きずなホールディングス(7086)の上場日は3/6(金)で、上場市場は東証マザーズとなります。
主幹事は国内最大手の野村證券で、IPOの申し込み期間(BB期間)は2月18日(火)~2月25日(火)となっています。
今回はきずなホールディングスの目論見書を参考にどのような企業なのか?
事業内容や業績をチェックしながら詳しくご紹介していきたいと思います。
また、きずなホールディングスの気になる初値予想やIPOでの購入情報もご紹介していきます。
Contents
きずなホールディングスのIPOスケジュール
きずなホールディングスの主幹事は国内最大手の野村證券です。
上場規模は44.20億円程度と、マザーズでは大型の部類に入ります。
ブックビルディング期間 | 2月18日(火)~2月25日(火) |
市場 | 東証マザーズ |
公募価格決定 | 2月26日(水) |
購入申し込み期間 | 2月27日(木)~3月3日(火) |
上場予定 | 2月25日(火) |
当選株式数 | 公募50,000株、売り出し1,697,200株、オーバーアロットメント262,000株 |
想定価格 | 2,200円 |
仮条件価格 | |
公募価格 |
きずなホールディングスの各証券会社の割当
それでは、きずなホールディングスの引受証券会社及び引受シェアを確認していきたいと思います。
引受シェアは以下のとおりです。
証券会社 | 株数 | 割当率 |
野村証券 | 1,537,600 | 88.00% |
みずほ証券 | 87,400 | 5.00% |
SBI証券 | 34,900 | 1.90% |
マネックス証券 | 34,900 | 1.90% |
楽天証券 | 34,900 | 1.90% |
いちよし証券 | 17,500 | 1.00% |
SMBC日興証券 | 6,500 | 0.30% |
きずなホールディングスの事業内容
きずなホールディングスの基本スペックは以下のとおりです。
社名 | 株式会社きずなホールディングス |
コード番号 | 7086(東証マザーズ) |
設立 | 2017年6月 |
資本金 | 100,000,000円 |
本社所在地 | 東京都港区芝4-5-10 ユニゾ芝四丁目ビル7階 |
代表者 | 代表取締役社長 兼 グループCEO 中道 康彰 |
従業員数 | 462人(連結) |
事業内容 | ・グループ全体の経営戦略に関する立案、推進ならびに管理 ・葬儀葬祭に関する一切の業務 |
きずなホールディングスの事業内容
きずなホールディングスは、連結子会社2社(家族葬のファミーユ、花駒)の持ち株会社です。
グループは葬儀事業の単一セグメントです。
葬儀売上を構成する葬儀施行業、仲介手数料収入を構成するネット集客業、その他のサービスを提供しています。
2019年12月31日時点で、全国33都道府県でサービスを提供しています。
同社の主要な収益源は以下のとおりです。
- 葬儀売上: 葬儀売上は葬儀施行業の収益で構成されています。葬儀施行業は、「直営モデル」と「委託モデル」の2形態があります。ホール建設等に係る初期投資の投資効率を踏まえたうえで、展開手法を判断しています。
- 仲介手数料収入: 仲介手数料収入はネット集客業と仏壇等アフター商材販売の収益で構成されています。
- その他収入: 「家族葬のファミーユ」ブランドを使用するフランチャイズ店舗からのロイヤリティ収入等、葬儀売上と仲介手数料収入いずれにも属さないサービスの収益で構成されています。
きずなホールディングスの上場理由は?上場による資金調達の目的を探る
新規発行による手取り額
きずなホールディングスは上場することにより手数料を引いた手取り金額で96,200千円の資金を獲得します。
資金使途は後述のとおりです。
調達資金の使途
調達資金ですが、目論見書によれば以下の用途に充当予定とのことです。
- 家族葬のファミーユの事業拡大のための設備資金として使用予定。2020年5月に11店舗出店予定で、うち2店舗の新規出店に係る費用に充当予定
きずなホールディングスは調達した資金を新規出店のために用いるとのことです。
同社は全国33都道府県に進出しているため、全国展開を見据えた資金調達と言えます。
ただ、借入でも当該資金を充当することは可能であるように見受けられます。
詳細は後述しますが、同社の株式の大半は投資ファンドに保有されています。
投資ファンドの換金上場である可能性も考慮に入れたうえで投資を検討したほうがよいかもしれません。
目論見書から見るきずなホールディングスの売上高と利益推移
本項目では、きずなホールディングスの業績を分析していきたいと思います。
売上高の推移
売上高(千円) | |
2018年5月期 | 6,417,226 |
2019年5月期 | 7,193,505 |
