【日本銀行の金融政策】動向をウォッチ!今後の住宅ローン金利はどうなるのかを考察。

日銀の金融政策動向をウォッチ・今後の住宅ローン金利はどうなるのかを考察

 

近年多くのニュースで、日本銀行の金融政策についてとりあげられており、その政策と住宅ローン金利との関係性についても触れられています。

しかし、なぜ日銀の政策と住宅ローン金利が関係するのか、しっかり理解している人は少ないと思います。

 

今回は日銀の政策、住宅ローン金利との関係性をしっかり勉強していきたいと思います。

目次

日銀の金融政策動向

そもそも日銀の金融政策は何のために行われているのでしょうか?

それはインフレ率を2%付近まで上昇させ、それを維持することだとされています。

 

日銀の金融政策動向

 

インフレ率というのは物価上昇率のことであり、国の経済成長を物語る目安となる指数と言っても過言ではありません。

 

経済成長が進めば企業の業績は良くなる⇒

企業の業績が良くなれば国民の所得も増加する⇒

国民の所得が増加すれば需要が膨らむ⇒需要が膨らめば物の価格が上昇する

 

このような流れにより、段階的に経済成長と物価上昇はつながるのです。

 

秀次郎
しかし殿!何故経済成長率ではなくインフレ率を目標にしているのですか?
信太郎
経済成長率を促進することばかりに目を向けると日本のバブルみたいな事態を誘発するからの。

 

経済成長ばかりに目を向けると、実態以上に株価が上昇することを誘発しかねません。

インフレ率2%が達成されていれば、経済が程よく成長していると考えて金融政策目標としているのです。

 

通常は金融政策はインフレ率が高い時は金利をあげてインフレ率を抑制し、インフレ率が低い時は金利を下げてインフレ率を引き上げます。

 

秀次郎
なぜインフレ率が高くなると金利を引き上げるのですか?
信太郎
金利が高くなるということは、借り入れる時に支払う利子が高くなるということじゃ。

 

企業は借入をおこなって設備投資等の新たな投資を行って生産を拡大し経済が拡大しますし、人々もローンを払って住宅を購入します。

 

しかし金利が高くなれば借入やローンに消極的となり景気が冷めてインフレ率も抑制されます。

景気を引き上げ同時にインフレ率を引き上げたい場合は、金利を引き下げることで調整します。

 

信太郎
しかしの、残念なことに日本では既にゼロ金利で金利を引き下げることができないという難題を抱えおるんじゃ。

 

そのため、日銀は現在、長短金利付操作付質的量的金融緩和と呼ばれる非伝統的な金融緩和政策を行っています。

これについて詳しく見ていきましょう。

 

イールドカーブコントロール(長短金利操作)

秀次郎
イールドカーブって聞いたことないのですがなんですかの?
信太郎
イールドカーブは国債年限を横軸、縦軸に国債の金利をプロットしたものじゃ。

 

イールドカーブコントロールとは、短期から長期までの国債の金利を操作することであり、

おおむね10年物国債を買い入れすることで金利を0%付近に推移させて調整を行っています。

 

イールドカーブコントロール

 

短期金利は既に引き下げることができないので、10年債などの長期国債を購入することにより長期の金利を引き下げているのです。

信太郎
長期金利が引き下がっても景気浮揚を助けることができるんじゃ。

 

マイナス金利政策

次にマイナス金利政策についてです。

秀次郎
よく聞くマイナス金利ってなんじゃ?結局銀行預金から金利が差し引かれるのかの?
信太郎
勘違いされがちだが、日銀がマイナス金利をかすのは日銀内に金融機関が保有している口座の中の一部じゃ。

 

我々国民は金融機関の中に口座を持っておりますが、市中銀行は日銀の中に銀行口座を保有しています。

日銀が貸すマイナス金利政策は市中銀行が日銀の中に保有している口座の『一部』に対して▲0.1%を課すというものです。

 

日銀のマイナス金利
秀次郎
なんでそんなことするんですか?
信太郎
マイナス金利かかるのが嫌ならしっかり企業や個人に貸し出せという日銀からの叱咤激励なのじゃ。

 

日銀の口座の中に預金しているだけでは、結局経済にお金が循環しません。

しっかり金融緩和で流し込んだマネーを市中に流しなさいという意味を込めてマイナス金政策をとっているのです。

 

オーバーシュート型コミットメント

また、オーバーシュート型コミットメントというのは日銀の決意を示すものです。

金融緩和政策をインフレ率2%という目標達成までは、必ず続けますといった宣言のことです。

 

日銀の金融緩和が当面続くということで企業も安心して投資を行うことができるのです。

 

 

目次に戻る

住宅ローン金利への影響は?

