さくらさくプラス(7097)の上場日は4月24日(金)で、上場市場は東証マザーズとなります。
主幹事はSMBC日興証券で、IPOの申し込み期間(BB期間)は4月9日(木)~4月15日(水)となっています。
今回はさくらさくプラスとはどのような企業なのかを目論見書を基に、事業内容や業績をチェックしながら詳しくご紹介していきたいと思います。
また、さくらさくプラスの気になる初値予想やIPOでの購入情報もご紹介していきます。
Contents
さくらさくプラスのIPOスケジュール
さくらさくプラスの主幹事は国内大手5社の一角、SMBC日興証券です。
上場規模は、想定時価総額87.3億円、吸収金額20.4億円程度と、東証マザーズでは中型の部類に入ります。
ブックビルディング期間 | 4月9日(木)~4月15日(水) |
市場 | 東証マザーズ |
公募価格決定 | 4月16日(木) |
購入申し込み期間 | 4月17日(金)~4月22日(水) |
上場予定 | 4月24日(金) |
当選株式数 | 公募457,000株、売り出し402,900株、オーバーアロットメント128,900株 |
想定価格 | 2,060円 |
仮条件価格 | |
公募価格 |
さくらさくプラスの各証券会社の割当
それでは、さくらさくプラスの引受証券会社及び引受シェアを確認していきたいと思います。引受シェアは以下のとおりです。
証券会社 | 株数 | 割当率 |
SMBC日興証券 | 804,400 | 93.55% |
大和証券 | 34,300 | 3.99% |
SBI証券 | 8,500 | 0.99% |
岩井コスモ証券 | 8,500 | 0.99% |
マネックス証券 | 2,500 | 0.29% |
エース証券 | 1,700 | 0.20% |
さくらさくプラスの事業内容
さくらさくプラスの基本スペックは以下のとおりです。
社名 | 株式会社さくらさくプラス |
コード番号 | 7097(東証マザーズ) |
設立 | 2017年8月 |
資本金 | 50,000,000円 |
本社所在地 | 東京都千代田区有楽町一丁目2番2号 東宝日比谷ビル |
代表者 | 代表取締役社長 西尾 義隆 |
従業員数 | 878人(連結) |
事業内容 | 保育所の運営及び保育所への利活用を想定した不動産の仲介・管理業務 |
さくらさくプラスの事業内容
同社グループは以下の構成となっています。
子会社の経営管理を主な事業内容とする「さくらさくプラス」
保育事業として保育所の運営及び保育所への利活用を想定した不動産の仲介を主な事業内容とする連結子会社2社
保育所への利活用を想定した不動産の管理・運用及びベトナムにおける保育所の運営を主な事業内容とする関連会社2社
同社グループは、「おうちのようなほいくえん」作りをコンセプトとして、
「安全と安心を提供し、自然で和やかな笑いに満ちた温かい育児環境を作り出す」ことを経営理念として掲げています。
特に、同社は保育所の立地に関して駅からの距離、利便性の高いエリアへの進出を積極的に進めています。
これにより利用者や働く保育士から選ばれる施設づくりを行い、ソフト(保育の内容及び職員の質)とハード(施設及び不動産)の両輪を見据え事業を展開しています。
保育所の立地が良好であれば共働き夫婦にとっても保育士にとっても利便性が高いため、収益性は比較的高いのではないでしょうか。
さくらさくプラスの上場理由は?上場による資金調達の目的を探る
新規発行による手取り額
さくらさくプラスは上場することにより手数料を引いた手取り金額で10.98憶円程度の資金を獲得します。
資金使途は後述のとおりです。
調達資金の使途
調達資金ですが、目論見書によれば以下の用途に充当予定とのことです。
- 全額を連結子会社である株式会社さくらさくみらいへの投融資資金として、充当予定。2021年4月に開設を予定している認可保育所(13施設)の設備投資資金として、2021年7月期中に全額を充当予定
さくらさくプラスは調達した資金を規模の拡大のために用いる様子です。
業績も好調で、資金需要の旺盛な上場に向いている企業であると考えられます。
目論見書から見るさくらさくプラスの売上高と利益推移
本項目では、さくらさくプラスの業績を分析していきたいと思います。
