証券会社のツールや株式サイトで必ず表示される「年初来高値・年初来安値」。
どのサイトでも表示されているということは投資家の注目度が高く、投資家に利用されているデータであるということができます。
ニュース等にも日経平均とともに取り上げられることも多く、重要性の高い情報であることが分かります。
今回は投資する際に「年初来高値・年初来安値」を相場でどのように活用すべきであるのかをご紹介していきたいと思います。
目次
Contents
年初来高値更新を買いで攻略!?短期投資向けの投資テクニックとは
下図は日本経済新聞のインターネット版です。
年初来高値の銘柄をリアルタイムで配信していることがわかります。
年初来高値更新株式銘柄のデータを読み取る
年初来高値更新の情報ページには何が記載されているのでしょうか?
<<ⅰ.年初来高値更新の情報ページ記載事項>>
- 証券コード
- 銘柄名
- 業種
- 新高値(時刻)
- 前回高値(日付)
- 現在値
- およそ1か月スパンの短期チャート
<<ⅱ.年初来高値更新の情報ページ記載事項からわかること>>
年初来高値更新の情報ページではおよそ1か月スパンの短期チャートが記載されています。
よって、投資家が知りたい情報は「短期」の値動きであることがわかります。
また、日付付きで前回の高値更新時の株価も記載されています。
ここから、高値を更新するまでのスパンも簡単に知ることが可能です。
さらに業種(セクター)も併記されています。
現在勢いのあるセクターがどこなのかも、年初来高値情報から知ることができます。
≪年初来高値が狙い目?データからわかること≫
- 現在勢いのあるセクター
- 現在「短期」投資向きの銘柄
よって、年初来高値銘柄は短期投資向きの銘柄であることがわかります。
データを分析する
実際に投資で活用するためには、年初来高値のデータをどのように読み取るべきなのでしょうか。
ⅰ.勢いのあるセクターを見つける
上記から、短期的に勢いのあるセクターは「不動産」であることが一目で理解できます。
ⅱ.投資対象の銘柄を見つける
次に高値更新のスパン(期間)と出来高から、投資する銘柄を決めていきます。
上図ですと日本管理Cとハウスドゥの高値更新スパンが短いため、他の銘柄よりも、より勢いのある銘柄であることがわかります。
また出来高から、ある程度出来高がある銘柄を選択します。
出来高の少ない銘柄は流動性が低く、換金売りが難しいことがあるからです。
よって、このケースでは日本管理Cを選択することになります。
ⅲ.短期チャートをチェックしポジションをとる
上図は日本管理Cの日足チャートです。
日足は見事なボリンジャーウォーク中ですね。
このように年初来高値の銘柄をチェックすることで、売買のしやすい優良銘柄を見つけることができます。
ポジションはボリンジャーバンド通りに1σで買い、2σで利確がベターでしょう。
このように、年初来高値は勢いを生かした短期売買向けの銘柄を探すのに便利なツールだといえます。
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年初来安値更新を売りで攻略!?短期投資向けの投資テクニック
次は年初来安値のデータの活用方法をご紹介していきたいと思います。
年初来安値は買いでとりたいという逆張り派の方が多いと思いますが、実は安く買えるは大間違いです。
年初来安値のトレード手法としては順張りの空売りでの参加をお勧めします。
理由としては大きく2つあり、①『株価が安い=割安』ではないこと、②テクニカル分析から見る年初来安値の危険性があることです。
必ずしも「株価が安い=割安」とは限りません。
株価の下落が起きているということは、相応の理由があるためさらに大きな下落が起きる可能性も存在します。
テクニカル分析から見る年初来安値の危険性については、データの読み方は年初来高値と同様ですので割愛し、データの分析方法から入っていきたいと思います。
年初来安値からデータを分析する投資法
年初来高値のセクターはバラバラです。
ちょうど決算時期に当たっているため、セクターというよりは決算が悪い銘柄が売り込まれやすい傾向があることがわかります。
空売り銘柄はある程度流動性がある銘柄を狙いましょう。
ライトオンはかなり魅力的な空売りチャートですが、歩み値が虫食い状態です。
個人が少し物色すると、株価が暴騰してしまうような銘柄は避けなければいけません。
ここでは流動性を考えてベクトルを空売り銘柄として選択するのがベターであるといえます。
基本的に空売りはデイトレード
上部はベクトルの5分足チャートです。
流石年初来安値ですね。
こんなに簡単でいいのでしょうか?