住宅ローン金利というのは、日本の10年物国債金利と連動して動いています。

 

住宅ローン金利への影響は?

 

しかし、先述したとおり、10年物国債金利は日本の金融政策により、低い水準での操作が今もなお行われています。

よって住宅ローン金利の水準もまた、金融政策が続けられる限りは低い水準で持続される見込みであるという事が予想されます。

 

 

目次に戻る

今後どうなる?

そんな状況の中、2018年7月31日に行われた金融政策決定会合によって、金融政策の修正が行われました。

 

これにより、日銀は「長期金利の一定の上昇を容認するなど新たな措置を取る」ことを決めました。

ひょっとしたら今後日銀の長期国債金利上昇とともに、住宅ローン金利も上昇するといった展開もありうるかもしれません。

 

今後どうなる?

 

しかし、あわせて日銀は「来年10月に予定されている消費税率引き上げの影響を含めた経済・物価情勢の不確実性を踏まえ、当分の間、現在の極めて低い長短金利の水準を維持することを想定している」と発表したため、

 

そこまで急激な金利上昇というのは起こらないように思えます。

 

ですが、今後段階的に金利が上昇する可能性は出てきたということですので、現在住宅ローン取組中の方や、今後住宅ローン取組予定の方は注意が必要です。

 

 

目次に戻る

日銀の金融緩和の継続性について

日銀の金融緩和もいつまでも継続できるものではありません。

 

日本のハイパーインフレの可能性と対策を徹底解説!楽天VTIで資産を安全に守り育てよう。

日本のハイパーインフレの可能性と対策を徹底解説!楽天VTIで資産を安全に守り育てよう。

2019年3月15日
日銀の金融緩和はいつまで続くのか?金融緩和による副作用とアベノミクスを評価

【日本銀行の金融緩和】いつまで続くのか?金融緩和による副作用と出口戦略をとる時期を考察する。

2018年12月17日

 

現在日本の金融緩和は、日銀が市中の金融機関が保有している国債を購入することで日本円を国内に流通させています。

 

擬似ヘリコプター・マネー

しかし、現在日銀が大規模を購入した結果殆どもう購入できる国債がなくなってきています。

日本国債の各主体毎の保有比率
信太郎
もう殆ど限界じゃな。

 

金融緩和が継続できなくなり無理やりにでも出口に向かった場合は金利の上昇の恐れがあります。

仮に政府から直接国債を購入することとなった場合ヘリコプターマネーとなり急激にインフレが発生する可能性もあります。

 

【ヘリコプターマネーとは?】紙幣のバラマキ?その政策概要とその効果をわかりやすく解説

【ヘリコプターマネーとは?】紙幣のバラマキ?その政策概要と効果をわかりやすく解説。

2019年1月3日

 

ヘリコプターマネー

 

いずれにしてもきたるべき、出口またはインフレに備えてローンを組まれる方は固定金利で決めた方がよいでしょう。

 

 

目次に戻る

まとめ

以上のように、日銀の金融政策と住宅ローン金利はきわめて密接なつながりがあることがわかりました。

よって、今後も住宅ローンの金利の動向を探るために、日銀の金融政策の動向に注意をそそぐ必要がありそうです。

 

現在変動金利選択中の方は、金利上昇のタイミングを迎える前に、10年固定金利に変更するなど、低い金利のうちに事前に動き出すことが出来れば一番お得だと言えそうです。

 

担当の金融機関の方とも相談しながら、賢い選択をしましょう。

 

以上、【日銀の金融政策】動向をウォッチ!今後の住宅ローン金利はどうなるのかを考察します。…でした。

 

社会人の不動産投資・住宅ローン(持ち家・新築戸建)・賃貸について基本を網羅的に解説。

【社会人の不動産特集】投資・住宅ローン(持ち家・新築戸建)・賃貸について基本を網羅的に解説。

2019年8月1日

[おすすめ株式投資セミナー特集]

 

株式投資を「専門家や現役で成功している投資家に学びたい」という方は多いのではないでしょうか?

 

 

現在は、有難いことに、会場開催型、オンライン型など、優良セミナーが数多く開催されています。

 

ここでは、株式投資で成果を出したい初心者の方におすすめできるセミナーを以下の観点から、ランキング形式でお伝えしています。

 

◯ 講義は満足できる内容か?

◯ 運営は信頼できるか?

◯ 口コミや評判は良好か?

 

株式投資セミナー

 

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

マネリテ!編集部は東京大学経済学部卒の証券アナリストを中心とした金融知識が豊富なメンバーが株式投資初心者に向けて有益な情報を提供しています。株式投資を行う意義から基本用語、おすすめのネット証券・投資先情報をお伝えするメディアです。日本人の金融リテラシーの向上と明るい未来を目指しています。