中国は2009年にGDPで日本を抜き、米国に次ぐ世界第2位の経済大国となりました。
当サイト「マネリテ!」でも中国の今後の見通しと、おすすめの銘柄について分析しています。
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このコンテンツでは、中国経済と温度計である株価指数「上海総合指数」について紐解いていきたいと思います。
目次
Contents
上海総合指数とは?指数の定義から取引時間をわかりやすく解説する
まずは上海総合指数とはどんな指数なのか、具体的に見ていきたいと思います。
上海総合指数は時価総額加重平均指数
まずは以下の証券会社の定義をみてみましょう。
中国を代表する株価指数。上海証券取引所に上場する人民元建てのA株(中国本土の投資家および適格海外機関投資家のみ取引できる)および米ドル建てのB株(中国本土の投資家以外の投資家でも取引できる)で構成されている時価総額加重平均指数。基準日である1990年12月19日の時価総額を100として算出される。
(引用:野村證券「上海総合指数とは?」)
A株 | 中国国内で上場され人民元建となっている。中国国内投資家専用の株です。 |
B株 | 上海証券取引所や深セン証券取引所に上場している外貨建株式。中国国内投資家だけではなく外国人投資家にも門戸が開かれている。上海証券取引所では米ドルで深セン証券取引所で香港ドルで取引されています。 |
H株 | 中国本土で登記が行われているものの香港取引所に上場している株式です。 |
レッドチップ | 中国本土以外で登記されている中国企業で香港証券取引所に上場されています。 |
上海総合指数は中国国内で上場されているA株とB株を対象とした「時価総額加重平均指数」です。
「時価総額加重平均指数」とは時価総額が大きい銘柄の構成比率が高くなるよう組み込まれている銘柄です。
一方、株価そのものが大きい指数の組入比率が大きい指数を平均株価指数といいます。
平均株価指数として他に日経平均株価やダウ平均株価が存在しています。
取引時間は?
日本の日経平均株価は東証があいている以下の時間で開場しています。
- 09:00〜11:30
- 12:30〜15:00
一方、上海総合指数は中国の現地時間で以下の時間で動きます。
- 09:30〜11:30
- 13:00〜15:00
- 10:30〜12:30
- 14:00〜16:00
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上海総合指数に上場している代表的な銘柄
上海総合指数の主要銘柄として以下のものがあります。
資源関連 | ペトロチャイナ、中国石油化工、神華能源 |
食品関連 | 青島ビール |
鉄鋼・非鉄 | 中国アルミニム、宝山鋼鉄 |
製造業 | 上海汽車 |
運輸業 | 中国東方航空、中国国際航空 |
金融 | 中国工商銀行、中国銀行、中国建設銀行、中国交通銀行、中国平安保険 |
電力 | 長江電力、華能国際電力 |
通信 | 中国移動通信 |
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上海総合指数と比較に出される深セン総合指数とは?
上海総合指数とよくにた指数に深セン総合指数があります。
深セン総合指数とは?ハイテク産業の割合が多いのが特徴
深セン総合指数は深セン株式市場に上場している企業の時価総額加重平均指数です。
深セン総合指数は深センA株、深センB株で成り立っています。
深センA株:中国本土投資家のみが取引可能
深センB株:海外投資家と中国本土投資家が取引可能
深センはご存知の通りハイテクシティです。
深セン総合指数は上海総合指数に比べると情報技術セクターつまりハイテクセクターの割合が大きくなっています。
上海総合指数との値動きの比較
以下は上海総合指数と深セン総合指数の値動きの比較です。
ご覧いただければわかる通り値動きは上海総合指数より深セン総合指数の方が激しくなっています。
【過去1年の上海総合指数vs深セン総合指数】
過去5年で比較しても直近一年の値動きで差がでて深セン総合指数が勝っています。
しかし、両者ともチャイナショックでの暴落を経験しているため、5年経過してもマイナス圏となっています。
【過去5年の上海総合指数vs深セン総合指数】
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上海総合指数の値動きを歴史から紐解く
以下は上海総合指数の超長期チャートです。
上海総合指数を見る上で欠かせないのが二点あります。
リーマンショック前の暴騰からの暴落
リーマンショック総合指数は「リーマンショック」の前に上海総合指数は一旦6倍にまで急騰しています。
投資家が中国の高成長期待や人民元レートの上昇期待から株式市場に資金が過剰に流入しました。
結果的に大暴騰でバブルになったあと、リーマンショックによって加熱した株式市場から急激に資金が流出しました。
