証券会社は、顧客を獲得するために、投資に関する様々なサービスを提供しています。
その中の一つが「単元未満株取引」です。
今回はその「単元未満株取引」について、どのような株取引なのか?
単元未満株取引のメリットとデメリットなど、詳しく紹介をします。
■ 今回のポイント:
- 単元未満株取引は1株単位で取引が可能で数百円で株取引を行うことができる
- 単元未満株でも配当があれば受け取ることが可能
- 単元未満株取引の取引手数料は通常の株取引に比べると割高だか、他の単元未満の株を取引するサービスに比べれば割安
- 単元未満株取引の約定タイミングは1日1回または2回であり成行注文となる
- 単元未満株取引を扱っている代表的な証券会社にはSBI証券、カブドットコム証券、マネックス証券がある
目次
Contents
単元未満株取引とは
「単元未満株取引」とは一般的な株取引の単位である【1単元=100株】より少ない株数での取引が可能な取引方法です。
通常の株取引は1単元である100株単位で取引を行います。
単元(100株)未満の株取引を行う場合、「単元未満株取引」と呼ばれます。
株を購入する際には、【株価×購入株数(+取引手数料)】の資金が必要です。
単元未満株取引を利用すれば、購入株数が単元未満である100株未満でも株取引ができます。
従い、少ない資金でも株を購入することができます。
単元未満株取引は1株単位で取引することが可能です。
一般的な株取引に比べて必要な資金は100分の1です。
例えば株価1,000円の株を購入するのであれば、通常は【1,000円×100株=100,000円】が必要になります。
単元未満株取引を利用すれば【1,000円×1株=1,000円】で購入することができます。
このように、株を購入するための必要資金が格段に少なくなります。
豊富な投資資金が無い方や、投資を始めて行う方に特に向いているのが単元未満株取引です。
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単元未満株のメリット
単元未満株のメリットは、株式を購入するのに必要な資金が100分の1になるという点です。
通常の株取引であれば、購入するのに最低50万円が必要です。
しかし、単元未満株であれば最低5,000円で購入ができます。
100万円が必要な株であっても、単元未満株を利用すれば1万円あれば購入することができます。
今まで株を買いたくても、資金が足りなくて買えなかった方も、単元未満株であれば色々な株を購入することが可能です。
ほとんどの株は株価1万円以下であり、株価が数百円という株もたくさんあります。
1万円で複数の株式を購入することも難しくありません。
このように株を少額で購入できるということは、今まで購入できなかった株も投資対象となるということです。
投資の幅が広がるというのが単元未満株のメリットの一つと言えます。
単元未満の株取引は「株式ミニ投資」などでも可能です。
しかし、株式ミニ投資の投資単位は10株です。
1株単位で取引が可能である単位未満株取引の方が、より小口で株式投資ができるという点がメリットです。
また、単位未満株であっても、株式を保有していれば配当金を受け取ることができます。
配当金は1株当たり○○円というように企業が取締役会などで決定します。
単元未満株の場合も保有株式数に応じて配当金が支払われます。
例えば、株式を3株保有している企業が1株当たり30円配当を実施することを決定した場合。
【30円×3株=90円】の配当を受け取ることができます。
当然、単元未満株ですので、単元以上を保有している場合に比べて配当金は少なくなります。
しかし、それでも保有株に対する配当の割合は同じです。
しっかりと配当金を受け取ることができるのは嬉しいですよね。
さらに、単元未満の株取引を行う「株式ミニ投資」や「るいとう」は証券会社が指定した一部の銘柄でしか取引ができません。
この2つに対して、単元未満株取引は一部のETFを除くほとんどの株で取引を行うことが可能です。
幅広い銘柄を1株から購入することができることが、単元未満株のメリットとなっています。
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単元未満株取引のデメリット
単元未満株取引のデメリットは、決められたタイミングでしか取引ができないということです。
