「ソーシャルレンディング」は3%-10%の利息を得ることができる注目のサービスです。
通常の株式投資でも配当を受け取ることはできますが元本変動のリスクがあります。
一方ソーシャルレンディングは価格の値上がりを見込めませんが、元本は変わらず利息を受け取り続けることが出来ます。
ソーシャルレンディングは業者によって最終的な融資先の名前や融資条件、保証人情報等の情報開示に差があります。
各業者の情報開示状況については以下でまとめています。
FUNDS | Crowd Bank | OwnersBook | Crowd Credit | SBI ソシャレン | maneo | ||
融資情報 | 借り手情報 | ○ | △ | ○ | × | ○ | × |
事業内容 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
財務情報 | ○ | ○ | ○ | × | ○ | × | |
貸付金利情報 | × | ○ | × | ○ | ○ | × | |
担保・保証 | 担保情報 | 無担保 | ○ | ○ | × | ○ | ○ |
担保価値情報 | – | ○ | ○ | × | ○ | ○ | |
保証人情報 | △ | △ | – (不明) | × | – (不明) | – (不明) | |
特記事項 | FUNDSは担保がないが借り手(上場企業)が倒産しない限り返済されるという点で保証ついていると言える。 |
それでは業者毎に詳しく説明していきたいと思います。
目次
Contents
透明性が最も高いのはFUNDS(ファンズ)
透明性が最も高いのは株式会社クラウドポートが運営するfunds(ファンズ)です。
ファンズは上場大企業案件に投資をすることができ、ソーシャルレンディング業者の中でも安全性が最も高くなっています。
当サイトとしても最もおすすめしていいます。
ここからはファンズの融資先情報の開示状況、保証や担保条件について触れていきます。
融資先情報は全て開示
ファンズは特殊なソーシャルレンディング業者で、fundsを通じて集めた資金を「ファンド組成企業」に出資します。
ファンド組成企業が最終的な借り手企業に貸付を行います。
ファンド組成企業と借り手企業は親会社と子会社という関係性になっています。
親会社の方は上場企業である場合が殆どであり以下の事項を開示しています。
- ファンド組成企業と最終借り手企業
- 借り手企業が行なっている業務内容
- 融資した資金の使用用途
- IR又は官報を用いた財務情報
一方、投資家に対する予定利息については記載がありますが、最終的に借り手からいくらの利息を得ているのかという点については開示されていません。
しかし、個人投資家からすれば十分に透明性は高いといえるでしょう。
ファンズの全案件について、以下で全てまとめているので参考にしてみてください。
保証や担保条件について
ソーシャルレンディングでは、集めた資金で融資を実行したプロジェクトが失敗した時に資金が返済されるように担保を設定している業者が多いです。
しかし、ファンズは基本的には保証や担保は設定していません。(1案件、連帯保証がついている案件もあります)
ファンズは私たち個人投資家から、融資で集めた資金を投下します。
そして、プロジェクトが失敗したとしても借り手、またはファンド組成企業が倒産しない限りは元本と利息の支払いが実施されます。
全ての案件を精査しましたが借り手・ファンド組成企業の財務状況は盤石であり元本の安全性は高いことが分かりました。
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Crowd Bank(クラウドバンク)も透明性は高い(太陽光案件は透明性低いが安全)
クラウドバンクは太陽光発電案件で6%-8%の利息を狙えるファンズに次いでおすすめのソーシャルレンディングです。
太陽光発電案件は既に売り先が確定していますし、土地並びに発電施設が担保として設定されるので安全性は高い案件といえるでしょう。
それではCrowd Bank(クラウドバンク)の情報開示について見ていきたいと思います。
融資先情報は限定的だが財務情報は公開
融資先については基本的には開示となっていますが、融資先の要請などで非開示となっている案件もあります。
ただ融資先については非開示の案件についても、主要な財務情報としてPLとBSは提供されており、安全性を確認することができます。
さらに、その他の資本欠損、債務超過、返済猶予を受けている等の重要な事項があるかも確認することが出来ます。
以下は太陽光案件の財務情報の開示の例です。
またファンズでは予定貸付金利については開示されていませんでした。
しかし、クラウドバンクは最終的な借り手に対して何%の利回りで貸し付けるかを開示しています。
例えば筆者が投資している太陽光発電ファンド第840号では、投資家予定リターンが6.9%で最終的な貸付金利が9.0%となっています。
保証や担保条件も明瞭
融資先が全て明確にされているわけではありません。
しかし、案件がぽしゃった時の融資については評価額を含めて明確に記載されています。
つまり担保の価値と融資額に対する割合が記載されています。
担保価値が1億円で、融資額が5000万円とすると融資額に対する担保価値の割合は50%となります。
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OwnersBook(オーナーズブック)の透明性は急上昇
オーナーズブックは不動産鑑定士をもち、外資系金融機関でのキャリアを有する経営陣によって運営されています。
高い不動産価値を持っている案件に投資しており今まで貸し倒れ・利息の延滞は一度もありません。
それではオーナーズブックの情報開示についてお伝えしていきたいと思います。
情報開示は大幅に改善!
