【6230】SANEIの初値を予想!ニッチ分野を手掛ける老舗企業を紐解く!

SANEI(6230)の上場日は4月24日(金)で、上場市場は東証2部となります。

主幹事は大和証券で、IPOの申し込み期間(BB期間)は4月9日(木)~4月15日(水)となっています。

 

今回はSANEIとはどのような企業なのかを目論見書を基に、事業内容や業績をチェックしながら詳しくご紹介していきたいと思います。

また、SANEIの気になる初値予想やIPOでの購入情報もご紹介していきます。

SANEIIPOスケジュール

SANEIの主幹事は国内大手5社の一角、大和証券です。

上場規模は、想定時価総額48.8億円、吸収金額11.6億円程度と、東証2部では中型の部類に入ります。

ブックビルディング期間4月9日(木)~4月15日(水)
市場東証2部
公募価格決定4月16日(木)
購入申し込み期間4月17日(金)~4月22日(水)
上場予定4月24日(金)
当選株式数公募260,000株、売り出し200,000株、オーバーアロットメント69,000株
想定価格2,200円
仮条件価格
公募価格

 

SANEIの各証券会社の割当

それでは、SANEIの引受証券会社及び引受シェアを確認していきたいと思います。引受シェアは以下のとおりです。

証券会社株数割当率
大和証券414,00090.00%
野村証券23,0005.00%
三菱UFJモルガン・スタンレー証券13,8003.00%
SBI証券6,9001.50%
SMBC日興証券2,3000.50%

 

SANEIの事業内容

SANEIの基本スペックは以下のとおりです。

社名SANEI株式会社
コード番号6230(東証2部)
設立昭和29年9月
資本金9,800万円
本社所在地大阪府大阪市東成区玉津1丁目12番29号
代表者代表取締役社長 西岡 利明
従業員数749人(2019年9月末日現在)
事業内容給排水器具等の製造販売

 

SANEIの事業内容

SANEIは、会社設立から59年以上経過(創業からは65年経過)している老舗企業です。

水栓金具市場は2018年度で1,122億円の市場規模と言われ、そのうち約50%は住宅への水栓金具供給、残りの50%は非住宅への水栓金具供給という構成となっています。

 

同社は、は約60%を住宅への水栓金具販売となっております。

上場後はグループ事業シェア拡大に向け、非住宅(オフィスビル、ホテル、公共設備)への水栓金具販売に注力していくとのことです。

 

給水栓とは、単水栓、湯水混合水栓、止水栓、ボールタップ及び洗浄弁・洗浄水栓を総称するものです。

同業他社は規模の違いはありますが約数十社あり、その中でも同社グループは水栓金具を専門で取り扱うメーカーです。

 

製品の特長としてはプロダクトデザイナーや、建築や空間を手掛けるデザイナーと協業して、給水栓をインテリアを構成する素材の一つとして、ブランディングします。

そして、顧客の求める空間のコンセプトに調和するようなデザインの選択肢を提供する製品を開発しています。

 

同社の製品は、一般住居やホテルの一般室で利用されています。今後は、スウィートルームやペントハウスなどの高級なゾーンにおいても採用される製品作りに注力するとのことです。

 

SANEIの上場理由は?上場による資金調達の目的を探る

新規発行による手取り額

SANEIは上場することにより手数料を引いた手取り金額で6.49憶円程度の資金を獲得します。

資金使途は後述のとおりです。

調達資金の使途

調達資金ですが、目論見書によれば以下の用途に充当予定とのことです。

 

  • 岐阜工場における鍍金設備更新の投資資金として、50,000千円を充当予定
  • 岐阜工場における加飾鍍金設備の投資資金として、80,000千円を充当予定
  • 岐阜工場における砂型鋳造装置・ワンホールシングルレバー混合栓及びサーモ混合栓の製造設備の投資資金として、519,015千円を充当予定

 

SANEIは調達した資金を規模の拡大のために用いる様子です。

上場後にグループ事業シェア拡大に向け、非住宅(オフィスビル、ホテル、公共設備)への水栓金具販売に注力するための設備投資であると考えられます。

 

目論見書から見るSANEIの売上高と利益推移

本項目では、SANEIの業績を分析していきたいと思います。

売上高の推移

 