単元未満株取引は通常の株取引と異なり市場を介して売買するわけではありません。
各投資家の注文を証券会社がまとめて発注する形になります。
従い、現在のところ約定タイミングは1日2回、注文は成行注文しかできません。
1日2回の約定タイミングは前場始値と後場始値の2回です。
各証券会社が定めている締切までに事前に注文をする必要があります。
通常の株取引のように注文すればすぐに市場に発注されるというわけにはいきません。
多くの場合、約定タイミングの数時間~半日程度前には注文をしておく必要がありますので、注意が必要です。
注文から約定までに時間を要し、その間に株式市場や取引株に影響を与えるような出来事があった場合。
事前に把握していた株価と「乖離した株価」で約定する可能性もあります。
つまり、この点はデメリットとなります。
また、取引手数料が割高となるのも単元未満株取引のデメリットです。
通常の株取引の取引手数料は約0.1%程度の証券会社が多いです。
しかし、単元未満株取引ですと多くの場合0.5%程度の取引手数料がかかります。
通常の株取引に比べて割高な手数料を支払うことになりますので、その分投資成績は押し下げられます。
特に単元未満株取引は少額で取引ができるという性質があります。
故に、取引回数が多くなることが多いので取引手数料が割高となることは大きなデメリットです。
ただし、他の単元未満の株取引サービスである「株式ミニ投資」や「るいとう」に比べると手数料は割安となっています。
特に「株式ミニ投資」はほぼ同じサービス内容です。
しかしながら、単元未満株取引は1株から取引可能で取扱銘柄数が多く、取引手数料も安いので、同種のサービスとして優位性があると言えます。
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単元未満株取引を扱っている証券会社
一口に単元未満株取引と言っても各証券会社によってサービス名が異なります。
投資家にとっては単元未満株取引をできる証券会社がどこなのか、各証券会社のサービス内容を確認する必要があります。
そこで、ここでは単元未満株取引が可能な代表的な証券会社を紹介します。
選定は1株単位で株の売買が可能であるという条件により行っています。
SBI証券
「SBI証券」の単元未満株取引のサービス名称は「S株」です。
東証の銘柄ほぼ全てが売買可能で、取引手数料は約定代金の0.54%(税込)となっています。
前日の21時30分までに注文すれば翌日の前場始値での約定となります。
当日10時30分までに注文すれば当日の後場始値で約定可能です。
カブドットコム証券
カブドットコム証券の単元未満株取引サービスは「プチ株」です。
東証の他、名証の銘柄も取引ができます。
手数料は約定代金2万円までは100円です。
前日23時までの注文で翌日前場始値での約定、当日10時までの注文で当日後場始値での約定となります。
マネックス証券
「マネックス証券」の単元未満株取引サービスは「ワン株」です。
東証と名証に上場している銘柄が取引可能となっています。
取引手数料は約定代金の0.54%とSBI証券と同じです。
マネックス証券のワン株は約定が1日1回となっています。
当日11時30分までの注文で後場始値での約定となり、それ以降の注文は翌日の後場始値での約定となります。
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まとめ
今回は1株から株取引ができる単元未満株取引について紹介しました。
■ 今回の総括:
- 単元未満株取引は1株単位で取引が可能で数百円で株取引を行うことができる
- 単元未満株でも配当があれば受け取ることが可能
- 単元未満株取引の取引手数料は通常の株取引に比べると割高だか、他の単元未満の株を取引するサービスに比べれば割安
- 単元未満株取引の約定タイミングは1日1回または2回であり成行注文となる
- 単元未満株取引を扱っている代表的な証券会社にはSBI証券、カブドットコム証券、マネックス証券がある
単元未満株取引は使い方次第では便利な株取引手法です。
資金不足で株取引ができないと悩んでいる方はぜひこのコンテンツを参考に単元未満株取引について検討してください。
以上、資金が足りなくても大丈夫!「単元未満株取引」とは?その概要と取引をするメリット・デメリットを紹介!…でした。