実は今までオーナーズブックは情報開示には積極的ではありませんでした。
しかし、2019年5月29日にOwnersBookを運営する株式会社ロードスターキャピタルから以下のプレスリリースがありました。
今までは貸付条件については開示されていませんでした。
しかし、プレスリリース後の案件においては借り手の企業名から投資する物件の所在地、さらに財務状況まで全てを開示することになりました。
ほとんど透明性がない状態から、トップ水準の情報開示に一気に格上げされたのです。
情報開示前から人気のあった業者だったので、さらに人気が加速することが想定されます。
実際に、筆者が投資を行った『練馬区マンション第2号ファンド第1回』では募集が殺到しすぎて募集開始時間にサーバーが落ちました。
担保情報については元から充実
オーナーズブックでは投資した不動産そのものを担保として設定しています。
外部専門家による査定額を参考に、オーナーズブック評価額として算定しています。
不動産鑑定士の目によって保守的に見積もっても元本安全性が高い案件を厳選しております。
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海外案件のCrowd Credit(クラウドクレジット)の透明性は低い
クラウドクレジットは上記三つよりリスクは高いですが高いリターンを見込めるソシャレン業者です。
分散投資をすることで安定したリターンも見込めますし、米ドル建案件は比較的安心感があります。
クラウドクレジットの情報開示状況はどうなっているのでしょうか。
融資先の情報は非開示
クラウドクレジットは最終的な融資先情報については一切開示していません。
投資先の名前のみでなく財務情報も非開示にしています。
業務内容についてのみ開示しており、透明性は低いといわざるを得ないでしょう。
最終的な貸付条件(金利等)については記載されています。
担保は基本的に設定なし
Crowd Creditは海外案件に投資をしているということもあり基本的に担保の設定は行なっていません。
海外案件特有ということで、貸し倒れリスクは低くなっている変わりに高いリターンを期待できるということですね。
SBIソーシャルレンディングも透明性は非常に高い
SBIソーシャルレンディングは大手ネット金融のSBIグループが提供するソーシャルレンディングです。
情報開示状況を見ていきましょう。
融資先の情報の透明性は高い
SBIソーシャルレンディングについて非開示ファンドもありますが、基本的に貸付先情報については開示しております。
借り手に関しては事業内容から財務情報まで明らかにされています。
また、借り手に対する貸付金利情報についても提供しています。
担保についても透明性は高い
担保についても設定されています。
担保価値については金額ベースで算出はされている案件もあります。
金額ベースでは設定していませんが、担保価値から融資金額の条件を設定している案件もあります。
例えば、債券に関してはシニアローンとメザニンローンがあります。
返済順位としてはシニアローンの返済がメザニンローンに優先されます。
例えば以下の条件が設定されていたとしてます。
- 担保価値:1億円
- シニアローン:5000万円
- SBIソシャレンはメザニンローン
- 融資額上限:担保価値の70%からシニアローンを除いた値
この場合のSBIソシャレンの融資額上限は1億円×70%-5000万円 = 2000万円となります。
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問題のmaneo(マネオ)は不透明性が高い
マネオはソーシャルレンディングの日本における先駆けとして2007年から運営されています。
しかし、現在は支払い延滞中の案件が頻繁に発生しており現在は筆者も投資を見送っている業者です。
融資先についての情報は基本的には非開示となっています。
一部の案件では開示されている案件もあるますが、極一部となっており情報の透明性は低いと言わざるを得ないでしょう。
担保並びに担保価値情報については記載されております。
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まとめ
ソーシャルレンディングは以前は殆どは借り手については非開示の姿勢でしたが、徐々に情報開示が進んでいます。
FUNDS | Crowd Bank | OwnersBook | Crowd Credit | SBI ソーシャルレンディング | maneo | ||
融資情報 | 借り手情報 | ○ | △ | ○ | × | ○ | × |
事業内容 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
財務情報 | ○ | ○ | ○ | × | ○ | × | |
貸付金利情報 | × | ○ | × | ○ | ○ | × | |
担保・保証 | 担保情報 | 無担保 | ○ | ○ | × | ○ | ○ |
担保価値情報 | – | ○ | ○ | × | ○ | ○ | |
保証人情報 | △ | △ | – (不明) | × | – (不明) | – (不明) | |
特記事項 | FUNDSは担保がないが借り手(上場企業)が倒産しない限り返済されるという点で保証ついていると言える。 |
今後も透明性は高くなっていく方向かと思いますので順次お伝えしていきたいと思います。
以上、【随時更新】ソーシャルレンディングの匿名化解除の動きを徹底解説!今後の動向やいかに?…でした。