IoTとは、Internet of Things(モノのインターネット)の略で、インターネット経由で機械間が通信して連携することを意味します。
総務省では以下のように定義されています。
パソコンやスマートフォン、タブレットといった従来型のICT端末だけでなく、様々な「モノ」がセンサーと無線通信を介してインターネットの一部を構成するという意味で、現在進みつつあるユビキタスネットワークの構築は「モノのインターネット」(IoT: Internet of Things)というキーワードで表現されるようになっている。
IoTのコンセプトは、自動車、家電、ロボット、施設などあらゆるモノがインターネットにつながり、情報のやり取りをすることで、モノのデータ化やそれに基づく自動化等が進展し、新たな付加価値を生み出すというものである。
中でもモノに搭載されたインターネットを介したネットワーク通信が有名です。
CMでもおなじみのGoogleHome(グーグルホーム)やAmazon(アマゾン)のecho(エコー)など日本でも最近注目が高まっています。
欧米ではすでにIoT化ですが、日本は5年遅れているといわれています。
これから日本でも急速に普及するであろうIoT。
実際総務省発表の通り、インターネットにつながるモノの数は右肩あがりに上昇しています。
インテリジェンスホームは、より一般的なものになり、生活の質を上げるIoT家電はもはやスタンダードになるでしょう。
2022年には、日本でもその市場規模は12兆円を超えると予測されている期待の分野なのです。
· 国内IoT市場は2022年まで年間平均成長率14.9%で成長し、市場規模は12兆円に達する
· 予測期間後半には、個人消費者のIoT支出額が全産業のトップ5にランクインする。牽引するのは宅内の家電/HVACの利用を最適化する「スマートホーム」関連のユースケース
· 「IoT Gravity」による、各産業で個別に活動するIoTユーザー/ベンダー、産業間で分断されているデータ、知見、ノウハウの融合が、IoT市場拡大に大きく寄与する
多様化するIoT市場注目を集めているIoTですが、機器開発や通信ネットワークなど、広域に広がるため、関連銘柄も膨大です。
IoT分野は大きく分けて、5つに分類されます。
- IoTデバイス:IoT における「モノ」にあたり、スマートフォンやタブレット、スマートスピーカー、スマート家電、ウェラブルデバイスなど。
- 通信モジュールや通信機器:インターネットに接続する通信端末。
- IoTプラットフォームソフトウェア:IoTサービスを提供するための共通基盤。
- IoT専門ソリューションサービス:IoTで企業の課題を解決するサービス。
- IoTセキュリティサービス:常にネットワークとつながるIoTデバイスをサイバー攻撃から守る。
一般には、デバイス分野が目立ちますが、ソリューションやセキュリティーなど、今後広がりを見せる分野にも注目することで、テンバガーを狙える銘柄と出会えるかもしれません。
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日本のIoT注目銘柄9選
東芝[6502]
「東芝」は粉飾決算が発覚してから東証二部に格下げとなりましたが、かつては重電メーカーでした。
東芝はIoTを簡単に実現できる「ifLink」をプラットフォームとして開発しました。
従来のIoTではゲートウェイ機器がセンサーとサーバーを繋ぐために必要でした。
更にセンサーやデバイスに応じたプログラム開発も必要でした。
しかし、ifLinkではスマートフォンを使用してプログラムを開発せずに使えるifLink対応のセンサーやデバイスがあります。
ifLinkではスマートフォンに接続されたIoTデバイスから簡単にデータを収集することができます。
また、種々のデバイスやサービスを組み合わせて保守点検、物流、店舗、顧客ナビ等に幅広い用途に活用できる点を活気的です。
東芝はIoTの共創を目指すifLinkオープンコミュ二ティを設立して2020年から具体的な活動を開始しシステム構築や需要を取り組むとしています。
日立製作所[6501]
※2020年1月14日時点
「日立製作所」は言わずと知れた世界有数の総合電機メーカーです。
日立製作所もIoTのサービスとしてLumadaを立ち上げています。
Lumadaは顧客と共創の上、適切なデジタルソリューションを提供することを目指しています。
LumadaのIoTプラットフォームでは顧客のサービスに対する分析技術やアセット管理機能など様々な仕組みをワンストップで提供しています。
村田製作所[6981]
※2020年1月14日時点
「村田製作所」は、日本の大手電子部品銘柄で、半導体製造を展開しています。
スマートフォンに使われる電子部品に強いメーカーで、主力の積層セラミックコンデンサでは世界シェア35%!
