ベンジャミン・グレアムが提唱する防衛的投資家の投資指針を紹介!収益が高く財政状態の良い優良企業の見極め方。

ベンジャミン・グレアムが提唱する防衛的投資家の投資指針を紹介!収益が高く財政状態の良い優良企業の見極め方。

 

信太郎
サルよ。ベンジャミン・グレアム氏の投資に対する思考とそのスタンス(投資と投機の違い、防衛的投資家・積極的投資家、バリュー株投資)について、バリュー投資の父・ウォーレン・バフェットの師匠:「ベンジャミン・グレアム」の思考を解説で一緒に学んだのは覚えておるかの?
秀次郎
もちろんです!グレアムの投資に対する考え方はもうバッチリですぞ。家三郎にも「インフレ」と「企業収益」の関係性についてもベンジャミン・グレアムが考える「インフレ」と「企業収益」の関係と株式投資の有効性を賢明なる投資家から読み解くで教えて貰ったのじゃ。わしは株式投資で頑張りますぞ。

 

信太郎
しかしサルよ。積極的投資家については理解したと思うが、防衛的投資家についてはどのようなスタンスで投資をしていくべきか、理解しておるかな?

 

「防衛的投資家」とは、「安全」「シンプル」な投資を好む人とグレアム氏は定義しており、株式と債券の割合を50:50にして、市況の状況によっては株式の割合を25%-75%で調整することを推奨していました。

 

グレアム氏の考えとして、防衛的投資家は当時儲けを出しやすいとされていた株、債券を購入しても、平均的な成果を超える結果を望めないことから、「長期に亘って収益を上げている財政状態の良い優良企業の株式」のみを購入するべきだとしています。

 

信太郎
今回はこの優良企業の株式の探し方について解説していくぞよ。

目次

防衛的投資家が保有すべき株式と債券の適正な割合

 

グレアム氏は著書「賢明なる投資家」の中で、株式・債券は50対50の割合を維持し、緊急な状況などに際しては25%-75%で調整することを提唱していました。

信太郎
例えば、1年間の運用の結果、株式が60%、債券が40%になれば、株式の1/6を売却して債券に投資をするというような感じじゃな。

 

この方法は株式市場で悪魔のように投資家に襲いかかる感情、熱狂や悲観に左右されることなく、機械的に安定運用を目指すものです。

米カーネマン氏が公表「プロスペクト理論」とは?投資家心理を理解してトレードに向き合おう。

米カーネマン氏が公表「プロスペクト理論」とは?投資家心理を理解してトレードに向き合おう。

2019年4月21日

 

債券のみの投資であればインフレに対抗は難しいです。

株を組み入れていることにより、インフレにも対応できることが有効な点であると説明をしています。

 

 

目次に戻る

実際に組み入れる株式はどのような企業銘柄なのか

積極的投資家はデイトレードなどに手を出すのではなく、銘柄分析に基づいたバリュー株投資を行うべきであるとグレアム氏は推奨しております。

 

しかし、防衛的投資家が銘柄選定に使用する基準としてはどのようなものなのでしょうか?

 

信太郎
①分散投資、②財務状況が良好な大企業、③長期の配当実績、④低PER企業という4つの基準があるのじゃ。

 

①分散投資

 

①十分な、しかし過度にならない程度の分散投資を行うこと。例えば、一〇銘柄以上三〇銘柄以下くらいが望ましいであろう。

(引用:賢明なる投資家 - 割安株の見つけ方とバリュー投資を成功させる方法)

 

信太郎
過度とはならない程度の分散投資を行うことを推奨しているのじゃな。
秀次郎
リスクを嫌う防衛的投資家が少数銘柄に「リスク」を集中投下すべきではないので当たり前と言える戦略ですな!

 

②財務状況が良好な大企業

財務状況が良好な企業とはどのような基準があるのでしょうか。

 

②財務内容の良い有名な大企業を選ぶこと。漠然とした基準に思えるかもしれないが、その意味はほぼ明白であろう。

(引用:賢明なる投資家 - 割安株の見つけ方とバリュー投資を成功させる方法)

 

信太郎
「株主資本」が総資産の少なくとも50%以上、鉄道会社等のインフラ企業に関しては30%以上を基準としているのじゃ。「有名」というのも抽象的ではあるが、業界内で主たる地位を占め、かつ相当の事業規模を有している企業を指し、業界内で上位「1/3」以上の事業規模を有していることを条件としておる。
秀次郎
バランスシートに重きを置きなさいということですな!

