株式投資をはじめた理由として配当金目的という投資家の方も多いのではないでしょうか。
- 株式数比例配分方式
- 配当金領収証方式
- 登録配当金受領口座方式
という言葉をしっておるか?
このコンテンツでは、それぞれ3つの配当金の受取方式をお伝えしていきます。
目次
Contents
(最もおすすめ)「株式数比例配分方式」は証券口座内で配当金を受領する方式
「株式数比例配分方式」は、保有している証券口座内に配当金が支払われる配当金受領方式です。
例えばA証券、B証券、C証券でS企業の株を以下の株数ずつ保有していたとします。
◼️ S企業の株式保有数:
- A証券:5,000株
- B証券:3,000株
- C証券:2,000株
1株あたり配当金が10円の場合、保有株に応じて各証券口座内に入金されます。
◼️ S企業からの入金額:
- A証券口座内:50,000円(5,000株×10円)
- B証券口座内:30,000円(3,000株×10円)
- C証券口座内:20,000円(2,000株×10円)
家には「中間配当金計算書」が届くはずです。
金額を確認して、証券会社に入金されている金額と照らし合わせましょう。
例えば、活用している証券会社が楽天証券であれば上記の配当非課税に加えてお得なことがあります。
それは、楽天証券 – 楽天銀行を連携する「マネーブリッジ」を行うことで、楽天証券口座残高に対して「0.1%」の預金金利を受け取ることができます。
楽天証券の口座を開設する際に同時に楽天銀行も開設しておきましょう。(開設時にボタン一つで可能です)
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配当金領収証方式は郵便局等で配当金を受領する方式
「配当金領収証方式」は従来から実施されている伝統的な配当金の受取方法です。
- 株式を保有している企業から『配当金領収証』が郵送
- 1で得た領収書を郵便局又はゆうちょ銀行に持っていき配当金を受け取る方法
配当金領収証の表面には、受領印を押してください。(銀行への届け出印でなくてもOK)
また、銀行によっては、本人確認書類(運転免許証など)の提出を求めてきます。
必要かどうか気になる方は、銀行窓口へ出かける前に電話などで確認しましょう。
配当金領収書を紛失した場合は、保有している企業を管理している信託銀行を四季報で確認。
その上で、信託銀行の『証券代行部』に連絡を行い再発行の手続きを依頼する必要があります。
また配当金の支払い期限を過ぎてしまった場合も、証券代行部に期限切れの配当金領収書を返送して再発行してもらうといった手続きが必要となります。
配当金領収証方式だとNISAでも課税される
国内では、2014年1月よりNISA(少額投資非課税制度)がスタートしました。
NISAでは次のように、さまざまな金融商品を取引できます。
- 国内株式(現物株・ETF・REITなども含む)
- 投資信託(株式型・債権型・バランス型など)
- 外国株式(海外ETFも含む)
個人投資家の方でも、気軽に自分好みの金融商品を選べます。
このNISAの最大の魅力となるのが、売却益や配当金の非課税です。
非課税のため、一般口座のように確定申告するといった手間はかかりません。
通常売却益や配当金には、20.315%(復興特別所得税込み)の税金がかかります。
売却益と配当金あわせて100万円の場合は、約20万円もの課税です。
そのため、売却益や配当金を受け取りできる方は、税負担が気になるでしょう。
しかし、配当金非課税になるのは、株式数比例配分方式のみです。
NISAで非課税にするには、証券会社を経由しないといけません。
それは、証券会社を経由しない受け取り方法ではNISA口座で投資している銘柄かどうか判断するのが難しいからです。
株式比例配分方式以外の受け取り方法だと、証券会社を経由しない形になってしまいます。
NISAというと非課税の魅力ばかり広告されていますが、どの受け取り方法でも非課税になるわけではありません。
NISA口座で高配当銘柄へ投資している方は、配当金の受け取り方法に注意したほうがいいでしょう。
NISAはお得な方法で配当金を受け取りしよう
NISAで投資している方は、自分にお得な方法で配当金を受け取りしたいところです。
配当金受け取り方法の申し込むには、次のような流れになります。
- 証券会社へ配当金受け取り方法の申し込みを行う
- 証券会社は証券保管振替機構(ほふり)に取り次ぎする
- 証券保管振替機構は発行会社に取り次ぎする
配当金受け取り方法変更の申し込みから反映されるまで、数日ほどが目安です。
株式比例配分方式への反映が、権利確定日を過ぎてしまうと非課税の魅力が受けられません。
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登録配当金受領口座方式は指定した金融機関口座に配当金入金
「登録配当金受領口座方式」は、証券保管振替機構(ほふり)残高に応じた配当金を投資家が指定した金融機関の口座に入金する方法です。
証券保管振替機構とは、株券などの有価証券の保管、受け渡しを簡素化することを目的として制定された機関であり、日本で唯一の保管振替機関となっています。また、略称で「ほふり」ともいわれます。
