2019年1月からサービスが開始したソーシャルレンディング業者・貸付ファンドの「Funds(ファンズ)」が今大きな話題となっています。
【公式サイト】https://funds.jp/
ファンズにを通して貸付け(投資)することで、比較的低リスクで年率1%-3%の運用リターンを見込むことができます。
他のソーシャルレンディングと比較しても、安全性は高く、おすすめできるサービスとなっています。
ファンズは広い意味ではソーシャルレンディング業者の一つですが、投資の募集に特化した貸付ファンドとなっています。
新しい形のプラットフォームとして運営されているということです。
また、他のソーシャルレンディング業社と異なり、上場企業を始めとした大企業案件に投資できる点が大きな魅力となっています。
安全性が最も高いソーシャルレンディング業者として注目が集まっています。
このコンテンツでは、そんな「Funds(ファンズ)」の仕組みと利用するメリット、デメリットについて包括的にお伝えしていきます。
■ 今回のポイント:
- 仕組み:Fundsは大企業案件の資金を集めるプラットフォーム。
- 利回り:大企業案件にも関わらず1%-3%の高利回りを実現。
- 安全性1:出資した事業が失敗しても融資先大企業が倒産しない限り元本は安全。
- 安全性2:今までの全案件の融資先企業の財務基盤は盤石。極めてリスクは低い。
- 匿名性:最終出資先の名前は全てオープンにされており透明性は高い。
- 資金拘束:1年未満の案件が殆どで資金拘束期間は短い。
- 抽選方法:先着順に加えて抽選方式もリリースされ時間がない人も参加可能。
- 出資額:日本円の最小単位1円から投資が可能。
目次
Contents
Funds(ファンズ)の仕組み〜貸付ファンドという新しい形態〜
仕組みを理解する上で、ここでは登場人物が4人いますので最初に把握しておきましょう。
- ① 私たち個人投資家:ファンズを通してファンド組成企業に出資
- ② ファンズ:個人投資家より資金集めをするプラットフォーム
- ③ ファンド組成企業:ファンズを通して得た資金を事業をする企業に出資
- ④ 実際に事業をする企業(対象事業):ファンド組成企業に利益を配分(個人投資家へ配分)
②ファンズはまず、③ファンド組成企業との間で匿名組合契約を結びます。
匿名組合契約は商法第535条に規定される契約です。
第五百三十五条
匿名組合契約は、当事者の一方が相手方の営業のために出資をし、その営業から生ずる利益を分配することを約することによって、その効力を生ずる。 (匿名組合員の出資及び権利義務)
(引用:e-Gov「商法」)
そして、③ファンド組成企業が④対象事業へお金を出すのは「貸付事業」のみとなっています。
③ファンド組成企業は④実際に事業をする会社の株を買い占めて、買収したり株の一部を保有するわけではありません。
あくまで②ファンズを通して、①個人投資家より集めた資金は「貸付け」という形で資金を需要する企業に融資されます。
さらに、第二段階として③ファンド組成企業が④事業を行う会社(借り手)と「金銭消費貸借約款」(きんせんしょうひたいしゃくけいやく)を結びます。
「金銭消費貸借契約」は借主が将来、「借りたお金を返す」ことを約束して、金銭を借り入れる契約のことを指します。
まず③ファンド組成企業は②ファンズを通じて私たち①個人投資家から資金を集めます。
そして、集めた資金を貸し付ける④企業に、③ファンド組成企業は予め約束した利息を受け取る権利があります。
同時に③ファンド組成企業は、将来受け取る利息を匿名組合契約に基づいて①個人投資家に分配する義務を負っているのです。
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Funds(ファンズ)と従来のソーシャルレンディングとの違い
Funds(ファンズ)と一般的な「ソーシャルレンディング」は大きく二つのポイントで相違点が見られます。
資金募集と運用企業を分離しているFunds
一般的なソーシャルレンディングは、ソーシャルレンディング事業者が投資家からの資金を募集。
そして企業への貸付を一貫して行います。
募集から運用を一手に担っていたり、ソーシャルレンディング事業者の関係会社が運用を行なっていたりします。
一方、Fundsでは運営会社であるFundsと実際の運用会社が異なります。
ファンド組成企業と出資企業は「関係会社」である
Fundsの大きな特徴としてはファンド組成企業は、関係会社に限定される『関係会社貸付スキーム』となっていることです。
例えばわかりやすく言うと、トヨタ自動車がファンドを組成し、貸付先はトヨタ自動車の子会社などになるということです。
関係会社に貸し付けるわけですから、ファンド組成企業が「親」となりますので、当然返済される可能性は通常のソーシャルレンディングに比べて高くなります。
社会的な責任ある上場企業が投資家から集めた資金を不正に悪用することはできません。
しっかり返済する責任を有していることが見込まれます。
ファンド組成企業の信頼性と、関係会社へ限定された貸付をする、という点から通常のソーシャルレンディングに比して回収リスクは著しく低いといえるでしょう。
違いはあるといえど、広い意味でファンズもソーシャルレンディングの1形態です。
様々な業者を分析してきましたがファンズはリスクが低くおすすめできるソーシャルレンディングです。
各ソーシャルレンディング業者は以下にランキング形式でまとめていますので参考にしてみてください。
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Funds(ファンズ)のメリット
