以前の記事「【有名投資家】本多静六の著書「私の財産告白」から学ぶ資産構築!本多式4分の1貯蓄法とは?」で、本多式4分の1貯蓄方を紹介しました。
「本多式4分の1貯蓄法」の貯金の方法としては、あらゆる通常収入は手取りの4分の1を貯し、アルバイトや旅費の残額などの臨時収入としていたお金は全部貯金して、通常収入増加の基に繰り込むというものでした。
【貯金 = 通常収入×1/4 + 臨時収入×10/10】
非常に単純明快な方法ですが、本多式4分の1貯蓄法で増やした貯金により投資で得る配当や利子などは通常収入と考えて、4分の1を更に貯蓄再投資に回し、4分の3は生活費に回すということをして資本を作っていきました。
さて、今回はこの本多式4分の1貯蓄法で増やした貯金を、その後どのように投資で資産形成していったのを紹介していきます。
目次
投資への基本的な考え方
まずは、本多静六氏の投資への基本的な考え方を紹介すると、投資の第一条件は安全確実性であると「私の財産告白」では発言をしております。
論理的に考えて、下落リスクが低く、下落しても安心して保有できるという比較的安全な投資先を選定していくということですね。
第二に、分散投資の思考です。「卵は一つのカゴに盛るな」という言葉通りのことを、現在では常識ですが、当時から実践していました。
リスク分散を念頭に置いたポートフォリオを築いていたのです。
安全性を第一に考えていることから、トレンド銘柄への投資の危険性にも触れております。投機はしないということです。
2018年の投機の例で言えば仮想通貨のようなものが当てはまります。
しかし、本多静六氏はこのようなトレンドになっている投資商品には手を出さない方針を貫いていました。
「投資」とは雪だるまを大きくしていくものであり、「最初の芯である種銭」さえ用意できれば、加速度的に資産は増えていくものとしています。
お金が増えることにより、利回りの良い投資対象も増えるので、何よりも種銭を作ることに集中しました。
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本多式:二割利食い、十割益半分手放し
本多静六式の投資、と言えば「二割利食い、十割益半分手放し」です。
基本的な投資スタンス
本多静六氏の信念として、投機と言われるFX信用取引や証券会社で証拠金を入れるような取引、所謂レバレッジをかける取引は絶対にしないとしていました。
株はを先物を購入するなどし、例えばその株が100万円の場合は100万円を用意し、先物を決済する期限前に、2割の利益が出た場合は確実に利食いし、預金をする徹底ぶりでした。
その他にも、保有株の価値が上昇し、2倍以上となった場合は、半分を売り(十割益半分手放し)、預金に戻し半分はそのホールドする手法を取っていました(利益分だけを残すということですね)。
株が値下がりした場合は、無理のない範囲で「塩漬け」にして値上がりするのを待つという考え方をしていました。
投資時期
投資時期は明確で、一貫して「不況時」に大胆に投資をし、「好況時」は勤倹貯蓄を行う方法を取っています(十割益半分手放しは当然継続)。
本多静六氏が最もリターンをあげたのは、関東大震災時の株の暴落時に資金を大量に投下しV字回復をあげた時との記載があります。
この手法は、好景気の終わりかけの時には現金比率を高めて次回の暴落時に仕込む資金を用意する方針である、あの世界有数の投資家であるウォーレン・バフェットが運営しているバークシャー・ハサウェイ社と同様です。
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静六氏は「山林投資」で大きな財産を築いた
上記までは株式投資に対する考え方を紹介しておりますが、実は本多静六氏が大きなリターンをあげたのは、「山林投資」です。
日本では一時期中国人投資家などから関心が高まり、資源保全の話題がありました。
国土交通省と林野庁は私有林の所有権や売買実態の調査に乗り出した。海外投資家が取得しようとしているとの見方が出ているためで、土地の権利者を定める地籍調査のほか、山林売買に関する聞き込みを強化している。水源や木材資源の保全が損なわれるとの懸念が浮上しており、諸外国に比べて緩やかな日本の土地売買規制の強化に向けた議論が高まる可能性もある。
中国の投資家などが関心
政府がこうした調査に乗り出すのは実態が不透明な企業などによる大規模な土地売買の懸念が高まっているため。東京都は中国人投資家などが多摩川上流地域の山林購入に関心を示しているとの情報について調査を開始。5月から周辺の私有林の買い取りを決めた。水源となっている山林を再生するためというのが名目だが、都幹部は「水源管理者として望ましくない企業や人物の取得を防ぐ効果もある」と明かす。
本多静六氏は、植林、造園、産業振興などで多方面に活躍しており、その知見と人脈を生かして、割安な山林を仕入れ、高値で売る、ということを繰り返して資産規模を大きくしていきました。
本多静六氏は林学博士として東大教授として実績を挙げたスーパー公務員で、給料自体は高くないですが明治神宮の森や日比谷公園の設計を担った偉人でもあるのです。
研究生活のかたわら植林・造園・産業振興など多方面で活躍、日比谷公園の設計や明治神宮の造林など大きな業績を残すだけでなく、独自の蓄財投資法と生活哲学を実践して莫大な財産を築く。1927(昭和2)年の停年退官を期に、全財産を匿名で寄付。
(引用:本多静六「著書:私の財産告白」)
最終的にはなんと秩父の大山林を買い占めた上で、2500倍の価格にして売却を実行しました。
専門性の重要性が垣間見得ますよね。
有名投資家であるウォーレン・バフェット、ピーター・リンチも、自分の精通した分野での投資を推奨しています。
これから投資をする人は、何かの業界や技術、テクノロジーに精通しているのであれば、お宝銘柄を探しだすことが比較的容易になるといえるでしょう。
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まとめ
本多静六氏の投資への考え方、実際に実践してきた投資について紹介をしてきました。
安全性を担保しながら、二割利食い、十割益半分手放しというルールを決め、専門性を生かして資産を増やしていった静六氏。
山林こそ大規模に投資をしましたが、それは着実に資金を大きくしていったからこそ実った経験といえるでしょう。
資産運用を考えている方は、静六氏の考え方を取り入れてみるのも良いかもしれません。
以上、本多静六の本「私の財産告白」から学ぶ静六式投資法・二割利食い、十割益半分手放しとは?…の話題でした。
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