このサイト「マネリテ!」でも度々話題に出している「ウォーレン・バフェット氏」は世界有数の投資家として君臨しております。
しかし、その「師匠」については実は、一般的にはそこまで知られていません。
すでに、ベンジャミン・グレアム氏が提唱していた「ネットネット株」については別コンテンツで配信しております。
しかし今回は、ウォーレン・バフェットという偉大な投資家を育てあげた、「賢明なる投資家」の著書でもある「ベンジャミン・グレアム氏」の投資における思考法について紹介していきます。
目次
グレアム氏が考える「投資」と「投機」の違い
基本的に、投資は分析を行い、理論に基づくものであり、投機はギャンブルのように運に任せたものと認知されています。
楽天証券経済研究所では、資産形成を含めて以下のような見解を出しています。
グレアム氏は、以下のように考えています。
投資 | 詳細な分析・理論に基づき、元本の安全性を守りつつ、かつ適正な収益を得るような行動 |
投機 | 上記投資以外の取引 理論がない |
高い角度で資産を増やすことができるよう、分析をし、「理論」をもって行う資金投下のことを「投資」としています。
実に皮肉(とはいえ驚くべきことではないが)なことに、普通株が最も魅力的な値段で売りに出され、そしてまもなく歴史的な価格高騰が始まろうとしているときに買うこと自体が、ごく一般的に投機的すなわちリスキーだと考えられていた。逆に、過去の経験から間違いなく危険だと判断できる水準まで市況が上昇したという事実こそが、「投資」という言葉を生み出し、株の買いに走る一般大衆全体を「投資家」と呼ぶ原因となったのである。
(引用:賢明なる投資家 - 割安株の見つけ方とバリュー投資を成功させる方法)
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防衛的投資家・積極的投資家
防衛的投資家
防衛的投資家とは、「安全」「シンプル」な投資を好む人とグレアム氏は定義しています。
グレアム氏の現役投資時代は、優良な会社の社債利回りが7%程度あったこともあり、株式投資から得られる期待収益と債券の期待収益がほぼ同じ水準の時代でした。
その背景から、グレアム氏は株式と債券の割合を50:50にして、市況の状況によっては株式の割合を25%~75%で調整することを推奨しています。
グレアム氏の考えとして、防衛的投資家は当時儲けを出しやすいとされていた株、債券を購入しても、なかなか平均的な成果以上を望めないので、長期に亘って収益を上げている財政状態の良い優良企業の株式のみを購入するべきだとしています。
積極的投資家
積極的投資家は、その名の通り防衛的投資家よりも多くの利益を望む投資家としています。
グレアム氏は自分の手にする利益が減少することがないよう、投資を進めていくべきと警告を出しております。
資産が減少しやすい投資として、「トレーディング」「短期的銘柄選択」「長期的銘柄選択」の3つを否定しています。
グレアム氏のいう「トレーディング」はチャート(板情報)に張り付き、空売りも組み合わせて利ざやを抜こうとする投資活動です。
「短期的銘柄選択」については、金融市場において予測できる企業業績(今年、翌年)は既に市場の知るところです。
慎重に計算され株価に織り込まれている状況であることを認識し、短絡的に資金を投下しないよう警告をしています。
「長期的銘柄選択」は、将来の企業の収益を予測するのは難しく、短期的な銘柄選択よりも難しく、予測するのも無駄であるとしております。
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積極的投資家に推奨のバリュー株投資
グレアム氏が投資を実行する上で勧めていた投資手法がバリュー株投資です。
手法としては設備投資などの資産を考慮せず、現金資産である在庫、債券から「負債」を差し引いた「純流動資産」(=運転資本)より割安な株に投資するものです。
グレアム氏は明らかに企業の価値に対して市場で割安で放置されている株に投資をし、日経平均やダウ平均株価などの指数をオーバーパフォームするという素晴らしい平均年間収益を上げていたとしております。
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まとめ
ベンジャミン・グレアム氏の投資に対する思考とそのスタンスについて紹介してきました。
投資と投機の違い、防衛的投資家、積極的投資家にバリュー株投資ーー。
有名投資家の思考は、現在も私たちが投資をするに当たり、参考になるものばかりです。
そこから学び、日々の投資に生かしていくようにしましょう。
以上、バリュー投資の父・ウォーレン・バフェットの師匠:「ベンジャミン・グレアム」の思考を解説…の話題でした。