みなさんは、「大型株」・「中小型株(中型株・小型株)」という言葉を聞いたことがありますか?
株式投資において扱う株式は、一概に「株式」とはいってもランキングをつけた上で3種類に分類することができるのです。
このコンテンツでは、それぞれの基準や特徴、企業の例を紹介していきます。
Contents
東証一部の大型株・中型株・小型株とは?
東証一部に上場している銘柄は、大型株・中型株・小型株の3つに分類されます。
2019年9月6日時点で東証一部に上場している企業は2,152社ありますが、
時価総額ベースで約6割が大型株によって占められているのです。
大型株、中型株、小型株を分ける基準は企業の規模を示す指標である時価総額です。
時価総額は「株価×発行済株式数」で表され企業を丸々購入するのにいくら必要なのかという指標となります。
では、それぞれどのような基準によって分類されているのかどうか、また株式投資における特徴について見ていきましょう。
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大型株とは?
まずは最も皆さんに馴染みが深いであろう大型株からみていきたいと思います。
大型株の定義とは?
「大型株」の定義について、東京証券取引所の基準について見ていきましょう。
TOPIX(東証株価指数)を補完する「規模別株価指数」の算出において、東京証券取引所市場第一部銘柄(内国普通株式)の中から、時価総額と流動性が高い、上位100銘柄(TOPIX100の算出対象)を「大型株」、大型株についで時価総額と流動性が高い、上位400銘柄(TOPIX Mid400の算出対象)を「中型株」、大型株・中型株に含まれない全銘柄(TOPIX Smallの算出対象)を「小型株」と呼び、これらの分類に基づいて株価指数を算出しています。
(参照:東京証券取引所)
「TOPIX100」または「東証規模別株価指数(大型株)」と呼ばれることもあります。
かつては発行済株式数が2億株以上であれば大型株と呼んでいました。
しかし、この条件では発行済株式数が少なくても時価総額が大きい株を考慮に入れることができません。
そのため、発行済株式数だけで大型株かどうかというのを判断するのではなく、時価総額を判断基準とするようになりました。
大型株の特徴
大型株は、株式市場におけるウェイトが大きいがゆえに株価の動き方が日経平均株価とよく似ているという特徴があります。
また、NYダウや外国為替レート、世界情勢などの時事問題に影響を受けやすいです。
保険会社や銀行などの機関投資家たちが投資対象とするのは大型株です。
機関投資家は膨大な資金を運用してリターンを生み出す必要があるため出来高が少なく流動性があまり高くない銘柄だと運用が効率よく進まないからです。
また、大型株は時価総額が大きいことが特徴なので株価が急激に変動することは少ないです。
多額の資金を投じて長期的な売買をする機関投資家に向いています。
流動性も高いので、自由度の高い売買が可能なのもメリットです。
逆に副業として株式投資をしている方からすると妙味はありません。
大量な資金を投じることは難しいうえに株価があまり変動しないので利益を出しにくいということになります。
大型株の企業例
では、ここで大型株の企業例をいくつか紹介していきます(2019年1月31日現在)
大型株の構成は、その時点での市場実勢をより適切に反映する必要があるため年に1回見直されます。
下記は最新の2019年1月31日に見直しが実施されたTOPIX100です。
日本を代表する銘柄が厳選されています。
殆どの企業が日経225にも採用されております。
当サイトでは日経225の主要銘柄について株式分析を行っていますので参考にしていただければと思います。
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中型株とは?
次に中型株についてみていきましょう。
中型株の定義とは?
