日経平均株価(NIKKEI225)とは?初心者にもわかりやすく歴史・特徴・算出方法を徹底解説!

日経平均(NIKKEI225)とは?歴史や特徴を徹底解説!算出方法で必要となる『みなし額面』や『除数』もわかりやすく解説する。

仕事をされている方やニュースを見ている方なら頻繁に耳にする日本の株価指数である『日経平均株価』、海外ではNIKKEI225として浸透しています。

 

秀次郎
そもそも日経平均株価とはなんじゃろうか?

 

日経平均株価は東証一部に上場されている225銘柄の平均株価なのですが、

結局のところどのような指数なのか良くわかっていないという方もいらしゃるんじゃないでしょうか。

本日は『日経平均株価』とはそもそもどのような指数なのか、歴史や特徴算出方法に踏み込んでわかりやすく説明していきたいと思います。

 

日経平均の現在までの歴史

日経平均の現在までの歴史

日経平均の元となった指数は『東証一部修正平均株価』で1949年5月16日まで遡って算出され、

1950年9月7日から東京証券取引所(※)に算出を開始しています。

(※) 現在は東京証券取引所は大阪証券取引所を併合して日本取引所グループとなっております。

 

信太郎
ちなみに1949年5月16日時点での東証一部修正平均株価は176円21銭とだったんじゃ。

 

1970年に東京証券取引所がTOPIX(東証株価指数)の公表を開始したことに伴って、

『東証一部修正平均株価』の算出・公表が打ち切られることに伴って日本経済新聞社が日経平均株価として指数の算出・公表を引き継ぎました。

 

 

その後日経平均は最も馴染みの深い株価指数となっており、1989年12月に史上最高値である38,915円44銭を記録しました。

算出開始時からは221倍となっていました。

 

日経平均株価の歩み

(引用:楽天証券)

 

2017年からは日経平均の更新頻度が15秒毎から5秒毎になっており、20,000円近辺を彷徨っている状態となっています。

 

銘柄算定に用いられているのは東証一部上場銘柄の中の225銘柄

日経平均に選定される銘柄は東証一部上場銘柄の中の225銘柄で、海外ではNIKKEI225として親しまれています。

 

信太郎
ばれる銘柄は普通株式で以下の銘柄は銘柄に組み入れられてはおらんぞ!

 

  • ETF
  • REIT
  • 優先出資証券
  • 子会社連動配当株式

 

なぜ225銘柄なのかという点については算出・公表を担当している日本経済新聞社も把握しておらず、以下のように述べております。

 

■ 225銘柄はどうやって選んだのですか、なぜ225銘柄なのですか

60 年以上も前(1950 年)から日々算出されているため、当時の詳しい経緯は不明ですが、指標性を保つために、売買高の多い銘柄を全業種からバランスよく選んだところ、この銘柄数に なったとされています。

225という銘柄数に特別な意味づけはないと認識しています。ただ、 いまでは「日経 225」「Nikkei225」との通称で世界中で広くご利用いただいている実態を尊重し、

この「225 銘柄からなる株価指数」という基本コンセプトを大事に継承していきたいと考 えています。

(引用:日本経済新聞社「よくあるご質問 (日経平均株価について) 」)

 

225銘柄は東証一部上場銘柄の中から市場流動性が高い、

つまり売りたい時に売れて買いたい時に買うことができる頻繁に取引されており銘柄を中心に業種間のバランスを考慮して選定されています。

 

コラム:日経平均は過去のバブル最高値を更新することはないのか?

基本的には企業の利益と株価は連動して動きます

以下は日経平均株価指数構成企業の1株あたり利益(=EPS)と株価の比較チャートです。

 

信太郎
殆ど連動して動いておるな!

 

日経平均株価とEPSの動きの比較

 

株価というのは「EPS×PER」で算出されます。近年はPERは13倍から17倍で落ち着いていますがバブルの時はPERが暴騰していたのです。

 

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2019年5月22日

 

日経平均株価のPER推移

仮に現在当時のPER水準であるとすると日経平均株価は9万円を超えた水準になっています。

一般的にPERは15倍程度が平均的な水準と言われているので、当時の60倍という水準が異常だっただけなのです。

日本株は当時に比べてEPSはしっかりと上昇しており、いつかは当時の最高値3万8000円をEPSの上昇によって成し遂げることが可能と考えています。

 

信太郎
バブルは実力の何倍も盛り上がってしまっておっただけなんじゃ。

 

