株価指数に投資する方法の1つが「先物取引」であり、一部の証券会社では「NYダウ先物」という銘柄を取り扱っています。
「売り」からエントリーすることができ、NYダウが下落しているタイミングでも利益を狙うことが可能。
また、NYダウ先物は円建てで取引可能であり、為替レートを大きく意識することなく投資できるのもメリットです。
このコンテンツでは、そんな「NYダウ先物」の特徴や投資するメリット、取引する方法について解説します。
目次
Contents
NYダウ先物とは
「NYダウ」はニューヨーク平均株価の略称であり、ダウ工業株30種を対象にした株価指数です。
iPhoneを販売する「アップル」や米一流投資銀行の「ゴールドマンサックス」など。
米国経済を代表とする企業の銘柄によって構成されています。
本来、株価指数は対象となる銘柄の株価を平均化した指標であり、それ自体を売買するのは不可能です。
NYダウ指数を「先物化」したのがNYダウ先物という銘柄です。
取引可能時間は、日本時間8:45~15:15(日中立会)、16:30~翌5:30(夜間立会)となっています。
先物取引は、配当はありません。
先物取引の仕組みを簡単にイメージするために、NYダウ先物取引の例を想定してみましょう。
最初の取引時である2014/4/14は、ダウ平均株価は16,000円。
将来的な値上がりを予想していた投資家は「買い」を検討します。
この時、投資家は個別株を購入するのではなく。
NYダウ先物を1株16,000円で購入する権利を10枚買い、証券会社に証拠金を預けたのです。
そして2ヶ月後にダウ平均株価は16,800円まで上昇。
投資家は16,000円で購入できる権利を16,800円で決済。
これにより、差額の800円分のリターンを受け取り、手数料を除いた分だけリターンが手に入りました。
上記の例では投資家はX社の株式を購入せずに、先物取引だけで売却益を得ています。
この方法は差金決済という方式であり株や指数などの先物取引においては差金決済が導入されているのです。
NYダウは持続的な成長に期待できる企業で構成されるため、初心者が先物取引するのにオススメの銘柄です。
トレンドに合わせて売買することにより収益に期待できます。
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ダウ平均先物とダウ平均CFDとの違い
NYダウ先物とダウ平均CFDの違いは以下の通りです。
NYダウ先物 | ダウ平均CFD | |
取引単位 | NYダウ × 100円 | NYダウ × 0.1円 |
手数料 | 900円/1枚 | 0円 |
レバレッジ | 約35倍 | 10倍 |
取引形態 | 取引所 | 店頭(CFD会社) |
追証 | あり | あり |
取引時間 | 8:45~15:15 | 8:30〜翌7:00 |
16:30~5:30 | ↑夏時間 8:30〜翌6:00 | |
スプレッド | なし | 1~2円 |
値洗い | あり | なし |
限月 決済期限 | あり | なし |
「CFD」とは差金決済取引を意味する言葉であり、
株式や現物、世界中の指数や債券などあらゆる商品を取引できる仕組みです。
24時間いつでも銘柄を取引できて、先物よりも手数料が比較的安いのがCFDの特徴です。
また、上記のNYダウ先物をはじめとして、先物取引では銘柄を保有していても配当を貰えません。
しかし、CFDなら配当金を受け取れます。
CFDでは取引期限がなく、含み損を強制的に確定されることを防ぐことができます。
先物取引は投資してから数ヶ月の期日※があり、期日を超えて銘柄を保有できません。
※限月の例:
- 1月限
- 2月限
- 3月限
レバレッジの上限は先物取引の35倍にに比べて10倍と低く、CFDはハイリスクハイリターンの投資を好む人には不向きです。
希望する投資額やレバレッジが大きい人は先物取引を選ぶことがオススメです。
CFD取引をするのであれば、「GMOクリック証券」が有名どころですね。
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NYダウ先物に投資する方法
NYダウ先物に投資するには資金を用意して、銘柄を取り扱う証券会社の口座を開設することが必要です。
投資家にNYダウ先物取引を提供している証券会社の例は次の通り。
これらの証券会社で口座開設したら、次に必要な資金を口座に入金しましょう。
NYダウ先物取引の単位は指数の100倍であり、以下のように計算することで取引単位の価格を計算できます。
NYダウ先物の単位価格:
約26,500円(2019/10現在)×100
=2,650,000円
実際に売買するには銘柄の取引価格以外に手数料も支払うことが必要です。
NYダウ先物の取引時間は日中で8:45から15:15であり、夜間では16:30から翌日5:30となっています。
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レバレッジの上限は?