 売上高(百万円)
2015年3月期19,223
2016年3月期20,124
2017年3月期20,564
2018年3月期20,923
2019年3月期20,805
2019年12月15,656

※2018年3月期から連結ベースの数値です。

上記のとおり、同社の売上高は堅調に推移していることがわかります。

2020年3月期は、2019年12月までの数値を4/3倍すると20,875百万円程度の売り上げが見込まれ前年比若干のプラスとなりそうです。

 

経常利益の推移

 経常利益(千円)
2015年3月期183
2016年3月期490
2017年3月期916
2018年3月期1,248
2019年3月期938
2019年12月820

※2018年3月期から連結ベースの数値です。

経常利益も売上高同様安定的に推移しています。2020年3月期は、このままのペースで推移すれば1,093百万円となる見込みです。

 

EPSの推移

 EPS(円)
2015年3月期-241.62
2016年3月期163.63
2017年3月期316.56
2018年3月期458.74
2019年3月期310.70
2019年12月274.71

※2018年3月期から連結ベースの数値です。

EPSもおおむね堅調に推移しています。

このままのペースで推移すれば2020年3月期は366.28と前年比プラスの見通しです。

 

SANEIの上位10位までの大株主とロックアップ情報

株主名保有比率ロックアップ情報
西岡 利明(社長)34.69%180日間
吉川 正弘34.69%180日間
西岡 明5.10%
吉川 弘二5.10%180日間
SANEI従業員持株会5.10%180日間
夏目 和典3.06%180日間
尼見 幸一2.04%180日間
岸田 敏雄1.28%180日間
新田 裕二1.02%180日間
(株)岡本製作所1.02%180日間

 

ロックアップとは、株式が公開された後に一定期間、市場で持株を売却することができないようにする制度のことです。

上位株主には軒並みロックアップが付されています。上位株主にベンチャーキャピタル等が名を連ねていないため、上場時に余計な売り圧力はかかりません。

 

SANEIの初値予想

ここでは編集部独自のSANEIの初値予想を公開していきたいと思います。

SANEIの総合評価

SANEI購入のメリット

  • IPOは上値抵抗がないため、比較的株価が上昇しやすい
  • 業績面が安定している
  • 上位株主にVC等が存在しない
  • 小型上場のため、需給面に不安が少なく株価が上昇しやすい

 

SANEI購入のデメリット

  • 小型株のため株価が乱高下しやすい
  • 業績が悪化した場合株価が急落する可能性がある
  • 株式市場の市況が悪い
  • 業種が地味で人気化しにくい
  • 同日にさくらさくプラスの上場が控えている

 

SANEIの初値予想は4,058

SANEIのEPSは2018年3月末時点で458.74、2019年3月末時点で310.70、2019年12月末時点で274.71でした。

SANEIの競合として考えられる上場企業として、給水栓の製造に従事する企業であるKVK、前澤給装工業、ヨシタケ、前澤化成工業等が考えられます。

競合他社のPERを用いて同社のEPSから推定株価を算出します。

 

企業名PER
KVK7.01
前澤給装工業11.69
ヨシタケ7.33
前澤化成工業20.20
前澤工業7.38

 

SANEIの直近の業績を鑑み、上記のうちPERは競合5社の平均値である10.72倍を用いることとします。

EPSは、同社の直近3年間の平均値である378.57を用いることとします。

以上より、想定初値は、PER10.72倍×EPS378.57=4,058円程度となります。

まとめ

4月24日上場のSANEIですが、売上高は安定的に推移しているものの、株式市場の地合いの悪さに要注意です。

加えて、同日にさくらさくプラスの上場も控えており資金が分散してしまう恐れがあります。

中長期的には、割安な価格での上場となりますので、株価が上昇することも十分に期待できると考えられます。

 

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2020年2月2日

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マネリテ!編集部は東京大学経済学部卒の証券アナリストを中心とした金融知識が豊富なメンバーが株式投資初心者に向けて有益な情報を提供しています。株式投資を行う意義から基本用語、おすすめのネット証券・投資先情報をお伝えするメディアです。日本人の金融リテラシーの向上と明るい未来を目指しています。