投資におけるリスク(=標準偏差)とは?株・投資信託のリスクリターンの意味・計算方法を理解しよう!

投資におけるリスク(=標準偏差)

投資の必要性については分かっている。

しかし、「せっかく苦労して貯蓄したのでリスクは冒したくない」という方は多いのではないでしょうか?

 

信太郎
ところでサルよ。投資においてリスクとはどういう意味か理解しておるか?
秀次郎
それは当然下落する『可能性』の高さなのではないのですか?
信太郎
それは大きな誤りじゃぞ。投資におけるリスクというのは価格の振れ幅のことを指すのじゃ。

 

投資におけるリスクというのは平均的なリターンからのブレ幅のことを意味します。

このコンテンツでは、投資におけるリスクの考え方について以下の点を中心にお伝えしていきたいと思います。

 

■ 今回のポイント!

 

  • リスクとは何なのか?
  • リスクをどのように見るべきなのか?
  • 株や投信等で数値化されるリスクリターンをどう理解するべきなのか?

 

これらの点について分かりやすく紐解いていきたいと思います。

目次

【イメージ編】投資におけるリスクとは?

まずは投資におけるリスクの意味をイメージで捉えていただきたいと思います。

 

リターンは過去から算出される平均リターン

 

秀次郎
先ほど殿が『投資におけるリスク』とは価格の振れ幅とおっしゃっりましたが、どういう意味ですか?
信太郎
秀次郎!まずリターンはどういう意味かわかるか?
秀次郎
リターンは過去複数年の値動きから考えて今後1年間でどれだけ価格が上昇(下落)するかという指標ですね。

 

例えば過去5年のリターンが3%というのは、過去5年間の値動きの平均年率リターン3%という意味です。

 

つまり過去5年の値動きを踏襲するならば、今年も平均的な値動きをすれば3%のリターンが見込めるということです。

 

秀次郎
平均年率リターンの求めかたが気になる方はコラムを参照するがよいぞ。

 

リスクは値動きのブレ幅

 

信太郎
いよいよよ本題のリスクについてじゃ!リスクというのは平均的なリターンからいくら上下にブレる可能性があるかという指標なんじゃ。

 

例えばリターンが同じ企業Aと企業Bの株価の値動きを例にみていきましょう。

両社とも平均年率リターンは20%でしたが値動きは全くことなるものです。

 

(平均年率20%成長)企業A企業B
1年目100100
2年目12080
3年目144180
4年目172.8100
5年目207.36207.36

 

わかりやすく可視化すると以下となります。

 

リスクが低い企業と高い企業の株価推移とは?

 

信太郎
どちらの企業の方が安心して投資できるかの?
秀次郎
明らかに企業Aの方が心臓に良さそうですな。

 

企業Aと企業Bの値動きに差を生んでいるのがリスクです。

企業Bの方がリスクが高いと感じるのは毎年度の価格の値動きのブレ幅が非常に大きいことに起因しています。

 

投資の世界では過去のリターンの平均からどれだけブレる可能性があるかを数値化したものをリスクと呼びます。

 

振れ幅が小さいことが過去の値動きから予想される場合を低リスク。

一方、振れ幅が大きいことが過去の値動きから予想される場合を高リスクといいます。

 

わかりやすくリスクが高い企業と低い企業の値動きをイメージ化すると以下の通りとなります。

 

投資におけるリスクの概念図

 

秀次郎
つまり平均リターンから悪くなる可能性もあるが、逆に良くなる可能性もあるということですな!
信太郎
そのとおりじゃ!ではコラムで平均年率リターンの求めからに触れてからリスクについて掘り下げてゆくぞ。

 

以下平均年率リターンの計算方法については興味のある方のみご覧いただければと思います。

 

 

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〜コラム〜意外に難しい平均年率リターンの計算方法

平均年率リターンについては誤解されがちなので補足的に説明していきます。

例えば日経平均株価が以下のような推移を辿るとします。

(わかりやすいように数値は実際のものと異なります)

 

2015年2016年2017年2018年2019年
日経平均20,00021,00018,90022,68023,814
前年比
増加率
+5%▲10%+20%+5%

 

信太郎
上記の場合、過去4年間の平均年率リターンはいくらになると思う?
秀次郎
それは当然、(+5-10+20+5)÷4=5%なのではないですか?
信太郎
残念ながら不正解じゃ。

