【6703】大手通信機器メーカー『沖電気工業』の株価の今後の見通し。

沖電気工業」は1881年に創業を開始した大手通信機器メーカー。

近年は「Open Up Your Dream」をスローガンに掲げ、情報と通信が融合した新たな分野へ事業領域を広げています。

 

今回はファンダメンタルとテクニカル両面から沖電気工業の今後の株価推移を分析していきたいと思います。

 

■ 投資判断基準:「投資対象外」

▷以下の点を総合的に勘案し沖電気工業は「投資対象外」と判断。

■ 業績見通し:

▷19年3月期の連結経常利益は前の期比81.8%増の154億円、20年3月期も前期比9.8%増の170億円に伸びる見通しと直近3年間の業績は向上してきているが安定性に欠ける。

■ 指標:

▷ROEとROAや営業利益が激しく上下し安定感にかける。

▷予想PERは8.3 倍、予想PBRは1.16 倍でともに割安水準だが不人気の裏返しであると考えられること。

■ 他社との比較:

▷競合の業績も沖電気工業同様不安定感が高い。

■ テクニカル分析:

▷上値抵抗が強く現状はレンジ相場であるため、投資対象外。

 

 

大手通信機器メーカーの沖電気工業とは?

ここでは大手通信機器メーカーである沖電気工業の事業内容をご紹介していきます。

①:デジタル変革(IoT)

特長あるデバイス群、音響・光センサーを特長としたセンシング・デバイス、ネットワーク技術、データ処理・運用技術・ノウハウで、社会インフラを支える様々なソリューション、プロダクト&サービスを提供しています。

②:次世代交通

ITS既存システムをコアとした進化、V2Xネットワークの実現によってインフラ協調ITSサービスの実現に向けて邁進しています。

③:働き方改革

「変革と継承」で無理のない働き方改革に貢献するために、様々なニーズにこたえることができるシステムを提供しています。

④:社会インフラ・防災

社会インフラ・防災に役立つシステムを提供しています。

⑤:金融・流通

金融・流通に役立つシステムを提供しています。

⑥:製造

工場の設備の保全など製造に関するシステムを提供しています。

⑦:ネットワーク機器

ネットワーク機器だけではなく、ビデオ会議システムなども提供しています。


⑧:ITプラットフォーム

音声クラウドサービスなどを提供しています。


⑨:海洋・音響技術

海洋・音響技術によるセンサー群により、船舶IoT、沿岸監視、海洋資源開発、海洋土木/構造物・防災といった領域でのさまざまな課題解決に取り組んでいます。

 

沖電機の過去10年の業績推移(PL)

ここでは沖電気工業の過去10年間の業績推移を見ていきます。

下記は沖電気工業の過去10年間の業績推移です。

沖電機の業績推移

 

売上高は2012年に底打ちしてから、横内で推移しています。

比較して、本業を表す営業利益は2007年に-6,582百万円で底打ちしてから、2015年の32,415百万円とかなり大きな幅で動いていることがわかります。

また2015年に天井を付けてから、営業利益もここ数年低迷している状態であるといえます。

よって、沖電気工業の業績は不安定であるといえます。

 

沖電気工業が5月9日に最新の決算を発表しました。

19年3月期の連結経常利益は前の期比81.8%増の154億円、20年3月期も前期比9.8%増の170億円に伸びる見通しであると公表しています。

また配当金に関しては据え置きになっています。

沖電機工業の配当金推移

沖電機

 

沖電気工業のROEROA

上記は沖電気工業の過去10年間のROEとROAの推移です。

一見して「何があったのか?」と目を疑いたくなるほど広い幅で上下しています。

 

沖電機のROEとROA

 

まずROEから見ていきます。-111.53%~30.83%の幅で上下しています。

業績が回復傾向を見せているここ3年間はROEも回復傾向に向かっています。

次にROAですが、-11.60%~7.53%の幅で上下しています。

業績が回復傾向を見せているここ3年間はROE同様ROAも回復傾向に向かっています。

 

沖電気工業の事業の先行き

業績に安定感がない沖電気工業。

中期経営計画も2019年で止まり、新たな中期経営計画も策定されていない状態です。

よってここでは、沖電気工業の業績を沖電気工業のセグメント別に詳しく分析していきたいと思います。

①:売上高

沖電気工業では売り上げのほとんどが情報通信・メカトロシステム、プリンター、EMSの4分野で占めていることがわかります。

沖電機工業のセグメント毎の売上比較

沖電機工業

 

②:営業利益

営業利益でみると、利益の大部分が情報通信事業です。

沖電気工業の営業利益

特筆すべきはメカトロシステムは「赤字」です。赤字セクターの改革を行うなどの企業努力が必要であるといえます。

 

③:地域別売上高

地域別売上高をみると、日本が大部分を占めていることがわかります。

また年々国外の売上高は減少していることがわかります。特に中国の売り上げ減少率が高いといえます。

沖電気工業の地域別売上高

 

無駄に世界展開するのではなく、利益にならない地域は取捨選択し、売り上げを伸ばす努力をすべきであるといえます。

見てきたように、沖電気工業の業績が安定しないのは、企業のプランニングの甘さにあるといえます。

経営陣の一層の努力を期待するほかありません。

 

