「空売り規制」で稼ぐ!
そんなことが実際の相場で可能なのでしょうか?
結論から申しますと、空売り規制は「稼げます」。
今回は多くの投資家が注目する空売り規制とはどのような制度なのか。
また実際相場でどのように活用することができるのかをご紹介していきたいと思います。
また併せて、空売り規制を理解するうえで重要な空売り比率についてもご説明していきたいと思います。
そもそも『空売り』って何?
という方は以下のコンテンツからご覧いただけばと思います。
Contents
空売り規制が注目される理由
上図は日本取引所グループのホームページです。
しっかりと空売り規制に関する情報が掲載されていることがわかります。
なぜ日本取引所グループでは空売り規制に関する情報を逐一報告しているのでしょうか?
それは投資家の関心が高い情報だからです。
なぜ投資家の注目が高いのか?
それは当然相場でお金になる情報だからだといえます。
空売り規制は本来、投機筋による相場操作を防ぎ、健全な株価形成を図るために作られた手段ですが、
それを活用して効果的に利益を上げることが出来ます。
以下、当記事では、空売り規制で儲けることができるために必要な知識を解説していきたいと思います。
空売り比率とは?相場の状態を把握しよう!
空売り比率とは?
<<ⅰ.最初に信用取引残高を知ろう>>
信用取引残高とは、信用取引で行われた信用買いと信用売り(空売り)の残高の合計です。
信用買いの残高は「買い残」、空売りの残高は「売り残」と表示されることもあります。
<<ⅱ.空売り比率とは>>
空売り比率とは、買い戻されていないまま売り建て状態にある空売りの残高を1日の出来高で割って算出した比率になります。
空売り比率=(空売り残株数÷1日の出来高)×100
空売り比率は上記の式で算出することができます。
(例) 空売り残高の株数が100万株、1日の出来高が1,000万株の場合
空売り比率 = 100万株÷1,000万株×100=10%
実際には『信用倍率』が重要となる
空売り比率とは空売りがどのくらい入っているのかを見るための指標であることがわかりました。
ここでは実際にどのように使うのかをご紹介していきます。
≪空売りや信用買い残の推移を見てとることができる≫
急騰銘柄において一番怖いのは『売り禁』や『信用規制』が出されることですよね?
規制が出る状態かを知るためには信用買い残や空売り比率を知る必要があります。
そこで重要となるのが『信用倍率』です。
『信用倍率』= 『信用買い残』➗ 『信用売り(=空売り)残』で算出されます。
【信用倍率が高いとどうなる? 信用倍率>1の場合】
『信用買い残』の方が多いという事は、「株価が上昇する」と考えている投資家が多いという意味です。
一方、将来的には売り決済をするので、中長期的には株価の下落圧力が高いことを意味します。
【信用倍率が低いとどうなる? 信用倍率<1】
『信用売り』の方が多いので「株価が下落する」と考えている投資家が多いという意味です。
一方、将来的には買い決済をするので、中長期的には株価の上昇圧力が高いことを意味します。
上記はYahooファイナンスでみるコロプラの信用倍率の推移です。
株価の急騰とともに、売り残が増加していることがわかります。
それに伴い貸借倍率も大幅に良化(減少)していくこともわかります。
しかし信用買い残のほうは減ることもなく増加していますね。
これは逃げ遅れた信用買いの枚数で将来の売り圧力になることがわかります。
このように、信用情報を確認することでも相場の状況を判断することが可能です。
信用倍率と株価の関係
空売りは期間内に買い戻す必要があります。
よって空売りは将来の買い需要であるということができます。
また同様に信用買い残は将来の売り需要であるということができます。
このことから、以下のような傾向があるといえます。
- 空売りの多い銘柄⇒短期的には株価は下落、中長期で株価上昇
- 信用買い残の多い銘柄⇒短期的には株価上昇、中長期は株価下落
空売り規制とは? 『売り禁に買いなし』は本当!?
貸借銘柄しか空売りはできないといった点でも空売りには規制が最初から存在しています。
ここでは、それ以外の空売りに関する規制を説明していきたいと思います。
空売り規制とは?
