サラリーマンの方であれば、毎月貰う給料から「所得税」「住民税」などさまざまな「税金」が天引きされていませんか?
給料からの天引きだけではありません。
お店で買い物するときは消費税を払ったり等、ありとあらゆるところに税金が浸透しています。
会社を経営している社長さん達は、上記の税金に加えて、法人税や事業税を支払っています。
さてーー。
我々が支払っている、これらの税金が何に使われているのでしょうか?
このコンテンツでは、そもそも税金とは何か?
という本質的な問いについて、そして税金の種類、使い道について詳細に解説していきます。
目次
税金とは何か?
税金とは平たく言えば「国に納める会費」です。
国は人々の生活を豊かに、そして安全で快適なものにするために各種行政サービスを提供しています。
以下はサービスの一例です。
■ 行政サービスの一例:
これらのサービスは、所得によって不公平が生じてしまうと、生活の質を著しく落としてしまいます。
特に、「医療費の負担軽減」は先進国でも行われていない国がいくつかあります。
アメリカはその典型例で、保険への加入は所得がある人しかできていないのが現実です。
低所得の人は満足な医療サービスを受けられず、病院に行きたくても行けない現状となっているのです。
しかし、保険に入って家族を守りたいという思い出住宅を持ち、保険に加入したかったという話もあるのじゃ。
税金に関して説明している書籍については以下で紹介しておりますので参考にしてみてください。
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税金の種類
税金は、国が徴収する「国税」と地方公共団体が徴収する「地方税」に大きく分かれています。
納税者である個人、法人はこの2種類の税金を納めていくことになります。
また国税と地方税はそれぞれ、「直接税」と「間接税」に分けられています。
「直接税」は国や地方公共団体に直接納める税金です。
「間接税」は国、地方公共団体と納税者との間に仲介が入る形で税金のやりとりが行われます。
主な直接税、間接税は以下の通りです。
■ 直接税: 国税:所得税、法人税、相続税、贈与税、復興特別所得税 地方税: 【都道府県税】県民税、事業税、自動車税、不動産所得税、自動車所得税 【市町村税】市町村民税、固定資産税、軽自動車税
■ 間接税: 国税:消費税、酒税、揮発油税、関税、印紙税 地方税: 【都道府県民税】地方消費税、道府県たばこ税、ゴルフ場利用税、軽油取引税 【市町村税】市町村たばこ税、入湯税
それでは、ここからは上記の中から代表的な税金を抜粋して確認していきましょう。
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所得税とは
「所得税」は稼いだ所得にかけられる税金です。
働いている社会人にとって最も身近な税金とも言えます。
企業、役所勤めの場合、毎月給料から天引きされる形で所得税の支払いが行われます。
自営業やフリーランスの場合は、確定申告の際にまとめて納めることになります。
所得税には「累進課税」制度が適用されています。
累進課税とは、所得(金額)が多ければ多いほど、適用される税率が高くなる制度です。
累進課税による税率(国税庁HPより)は以下のようになっています。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円を超え 330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円を超え 695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円を超え 900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円を超え 1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円を超え4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
所得金額が少ない人にとっては、税金の負担は軽いです。
ただ、数千万にものぼる所得を得ている人は半分近く税金で持っていかれることになります。
この税率の高さを嫌って、海外へ移住する富裕層も最近は増えてきた、という話も耳にします。
「外務省」によれば、2018年10月1日時点の統計で、海外在留邦人のうち、長期滞在者は約87万6,620人、永住者は約51万3,750人となっています。
長期滞在は前年比1%増、永住者はなんと6.11%の増加。
所得税は「控除」によって課税対象となる所得額を減らすことができます。
控除の対象は以下の通りです。
- 扶養控除:扶養家族の人数によって控除される
- 配偶者特別控除:配偶者がいると、最大38万円の控除が受けられる
- 生命保険料控除:生命保険に加入している場合、最高5万円控除される
- 地震保険料控除:地震保険に加入している場合、最高5万円控除される
- 医療費控除:健康保険適用の医療費が年間10万円を超えた場合、超えた額が控除される
これらの控除を受けるためには、年末調整、または確定申告の際に届出の提出が必要になります。
自分から申請しないと控除を受けられないので注意してください。
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法人税とは
企業や公共団体など法律上で人格を与えられている「法人」にかけられる税金が法人税です。
所得税の企業バージョンというイメージで問題ありません。
法人税の税率は以下のように設定されています。(引用元:国税庁「法人税率」)
