リバーホールディングス(5690)の上場日は3月24日(火)で、上場市場は東証2部となります。
主幹事は野村證券で、IPOの申し込み期間(BB期間)は3月5日(木)~3月11日(水)となっています。
今回はリバーホールディングスとはどのような企業なのかを事業内容や業績をチェックしながら詳しくご紹介していきたいと思います。
また、リバーホールディングスの気になる初値予想やIPOでの購入情報もご紹介していきます。
Contents
リバーホールディングスのIPOスケジュール
リバーホールディングスの主幹事は国内最大手の野村證券です。
上場規模は、想定時価総額157.6億円、吸収金額51.0億円程度と、東証2部で中型の部類に入ります。
ブックビルディング期間 | 3月5日(木)~3月11日(水) |
市場 | 東証2部 |
公募価格決定 | 3月12日(木) |
購入申し込み期間 | 3月13日(金)~3月18日(水) |
上場予定 | 3月24日(火) |
当選株式数 | 公募4,247,200株、売り出し575,600株、オーバーアロットメント723,400株 |
想定価格 | 920円 |
仮条件価格 | |
公募価格 |
リバーホールディングスの各証券会社の割当
それでは、リバーホールディングスの引受証券会社及び引受シェアを確認していきたいと思います。
引受シェアは以下のとおりです。
証券会社 | 株数 | 割当率 |
野村証券 | 4,195,900 | 87.00% |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 168,800 | 3.50% |
SMBC日興証券 | 120,600 | 2.50% |
みずほ証券 | 120,600 | 2.50% |
いちよし証券 | 72,300 | 1.50% |
大和証券 | 72,300 | 1.50% |
楽天証券 | 72,300 | 1.50% |
リバーホールディングスの事業内容
リバーホールディングスの基本スペックは以下のとおりです。
社名 | リバーホールディングス株式会社 |
コード番号 | 5690(東証2部) |
設立 | 2007年7月2日 |
資本金 | 1,715百万円 |
本社所在地 | 東京都千代田区大手町1-7-2 東京サンケイビル15階 |
代表者 | 代表取締役社長執行役員 松岡 直人 |
従業員数 | 607人(連結) |
事業内容 | グループの事業(リサイクル・廃棄物処理とその関連事業)の統括 グループの経営の統括・戦略の立案 グループのITシステムの開発・管理 グループのコンプライアンス・環境・ISO・安全衛生に関する業務および教育・研修 グループの管理部門のサポート |
リバーホールディングスは、グループにて資源リサイクル事業を行っている企業です。
同社グループは、同社、連結子会社8社及び関連会社2社で構成されています。
同社の主要な事業は以下のとおりです。
- 金属リサイクル事業:鉄スクラップおよび非鉄金属スクラップを扱うグループの主力事業です。特に、鉄スクラップは、製鋼原料として国内電炉メーカーのみならず、商社を通してアジアを中心とした各地に輸出されリサイクル原料として幅広く利用されています。
- 自動車リサイクル事業:自動車リサイクル法で定められた「引取業」「フロン類回収業」「解体業」及び「破砕業」のすべての登録・許可を取得ししています。使用済自動車の処理を引取からパーツの販売や破砕までワンストップで行っています。
- 産業廃棄物処理事業:産業廃棄物の収集運搬と中間処分のいずれか、又は両方の事業を行っています。首都圏15ヶ所、関西1ヶ所、東海1ヶ所で産業廃棄物の中間処分の許可を持つ事業所を運営しています。
- 家電リサイクル事業
リバーホールディングスの上場理由は?上場による資金調達の目的を探る
新規発行による手取り額
リバーホールディングスは上場することにより手数料を引いた手取り金額で36.10憶円の資金を獲得します。
資金使途は後述のとおりです。
調達資金の使途
調達資金ですが、目論見書によれば以下の用途に充当予定とのことです。
- メタルリサイクルにおいては、本社の破砕機の設置に係る工事費用に充当予定
- 中田屋においては加須工場の破砕機・付帯設備の設置に係る工事費用、付帯設備の設置に係る工事費用、伊勢崎工場の破砕機・付帯設備の設置に係る工事費用及び栃木県下都賀郡壬生町に設置予定の新工場の作業棟・機械設備の設置に係る工事費用に充当予定
- サニーメタルにおいては大阪事業所の破砕機・付帯設備の設置に係る工事費用及び破砕物選別ラインに係る工事費用に充当予定
- フェニックスメタルにおいては、市原事業所の破砕物選別ラインの設置に係る工事費用として充当予定
- 新生においては本社の作業棟・破砕装置の設置に係る工事費用として充当予定
リバーホールディングスは調達した資金をグループ企業の設備投資に充当する様子です。
グローバルベースで人口増加が進み、資源の有効活用が叫ばれる時流を捉えた事業を展開しています。
同社の事業は今後ますます需要が拡大しそうです。
目論見書から見るリバーホールディングスの売上高と利益推移
本項目では、リバーホールディングスの業績を分析していきたいと思います。
売上高の推移
売上高(千円) | |
