投資信託の「トータルリターン」とは?過去の運用成績(利回り)を把握する指標を解説。

投資信託の「トータルリターン」とは?過去の運用成績(利回り)を把握する指標を解説します。

投資信託の購入を検討する際に、やはり気になるのは「投資信託の運用実績」ではないでしょうか。設定したベンチマークに対してアウトパフォームしていない商品は誰も購入したいと思いませんよね。

運用実績を確認する上で、新たに出てくるキーワードが「トータルリターン」です。

トータルリターンは、「純資産総額」、「基準価額」、「騰落率」と並び、投資信託を行う上でとても重要な指標です。

 

以前のコンテンツでは「基準価額」「分配金」について紹介しました。

▶︎投資信託に於ける基準価額とは?その概要と読み方(買い時)を簡単に解説。

▶︎投資信託の「分配金」とは?概要とその計算方法と税金、分配はいつなのかをわかりやすく解説。

 

今回は投資信託の運用成績を把握する際に重要指標となる「トータルリターン」について解説していきます。

トータルリターンとは

トータル・リターンとは、投資信託だけではなく、株式投資、債券投資でも用いられる運用成績を表す指標です。

一定期間に投資商品への投資から得られる総合収益を意味します(キャピタルゲイン(譲渡益)+インカムゲイン(再投資分配金))。

注意点としては、分配金を「全て」再投資したという仮説の下、「分配金込みの」基準価額の騰落率を年率で表しています。

計算方法としては、「(価格増減+配当等) ÷ 購入価格(投資コスト)」となります。

  • トータルリターン(%)=(価格増減+配当等) ÷ 購入価格(投資コスト)

計算例を出すと、1年前に10100円で購入した投資信託が値上がりして10200円になっており、この間に20円の分配金が支払われた場合、トータル・リターンは1.1%となります。

  • 【 100円(値上がり益)+20円(配当金)】÷10100円(購入時の基準価額)=+1.18%

トータルリターンは一定の期間でどれだけ値が上下したかを表したものとなり、以下の投資信託の評価期間が騰落率として発表しているのは、上記のようなトータルリターンです。

2017年9月5日現在、投資信託の評価会社としてオンラインによる投資信託データの提供を投資信託協会より受けている会社は次の21社です。

  • 野村総合研究所
  • エービック
  • QUICK
  • 日本金融通信社
  • ブルームバーグ・ファイナンス・エル・ピー
  • モーニングスター
  • 時事通信社
  • 格付投資情報センター
  • ドリームバイザー・ドットコム
  • 三菱アセット・ブレインズ
  • アーティス
  • エム・ピー・アイ・ジャパン
  • 大和ファンド・コンサルティング
  • カカクコム
  • トムソン・ロイター・マーケッツ
  • 日興リサーチセンター
  • イボットソン・アソシエイツ・ジャパン
  • パワーソリューションズ
  • みんかぶ
  • Finatext
  • クオンツ・リサーチ

(引用:投信資料館「投資信託の評価期間」

人気の投資信託ランキングトップ商品のトータルリターン事情

販売額ランキングに登場している投資信託を少し見ていきましょう。トータルリターンの高さで投資家は集まっているのでしょうか?

順位ファンド名分類基準価額純資産トータルリターン(1年)レーティング
(前日比)(百万円)
1ニッセイ-<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド国際株式15,250111,993-6.39%★★★★
2レオス-ひふみプラス国内株式37,160601,690-17.85%★★★★★
3ニッセイ-ニッセイ日経225インデックスファンド国内株式23,934147,305-8.44%★★★★
4三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 先進国株式インデックス国際株式11,52235,209-6.29%
5三菱UFJ国際-eMAXIS Slim米国株式(S&P500)国際株式10,27312,444

(引用:SBI証券「投資信託販売金額人気ランキング」※集計期間:2019/1/4~2019/1/31

以下はトップ3のニッセイ外国株式インデックスファンド、ひふみプラス、ニッセイ日経225インデックスファンドのそれぞれの指標を並べてみました。

ファンド名ひふみプラスニッセイ 日経225インデックスファンドニッセイ 外国株式インデックスファンド
運用会社名レオスニッセイニッセイ
カテゴリー国内中型グロース国内大型グロース国際株式・グローバル・除く日本(F)
基準価額37,160円23,934円15,250円
純資産601,690 百万円147,305 百万円111,993 百万円
ヘッジ
インデックスファンドインデックス以外インデックスインデックス
最低申込金額10,000円1円10,000円
販売手数料3.24%0%0%
信託報酬等(税込)1.06%0.27%0.12%
償還日無期限無期限無期限
運用年数6年15年5年
経費率1.25%0.28%0.27%
売買回転率
デュレーション(債券の場合)
格付(債券の場合)
トータルリターン1年-17.85%-8.44%-6.39%
トータルリターン3年(年率)9.86%7.61%8.14%
トータルリターン5年(年率)11.90%8.52%7.90%
トータルリターン10年(年率)11.73%
シャープレシオ1年-0.89-0.47-0.34
シャープレシオ3年0.590.480.54
シャープレシオ5年0.790.540.5
シャープレシオ10年0.65
標準偏差1年20.1317.8118.58
標準偏差3年16.6515.7215.04
標準偏差5年15.0515.6515.78
標準偏差10年18.1