NYダウ先物取引のレバレッジ上限は、一般的に約35倍として定めています。
レバレッジを高めることで必要となる証拠金が減り、少ない投資資金でトレードできるのが特徴です。
例えばNYダウ先物の単位価格が265万円の場合、35で割ると約75,714円となります。
そのため8万円の資金を投入すれば、百万円を超える資金がなくてもNYダウ先物に投資できるのです。
一部の証券会社では既に投資した先物銘柄とリスクを相殺して、より効率のよい取引をすることも可能。
利益と損失を通算できることで無駄なロスカットを減らせます。
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NYダウ先物に投資するメリットを5つ紹介
「インデックスファンドやETFがあるのに、NYダウ先物に投資する意味ってあるの?」と思った人はいるかもしれません。
確かにNYダウと連携した金融商品に投資するなら、先物取引する必要性は小さいと考えても仕方ありません。
しかしNYダウ先物取引は差金決済の1種であり、活用することでさまざまなメリットを得られます。
投資家がNYダウ先物でトレードするメリットは次の5つです。
- 「売り」から入ることができる
- 為替リスクを抑えられる
- 少額資金で投資できる
- マーケットメイカー制度で円滑に取引できる
- リアルタイムで取引可能
それぞれのメリットについて簡単に解説します。
「売り」から入ることができる
NYダウ先物取引が、普通のインデックス取引と最も違う点は「売り」から入ることができる点です。
しかし、ダウ平均先物であれば「売り」から入ることが出来るので相場の下落局面でも収益を狙うことができます。
例えばダウ先物が16000ポイントの時に今後下落すると思ってダウ先物を1枚売るとします。(160万円分)
その後、15200ポイントまで下落した時に決済買いをいれると80,000円分の儲けがでるのです。
円建で取引できるため為替リスクが抑えられる
NYダウ先物取引では金融商品を実際に売買しないため、米ドル建てで投資する必要がありません。
NYダウ先物取引は、NYダウの数値をそのまま円建てで取引することができます。
そのため、為替レートの変動を大きく意識する必要がなく為替リスクを抑えられるのが魅力的な点です。
ただ、日本円をドルに変換して、ドル建のダウ先物を購入する場合よりも為替変換手数料が抑えられるのは大きな魅力です。
少額資金で投資できる
NYダウ先物取引の取引単位はNYダウの100倍であり、日経225miniと同じ水準です。
レバレッジを活かすことで必要資金が少なくなり、少額から投資できるメリットもあります。
先物取引はレバレッジの上限が35倍とかなり大きいため、CFDよりも投資のハードルが下がるのもポイント。
マーケットメイカー制度で円滑に取引できる
投資家の取引機会を円滑化する目的により、NYダウ先物取引にはマーケットメイカー制度が導入されています。
1ポイント単位で銘柄を取引でき、細かい値動きに対する売買が可能です。
出来高が少なくてもマーケットメイカーが取引に応じてくれるから、スムーズに取引できる利点があります。
リアルタイムで取引可能
NYダウ先物取引は株式よりも取引できる時間が長く、ほぼリアルタイムでトレードできる魅力もあります。
夜間は16:30から翌日5:30まで売買でき、忙しいサラリーマンでも取引しやすいです。
また、米国主要経済指標が発表されるタイミングで取引でき、統計の良し悪しに合わせて素早く売買できるのもメリット。
取引できない時間が短いのは投資家にとって安心感があります。
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まとめ
NYダウ先物は米国株価指数を対象とした先物取引であり、ほぼリアルタイムで売買できる金融商品です。
日本円でそのままNYダウを取引でき、少額資金から投資できるのが特徴です。
国内ではSBI証券などにおいてNYダウ先物を取引することができます。
先物取引に興味がある人は証券会社の口座を開設して、さっそくNYダウ先物に投資してみましょう。
今回はNYダウ先物について紹介しましたが、株式投資で高い成果を出すには、基礎的な知識やルールをしっかり把握する必要があります。
しかし、現代人は忙しく、じっくり勉強している暇はありません。効率よく勉強を進めていく必要があります。
以下のコンテンツでは、株式投資の基礎からハイリターンを目指すべく、効率よく学習できる方法を特集しています。
ぜひ、参考にしてみてください。
以上、【NYダウ先物とは?】ニューヨークダウ先物の特徴とダウ平均CFDとの違い・投資するメリットと実際に取引する方法についてわかりやすく解説。…でした。