 

20,000円を5%で4年間運用した場合24,310円になってしまうのじゃ。

 

【計算式】

20,000円 × (1 +0.05 )^4 = 24,310円

平均年率5%では実際の2019年時点の23,814円と異なる日経平均になってしまうのです。

 

信太郎
年率リターンを求める場合は難しいが以下の計算式になるぞ。

 

年平均リターンの計算式

 

秀次郎
わしの想像をはるかに超える難しさですな・・・。
信太郎
実際に求めるケースは少ないじゃろうの。投資信託目論見書を見た時に「このように求められてるのか」と理解するだけでよいぞ。

 

今回の場合に当てはめると、4.46%となります。

年平均リターンの計算式②

 

エクセルで (23,814/20,000)^(1/4) – 1をしてから100を掛けることで算出できます。

実際20,000円を年率4.46%で複利計算を行うことで23,814円となります。

 

信太郎
年率の平均を求める方法は全て上記と同じじゃ!年平均成長率であるCAGRも同じ算出法となっておるから参考にしてみるとよいぞ!

 

年平均成長率(CAGR)の意味は?使い方から計算方法をわかりやすく解説する。

CAGR(年平均成長率)の意味は?使い方から計算方法をわかりやすく解説。

2019年2月23日

 

それでは話を本題に戻してリスクについてより深く見ていきましょう。

 

 

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【統計学的意味編】投資におけるリスク(=標準偏差)とは

投信の目論見書を見ていただけばわかるのですがリスクは数値化されています。

 

信太郎
以前分析したひふみ投信では過去3年間のリスクが15.2%となっておるな。

 

【ひふみプラス】運用利回りが高いことで評判のひふみ投信を徹底評価!現状と今後の見通しについてわかりやすく解説。

2018年12月15日

 

ひふみ投信『2019年3月運用レポート』

 

数値化されているということは、計算によって算出されていることを意味します。

 

投資におけるリスクとは標準偏差のこと

信太郎
投資におけるリスクは統計学的には標準偏差と呼ばれておるんじゃ。
秀次郎
また難しい用語がでてきましたな。

 

標準偏差の求め方について気になる方は次項(標準偏差の計算法)をご覧ください。

 

標準偏差を自分で求める機会は稀ですので、標準偏差の意味するところを理解して頂きたいと思います。

統計学上標準偏差はσで表されるのですが、統計学的にσを図解したものが以下となります。

標準偏差が意味するところ

標準偏差を理解することで、「ある確率の中で収まる可能性のあるリターンのぶれ」を読み取ることができるようになります。

 

期待リターンから±1σにリターンが収束する可能性が68.2%

期待リターン±σに約68.2%の確率で1年後のリターンがおさまるということを意味します。

例えば平均リターンが10%でリスクが10%の銘柄が存在するとします。

 

すると、約68.2%の確率で1年後のリターンが平均リターン10%±10%に収まることを意味します。

 

信太郎
つまり68.2%の確率で0%〜20%のリターンに収まるということじゃな!

 

期待リターンから±2σにリターンが収束する可能性が95%

期待リターン±2σに95%の確率で1年後のリターンがおさまるということを意味します。

先ほどの例を引き継ぐと、95%の確率で1年後のリターンが平均リターン10%±2×10%に収まることを意味します。

 

信太郎
つまり95%の確率で▲10%〜30%のリターンに収まるということじゃな!

 

期待リターンから±3σにリターンが収束する可能性が99.7%

期待リターン±3σに99.7%の確率で1年後のリターンがおさまるということを意味します。

先ほどの例を引き継ぐと、99.5%の確率で1年後のリターンが平均リターン10%±3×10%に収まることを意味します。

 

信太郎
つまり99.5%の確率で▲20%〜40%のリターンに収まるということじゃな!