日経平均株価は平均株価指数

日経平均株価は平均株価指数

 

主に株価指数には日経平均株価指数やダウ平均指数のような平均株価指数とTOPIXやS&P500指数のような時価総額加重平均指数が存在しています。

 

信太郎
TOPIXと日経平均では算出の仕方がそもそも違うのじゃ。

 

平均株価指数とはわかりやすい例で申し上げると、以下A〜Dの銘柄があったとします。

 

A:1000円
B:3000円
C:2000円
D:4000円

 

平均株価=(A1000円+B3000円+C2000円+D4000円) ÷ 4銘柄 = 平均株価2,500円となります。

 

秀次郎
足し合わせて割るだけですな!簡単ではないですか!
信太郎
まあ、実際はもう少し複雑なんじゃがな。

 

実際のところ日経平均株価の算出方法はもう少し複雑ですので次項で詳しく見ていきます。

日経平均株価の算出方法①:みなし額面で各株価を調整して平均株価を算出

日経平均株価の算出方法①:みなし額面で各株価を調整して平均株価を算出

 

平均株価なので基本的に株価をただたんに平均するのですが50円のみなし株価ベースでの修正株価にまず各株価を修正します。

 

秀次郎
いきなり『みなし株価』と言われましても。。

 

何をいっているかさっぱりだと思うのですが、2001年10月までは額面株式というものが存在しており、

企業が発行する株券に最初の株価が記載されていました。

 

  • 20円
  • 50円
  • 500円
  • 50,000円

 

どの企業も最初は上々していない未上場企業の時代があるのですが、

その際の最初の株価は『額面株式』の場合は、この4つから選ぶことができたわけです。

 

元々の額面を50円で設定するか、50,000円で設定しているかで上場後の1株あたりの株価は大きく変わってきますので、

一律50円に揃えましょうということです。

 

みなし額面で調整

 

信太郎
同じみなし株価の基準で計算し直そうということじゃな。

 

現在は既に廃止されていることから2001年10月以前上々で『額面株式』採用企業であれば当時の額面を『みなし額面』に。

2001年10月以前の『無額面』採用企業や2001年10月以降上々企業に関しては日本経済新聞社が『みなし額面』を算出します。

ちなみに『みなし額面』については日本経済新聞社が運営する『日経プロフィール』の以下画面でダウンロードすることができます。

 

みなし額面の参照方法お

 

ちなみに以下有名企業のみなし額面です。

 

トヨタ自動車:50円
三菱商事:50円
商船三井:500円
NTTドコモ:500円
ファーストリテーリング:50円
日立製作所:250円
ソフトバンク:50/3円

 

みなし額面が20円、50円、500円、50,000円以外であれば、無額面企業であったと考えていただければと思います。

みなし額面を用いて、各構成銘柄の修正株価を以下の式に基づいて算出します。

 

構成銘柄の修正株価=同銘柄株価×(50円÷同銘柄のみなし額面)

 

日経平均株価の算出方法②:修正株価の合計を除数で割って算出

日経平均株価は先ほど求めたように構成銘柄の修正株価の225社の合計を225で割って算出するわけではありません。

225社の平均株価の合計を除数で割って算出します。

日経平均の連続性を担保するために除数で調整

 

秀次郎
また難しい単語がでてきましたな。。。
信太郎
日経平均は組み入れ銘柄の変更がおこなわれるからな。変更の影響をなくすための措置なんじゃ。

 

なぜ除数を用いるかというと銘柄組替が行われた時に日経平均の連続性を担保する必要があるためです。

例えば修正株価が以下の3つのA〜Cがあったとします。

 

A社:600円
B社:1000円
C社:800円

 

すると3社の平均株価は(600+1000+800) ÷ 3社 = 800円

その後はC社を平均株価D社2000円とすると

 

A社:600円
B社:1000円
D社:2000円

 

3社の平均株価は(600円+1000円+2000円) ÷ 3社  =  1200円

と銘柄を組み替えただけなのに800円1200円となってしまいますが、

銘柄組み替えただけで日経平均が大きく上下するのは本質的ではないので、800円のままとなるように除数を4.5に調整します。

 

するとA社、B社、D社から算出される平均株価は

(600円+1000円+2000円) ÷ 除数4.5  =  800円 と組み替え前の数字とかわらずに連続性を保てるようになります。

ちなみに2019年1月31日現在の除数は27.003で先ほどの『みなし額面』を確認した『日経プロフィール』で確認することができます。

 

日経平均の除数

 

日経平均の特徴!時価総額が大きい企業が影響力が大きいとは限らない

日経平均の特徴!時価総額が大きい企業が影響力が大きいとは限らない

時価総額とは企業を丸々買うにはいくら必要なのか?という指標で、

株を全て購入したら丸々企業を購入することができるので以下の数式によって表されます。

時価総額 = 発行済株式数 ×  株価

 

時価総額の意味と算出方法とは?東証一部時価総額の推移と日本企業の時価総額ランキングを含めて紹介する!