2015年6月期 | 985,665 |
2016年6月期 | 839,356 |
2017年6月期 | 886,505 |
2018年6月期 | 39,285,708 |
2019年6月期 | 36,681,506 |
2019年12月 | 14,992,107 |
※2018年6月期より連結ベースの数値です。
上記のとおり、2018年6月期をピークに減少傾向であることがわかります。
2020年6月期は、2019年12月までの数値を2倍すると29,284,214千円程度の売り上げが見込まれ、
前年比マイナスの見込みです。
経常利益の推移
経常利益(千円) | |
2015年6月期 | 300,647 |
2016年6月期 | 47,900 |
2017年6月期 | -69,977 |
2018年6月期 | 1,516,851 |
2019年6月期 | 1,645,105 |
2019年12月 | 830,715 |
※2018年6月期より連結ベースの数値です。
経常利益は、2017年6月期に一時マイナスとなりましたが、2018年6月期以降回復しています。
2020年6月期は、このままのペースで推移すれば1,661,430千円程度となる見込みです。
売上高は前年比減少していますので、利益率が改善していると考えられます。
EPSの推移
EPS(円) | |
2015年6月期 | 41.79 |
2016年6月期 | 6.90 |
2017年6月期 | -2.47 |
2018年6月期 | 152.99 |
2019年6月期 | 74.07 |
2019年12月 | 68.44 |
※2018年6月期より連結ベースの数値です。
EPSは、2019年6月期は低調でしたが、2020年6月期は回復見込みです。
2020年6月期のEPSは、このままのペースで推移すれば136.88程度となり前年比プラスの見込みです。
リバーホールディングスの上位10位までの大株主とロックアップ情報
株主名 | 保有比率 | ロックアップ情報 |
ベステラ(株) | 19.41% | 90日間 |
リバーグループ従業員持株会 | 13.25% | 180日間 |
鈴木 徹 | 8.15% | 90日間 |
鈴木 孝雄 | 7.76% | 90日間 |
(株)エンビプロ・ホールディングス | 4.19% | 90日間 |
東京鐵鋼(株) | 3.99% | 90日間 |
中田 光一 | 3.20% | 90日間 |
鈴木 雄二 | 2.87% | 90日間 |
佐々木 規夫 | 2.63% | 90日間 |
鎌田 英彦 | 2.26% | 90日間 |
ロックアップとは、株式が公開された後に一定期間、市場で持株を売却することができないようにする制度のことです。
上位株主には軒並みロックアップが付されています。
加えて、上位株主にベンチャーキャピタル等が名を連ねていないため、
上場時の売り圧力小さいため売り圧力がかかる不安は小さいです。
リバーホールディングスの初値予想
ここでは編集部独自のリバーホールディングスの初値予想を公開していきたいと思います。
リバーホールディングスの総合評価
リバーホールディングス購入のメリット
- 今後事業の拡大が予想される
- IPOは上値抵抗がないため、比較的株価が上昇しやすい
- 上位株主にベンチャーキャピタル等が名を連ねていない
リバーホールディングス購入のデメリット
- 業績が悪化した場合株価が急落する可能性がある
- 業績面に不安が残る
- 業種がややニッチで知名度に欠ける
- 同日にペルセウスプロテオミクスの上場が控えており、相対的に注目度が低い
リバーホールディングスの初値予想は3,069円
リバーホールディングスのEPSは2018年6月末時点で152.99、2019年6月末時点で74.07、2019年12月末時点で68.44でした。
リバーホールディングスの競合として考えられる上場企業として、リサイクル事業に従事する企業であるアミタホールディングス、FUJIKOH、トレジャーファクトリー等が考えられます。
競合他社のPERを用いて同社のEPSから推定株価を算出します。
企業名 | PER |
アミタホールディングス | 21.38 |
FUJIKOH | 12.89 |
トレジャーファクトリー | 13.14 |
ケイティケイ | 8.64 |
ICDAホールディングス | 3.80 |
リバーホールディングスの直近の業績を鑑み、上記のうちPERは競合5社の平均値である11.97倍を用いることとします。
EPSは、相場環境を鑑みて、保守的に同社の2018年6月期から2019年6月期までの平均値である113.53を用いることとします。
以上より、想定初値は、PER11.97倍×EPS113.53=1,358円程度となります。
まとめ
3月24日上場のリバーホールディングスですが、業績面に不安は残るものの、利益水準は安定的に推移している点で評価できます。
一方、3月24日はペルセウスプロテオミクスとの2社同時上場であり、その中で同社は最も地味な業種であると捉えられています。
公募割れを起こしたり、値動きが小幅になる可能性がある点に留意が必要です。
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