<<ⅰ.空売り規制とは>>
空売り規制とは、前日の終値を基準価格とし、そこから10%株価が下落したら、空売り注文が一部出来なくなる規制です。
この規制は金融商品取引法で定められた「法令」であり、法的強制力のあるルールです。
違反すると、罰金30万円が発生します。
上図の楽天証券の公表データのように、空売り規制銘柄は毎日更新されます。
<<ⅱ.空売り規制が発動した場合かけられた場合>>
空売り規制が発動した場合、翌日の取引終了時まで、以下のようになります。
- 一度に51単元以上の空売りをする事が出来なくなる
- 直近公表価格以下で、空売り注文を行うことが出来なくなる
※例外:トリガー後に、株価が上昇すれば、直近公表価格での空売り注文は可能です。
そのため、翌日、解除されるまで空売りがしにくくなります。
51単元以上≠51株以上なので、例えば1単元が100株であれば、5100株以上の空売り注文が出来なくなる、というような形です。
規制が発動した時に、「51単元以上の注文でなければ、大丈夫だ!」と、30単元ずつの空売り注文を短期間に入れてしまうと、
「意図的に分割して発注した」と見られてしまい、処罰の対象になります。
空売り規制の種類
<<ⅰ.空売り規制>>
上記で解説した規制が一般的な空売り規制です。
<<ⅱ.売り禁>>
売り禁とは、信用取引において新規での売り建てと、買い建ての現引きが出来なくなる措置で、発動すると、新規での空売りができなくなります。
売り禁は空売り規制と異なり、売り禁に指定される明確な基準は公表されていませんが、
信用売り残が極端の増え、各証券会社が空売り用の貸株調達・在庫確保が難しいとなった場合に売り禁が発動されます。
売り禁に指定されると、翌日から新規での空売りができなくなります*。
*日計り売りは規制対象外です
空売り規制と株価の関係
空売り規制がかかると、株価は上昇する可能性が高いです。
空売り規制が入りやすい銘柄の特徴としては、それまで株価が上昇を続けてきていることが挙げられます。
利益確定の売りが入り、そこに目を付けたトレーダーが、一気に空売り注文を入れて下げ相場を作り利益を出そうとします。
そこに空売り規制が入ると、さらなる空売りを仕かける事が難しくなるため、これ以上下げ相場を作ることが出来なくなります。
想定よりも下げ相場を作れず、損切りの買い戻し注文をせざるをえず、株価の下げ止まり・上昇相場の再開となるのが、よくある展開です。
ただし、空売り規制が入る前の株価の動きがどうなっているか、その理由が何なのかは注視しましょう。
規制が入る前から株価が下降トレンドになっており、その理由が、例えば業績の急降下や、
業績に悪影響になるニュースなどの悪材料で下がっている場合は、空売り規制解除後も、下げトレンドである可能性は高いです。
売り禁と株価の関係
相場の格言では、「売り禁の売り玉は金の卵」「売り禁に買いなし」といわれているように株価は下落するケースが一般的な見方です。
貸株(空売りのための在庫)がなくなることで空売りができなくなり、
相場のパワーである出来高が減少してしまい、株価が上昇しきれなくなるからだと考えられています。
ただし、「売り禁が出る=即下げ相場に突入!」というわけではありません。
むしろ近年は、上述の空売り規制や、この売り禁が発動する事を、株価上昇の材料として捉えるケースも増えています。
空売りをしかけて、売りのポジションを取っているにも関わらず、株価は下げトレンドになりません。
そんな中で、空売り規制や売り禁が発動してしまうと、さらに株価が下落するという事は考えられないので損切りを含めて買い戻し決済が増えます。
そうなると、株価上昇の追い風になり、トレードで利益を出していくチャンスになります。
相場で利益を上げることができる空売り規制とその方法
ここでは実際に相場で利用できる空売り規制に関する投資方法をご紹介していきたいと思います。
<<ⅰ.売り禁銘柄の買い>>
「売り禁に買いなし」「売り禁の売り玉は金の卵」という相場格言があります。
しかし実際には売り禁が出されたタイミングによっては大相場に突入することも少なくありません。
原因は「売り禁=売り玉の調達ができない=人気が高い」からです。
前述した急騰銘柄のコロプラへの信用規制です。
売り禁(新規売停止)は9月20日に発動されています。
900円台で売り禁が発動されました。
しかし売り禁時のRSIは50台とまだ初動の位置です。
こうしたケースは売り禁は買い方に有利に働きます。
なぜなら売り方は売りを買い戻すか両建てするかの二者択一になるからです。
想定通りコロプラは1,930円まで上昇しました。
1例だけですとコロプラがレアケースなのかもしれないと思いますよね?
次の例はインタートレードへの信用規制です。
売り禁(新規売停止)は8月19日に発動されています。
200円台後半で売り禁になっていますが、RSIはまだ50台と初動です。
その後1,409円まで株価は上昇しています。
200円台後半で売り禁になっていますが、RSIはまだ50台と初動です。
その後1,409円まで株価は上昇しています。
このように売り禁銘柄は近年短期急騰する銘柄が多数みられます。
『売り禁銘柄』を狙って短期大相場狙いの例をみてきました。
空売り規制を利用した投資方法の中でも最もリターンの高い投資方法であるといえます。
<<ⅱ.踏み上げ相場を読む材料に>>
こちらは売り禁からの大きな踏み上げ相場を形成した、インタートレードの信用情報です。
9月20日には売りの返済も進み、貸借が大幅に悪化していることがわかります。
貸借が悪化しているということは『空売り残高』が『信用買い』残高に対して減少していることを意味します。
踏み上げ相場の燃料は売り玉です。
貸借が悪化したのを確認したら利確をし相場を離れましょう。
利確は三尊天井の右肩が絶好の逃げ場になっていることがわかります。
相場の終了=暴落が来る前にしっかりと空売り倍率を確認することで、逃げ遅れを防止することができます。
まとめ
今回は多くの投資家が注目する空売り規制とはどのような制度なのか、また実際相場でどのように活用することができるのかをご紹介してきました。
空売り規制の中でも特に売り禁は近年大相場を形成する銘柄が多くなってきています。
信用情報を確認することで簡単に短期急騰する銘柄を検索することができるということです。
信用情報をうまく活用して、大相場を探してみませんか。
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