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2019年10月22日

 

時価総額が大きい企業というのは規模が大きい企業なのですが、日本の時価総額は大きい順に以下のようになっています。

順位企業名時価総額
1位トヨタ自動車21,8兆円
2位NTTドコモ9.8兆円
3位ソフトバンクグループ9.3兆円
4位NTT9.1兆円
5位三菱UFJ銀7.9兆円
6位ソニー6.9兆円
7位KDDI6.9兆円
8位武田6.9兆円
9位キーエンス6.8兆円
10位ソフトバンク(2位の通信子会社)6.4兆円
16位ファストリテーリング5.3兆円

 

信太郎
トヨタ自動車は唯一世界の時価総額Top50に入っておるぞ!

 

トヨタ自動車がが圧倒的な規模を誇っていますね。それでは先ほどお伝えした修正株価を、この中の複数銘柄で算出していきましょう。

 

例えば日本最大の時価総額を誇るトヨタ自動車(2019年1月31日終値6,675円)

トヨタ自動車修正株価=6,675円 × (50円 ÷ みなし額面50円) =6,675円

 

また時価総額2位巨大企業であるソフトバンク(2019年1月31日終値1,343円)で考えてみると

ソフトバンクの修正株価= 8,526円 × (50円 ÷ みなし額面50/3円) = 25,578円

 

ユニクロを運営している時価総額16位世界的衣服企業ファーストリテーリング(2019年1月31日終値49,830円)で考えて見ましょう。

ファーストリテーリング修正株価=49,830円 × (50円 ÷ みなし額面50円) =49,830円

 

秀次郎
あれ?時価総額が一番高いトヨタ自動車が最も低くなっておりますぞ?

 

時価総額の順番では トヨタ > ソフトバンク >> ファーストリテーリング

であるにも関わらず日経平均の算出に用いられる

修正平均株価の順番では ファーストリテールング >> ソフトバンク >> トヨタ

と全く逆の結果になってしまうのです。

 

時価総額加重平均指数と修正平均株価指数の組み入れ比率の推移

 

ちなみに平均株価トップはファーストリテーリングで、2位がソフトバンク、3位がファナック、トヨタ自動車は18位となっています。

 

信太郎
つまり企業の規模である時価総額ではなく株価そのものが大きい企業が日経平均に大きな影響力を及ぼすことになるのじゃ。

 

以下は日経平均の構成銘柄上位ですが、ファーストリテーリング1社で8.85%、上位5社で約20%ほどを占めています。

 

順位企業名時価総額
1位ファーストリテリング8.85%
2位ソフトバンクグループ4.54%
3位ファナック3.26%
4位KDDI2.90%
5位東京エレクトロン2.78%
6位ユニファミリーマート2.26%
7位テルモ2.00%
8位京セラ2.17%
9位ダイキン工業2.09%
10位信越化学工業1.63%

 

まとめ

日経平均株価は1949年から算出が始まっているTOPIXと並んで日本の代表的な指数です。

日経平均はTOPIXと異なり平均株価で算出されており、

算出と公表を担当している日本経済新聞社が各種の調整を加味した上で5秒間隔で算出を行なっております。

 

日経平均は時価総額が大きいトヨタ自動車やNTTドコモではなく、

株価自体が大きいファーストリテーリングやファナックなどが大きな影響力を持っているという特徴があります。

 

以上、日経平均株価(NIKKEI225)とは?初心者にもわかりやすく歴史・特徴・算出方法を徹底解説!…の話題でした。

【基本「株」用語・基礎知識】株式投資初心者が取引を始める上で最低限知っておくべきこと。

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2019年5月21日

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マネリテ!編集部は東京大学経済学部卒の証券アナリストを中心とした金融知識が豊富なメンバーが株式投資初心者に向けて有益な情報を提供しています。株式投資を行う意義から基本用語、おすすめのネット証券・投資先情報をお伝えするメディアです。日本人の金融リテラシーの向上と明るい未来を目指しています。