Fundsは従来のソーシャルレンディングよりも安全性が高くおすすめできるサービスです。
Fundsのメリットについてお伝えしていきたいと思います。
■ コンテンツ:
投資先が開示されていて安心
通常のソーシャルレンディングでは最終的な貸付先については公開されません。
賃金業法の『借り手の保護』によってファンズで集めた資金の最終的な投資先は案件によっては制限されていました。
借り手側の不正を受けて金融庁では貸付先の企業の情報開示を促す旨を発表しました。
金融庁はインターネット経由で融資を仲介するソーシャルレンディング業者に、貸付先となる企業の情報開示を促す。従来は匿名を原則としてきたが、社名や所在地など投資判断に必要な情報の公表を求める方針。
金融庁の発表を受けてファンズはホームページ上で、貸付先企業の名称を開示する方針を発表しました。
以下はFundsのプレスリリースの発表です。
当社は、保全性を高める工夫をとるとともに、可能な限り投資家の皆様に適切にリスク判断していただけるよう、ファンド組成企業の貸付先をその関係会社のみに限定しております。
関係会社に対する貸付けは原則として貸金業法が適用されず、貸付先企業の匿名化を行う必要は基本的にありません。したがって、Funds(ファンズ)で募集するファンドでは、貸付先企業の名称などを原則として開示しております。こうすることで、貸付先のリスクを考慮した上での投資判断を行いやすくしております。
先ほど、ソーシャルレンディングとファンズの違いを触れましたが、ファンズの場合、ファンド組成企業は関係会社に貸付を行っています。
関係会社への貸付は匿名とする賃金業法の適用を受けないので公開することとしたという旨の発表になっています。
ファンズの「ファンド組成企業」は上場企業等の信頼できる企業が多い
ファンズは2019年1月に始まったサービスということでまだ案件は少ないですが、ファンド組成企業は信頼できる企業が多くなっています。
以下は2019年5月2日現在Fundsが提携しているファンド組成企業です。
6社中、3社が上場企業となっています。
また「株式会社フィルまちづくりファンディング」に関しては、フィルカンパニー社および株式会社セントロの合弁企業となっています。
セントロは東証一部上場いちご株式会社の連結子会社なので安心感の高い企業ということができますね。
「株式会社明豊プロパティーズ」についても、上場こそしていませんが、親会社は東証JASDAQ上場の明豊プロパティーズとなっています。
貸付けた事業自体が失敗しても、借り手企業が倒産しない限り投資金額と利息は支払われる
通常のソーシャルレンディング業社は融資した案件が失敗した場合は返済が実施されない案件もあります。
しかし、ファンズでは案件が失敗しても借り手企業又はファンド組成企業が倒産しない限り返済と利息の支払いは実施されます。
ファンズの案件の一つの例として、ファンド組成企業「デュアルタップ社」は実際の借り手であるDualtap Property Management(DPM)の100%親会社です。
デュアルタップ社、またはDPM社が倒産しない限りは元本が欠損することはないのです。
ファンド組成企業と実際の借り手は基本的に親子関係なので、親会社が倒産しない限りにおいて元本が欠損しないということになります。
ここでほとんどのケースにおいて、親会社は上場大企業。
財務基盤は盤石な企業が多いので、倒産の可能性はあまり考えなくてよいでしょう。
ファンズの全案件について詳しく分析しておりますので参考にしてみてください。
案件が組成される毎に随時更新しております。
■ Review:
国債や定期預金に比べて高いリターン
しかしファンズで今まで運用中の7案件と現在募集前の1案件の予定運用利回りと期間は以下のようになっています。
Phase | ファンド組成会社 | 予定利回り(年率) | 期間 | 案件名 |
運用中 | アイフル | 1.80% | 約12ヶ月 | アイフルビジネス ローンファンド |
デュアルタップ | 5.00% | 約12ヶ月 | 大田区XEBECファンド | |
Lendy Funding | 6.00% | 約4ヶ月 | LENDYオンライン レンディングファンド | |
デュアルタップ | 4.50% | 約12ヶ月 | 台東区XEBECファンド | |
デュアルタップ | 4.30% | 約12ヶ月 | 台東区XEBECファンド2 | |
フィルまちづくり ファンディング | 3.00% | 約12ヶ月 | フィル・パーク東京スカイツリー リバーサドファンド | |
明豊プロパティーズ | 5.00% | 約9ヶ月 | 世田谷MIJASファンド | |
イントランス | 4.5% | 約12ヶ月 | イントランスバケーションズ 京町ファンド | |
インテリックス | 3.5% | 約9ヶ月 | リースバック事業『あんばい』 | |
インテリックス | 3.0% | 約9ヶ月 | リースバック事業『あんばい』2 | |
インテリックス | 2.5% | 約11ヶ月 | リースバック事業『あんばい』3 | |
Kudan | 2.0% | 約11ヶ月 | Kudan Deep Techファンド | |
イートアンド | 2.0% | 約11ヶ月 | 大阪王将ファンド |
驚愕の1円から投資が可能
最低投資金額は日本円の最低単位である1円から1円単位で自身で調整することができます。
手数料が無料
投資家がファンズの利用に関して支払う手数料は完全無料となっています。
- 登録に関する費用:無料
- 口座開設費用:無料
- 口座管理費用:無料
- 指定口座への出勤手数料:無料
投資家に優しい運営を敷いているということができますね!