沖電気工業のテクニカル分析

ここでは沖電気工業は買いか売りかをテクニカル的な側面から分析していきたいと思います。

沖電気工業の過去10年の株価推移

ほぼ一見して、沖電気工業の株価は日経平均株価に連動することなく、業績に比例しやすいことがわかります。

2011年の500円から2014年の2,850円と、爆発力が高いのも特徴です。

沖電機工業の月足チャート

 

沖電気工業のテクニカル分析

長期の変化日で雲(上値抵抗)に押し込まれています。

よって、雲を突き破るか雲が消えるのを待たないと「買い」判断をすることはできません。

沖電気工業のテクニカル分析

また現在は1,193-17,68円のレンジ相場になっていることがわかります。

よってテクニカル的に沖電気工業は投資対象外ということになります。

 

沖電気工業の競合他社比較

沖電気工業(6703)を同業である日本電気(6701)、カシオ計算機(6952)、キヤノン(7751)、パナソニック(6752)、ソニー(6758)と比較検討していきます。

沖電気工業NECカシオ計算機キヤノンパナソニックソニー
PER8.3 倍16.1 倍13.3 倍16.6 倍10.1 倍13.2 倍
PBR1.16 倍1.22 倍1.41 倍1.20 倍1.05 倍1.76 倍
配当利回り3.74%1.49%- %- %- %- %
ROE8.41%4.68%10.46%8.94%14.85%24.46%
ROA2.30%1.36%6.19%5.16%4.72%4.37%

 

①:PER

セクターのPERが沖電気工業の8.3倍からキヤノンの16.6 倍となっています。

日経平均株価の平均PER13~14倍の±2であることからセクター的には平均値並みであるということができます。

 

②:PBR

セクターのPBRがパナソニックの1.05 倍からソニーの1.76 倍と日経平均株価の平均PBRの2倍以下になっています。

よって、セクター的にPBRは割安であるということができます。

 

③:配当利回り

配当は未公開or無配当の企業がカシオ計算機、キヤノン、パナソニック、ソニーと多数派になっています。

それは業績が急激に悪化していることや為替の推移が読みにくい展開になっていることから生じていると考えられます。

公表している企業は沖電気工業が3.74%、日本電気が1.49%ですので、他企業もおおむね1~4%あたりであると推測されます。

 

④:株主優待

株主優待がある企業はソニーのみです。

株主優待の内容は、100株以上の保有でソニーストアオンライン、ソニーストアの各店舗、ソニーショップで利用できるAV商品15%割引、VAIO本体3%割引の割引券です。

 

⑤:決算予測

ⅰ 沖電気工業

19年3月期の連結経常利益は前の期比81.8%増の154億円、20年3月期も前期比9.8%増の170億円に伸びる見通し。

 

ⅱ 日本電気

20年3月期の連結経常利益は前期比61.7%増の650億円への伸びを見込んでいる。

 

ⅲ カシオ計算機

20年3月期の連結経常利益は前期比3.7%増の310億円への伸びを見込んでいる。

 

ⅳ キヤノン

19年の連結税引き前利益を従来予想の3475億円→2950億円(前期は3628億円)に15.1%下方修正。減益率が4.2%減→18.7%減に拡大する見通し。

 

ⅴ パナソニック

20年3月期の連結経常利益は前期比30.4%減の2900億円に落ち込む見通し。

 

ⅵ ソニー

20年3月期の連結経常利益は前期比23.9%減の7700億円に減る見通し。

 

⑥:競合他社比較総合

下方修正や大幅減益が多いセクターの中で、沖電気工業は最も割安感が高く、業績も持ち直し傾向であるといえます。

 

まとめ

今回はファンダメンタルとテクニカル両面から沖電気工業の今後の株価推移を分析してきました。

沖電気工業はテクニカル的には上値抵抗がきついため「投資対象外」です。

 

またファンダメンタル的にみても業績に安定感が感じられないことと、企業が公表している経営計画の不透明さから投資先としては不安を感じてしまうのが正直なところです。

よって総合的に沖電気工業は「投資対象外」と判断することができます。

 

 

■ 投資判断基準:「投資対象外」

▷以下の点を総合的に勘案し沖電気工業は「投資対象外」と判断。

■ 業績見通し:

▷19年3月期の連結経常利益は前の期比81.8%増の154億円、20年3月期も前期比9.8%増の170億円に伸びる見通しと直近3年間の業績は向上してきているが安定性に欠ける。

■ 指標:

▷ROEとROAや営業利益が激しく上下し安定感にかける。

▷予想PERは8.3 倍、予想PBRは1.16 倍でともに割安水準だが不人気の裏返しであると考えられること。

■ 他社との比較:

▷競合の業績も沖電気工業同様不安定感が高い。

■ テクニカル分析:

▷上値抵抗が強く現状はレンジ相場であるため、投資対象外。

 

 

以上、【6703】大手通信機器メーカー『沖電気工業』の株価の今後の見通し。…でした。

 

【電機機器・電子部品株見通し】ソニー・パナソニックをはじめとした個別株式銘柄を分析&株価予想!

2019.09.13



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マネリテ!編集部は東京大学経済学部卒の証券アナリストを中心とした金融知識が豊富なメンバーが株式投資初心者に向けて有益な情報を提供しています。株式投資を行う意義から基本用語、おすすめのネット証券・投資先情報をお伝えするメディアです。日本人の金融リテラシーの向上と明るい未来を目指しています。