(引用:MORNINGSTAR「ファンド比較」

※基準価額、純資産は 2019年02月19日 現在 トータルリターン等評価情報は 2019年01月31日 現在 

モーニングスターではトータルリターンを「収益分配金を分配時に全額再投資したもの」として年換算で計算しています。

年換算とは、例えば3年間のリターンを1年あたりのリターンとして計算する方法です。

例えば3年で9%のリターンがあるものは、年換算で2.914%のリターンとしていますが、それを踏まえて以下のトータルリターンを見てみましょう。

上位銘柄トータルリターン

1年:

■ ニッセイ外国株式インデックスファンド:▲6.39%

■ ニッセイ日経225インデックスファンド:▲8.44%

■ ひふみプラス:▲17.85%

3年:

■ ひふみプラス:9.86%

■ ニッセイ日経225インデックスファンド:7.61%

■ ニッセイ外国株式インデックスファンド:8.14%

5年:

■ ひふみプラス:11.90%

■ ニッセイ日経225インデックスファンド:8.52%

■ ニッセイ外国株式インデックスファンド:7.90%

直近1年は上位3つが全てマイナス運用となっており、特にひふみプラスの苦戦が目につきますね。

ひふみプラスを運営しているレオス・キャピタルワークスは2018年末に東証マザーズへの上場も直前で延期されるなど、波乱の1年でした。

今年に入ってからの運用では苦戦が続く。5年などの中長期でみるとTOPIX(配当込み)を大きく上回る成績を上げてきたが、11月末時点で年初来騰落率はマイナス9.01%。TOPIX(配当込み)のマイナス6.42%より落ち込みが激しい。

国内の株式が全般に値下がりした10月には、月間騰落率がマイナス12.16%と設定後で最大の下げ幅を記録。TOPIX(配当込み)のマイナス9.41%よりもきつい下げとなった。

歴史的な成績悪化の背景について、藤野英人社長は10月の運用リポートで(1)グロース銘柄からバリュー銘柄へのまき戻し(2)小型株から大型株へのまき戻し――が起きたと分析。「ひふみ」はグロース株や中小型株の組み入れが多いのが特徴の一つだが、今後の運用については「バリューや大型株の比率を上昇させることも必要」との考えを示した。

(引用:日経新聞「急成長の「ひふみプラス」、運用成績は苦戦」

ひふみプラスだけではなく、日経インデックスファンドもトータルリターンが直近1年はマイナスになっているのは2018年の株式市場低迷が大きく影響しているでしょう。

株式市場、記録ずくめの2018年 日経平均7年ぶり下落

(引用:日経新聞「株式市場、記録ずくめの2018年 日経平均7年ぶり下落 」)

2018年の株式市場は記録ずくめの1年だった。日経平均株価の18年の終値は2万0014円77銭。年間で2750円(12%)安と7年ぶりに下落した。12年末から始まった「アベノミクス相場」では初の下落となる。10月に27年ぶりの高値を付けたが、その後は失速した。世界的に株式相場が変調をきたす中、海外投資家の日本株売越額も5.6兆円を超えて31年ぶりの大きさとなった。

直近1年に比して、どの銘柄も3年、5年を見るといずれも高い水準にあることがわかりますよね。これはつまり、「トータルリターン」とはあくまで過去の実績ということです。

投資信託を購入する際は今後の見通しを分析する必要があり、目論見書をしっかり読まずに、単純に基準価額とトータルリターンだけをみて、投資をしてしまう人がいますが、本来は投資とは、未来を予測した上で投資し、結果をみて予測の精度を高めていき、運用を成功させていくものです。

トータルリターンと基準価額にのみ着目せず、総合点で判断していきましょう。

▶︎長期投資に適した投資信託の選び方を徹底解説!証券アナリスト視点で『おすすめ投資信託』を紹介する。

▶︎投資信託の「アクティブ型」「パッシブ型(インデックス)」とは?どちらが儲かるのか、実際のリターンなどデータでわかりやすく解説

トータルリターンと騰落率の違いは?

トータルリターンと騰落率は、どちらも投資信託による儲かり具合をパーセントで表したものです。

では、この二つは何が違うのでしょうか?

 
トータルリターンは、「手数料や分配金なども含めて、一定期間にトータルでどれだけ上がったか、または、下がったか」を示します。

一方、騰落率は、「基準価格が一定期間にどれだけ上がったか、または、下がったか」を表します。

ですから、すべてを含めてリアルにどれだけ儲かったか、または、損したのかがわかる、「トータルリターン」の方がより重視される傾向にあります。

まとめ

今回はトータルリターンについて解説をしてきました。

上記で述べたように、トータルリターンは投資信託の過去の運用実績を見るには非常に有意義なものですが、あくまで投資は将来を予測して、資金は投じなければならないことを肝に命じて、購入を検討していきましょう。

 

以上、投資信託の「トータルリターン」とは?過去の運用成績(利回り)を把握する指標を解説。…の話題でした!

 

【投資信託の基礎知識まとめ】これを読めばOK!投信の始め方・ネット証券活用法・購入のリスク、そして基礎用語。

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2019年5月24日

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マネリテ!編集部は東京大学経済学部卒の証券アナリストを中心とした金融知識が豊富なメンバーが株式投資初心者に向けて有益な情報を提供しています。株式投資を行う意義から基本用語、おすすめのネット証券・投資先情報をお伝えするメディアです。日本人の金融リテラシーの向上と明るい未来を目指しています。