証券保管振替機構は、証券会社等から預託された株券等の保管業務のほか、株主が株券等を売買した場合、担保に差し入れた場合に株券そのものの受け渡しをせず、機構や証券会社等に備えられた口座振替による権利処理を行っています。(引用:SMBC日興証券)
証券保管振替機構の主な事業内容は、以下のとおりです。
- 株式等振替業務
- 短期社債振替業務
- 一般債振替業務
- 投資信託振替業務
- 一般振替DVP業務
- 決済照合業務
- 外国株券等保管振替決済業務
多くの方は、この証券保管振替機構を利用する形となります。
例えばA証券、B証券、C証券でS企業の株を以下の株数ずつ保有していたとします。
◼️ S企業の株式保有数:
- A証券:5,000株
- B証券:3,000株
- C証券:2,000株
1株あたり配当金が10円の場合
(5000株+3000株+2000株)×10円=10万円
10万円×配当課税20.315%差引=79,685円
この金額が指定した銀行口座などの金融機関口座に入金されます。
また、平成21年1月5日より株券が電子化されましたが、電子化される前に証券保管振替機構へ預託している方なら、手続き不要です。
証券保管振替機構へ預託していない方でも、株券さえ手元にあれば、特別口座によって権利は守られています。
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配当金受取方式の確認方法と変更方法を楽天証券を例に紹介
NISAで配当金が出る銘柄に投資している方は、現在の受け取り方法を確認したほうがいいでしょう。
SBI証券やマネックス証券、楽天証券などの証券会社は、インターネットで配当金の受け取り方法を変更できます。
証券会社の窓口までわざわざ出向く必要がないため、手間がかかりません。
楽天証券を例に現在の配当金受取方法を確認する方法と変更する方法をお伝えします。
まずTop Pageから『設定・変更』→ 『配当金受取方法』の順にクリックします。
すると次の画面に移行します。
基本的に『株式数比例配分方式』で問題はないのですが、仮に変更したいという方は右側の変更ボタンをクリックします。
登録配当金受領口座方式への変更
まず登録配当金受領口座方式への変更ですが、右側の登録配当金受領口座方式にチェックを入れて下の次へボタンを押します。
次の画面で入金したい銀行口座について入力し確認ボタンをおすことで変更が完了します。
配当金領収証方式への変更
配当金受領方式への変更は左の郵便局等でのお受取りをクリックして次へボタンを押します。
次の画面では更に簡単に暗証番号を入力して変更を押すことで変更が完了します。
配当金の受取方法変更時の注意点について
株式比例配分方式を選ぶときに注意したいのが、全ての証券口座で適用される点です。
これはNISA口座を持っている証券会社はもちろん、ほかの証券会社の特定口座や一般口座も含まれます。
ほかにも注意したいのが、次のように株式比例配分方式を選べないケースがある点です。
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それぞれの配当金受け取り方法のメリット
配当金受け取り方法それぞれのメリットをまとめると、以下のようになります。
株式数比例配分方式のメリット
- 窓口まで出かけなくても配当金を受け取れる
- NISA口座で配当金が非課税になる
- 株と配当金の管理が容易になる
- 配当金の受け取り忘れの心配がない
- 源泉徴収ありの特定口座なら、配当金と譲渡損失との損益通算が容易になる
株式数比例配分方式では、いずれか1社の証券会社で変更すれば、全ての証券会社で適用されます。
複数の証券会社で取引している方でも、1社ずつ申し込みするといった手間はかかりません。
配当金領収証方式のメリット
- 窓口で直接配当金を受け取れる
- 郵便局の窓口なら全国にたくさんある
- 配当金をもらっていると実感しやすい
ただし、配当金の受け取り忘れには注意しましょう。
登録配当金受領口座方式のメリット
- 全ての配当金を銀行の口座でまとめて管理できる
- 配当金を銀行の口座へ入金する手間がかからない
ただし、ゆうちょ銀行口座は指定できないというデメリットがあります。
郵便局で受け取りしたい方は、配当金領収証方式を選ぶといいでしょう。
3つの配当金受け取り方法のうち、特に魅力があるのが、株式数比例配分方式です。
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まとめ
配当金の受取方法には『株式数比例配分方式』『配当金領収証方式』『登録配当金受領口座方式』の三種類があります。
基本的には手軽で尚且つNISA口座での配当金受取が非課税となる株式数比例配分方式を選ぶのが良いでしょう。
受取場所 | NISA非課税 | |
株式数比例配分方式 | 証券口座内 | ○ |
配当金領収方式 | 郵便局・ゆうちょ銀行 | × |
登録配当金受領口座方式 | 指定金融機関口座 | × |
既に株式数比例配分方式の方は、特別な事情でもない限り、変更する必要はないでしょう。
以上、【配当金の受け取り方法】株式数比例配分方式・配当金領収証方式・登録配当金受領口座方式の違いをわかりやすく解説する。…でした!