 

長期の配当実績

③長期にわたる継続的な配当金支払いの実績があること(ダウ平均に採用されている銘柄は一九七一年現在、すべてこの要件を満たしている)。具体的にいうと、少なくとも一九五〇年以降、継続して配当が支払われていることを目安にすればよいであろう。

(引用:賢明なる投資家 - 割安株の見つけ方とバリュー投資を成功させる方法)

 

秀次郎
1950年以降から1971年で21年程度継続して配当を出している企業を信頼しているということじゃな。

 

低PER企業

④ある銘柄を買い付けるに際しては、過去七年程度の平均企業収益に照らして支払うべき価格の上限を決めること。この上限価格としてわれわれが目安としているのは、過去七年間の平均企業収益の二五倍、そして過去一二カ月の企業収益の二〇倍である。

しかしこの基準によって、ほとんどすベての有力人気銘柄が投資不適格ということになってしまう。

特に、投機家と機関投資家の双方にここ数年人気の高い「成長株」の範疇に含まれる銘柄を、実質的にすべて除外しないとならなくなる。このような思い切ったことを提唱する理由を次に述べる。

(引用:賢明なる投資家 - 割安株の見つけ方とバリュー投資を成功させる方法)

 

信太郎
過去7年程度の平均企業収益の25倍、過去12ヶ月の企業収益の20倍以下の株を買うことを推奨しておる。PERが低い企業の株に投資しろということじゃな。PERについては「株式投資における重要指標:PER(株価収益率)/PBR(株価純資産倍率)とは?概要とその適正値(及び目安)をわかりやすく解説」で紹介しておるぞ。

 

秀次郎
この基準を満たす株は市場で当然人気株となりますぞ。しかし全て投資適格という訳ではなく、「グロース株」には投資をしないとしておるのです。

 

グレアム氏はグロース株のような成長株は、高値で取引される傾向にあり、一株利益の増加よりも株価の成長率が高い銘柄が多いと指摘しています。

 

成長株全体の投機性は非常に高まる傾向にあり、成長株の売買で成功するのは困難であり、投資はしないスタンスを取っているのです。

 

信太郎
「ベンジャミン・グレアムの思考を解説」でそういえば投資と投機の違いについて触れておったな。グロース株は投機に近いと。バリュー株とグロース株の違いについては「バリュー株・グロース株投資とは?」を参照じゃ。

 

グレアム氏亡き後も、バリュー株はグロース株や市場平均に対してアウトパフォームしています。

グロース株は市場平均を下回り続けている事実があり、当時からグレアム氏が提唱していた投資理論は正しかったと証明された形となっています。

 

野村證券「バリュー、グロースインデックスの超過リターン累計値」

(引用:野村證券「バリュー、グロースインデックスの超過リターン累計値」)

 

 

 

目次に戻る

まとめ

グレアム氏が考える、防衛的投資家が取るべき投資指針の紹介でした。

 

防衛的投資家が保有すべき株式と債券の適正な割合について、また実際にポートフォリオに組み入れるべき企業の算定基準などを参考に、株式投資の実践経験を積んでいきましょう。

 

以上、ベンジャミン・グレアムが提唱する防衛的投資家の投資指針を紹介!収益が高く財政状態の良い優良企業の見極め方。…の話題でした!

 

【賢明なる投資家・ベンジャミン・グレアム特集】バフェット氏の師匠・バリュー投資の父の思考回路を解読。

【賢明なる投資家・ベンジャミン・グレアム特集】バフェット氏の師匠・バリュー投資の父の思考回路を解読。

2019年6月4日

[お金の学校特集]

 

昨今の2000万円問題もあり、投資による自助努力で、老後資産を築き自身の身を守る必要が出てきてました。

 

しかし、焦って投資を進めてしまうのはおすすめしません。 必ず失敗します。

 

知識をしっかり仕入れた上で投資は実践していく必要があります。

 

 

その知識を学ぶにあたり、近年「お金の学校」への注目が高まっています。

 

長年、資産運用を学んできた編集部が、お金を専門としたスクールについての特集コンテンツを作成していますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

お金の学校特集

お金の学校の特集へ

 

 

[おすすめ株式投資セミナー特集]

 

株式投資を「専門家や現役で成功している投資家に学びたい」という方は多いのではないでしょうか?

 

 

現在は、有難いことに、会場開催型、オンライン型など、優良セミナーが数多く開催されています。

 

ここでは、株式投資で成果を出したい初心者の方におすすめできるセミナーを以下の観点から、ランキング形式でお伝えしています。

 

◯ 講義は満足できる内容か?

◯ 運営は信頼できるか?

◯ 口コミや評判は良好か?

 

株式投資セミナー

 

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

マネリテ!編集部は東京大学経済学部卒の証券アナリストを中心とした金融知識が豊富なメンバーが株式投資初心者に向けて有益な情報を提供しています。株式投資を行う意義から基本用語、おすすめのネット証券・投資先情報をお伝えするメディアです。日本人の金融リテラシーの向上と明るい未来を目指しています。