「中型株」とは東証一部に上場している銘柄を「時価総額」。
そして「流動性」の高さ。
この2つでランキングにした上、上位400位の銘柄のことをいいます。
つまり、上位100銘柄については大型株と被っています。
「TOPIX Mid400」または「東証規模別株価指数(中型株)」と呼ばれることもあります。
かつては発行済株式数が6千万~2億株未満であれば中型株と呼んでいました。
現在では発行済株式数だけで中型株かどうかというのを判断するのではなく時価総額を判断基準とするようになりました。
中型株の特徴
中型株は、大型株と比べると程よく株価が動くようになり出来高も多いという特徴があります。
とくに、その銘柄にとっての好材料が発表されると株価が大きく跳ね上がることも予想されます。
ただし逆も然りで悪材料が発表されてしまうと株価が大きく下落することもあるでしょう。
そのため大型株よりは少しリスクが高くなります。
きちんとテクニカル分析・ファンダメンタル分析などを利用して銘柄を分析したうえで慎重にトレードをする必要があります。
また、大型株と比べると流動性が少し低いことから思い通りに売買ができないことがあるかもしれないので注意が必要です。
株価の値動きもあり利益も望めることから、中型株は個人投資家向けに銘柄であるといえるでしょう。
中型株の企業例
では、ここで中型株の企業例をいくつか紹介していきます(2019年10月31日現在)
中型株の構成は、その時点での市場実勢をより適切に反映する必要があるため年に1回見直されます。
銘柄コード | 銘柄名 |
1332 | 日本水産 |
3197 | すかいらーく |
3141 | ウエルシアホールディングス |
6755 | 富士通ゼネラル |
1333 | マルハニチロ |
1803 | 清水建設 |
2002 | 日清製粉グループ本社 |
ここでは、比較的知名度の高い企業を紹介しました。
大型株と比べると全体的に知名度は劣るかと思いますが、構成銘柄の違いがなんとなくお分かりいただけたかと思います。
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小型株とは?
「小型株」とは、大型株・中型株以外の銘柄のことをいいます。
東証一部に上場している銘柄を「時価総額」また、「流動性」の高さによってランキングした結果の401位以下の銘柄を指します。
「Small東証規模別株価指数(中型株)」と呼ばれることもあります。
かつては発行済株式数が6千万株未満であれば、小型株と呼んでいました。
現在では発行済株式数だけで小型株かどうかを判断するのではなく、時価総額を判断基準とするようになりました。
小型株の特徴〜小型株効果が魅力的〜
小型株は、トレーダーが取引に利用する株式市場にあまり流通しておらず、持てる人が限られているという特徴があります。
よって流動性が低く売買があまりおこなわれないために出来高も小さいです。
ただしその反面、少しの売買がおこなわれるだけで株価が大きく動きます。
株価が大きく動くということはすなわち、利益を出しやすいということでもあり損を出しやすいということでもあります。
実際、小型株は大型株に対して高いリターンをあげる『小型株効果』が投資のアノマリーとして確認されています。
つまり、小型株は株式投資において「ハイリターン」な銘柄となります。
ギャンブル性が強いので、イチかバチかで大きな利益を得ようとするトレーダーに向いています。
小型株の企業例
では、ここで小型株の企業例をいくつか紹介していきます。
小型株の構成は、その時点での市場実勢をより適切に反映する必要があるため年に1回見直されます。
銘柄コード | 銘柄名 |
9416 | ビジョン |
6194 | アトラエ |
7780 | メニコン |
6200 | インソース |
6539 | MS-JAPAN |
3479 | ティーケーピー |
3923 | ラクス |
ここでは、多数あるなかでも一部の企業を紹介しました。
大型株・中型株と比べると知名度がそこまで高くない企業が多いと感じますよね。
また大型株のようにブランド力があったり知名度が高かったりするわけではありません。
東証一部に上場していることからなんらかの将来性を秘めた高成長企業である可能性が高いです。
もし何かの拍子で好業績を残せたり話題になったりすると、急激に株価が上昇することが予想されます。
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まとめ
東証一部に上場している「大型株」「中型株」「小型株」の分類基準や特徴、構成銘柄について見てきました。
それぞれ知名度だけではなく、株価の動きやすさやリスクの大きさなど株式投資において大きく関わってくる要素が異なります。
「どれほどのリスクをとって、どのような投資をしたいのか?」を第一に考え身の丈にあったトレードをおこなうことが大切です。
以上、東証一部に上場している株は「大型株」・「中小型株」に分けられる!基準や特徴を含めてわかりやすく解説。…でした。