9月24日上場予定のIPO「Chatwork(チャットワーク)」。
Chatworkの当選株式数は9,775,000株と公開株式数が非常に多いため、当選しやすいIPOになっています。
今回はChatworkとはどのような企業なのかを事業内容や業績をチェックしながら詳しくご紹介していきたいと思います。
また、Chatworkの気になる初値予想やIPOでの購入情報もご紹介していきます。
Contents
ChatworkのIPOスケジュールと各証券会社の割当
Chatworkの主幹事はIPOに強い大和証券です。
また人気の情報通信セクターであること、企業の知名度が高いことといった要因から期待感の高いIPOであるといえます。
しかしChatworkは当選株式数が9,775,000株と非常に多いため、価格推移は想定より弱含む可能性も否定できません。
ChatworkのIPOスケジュール
ブックビルディング期間 | 9月5日(木)~9月11日(水) |
市場 | 東証マザーズ |
公募価格決定 | 9月12日 (木) |
購入申し込み期間 | 9月13日(金)~9月19日(木) |
上場予定 | 9月24日(火) |
当選株式数 | 9,775,000株 |
仮条件価格 | - *1 |
*1:仮条件価格は9月3日に決定されます。
Chatworkの各証券会社の割当*2
証券会社 | 株式数 | 割当率 |
大和証券(主幹事) | ||
みずほ証券 | ||
SMBC日興証券 | ||
SBI証券 | ||
マネックス証券 | ||
楽天証券 | ||
松井証券 |
*2:割当率や株式数などは、仮条件決定時(9月3日)付近に発表されます。
Chatworkの事業内容
Chatworkの基本スペック
社名 | Chatwork株式会社 |
設立 | 2004年11月11日 |
資本金 | 914,138,500円 |
本社所在地 | 東京都港区芝公園 3-4-30-7F |
代表者 | 代表取締役CEO兼CTO 山本正喜 |
従業員数 | 101名 |
Chatworkの事業内容
Chatworkの事業内容はビジネスチャットツール「Chatwork」の開発・提供、セキュリティソフトウェア「ESET」の代理販売が中心になっています。
ⅰ.ビジネスコミュニケーションツールChatworkの運営
Chatworkのメイン事業は会社名と同名のビジネスコミュニケーションツールChatworkの運営です。
現在、Chatworkは229,000社に導入されています。
まずはChatwork社を理解するうえで重要である、ビジネスコミュニケーションツールChatworkとはどのようなツールであるのかをご紹介していきます。
- グループチャット
Chatworkでは複数人が参加するグループチャットでコミュニケーションととることが可能です。
具体的にはメッセージの返信・引用・編集・削除機能を活用して、素早く正確に情報共有をすることができるため、
円滑な情報共有により意思決定をスピードアップすることができます。
- タスク管理
コミュニケーションの中で生じた、やるべきタスクを作成し・管理することができます。
よって、依頼したタスクのやり忘れや連絡漏れがなくなり、仕事効率がアップします。
- ファイル共有
ワードやエクセル、画像ファイルなどをChatwork上で共有することができます。
またチャットメンバーはいつでもクラウドからダウンロードして閲覧することも可能です。
- ビデオ通話/音声通話
Chatworkではパソコンのマイク・カメラを使って、無料でビデオ通話や音声通話をすることができます。
よって、遠隔地の取引先とChatwork上で連絡を取りあったり、外出中でも会議に参加することが可能になります。
見てきたように、Chatworkを活用することで、コミュニケーション能力が向上し、
仕事の効率も格段アップさせることが可能です。
ⅱ.Chatworkでできる「働き方改革」
ここではChatworkを活用することで可能な、多様な働き方についてご紹介していきます。
- 円滑な情報共有により意思決定がスピードアップ
Chatworkを活用することで、複数の人々が同時に情報を共有することができます。
よって、意思決定にかかる時間を短縮することができます。
- 時間や場所にとらわれず気軽にやり取りができる
Chatworkはパソコンだけではなく、スマートフォンやタブレットでも利用することができます。
よって、場所にとらわれず、いつでもどこでも連絡を取り合うことができます。
- 組織・チームのコミュニケーションが活性化
Chatworkを活用することで、複数の人々とチャットすることができます。
よって、組織・チームのコミュニケーションが活性化し、社員のモチベーションアップを図ることができます。
このようにChatworkは国策である働き方改革の本命銘柄であるということができます。
Chatworkの上場理由とは?上場で得た資金の使い道を探ろう!