 

 

リスクリターンが意味するところをさらに、体感してもらうために実際の例を用いながらお伝えしていきたいと思います。

その前に一旦標準偏差の求め方について軽く触れていきます。

 

 

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〜コラム〜簡単に標準偏差(=リスク)の計算法とエクセルでの求め方を解説

標準偏差については前項の意味するところを理解していただければ基本的には十分です。

以下算出方法については興味のある方だけご覧いただき、興味のない方はリスクリターンの見方まで飛ばしてください。

 

 

秀次郎
さっぱり意味がわからないんですが。。

 

先ほどの例を用いて標準偏差を実際に計算する方法とエクセルで求める方法を見ていきましょう。

 

2015年2016年2017年2018年2019年
日経平均20,00021,00018,90022,68023,814
前年比
増加率
+5%▲10%+20%+5%

 

標準偏差(=リスク)を手計算で求める

まずは、どのような過程を経て算出されるのかを理解するために手計算で求める方法について紹介します。

 

信太郎
実際に以下の方法で地道に計算する人はおらんじゃろうが、理屈を知りたいという方は参考にしてみてくれ!

 

STEP1. 前年比増加率の平均を求める

(+5%-10%+20%+5%) ÷ 4 = 5%

 

STEP2. 各年度の増加率と平均の差を求めて2乗する

1年目:(5%-5%)^2=0%
2年目:(▲10%-5%)^2=2.25%(※1)
3年目:(20%-5%)^2=2.25%(※2)
4年目:(5%-5%)^2=0%

(※1) 10%=0.1、5%=0.05のため
(-0.1-0.05)^2=0.0225=2.25%となります。

(※1) 20%=0.2、5%=0.05のため
(0.2-0.05)^2=0.0225=2.25%となります。

 

STEP3. STEP2を足し合わせて4で割る

(0%+2.25%+2.25%+0) / 4 =1.125%

 

STEP4. STEP3の平方根を求めて標準偏差が求まる

σ = √1.125% =10.6 %と求めることができます。

 

長いプロセスでしたね。

 

秀次郎
心が折れそうじゃったぞ。もう少し簡単な方法はないものかの。
信太郎
サルよ安心せい。EXCELを用いればたった1つの計算式で求めることができるぞ。

 

標準偏差(=リスク)をエクセルで簡単に求める

先ほどは手計算で4段階のステップにわけて求め方をお伝えしてきましたが、エクセルを用いれば簡単に算出することができます。

ABCDEF
12015年2016年2017年2018年2019年
2日経平均20,00021,00018,90022,68023,814
3前年比
増加率
+5%▲10%+20%+5%

 

 

信太郎
上記のエクセルを例にすると、以下の式で簡単に求めることができるんじゃ!

 

=STDEVP(C3:F3)

 

秀次郎
これならワシにも簡単ですな!殿も人が悪いのー。最初からエクセルでの求め方のみ教えてくれたらいいのに。
信太郎
バカモン!本質を理解しようという姿勢がそちにはないのか!天下はまだ、貴様にはやれんな。

 

 

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投資においてリスクリターンの意味するところ

では、本日最もご理解いただきたいリスクリターンについて意味することろお伝えしていきたいと思います。

 

信太郎
以下はリターン10%、リスク10%の投信の今後1年間の予想されるリターンじゃ。この図が全てじゃ。

 

投信や株におけるリスクリターン

 

  • 平均リターン10%から▲1σ(=▲10%) 〜 +1σ(=+10%)ブレる可能性が68%
  • 平均リターン10%から▲2σ(=▲20%) 〜 +2σ(=+20%)ブレる可能性が95%
  • 平均リターン10%から▲3σ(=▲30%) 〜 +3σ(=+30%)ブレる可能性が99.7%

 

つまり言い換えるとリターンが、以下の確率で以下の範囲で収まるということを意味しているのです。

 

  • 0%(=平均10%-10%) 〜 20%(=平均10%+10%)に収まる可能性が約68%
  • ▲10%(=平均10%-20%) 〜 30%(=平均10%+20%)に収まる可能性が約95%
  • ▲20%(=平均10%-30%) 〜 40%(=平均10%+30%)に収まる可能性が約99.7%

 

秀次郎
ほ〜。ようやく分かってきましたぞ!
信太郎
ではもう一度先ほどの図を用いて『ひふみ投信』『日本株式』のリターンを確率的に予想していきましょう。

 

リスクリターンの図

 

【ひふみ投信】(リターン11.2% リスク15.2%)

  • ▲4%(=平均11.2%-15.2%) 〜26.4%(=平均11.2%+15.2%)に収まる可能性が約68%
  • ▲19.2%(=平均11.2%-15.2%×2) 〜41.6%(=平均11.2%+15.2%×2)に収まる可能性が約95%
  • ▲34.4%(=平均11.2%-15.2%×3) 〜56.8%(=平均11.2%+15.2%×3)に収まる可能性が約99.7%

