「JPX日経インデックス400」という株価指数。
JPX日経インデックス400に連動している投資信託(ETF)は非常に多く、さまざまな形で上場しています。
そのため、効率的に株式投資をおこなう上で、ぜひ知っておきたい株価指数の1つなのです。
さて、このコンテンツでは、そんな「JPX日経インデックス400」の概要について網羅的に解説していきます。
目次
Contents
JPX日経インデックス400とは?
「JPX日経インデックス400」とは、東京証券取引所が運営している株式市場である「東証一部」「東証二部」「マザーズ」「JASDAQ」。
これらの市場を対象とする株価指数のことです。
選定基準が設けられており、JPX日経インデックス400は400銘柄で構成されます。
算出をしているのは日本取引所グループ、東京証券取引所、日本経済新聞社の3社です。
リアルタイムで1秒ごとに配信されており、基準日は2013年8月30日の数値。
10,000ポイントとして起算されます。
JPX日経インデックス400は上記でも少し触れたように選定基準が設けられています。
「資本が効率的に活用できているか」
「投資家や株主を意識した経営ができているか」
といった「トレーダーにとって魅力が高い企業」をコンセプトとして算出されているのです。
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JPX日経インデックス400の銘柄選定基準
次に、JPX日経インデックス400の気になる銘柄選定基準について説明していきます。
JPX日経インデックス400の銘柄の選定は、大きく分けて5つの手順でおこなわれます。
スクリーニング①
「スクリーニング」とは「選別する」という意味です。
ここではJPX日経インデックス400の銘柄を選定する上で、対象にならない銘柄を排除するという意味合いになります。
JPX日経インデックス400は、以下のいずれかに該当すると銘柄選定の対象にはなりません。
まずはこの段階でJPX日経インデックス400にふさわしくない銘柄を取り除くことで、銘柄を選定しやすくしていきます。
スクリーニング②
ここでも、銘柄の選別をおこなっていきます。
上記のスクリーニング①によって残った銘柄から、以下の2つを検討したうえで上位1,000銘柄を選定します。
定量的な指標でスコアリング
「スコアリング」とは「採点する」という意味です。
上記のスクリーニング②によって選定された1,000銘柄を、以下の3つでそれぞれ順位を付けます。
その順位に応じたスコア(1位=1,000点…1,000位=1点の要領で)をつけるのです。
さらに、それぞれのウェイトを加味して合計点を出し、総合的なスコア付けをします。
項目とウェイトは以下のとおりです。
定性的な要素でのスコアリング
続いてもスコアリングです。
上記のスコアリングのあと、以下の3つを検討してスコアを加点していきます。
ここでの加点は大幅に順位が変動するものではなく、10銘柄程度に差異が生じる程度の規模でおこなわれます。
つまり、上記の定量的な指標によるスコアリングの補完程度の位置づけです。
構成銘柄を決定する
上記のスコアリングのあと、以下の手順で400銘柄を選定してJPX日経インデックス400の構成銘柄として決定します。
手順は以下のとおりです。
これでも銘柄数が400未満になる場合。
上記の定性的な要素でのスコアリングで付けられた最終スコア順位が400位以内、
且つ未採用の銘柄を、上位から40銘柄になるまで採用します。
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構成銘柄は定期的に入れ替えが実施
上記では、JPX日経インデックス400の構成銘柄を決定する一連の流れについて解説しました。
決定した400銘柄ですが、実は毎年8月の最終営業日に定期的に入れ替えがおこなわれるのです。
詳しくいうと、まず毎年6月の最終営業日を選定基準日とします。
そして、毎年8月の第5営業日に入れ替え銘柄が発表されて同月の最終営業日に入れ替えが実施されるという流れになります。
稀に株主数や時価総額、売買高の減少、そして債務超過などによって上場廃止の措置がとられることがあります。
上場廃止によってJPX日経インデックス400の構成銘柄が400未満になってしまうこともあるのです。
しかし、その都度銘柄が追加されるといったことはありません。
この場合は、定期的な銘柄入れ替えの際に必要な分だけ銘柄の追加がおこなわれるのです。
ちなみに直近の2019年8月の最終営業日におこなわれた銘柄入れ替えでは、31銘柄が追加されて28銘柄が除外されました。
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2019年10月時点での構成銘柄
2019年10月時点でのJPX日経インデックス400の構成銘柄。
つまり2019年8月最終営業日に銘柄入れ替えが行われた後の構成銘柄についてご紹介しておきます。
市場区分は以下のとおりです。
圧倒的にほとんどが東証一部から採用されていることが分かります。
マザーズやJASDAQといったベンチャー企業を対象とする株式市場からの採用は少ないように感じます。
しかし、これはJPX日経インデックス400が上場後3年経過していない銘柄を採用していないためです。
ただし、力のあるベンチャー企業であれば東証一部に昇格する可能性があります。
従い、将来的には採用されていると考えていいでしょう。
また、東証一部に上場している銘柄の3年平均ROEの単純平均値は9.0%であるのに対し、JPX日経インデックス400の構成銘柄の場合は13.5%です。
つまり、JPX日経インデックス400は資本効率が良い企業が選定されていることが分かります。
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JPX日経インデックス400に連動を目標とする投資信託とETF
JPX日経インデックス400に投資したい場合はインデックス型の投資信託やETFへ投資することがおすすめです。
以下が現在販売されているJPX日経400インデックスへ連動を目標とする投資信託です。参考にしていただければと思います。
運用会社 | 投資信託名 |
野村アセットマネジメント | JPX日経400ファンド |
三井住友トラスト | JPX日経400インデックス・オープン |
岡三アセットマネジメント | JPX日経400インデックス・コアプラス |
野村アセットマネジメント | JPX日経400ETF |
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まとめ
今回は、JPX日経インデックス400の概要や選定基準、そして銘柄入れ替えについて紹介してきました。
JPX日経インデックス400は何段階にも分けて選定がなされています。
如何に、企業の資本効率やガバナンスのよさを盛り込んでいるかがよく分かります。
そのため現在では「JPX日経インデックス400に選定されている企業は良い企業」というイメージまでもが生まれています。
企業も選定されることを目標とするようになっています。
株式投資家としては、分析の際に大いに参考にしたい指標と言えるでしょう。
以上、投資魅力の高い会社で構成される株価指数「JPX日経インデックス400」とは?概要と選定基準について解説。…でした。