半導体以外にもコンデンサなど、IoTで需要が高まりそうな電子部品の製作もあります。
ソースネクスト[4344]
※2020年1月14日時点
3月1日に、IoTへの参入を発表した「ソースネクスト」。
東証一部のジェネシス社と連携して、新たなIoT製品の開発、3月28日に防犯GPSデバイス「FamilyDot(ファミリードット)」を発表しました。
ファミリードットは、家族やペットの位置情報をスマートフォンで確認できるデバイス。
また、ポケトークの新たなSDKも同時に発表され、JapanTaxiと業務提携し、全国1万台のタクシーにポケトークを搭載し、タクシー内での翻訳機器として活用されます。
ジグソー[3914]
※2020年1月14日時点
人工知能制御によるIoTデータコントロールを主軸にした、「ジグソー」。
ネットワーク機器を自動で監視するなど、工場や製造業向けの IoTサービスが好調です。
しかしながら、一時は2万円越えしていた株価も今では2000〜3000円台。
ファナック[6954]
※2020年1月14日時点
産業ロボットで世界シェアNo.1を誇る「ファナック」。
IoT基盤「FIELD system」の開発で、一躍IoTの注目株となっていました。
しかし2018年、一時は3万3450円の高値をつけるも、米中貿易や中国の景気減退によって株価は暴落、現在は20,000円前後を推移しています。
今後の展開は、かなり気になるところですが、中国以外にも目を向ければ、ほかの東南アジア工場でも需要はあるはず。
配当利回りは2.65%、キャピタルゲイン狙いではなく、長期投資を見据えた銘柄としては、選択肢の一つとなるでしょう。
キーエンス[6861]
※2020年1月14日時点
世界的なセンサー銘柄の「キーエンス」は、IoT社会に欠かせない技術を提供している日本企業です。
しかもキーエンスは公表を持たないファブレス企業、収益性が高く、さらに海外では他に台頭しているセンサー企業がないことから、世界を舞台にビジネスができる数少ない日本のIoT企業なのです。
ルネサスエレクトロニクス[6723]
※2020年1月14日時点
電子機器に使われるマイクロコンピューターの大手企業である「ルネサスエレクトロニクス」。
2019年3月30日付で、アメリカの半導体ビジネスを抱えるIDTを買収完了。
ルネサス エレクトロニクス株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役社長兼 CEO:呉 文精、以下ルネサス)とセンサー、コネクティビティ、ワイヤレスパワーを中心としたアナログ・ミックスドシグナル製品を提供する Integrated Device Technology, Inc.(本社:米国カリフォルニア州サンノゼ、以下 IDT)は本日、IDTの株主総会における承認や関連する国において必要となる当局の承認取得を経て、ルネサスがIDTの買収を2019年3月30日付(米国太平洋夏時間:2019年3月29日)で完了したことをお知らせします。
(引用:日経新聞「ルネサス、IDTの買収完了 」)
ルネサスエレクトロニクスは車載用マイコンの世界シェア30%以上を占めており、トヨタの自動運転車向け製品の採用も決まっていて、今後さらに飛躍が見込めるでしょう。
ルネサスは自動運転の状況判断を担う「R-Car H3」を2015年に発表した。トヨタ自動車が20年の実現を目指す自動運転車での採用を決めている。状況認知を担う「R-Car V3」シリーズと組み合わせて顧客メーカーに売り込む。
アルプスアルパイン[6770]
※2020年1月14日時点
「アルプスアルパイン」はアップルのスマホで採用されている手ぶれ補正機器を作る総合電子部品大手メーカー。
Apple銘柄としての注目度が高かったアルプス電気ですが、売上の半数以上は車載向けの電子機器が占めています。
1月にアルプス電気とカーナビ大手アルパインが経営統合され、車載電子部品の分野がますます強化。
アメリカ(米国)のIoT注目銘柄5選
テキサス インスツルメンツ[TXN]
※2020年1月14日時点
「テキサス・インスツルメンツ」はアメリカの半導体大手企業で、アナログ半導体の世界シェアNo.1。(2017年)
そもそもアナログ半導体はIoT化に不可欠で、例えばスマホのスワイプやタップなど端末の動作に不可欠な回路です。