【日本株式】(リターン8.7% リスク13.8%)

  • ▲5.1%(=平均8.7%-13.8%) 〜22.5%(=平均8.7%+13.8%)に収まる可能性が約68%
  • ▲18.9%(=平均8.7%-13.8%×2) 〜36.3%(=平均8.7%+13.8%×2)に収まる可能性が約95%
  • ▲32.7%(=平均8.7%-13.8%×3) 〜50.1%(=平均8.7%+13.8%×3)に収まる可能性が約99.7%

【先進国株式】(リターン11.4% リスク15.1%)

  • ▲3.7%(=平均11.4%-15.1%) 〜26.5%(=平均11.4%+15.1%)に収まる可能性が約68%
  • ▲18.8%(=平均11.4%-15.1%×2) 〜41.6%(=平均11.4%+15.1%×2)に収まる可能性が約95%
  • ▲33.9%(=平均11.4%-15.1%×3) 〜56.7%(=平均11.4%+15.1%×3)に収まる可能性が約99.7%

 

信太郎
ひふみ投信や先進国株の方がリスクは高いですが、99.7%の確率で発生しうる最大下落は日本株と変わらないレベルなのじゃ!
秀次郎
であれば平均リターンや最大リターンが高い『ひふみ投信』や『先進国株式』の方が魅力的ということですな。

 

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2019年3月29日

 

 

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リスクに対するリターンを表すシャープレシオという指標

最近はよくコストパフォーマンスという言葉が巷で使われるようになりました。

投資の世界においてコストパフォーマンスに相当する概念として使われている指標がシャープレシオです。

 

信太郎
投資信託を選択する際に基準としている投資家の方も多いぞ!

 

シャープレシオの意味と計算方法

シャープレシオは少ないリスクで高いリターンを狙いたいという投資家にとって有用な指標です。

リスク1単位あたりの超過リターンを測る指標で計算式は以下の通りです。

 

◼︎ シャープレシオの計算式:

 

シャープレシオ = (平均リターン – 無リスク資産収益率) /標準偏差(=リスク)

 

秀次郎
無リスク資産収益率とはなんですか?
信太郎
リスクなく得られるリターンじゃ!米国では10年米国債、日本では10年国債等が用いられるぞ!
【国債・社債特集】安定運用?債券投資の種類とリスク、メリット・デメリット。金利との関係までわかりやすく解説。

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2019年7月26日

 

リターンから無リスク資産収益を差し引くことで、リスクをとって得られた収益を算出することができます。

何もリスクをとらなくても米国債に投資をすれば年率2%のリターンが得られたとします。

 

つまり、平均リターンが10%の投資商品でもリスクをとった結果得られるリターンは8%(=10%-2%)ということになります。

 

リスクをとった結果獲得した分をリスクである標準偏差でわることで、リスクに対するリターンを算出することができるのです。

シャープレシオが大きければ大きい程、少ないリスクで高いリターンを獲得できている銘柄ということになります。

 

シャープレシオの目安

シャープレシオの目安としては一般的に1を超えるのがよいとされています。

 

信太郎
シャープレシオが1ということは超過リターンとリスクが丁度同じレベルということを意味するぞ!

 

シャープレシオの目安
0.5-1.0通常
1.0-2.0優良
2.0以上超優良

 

投資信託に関してはシャープレシオを日経新聞社がデータとして提供していますので参考にしましょう。

日本経済新聞社「投信のシャープレシオ」

 

 

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まとめ

投資において下落する可能性の高さと思われがちな『リスク』。

しかし投資におけるリスクは価格の『ブレる幅』を表した指標で統計学上は標準偏差と言われています。

 

投資信託でリスクリターンと言われたら、平均的なリターンから確率的にどれだけブレる可能性があるのかという視点でリスクを見て頂けたらと思います。

 

以上、投資におけるリスク(=標準偏差)とは?株・投資信託のリスクリターンの意味・計算方法を理解しよう。…でした。

 

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2019年5月22日

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マネリテ!編集部は東京大学経済学部卒の証券アナリストを中心とした金融知識が豊富なメンバーが株式投資初心者に向けて有益な情報を提供しています。株式投資を行う意義から基本用語、おすすめのネット証券・投資先情報をお伝えするメディアです。日本人の金融リテラシーの向上と明るい未来を目指しています。