Chatworkは上場して得た資金をどのように活用するのでしょうか?
ここでは目論見書から資金のつかいみちを探っていきたいと思います。
新規発行による手取り金額
Chatworkは上場することにより手数料を引いた手取り金額で877,775,000円の資金を獲得します*3。
*3:有価証券届出書提出時における想定発行価格(1,605円)を基礎として算出した見込額です。
手取り金の使途
ⅰ.事業拡大に係る人材採用費及び人件費 302百万円
Chatworkに関する営業・マーケティング及び事業開発人員。
ⅱ.広告宣伝費用 326百万円
ⅲ.サーバー費用等 68百万円
アクティブユーザーの増加に伴うサーバー費用等の増加に対処する費用。
Chatworkの資金の使途から、Chatworkは上場することによって、さらに事業を拡大していくことがわかります。
目論見書からみる『Chatwork』の売上高と利益推移
ここではChatworkの業績を分析していきたいと思います。
堅調に伸びる売上高
売上(千円) | |
2014年12月期 | 590,951 |
2015年12月期 | 559,408 |
2016年12月期 | 695,052 |
2017年12月期 | 968,294 |
2018年12月期 | 1,301,836 |
2019年06月期 | 853,438 |
Chatworkの売上高は順調に右肩上がりに推移していることがわかります。
また2019年度も2Qで去年の半分以上の売り上げを上げていることから、去年以上に売り上げが増加していることがわかります。
当期利益は赤字からの脱出ができるかが鍵
当期利益(千円) | |
2014年12月期 | -41,694 |
2015年12月期 | -367,525 |
2016年12月期 | -630,838 |
2017年12月期 | -232,965 |
2018年12月期 | -110,800 |
2019年06月期 | 46,407 |
Chatworkの当期利益(損失)は好調といい難い状況であるといえます。
現時点では赤字企業です。
しかし、2016年を底として、経常損失は現状傾向に向かっており、2019年は黒字化が予測されています。
Chatworkの1株あたり利益も当期利益(損失)同様に2019年に黒字転換する予定になっています。
Chatworkは現状、赤字企業ではあります。
しかし今期は黒字転換する予定であること、また順調に売上高が推移しています。
ファンダメンタル的には投資妙味のある銘柄であるといえるでしょう。
Chatworkの上位7位までの大株主とロックアップ情報
株主 | 保有比率 | ロックアップ情報 |
(株)EC studioホールディングス | 60.64% | 90日間 1.5倍 |
ジャフコSV4共有投資事業有限責任組合 | 9.10% | |
GMO Venture Partners4 投資事業有限責任組合 | 5.46% | |
山口 勝幸(取締役副社長COO) | 4.22% | |
山本 正喜(代表取締役CEO兼CTO) | 4.13% | |
新生企業投資(株) | 2.94% | |
SMBCベンチャーキャピタル2号投資事業有限責任組合 | 2.00% |
ロックアップとは、株式が公開された後に一定期間、市場で持株を売却することができないようにする制度のことです。
Chatworkの上位株式保有者はすべてロックアップの設定がなされています。
しかし、発行価格又は売出価格の1.5倍以上のロックアップ解除が設定されているため注意が必要であるといえます。
またChatworkは個人の保有株式数が少なく、ベンチャーキャピタルの保有割合が高いため、
ベンチャーキャピタルの動向にも注意が必要です。
気になるChatworkの初値予想!
ここでは編集部独自のChatworkの初値予想を公開していきたいと思います。
①:Chatworkの総合評価
ⅰ.Chatwork購入のメリット
- IPOは上値抵抗がないため、株価が上がりやすい傾向がある
- Chatworkは当選株式数が多く、参加しやすいIPOである
- 人気の情報通信系銘柄、しかも働き方改革関連と人気化しやすいセクターである
ⅱ.Chatwork購入のデメリット
- 当選株式数が多く、株価が上がりにくい傾向がある
- 現状、赤字企業である
②:Chatworkの初値予想
1,500円~2,000円
まとめ
9月24日上場のChatwork。
企業の知名度が高いうえに働き方改革の本命銘柄であるため、期待感の高いIPOであるといえます。
しかし、売り出し株式数が多い銘柄のため、株価が上がりにくいというデメリットも存在します。
よって、しっかりと情報収集をしつつ、深追い不要のスタンスで臨むべき銘柄であるといえます。
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