2019年11月 | 3,829,072 |
上記のとおり、同社の売上高は右肩上がりに上昇していることがわかります。
2020年5月期は、2019年11月までの数値を2倍すると7,658,144千円程度の売り上げが見込まれ、前年比増収となりそうです。
営業利益も成長基調
営業利益(千円) | |
2018年5月期 | 641,974 |
2019年5月期 | 813,188 |
2019年11月 | 380,708 |
本業のもうけを示す営業利益も、概ね安定的に推移しています。
特に2020年5月期は前年比若干のマイナスとなりそうですがIPOのマイナス材料とはならないでしょう。
EPSも成長基調
EPS(円) | |
2018年5月期 | 86.43 |
2019年5月期 | 119.75 |
2019年11月 | 57.94 |
EPSは、2018年から2019年にかけて大きな伸びを見せました。
2020年5月期はこのままのペースで推移した場合、営業利益同様前年比若干のマイナスとなる見込みです。
きずなホールディングスの上位10位までの大株主とロックアップ情報
株主名 | 保有比率 | ロックアップ情報 |
投資事業有限責任組合アドバンテッジパートナーズV号 | 66.89% | 90日間 / 1.5倍 |
AP Cayman Partners III, L.P. | 22.87% | 90日間 / 1.5倍 |
Japan Fund V, L.P. | 5.91% | 90日間 / 1.5倍 |
アドバンテッジパートナーズ投資組合64号 | 1.97% | 90日間 / 1.5倍 |
中道 康彰 | 1.44% | |
関本 彰大 | 0.72% | |
岡崎 仁美 | 0.07% | |
下田 啓明 | 0.01% | |
宮本 和信 | 0.01% | |
高尾 幸雄 | 0.01% |
ロックアップとは、株式が公開された後に一定期間、市場で持株を売却することができないようにする制度のことです。
上位株主には軒並みロックアップが付されています。
加えて、上位株主にベンチャーキャピタル等が名を連ねているため、エグジット上場である可能性がありますので注意が必要です。
且つ、本件のロックアップは初値の1.5倍で解除されます。公募価格の1.5倍付近で大きな売り圧力が生じると考えられます。
きずなホールディングスの初値予想
ここでは編集部独自のきずなホールディングスの初値予想を公開していきたいと思います。
きずなホールディングスの総合評価
きずなホールディングス購入のメリット
- 業績は概ね好調
- 葬儀ビジネスの地合いは良好
- IPOは上値抵抗がないため、比較的株価が上昇しやすい
きずなホールディングス購入のデメリット
- 上場後は株価が乱高下しやすい
- 売出株式数が多い
- エグジット上場である可能性が非常に高い
- ロックアップ条件が比較的緩く、売り圧力がかかる可能性が高い
- 事業内容は比較的地味であり、人気のセクターとは言い難い
- 業績が悪化した場合株価が急落する可能性がある
きずなホールディングスの初値予想は2,162円
きずなホールディングスのEPSは2018年5月末時点で86.43、2018年5月末時点で119.75、2019年11月末時点で57.94でした。
きずなホールディングスの競合として考えられる上場企業として、葬儀関連事業に従事する企業であるティア、燦ホールディングス等が考えられます。
今回は、競合他社のPERを用いて同社のEPSから推定株価を算出します。
企業名 | PER |
ティア | 16.60 |
燦ホールディングス | 10.61 |
ニチリョク | 8.60 |
アスカネット | 44.75 |
きずなホールディングスの直近の業績を鑑み、上記のうちPERは競合4社の平均値である20.14倍を用いることとします。
EPSは、同社の直近の業績を鑑み、2018年5月期、2019年5月期、2020年5月期の想定EPSの平均値である107.35を用います。
以上より、想定初値は、PER20.14倍×EPS107.35=2,162円程度となります。
まとめ
3月6日上場のきずなホールディングスですが、業績や利益水準も安定的に推移しています。
持続的に成長を続けている点で評価できます。
業種としても今後需要の拡大が見込まれますので、良好なパフォーマンスが期待できると考えられます。
一方、今回はエグジット上場であることに加え、手取り資金も少なく資金使途が不明瞭である点がマイナス材料です。
しかしながら、IPOの地合いは良好であると考えられますので、
ファンダメンタルズが良好であれば、株価の上昇も十分に期待できそうです。
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