ではメリットばかりに思えるファンズのデメリットについても紐解いていきましょう。
■ Review:
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Funds(ファンズ)のデメリット
Fundsは基本的にはメリットの方が大きい仕組みですが、デメリットも存在しています。
人気すぎてすぐ募集が終了する
まず最初はファンズが人気すぎる故の、デメリットです。
優良案件に溢れているということもあり、募集開始から満額成立までの時間が非常に短いのです。
募集開始時期は出来うる限り早く申し込む必要があるということですね。
コラム:人気が出てきたことで一部抽選方式を適用開始!(2019/6/26〜)
ファンズは2019年6月26日以前は各案件への申し込みは先着順でした。
そこでファンズは規模が大きい案件に限り従来の先着式に加えて、抽選式の応募方法を新たに加えました。
重要なのは、今までの先着式は維持されたまま、新たに抽選式の応募が加わったことです。
つまり、投資家は2パターンの申し込み方法を選択できるようになりました。
抽選方式では応募金額に100万円の上限が設けられているので、100万円以上の申し込みを行う場合は、以下から選択して申し込みを行う必要があります。
- 抽選方式と先着方式の併用
- 先着方式のみでの応募
【公式サイト】https://funds.jp/
■ Review:
元本保証ではない
当然ですが、あくまでも投資なので元本が保証されているわけではありません。
ファンド組成会社が倒産したり、貸付先の関係会社が倒産したりした場合は元本が一部又は全部失われる可能性があります。
ソーシャルレンディングよりはリターンが少ない
ソーシャルレンディングの中には10%以上の利回りが期待できる案件もある一方、ファンズは1.2%-6.0%と利回りはソーシャルレンディングより低めに設定されています。
ただ、リターンが高いということは元本を失うリスクが高いことの裏返しでもあります。
ソーシャルレンディングでは銀行からの融資が難しい中小零細企業に貸し出すことで、高い利回りを期待することができます。
しかし倒産する可能性も当然高く、元本が毀損してしまう恐れも格段に高くなっています。
一方、ファンズでは証券会社で販売されているような一流企業の社債の安全性には流石に劣りますが、ある程度、社会的信用が高い企業の関係会社に貸し付けます。
そのため、ファンズの利回りはソーシャルレンディングに負けますが、元本の安全性は格段に高いといえるでしょう。
資金拘束を受ける
Fundsでは株式投資のようにいつでも自分で株を売却するように現金化することはできません。
■ Review:
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まとめ
「Funds(ファンズ)」は資金の募集と運用を切り離した貸付ファンドという新たな形態でサービスを開始し大変な注目を集めています。
運用を担当する各ファンド組成会社は上場企業やグループ会社といった信用性の高い企業で構成されています。
さらに貸付企業もファンド組成会社の関係会社となっており安全性という面でソーシャルレンディングに対して大きな優位性を有しています。
狙える利回りは1%-3%ではありますが、安全性を加味すると非常におすすめな選択肢です。
1円からでも投資が可能なので、Fundsを通して自身が銀行の役割を果たしながら高いリターンを獲得していきましょう!
■ 今回のまとめ:
- 仕組み:Fundsは大企業案件の資金を集めるプラットフォーム。
- 利回り:大企業案件にも関わらず1%-3%の高利回りを実現。
- 安全性1:出資した事業が失敗しても融資先大企業が倒産しない限り元本は安全。
- 安全性2:今までの全案件の融資先企業の財務基盤は盤石。極めてリスクは低い。
- 匿名性:最終出資先の名前は全てオープンにされており透明性は高い。
- 資金拘束:1年未満の案件が殆どで資金拘束期間は短い。
- 抽選方法:先着順に加えて抽選方式もリリースされ時間がない人も参加可能。
- 出資額:日本円の最小単位1円から投資が可能。
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