考える方も多いのではないでしょうか?
スクイーズからエクスパンションに進化した銘柄をどこでとらえたらよいのか?
それは上図のように3σ突破後の「押し」を狙っていくことになります。
エクスパンションの発生要因は3σの突破です。
これは髭で突破していても問題ありません。
ですから、3σ突破=エクスパンション開始の合図だと認識してください。
よって、実際に株式を購入するのは3σ突破後の「押し目」を狙うことになります。
上図であれば724円です。
相場格言にある「初押しは買い」という場面になります。
大相場のサインである「エクスパンション」銘柄を探せ!
エクスパンションの勝率を上げる方法として、大相場を探すためには「エクスパンション」を起こしている銘柄を検索すればよいということになります。
しかし、銘柄の検索ツールに「エクスパンション」銘柄は存在しませんよね?
ですから、実際にエクスパンションを起こしている銘柄を検索するときには、値上がりランキングを活用します。
上位足のトレンドのみをトレード対象に絞ることがオススメです。
上図はヤフーファイナンスの値上がり率ランキングですが証券会社のツールでも検索することができます。
まず、毎日値上がり率ランキングのトップ30銘柄を確認します。
そうすると、エクスパンションを起こしている銘柄に出会うことができます。
2019年9月27日のランキングはコロプラが1位にランクインしています。
この中の銘柄をつらつら見ていくと、面白い銘柄を発見することができました。
3σからの押しである買い場は逃していますがボリンジャーバンドが順調にエクスパンションしていることがわかります。
バンドウォーク前には捕まえられそうです。
銘柄を検索するときにはすべての足をチェックしましょう。
週足を見ると3σを突破したばかりであることがわかります。
しかも大きな出来高を伴っています。
週足(3ヵ月~半年スパン)での相場が近づいていることがボリンジャーバンドから見て取ることができます。
買うタイミングを推測するには一目均衡表便利です。見ると分厚い雲に覆われています。
よって2月までの押し目で購入するか、2月以降の雲抜けで購入するのが良い銘柄であることがわかります。
このようにボリンジャーバンドと他のテクニカル・ツールを併用することで株価の分析の精度を格段上げることができます。
相場になりそうな銘柄をストックして監視すると、良いタイミングで大相場に参加することができます。
このサイオスは筆者が「今回の波はフェイクだから、売り崩してしまえ」と空売りをかけた銘柄です。
次に相場が始まれば、かなり大きな相場を演じる確率の高い銘柄です。
ターゲットは3,000~4,000円あたりかと思っています。
よって、これは読者プレゼントということで、本題に戻ります。
エクスパッションからの押しを狙える銘柄を探す
出来高を伴い、大きくエクスパンションを起こしている銘柄を発見しました。
MACD的にも、まだまだ伸びそうな銘柄です。
また、日足・週足・月足すべての足でエクスパンションを起こしていることも確認しました。
よって、この押しを狙って、うまく次の段階である、バンドウォークに参加したいものです。
エクスパンションだましに注意
キャピタルゲインを狙うことができるエクスパンションですが、「だまし」が存在するので注意しましょう。
ここでは、エクスパンションの「だまし」と「だましの回避方法」について解説していきます。
スクイーズ状態のときに、ひげやロウソクがブレイクするとエクスパンションのように見えてしまう場合があります。
しかし、ブレイクには「だまし」も存在するため、初心者は飛び乗りに注意しなくてはなりません。
ブレイクしたからといってすぐに判断するのではなく、冷静に他の指標も確認してからエントリーすることが大切です。
バンドウォークに乗る
エクスパンションから相場を見つけたら、次はうまくバンドウォークに乗ることが大事です。
週足で見ると、エクスパンションを起こしたばかりであることがわかります。
押しを見極めながら次のバンドウォークに乗っていくことになります。
見てきたように、ボリンジャーバンドを活用することで、
自分でも相場の初動銘柄や大相場になりそうな銘柄を探すことができるようになります。
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まとめ
今回はボリンジャーバンド講座の中級編をお送りしてきました。
ボリンジャーバンドは買い場から売り場までを教えてくれる万能ツールであることがお分かりいただけたと思います。
ボリンジャーバンドを活用して、ぜひ自分で大相場を探してみてください。
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