しかし、その後中国が他国にいち早く60兆円の財政支出策をうちだしたことでいち早く立ち直りました。
チャイナショック
中国株といえば2015年初の暴騰から2015年の暴落を記憶している方も多いのではないでしょうか。
チャイナショックと呼ばれているこの暴騰からの暴落によってサーキットブレーカーが中国市場にも導入されました。
2010年代からの中国の問題点として銀行借り入れの増大と、不動産バブルの発生でした。
中国政府は過剰に膨張した融資の緩和と、高騰する不動産市場から株式市場への緩やかな資金の移動を目論んでいました。
そのために利用されたのが証券市場だったのです。
2014年から中国の国営メディアが投資家たちに信用買いを煽る宣伝を行い株式投資バブルを引き起こしました。
加熱した上海総合指数は2015年6月12日から反転して暴落が始まり1月の間で時価総額の30%以上を失いました。
その後も株価は継続的に下落して短期間の間に暴騰前の水準にまで下落して世界的な株安を招きました。
上海総合指数の特徴
中国株は国が作っているといっても過言ではありません。
中国政府が株式市場をあげたいと考えた場合は、中国国内投資家は時流にのるために全力で投資をします。
結果的に企業の本来の実力であるファンダメンタルと著しく乖離する局面があるのです。
ファンダメンタル分析を行って投資を行っても先進国株ほど上手く行かない局面が多いというのが特徴です。
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上海総合指数の値動きを日本と米国の株価指数と比較する
上海総合指数と日米の株価指数を比較していきましょう。
TOPIXと上海総合指数の比較
2000年からの長期のTOPIXと上海総合指数を比べたものが以下となります。
TOPIXは殆ど変わらない水準となっていますが、上海総合指数は+100%以上となっています。
さらに過去5年というレベルでみると、チャイナショックの影響をひきづったこともありTOPIXに軍配が上がっています。
S&P500指数と上海総合指数の比較
1995年からの米国株指数であるS&P500と上海総合指数の比較が以下です。
両者はコロナショックでほぼ同じ水準になっていますが、値動きの激しさは上海総合指数が圧倒的に大きくなっています。
地道に積立投資を行って資産を構築するのであれば米国株の方が魅力的だといえるでしょう。
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上海総合指数に投資する方法
NEXT FUNDS ChinaAMC・中国株式・上証50連動型上場投信(1309)
NEXT FUNDS ChinaAMC・中国株式・上証50連動型上場投信は上証50指数(円換算)に連動するETFです。
上証50指数は上海証券取引所のA株から選出された時価総額と流動せいの高い50銘柄で構成された時価総額加重平均指数です。
以下が上証50連動型上場投信(青)と上海総合指数(赤)の値動きの比較です。
若干ではありますが上証50連動型上場投信の方が高い成績になっていますが、時期によって様々ですね、。
銘柄数が少ない分、上海総合指数よりも更に値動きの幅が大きいという特徴があります。
上場インデックスファンド中国A株(パンダ)CSI300(1322)
上場インデックスファンド中国A株(パンダ)E Fund CSI300は愛称は上場パンダとよばれています。
上場パンダは円換算したCSI300指数の動きに連動する投資成果をめざすETFです。
CSI300指数は上海証券取引所と深セン証券取引所に上場している時価総額上位300銘柄の時価総額加重平均指数です。
以下が上場パンダ(青)と上海総合指数(赤)の値動きの比較です。
やはり、上証50連動型上場投信と同様に大型銘柄で構成されている指数の方が上海総合指数をアウトパフォームしています。
ちなみに上場パンダ(赤)と上証50連動型上場投信(青)の値動きを比較したものが以下です。
成績としては「上場パンダ」>「上証50連動型上場投信」>「上海総合指数」ということになります。
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まとめ
上海総合指数は中国経済の温度計として注目されています。
しかし、指数の動き合理的に決まっているわけではなく、中国共産党政府の思惑によって形成されている側面が強いです。
バブル相場の時は急騰して、その後暴落するという相場を繰り返して上昇してきています。
ただ、過去20年でみると上昇率は米国株価指数であるS&P500指数と遜色はありません。
値動きの安定性からS&P500の方が株式投資初心者向けであるといえるでしょう。
以上、【上海総合指数とは?】中国経済の温度計である株価指数!概要を「深セン総合指数」と比較しながらわかりやすく紹介。…でした。