といいたくなるような、きれいな下落トレンドであることがわかります。
単純に移動平均線とMACDだけでも簡単に空売りを成功させることができることがわかります。
基本的に年初来安値銘柄=下降トレンド銘柄のため、買ってはいけない理由として挙げることができます。
買い目線でトレードするのではなく、トレンドに沿って空売りで勝負すると手軽にお小遣い稼ぎができることがわかります。
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年初来安値を買いで攻略!?長期期投資向けの投資テクニック
基本的にトレンドに沿って空売りすることが年初来安値銘柄の正当な攻略方法です。
しかし、場合によっては買いで攻略したほうが良い場面も存在します。
それが、パニック売りでつけた年初来安値を例外的に買う手法です。
長期投資向けの銘柄の逆張り~バーゲンに参加し、その後に期待〜
上図はKDDIの日足チャートです。
およそ2,800-3,200のレンジ相場を下にブレイクして急落、年初来安値をつけたことがわかります。
通常こうした急落は手出し無用の様子見です。
しかし、KDDIは以下の理由から逆張りでの買いで攻略すべきであると分析します。
≪KDDIが買いの理由≫
- KDDIの自身要因ではなく、セクターの連れ下げであること
- PER10倍以下とバーゲン価格であること
- 日足・週足・月足すべてのボリンジャーバンドで-3σ以下であること
- KDDIが優良企業であること
- 配当と優待を合わせた投資効率が5%以上であり、長期投資という視点から見ると、絶好の買い場であること
上図は現在のKDDIの日足チャートです。
しっかりとWボトムを付け、順調に株価が上昇していることがわかります。
≪テクニカル的なKDDIの買い判断要因≫
◼︎ 日足・週足・月足すべてのボリンジャーバンドで-3σ以下であること
急落後の反発は大きいため、大きな幅値を短期間で稼ぐことができます。
◼︎ 急落に大きな出来高がついていること(株主が大きく入れ替わった証拠)
新規の株主の取得単価は低いことがわかります。よって、株価の下落に対する耐性が高くなったといえます。
◼︎ レンジ相場のアノマリー「レンジ・ブレイク後は再度レンジに戻ることが多い」
KDDIはおよそ2,800-3,200のレンジ相場でしたので、一旦2,800円には戻る可能性が高いことがわかります。
◼︎ 窓を開けた銘柄は窓を閉める
2,730円以下に大きな窓が開いたため、「窓埋め理論的」的に一旦2,730円に戻す確率が高いことがわかります。
よって、KDDIはファンダメンタル・テクニカルから判断して、中長期での絶好の買い場だったことがわかります。
相場はイレギュラーが起こります。
ですから、中長期で投資する銘柄を購入する場合はイレギュラーを狙って株を購入しましょう。
当然安く購入できれば、それだけ、相場でのアドバンテージを得ることができ投資安心感を享受することが可能だからです。
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まとめ~年初銘柄は勢いが魅力〜
今回は年初来高値・年初来安値銘柄の活用方法をご紹介してきました。
年初来高値・年初来安値銘柄は株価に勢いがあり、短期間で大きな幅値をとることができることが魅力です。
トレンド | 活用方法 | メリット | デメリット | |
年初来高値 | 上向き | 短期売買 | 売買方法がわかりやすい 短期で大きな幅値を獲得できる | 天井に注意(高値つかみに注意) |
年初来安値 | 下向き | デイトレード (空売り) | 成功率の高いデイトレードが可能 | 流動性が低い銘柄の場合、急騰に巻き込まれる 底打ちやテクニカル・リバウンドに注意 |
中長期投資 |
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それぞれの特徴を理解したうえで、年初来高値・年初来安値銘柄をうまくトレードに活用していきましょう。
以上、『年初来高値・年初来安値を上手く活用できてますか?~年初銘柄の投資方法3選…』でした!
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