IoTの普及によって今後も需要は高まる分野だと推測されます。
2018年10―12月の決算で、1株当たりの利益が市場予想を上回り、株価は右肩上がりです。
アマゾン・ドット・コム[AMZN]
※2020年1月14日時点
メッシュWi-FiルーターのスタートアップEeroの買収で、ますますスマートホームへの進出を進める「アマゾン」。
米Amazon.comがメッシュWi-Fiルーターのメーカー、米eeroを買収しました。これで、スマートホーム事業でライバルのGoogleにあってAmazonにはなかった重要なピースが埋まります。
Amazonはeeroの買収により「顧客がスマートホーム端末をより手軽に接続できるように支援」できるとしています。ちなみに買収の条件や金額は公表されていません。
今回の買収についてシンプルに考えると、AmazonはこれでEchoを買おうとしている顧客に「広い家にお住まいならご一緒にeeroもいかがですか?」と勧めて、他社のルーターでつながらないトラブルなどを未然に防げる、ということになります。ユーザーとしても簡単にメッシュWi-Fiが構築できれば助かります。Amazon傘下になったことで、Google Wifi対抗のために値下げされるかもしれません。
この買収の狙いは、ルーターから得られる情報を解析して、接続されたデバイスの使用方法を知ることだと想像ができます。
アマゾンのスマートホームEchoが発売されたのは2014年、2018年9月末時点で、AIスピーカーのシェア70%を占めています。
Alexaはあらゆるところに存在し、2018年夏の時点で、米国スマートスピーカ市場の約70%のシェアを獲得している。4種類のスピーカしか提供していないGoogleは、大きな差を付けられての2位で、シェアは24%だ。
開発と並行して、IoT関連の買収を虎視眈々と進めてきたアマゾン。
アルファベット[GOOGL]
※2020年1月14日時点
「アルファベット」はグーグルホールディングカンパニーですね。
【事業内容】
同社の事業はGoogle Inc. (Google)及びAccess、Calico、CapitalG、GV、Nest、Verily、Waymo及びX等のインターネット製品を含む。同社は2つの事業区分により構成される。
- Google事業はSearch、Ads、Commerce、Maps、YouTube、Google Cloud、Android、Chrome及びGoogle Play等のインターネット製品、並びにハードウェア製品を含む。
- 他の事業はGoogle Fiberを通じてインターネットとテレビ・サービスの提供、Nest製品とサービスの提供及びVerilyを通じてライセンス供与、研究・開発サービスの提供を行う。
上記でも少し触れましたが、スマートスピーカー分野でアマゾンと肩を並べるのがGoogleHome(グーグルホーム)です。
未だ広告収益が大半を占めていますが、ビッグデータを用いて、AIソフトウェアを開発。
全世界のAI研究者の約1割をGoogleが抱えており、AI研究に最も力を入れていることが推測されます。
これらの技術を用いて作られたAIスピーカー。
エヌビディア[NVDA]
※2020年1月14日時点
IoTに搭載されているAI。
その計算処理に欠かせない存在として「エヌビディア」が挙げられます。
AIの計算に用いられるGPUを主力事業とし、この分野での圧倒的なシェアを誇っています。
ユニバーサル ディスプレイ[OLED]
※2020年1月14日時点
有機ELディスプレイの事業が100%を占める「ユニバーサルディスプレイ」は、サムスン電子やLG電子の有機EL生産をささえる黒子的存在。
スマートフォンに採用されるなど、ウェアラブルデバイスに欠かせないパーツになってきてると言えそうです。
まとめ
今後も成長が期待されるIoT分野。目に留まりやすいデバイス分野だけでなく、縁の下の力持ちのセキュリティーや通信、サービスまで目を凝らして見ていれば、テンバガー銘柄を見つけるのも夢ではありません。
しっかりと業界分析と企業分析を重ねて、IoT関連銘柄に強くなりましょう。
以上、【IoT・AI関連銘柄】2019年・まだまだ注目のIoT分野で投資すべき本命株式はどれ?…の話題でした。