売上高の推移
売上高(千円) | |
2018年7月期 | 3,244,326 |
2019年7月期 | 5,154,037 |
2020年1月 | 3,352,773 |
上記のとおり、同社の売上高は堅調に上昇していることがわかります。
2020年7月期は、2020年1月までの数値を2倍すると6,705,546千円程度の売り上げが見込まれ前年比大幅なプラスとなりそうです。
経常利益の推移
経常利益(千円) | |
2018年7月期 | 749,011 |
2019年7月期 | 1,395,950 |
2020年1月 | 219,398 |
経常利益も売上高同様安定的に推移しています。
2020年7月期は、このままのペースで推移すれば438,796千円となる見込みで前年比減益の見通しです。
EPSの推移
EPS(円) | |
2018年7月期 | 97.04 |
2019年7月期 | 184.53 |
2020年1月 | 36.72 |
EPSもおおむね堅調に推移していますが、2020年7月期は前年比減益の見通しです。
さくらさくプラスの上位10位までの大株主とロックアップ情報
株主名 | 保有比率 | ロックアップ情報 |
(株)だいぎ | 15.16% | 180日間 |
(株)TKS | 15.16% | 180日間 |
西尾 義隆(社長) | 12.57% | 180日間 |
中山 隆志 | 12.57% | 180日間 |
田中 順也 | 4.76% | 180日間 |
(株)クリエイトバリュー | 3.67% | 180日間 |
森田 周平 | 3.40% | 180日間 |
村田 良 | 1.90% | 180日間 |
原 幸一郎 | 1.70% | 180日間 |
原 周平 | 1.70% | 180日間 |
ロックアップとは、株式が公開された後に一定期間、市場で持株を売却することができないようにする制度のことです。
上位株主には軒並みロックアップが付されています。
上位株主にベンチャーキャピタル等が名を連ねていないため、上場時に余計な売り圧力はかかりません。
さくらさくプラスの初値予想
ここでは編集部独自のさくらさくプラスの初値予想を公開していきたいと思います。
さくらさくプラスの総合評価
さくらさくプラス購入のメリット
- IPOは上値抵抗がないため、比較的株価が上昇しやすい
- 業績面が安定している
- 待機児童が増えているため、業界の見通しは明るい
- 上位株主にVC等が存在しない
- 小型上場のため、需給面に不安が少なく株価が上昇しやすい
さくらさくプラス購入のデメリット
- 小型株のため株価が乱高下しやすい
- 業績が悪化した場合株価が急落する可能性がある
- 株式市場の市況が悪い
- 同日にSANEIの上場が控えている
さくらさくプラスの初値予想は1,765円
さくらさくプラスのEPSは2018年7月末時点で97.04、2019年7月末時点で184.53、2020年1月末時点で36.72でした。
さくらさくプラスの競合として考えられる上場企業として、保育園運営事業、幼児教育関連事業に従事する企業であるJPホールディングス、
幼児活動研究会、ライクキッズ等が考えられます。競合他社のPERを用いて同社のEPSから推定株価を算出します。
企業名 | PER |
幼児教育研究会 | 15.06 |
JPホールディングス | 23.12 |
ライクキッズ | 5.89 |
グローバルキッズカンパニー | 17.34 |
京進 | 7.89 |
さくらさくプラスの直近の業績を鑑み、上記のうちPERは競合5社の平均値である13.86倍を用いることとします。
EPSは、同社の直近2.5年間の平均値である127.32を用いることとします。
以上より、想定初値は、PER13.86倍×EPS127.32=1,765円程度となります。
まとめ
4月24日上場のさくらさくプラスですが、売上高は安定的に推移しているものの、利益水準が前年比低下している点は非常に気になります。
また、株式市場の地合いの悪さも要注意です。
加えて、同日にSANEIの上場も控えており資金が分散してしまう恐れがあります。
一方、業種としての見通しは比較的良好ですので、ファンダメンタルズの評価は高いです。
コメントを残す