■ 中小法人、一般社団法人等、公益法人等と見なされているもの、また人格のない社団等で年800万円以下の部分:
■ 中小法人、一般社団法人等、公益法人等と見なされているもの、また人格がない社団法人で年800万超の部分:
■ 中小法人以外の普通法人:
■ 公益法人等で年800万以下の部分:
■ 公益法人等で年800万円超の部分:
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消費税とは
消費税とは、「消費することにかけられる税」を指します。
日本では、1989年から消費税が課せられるようになりました。
消費税は「間接税」に分類されています。
国民が直接国に納める税ではなく、店舗や企業が代わりに納める税金です。
所得税のように、累進課税が適用されているわけではなく、どんな人にも同じ税率が課せられる仕組みになっています。
よって、所得が低い人ほど、消費税の負担は大きくなります。
2019年10月より、消費税の税率は10%に設定されます。
ただし、全ての税率が10%になるわけではありません。
食品、飲料などの飲食料品は「軽減税率」が適用され、税率は8%のままとなります。
注意点としては、「外食」「ケータリング、出張料理」は消費税10%の対象となり、「テイクアウト」は消費税が8%となる点です。
家庭以外での飲食を伴うサービスは、軽減税率が適用されません。
テイクアウトでも店内でも同じ料理が出されるのであれば、テイクアウトの方がお得になりますね。
チェーン店の中では、「テイクアウト専門」の店舗ができてくるかもしれません。
もしくは、店内で食べる料理とテイクアウトする料理の価格、内容に差をつける企業が今後でてくるかもしれません。
加えて、お店の料理を家まで配達してくれる「Uber Eats」などの宅配サービスが今後勢いをつけてくる可能性があります。
いずれにせよ、消費税の軽減税率をめぐって、企業と消費者の攻防が続く可能性があります。
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住民税とは
サラリーマンの方であれば、所得税と同様に、毎月給料から天引きされるのが住民税です。
住民税は、住んでいる地方自治体に納める「地方税」に分類されます。
住民税の税率は、地方自治体によって異なります。
地方であれば住民税が安いという訳でもありません。
住民税は、「所得割額」と「均等割額」の合計で算出されます。
所得割とは所得によって納税額に差がある部分で、住民税の主役にあたる部分です。
均等割とは、自治体に住む人たちに課せられる同じ額の住民税を指します。
住民税は、職業の有無を問わず、住居者すべてに課せられます。
住民税の徴収方法は「特別徴収」と「普通徴収」に分かれています。
前者は毎月給料から天引きされるスタイルです。
後者は6月に市区町村から送られる納付書を年4回に分けて納めます。
特別徴収は、サラリーマンやアルバイトなど事業主から給料をもらっている人が対象です。
普通徴収は自営業者やタレント、フリーランスなどの個人事業主が対象になります。
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固定資産税
固定資産税は、保有している資産にかけられる税金です。
固定資産税は地方税に分類されます。地方税法において定められた固定資産は以下の通りです。
- 土地
- 家屋
- 償却資産(土地、家屋以外で事業の用に供することができる資産)
これらの固定資産を保有している場合、住んでいる自治体に固定資産税を支払う必要が生じます。
固定資産税の税率は、各自治体が設定することが可能になっています。
現在は標準税率である1.4%を採用している自治体がほとんどです。
固定資産税の賦課期日は、毎年1月1日となっています。
1月1日の時点での所有者にその年度の固定資産税が課税されます。
したがって、年の途中で保有者が変わった場合、最終的に保有している人が税金をすべて支払うのです。
不動産屋土地を購入する際は、タイミングに注意するようにしましょう。
12月31日に購入するのは、固定資産税の支払い面でかなり損が大きくなります。
なるべく年をまたいでから購入するようにしてください。
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まとめ
私たちの生活を取り巻く税金は、実にたくさんの種類があります。
税金の知識があるか否かで、損得が分かれてくる時代です。
サラリーマンの方でも、所得税の控除など利用できるものが多くあります。
各税金、ルールが異なる部分がありますので、それぞれ正確に把握しておくようにしましょう。
さて、今回は税金のお話をさせていただきました。
税金は、自身の資産を増やしていく過程でどうしても向き合っていかねばならぬ知識であり、老後の資産形成に向けて、避けては通れません。
税金を理解している人ほど税金が少なくなり、理解していない人ほど知らぬ間に他の人よりも多く徴収されるのが税金です。
一度一気に勉強してしまいましょう。
ちなみに、税金の知識だけでなく、資産運用の知識も合わせて学ぶことをおすすめします。最も効率的に理解できるでしょう。
資産運用を学ぶ意義は言うまでもないですが、資産を増やすこと以外にも、社会における自分が有利になるポジションを見極める訓練にもなります。
例えば、就職や転職、住居購入など多面的な場面で、「どこの市場が今後は伸びるだろうか」というマクロな見通しを立てられる人が、資本主義では圧倒的に有利です。
知識をつけるべく、おすすめはセミナーに参加したり、長期的に学ぶためにお金の学校など選択肢があります。
ぜひ検討してみましょう。
以上、「税金」とは?簡単に解説!主な税金の種類とその使われ方(使い道)を理解しておこう。