11月1日上場予定のIPO「ダブルエー」。
ダブルエーの事業内容は婦人靴の企画・販売です。
また、ダブルエーはマザーズの中型案件のIPOです。
今回はダブルエーとはどのような企業なのかを事業内容や業績をチェックしながら詳しくご紹介していきたいと思います。
また、ダブルエーの気になる初値予想やIPOでの購入情報もご紹介していきます。
Contents
ダブルエーのIPOスケジュールと各証券会社の割当
ダブルエーの主幹事はみずほ証券です。
また、想定価格が4,690円と40万円を超える値嵩株であることから意外高も期待できるIPOであるといえます。
ダブルエーのIPOスケジュール
ブックビルディング期間 | 10月15日(火)~10月21日(月) |
市場 | 東証マザーズ |
公募価格決定 | 10月23日(水) |
購入申し込み期間 | 10月24日(木)~10月29日(火) |
上場予定 | 11月1日(金) |
公募株式数 | 700,000株 |
売出株式数 | 335,000株 |
当選株式数 | 1,035,000株 |
想定価格 | 4,690円 |
仮条件価格 | - |
公募価格 | - |
*1:仮条件価格は10月10日に決定されます。
ダブルエーの各証券会社の割当*2
証券会社 | 株式数 | 割当率 |
みずほ証券(主幹事) | ||
SMBC日興証券 | ||
いちよし証券 | ||
SBI証券 | ||
東洋証券 | ||
マネックス証券 | ||
岩井コスモ証券 |
*2:割当率や株式数などは、仮条件決定時(10月10日)付近に発表されます。
ダブルエーとは?
比較的当選しやすいIPO「ダブルエー」。
ここでは気になるダブルエーの事業内容をご紹介していきます。
ダブルエーの基本スペック
社名 | 株式会社ダブルエー |
設立 | 2002年2月12日 |
本社所在地 | 〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿1-20-18 7F |
代表取締役社長 | 肖 俊偉 |
資本金 | 5,000万円 |
従業員数 | 社員:256名/アルバイト:312名 合計:568名 |
事業内容 | 婦人靴企画・販売 |
店舗展開 | 国内実店舗99店舗、国内ECサイト7店舗、海外実店舗31店舗、海外ECサイト3店舗 |
ダブルエーの事業内容
ダブルエーは国内だけではなく、海外でも婦人靴の企画・販売を行っています。
また、実店舗だけではなくECサイト経営も行っていることがわかります。
<<ⅰ.国内展開 >>
ダブルエーは国内に実店舗を99店舗構えています。
店舗での小売り販売を、ルミネ・アトレ等駅ビル、ショッピングセンター等へ出店させることで、より安定した集客と費用対効果の高い販促施策を行っています。
<<ⅱ.国外展開>>
海外実店舗31店舗は、香港19店舗、マカオ1店舗、上海1店舗及び海外販売ライセンス契約に基づき展開されている台湾10店舗で構成されています。
また海外EC3店舗は、中国2店舗及び海外販売ライセンス契約に基づき展開されている台湾1店舗で構成されています。
<<ⅲ.主力ブランド>>
他とはちょっと違う、そしていつでも遊び心のあるデザインの婦人靴ブランドです。
ナチュラル&フェミニンをコンセプトに履き心地にもこだわったアイテムを提供しています。
トレンドをさりげなく取り入れ都会的で洗練されたデザインを揃えたブランドです。
軽くてふわっとした履き心地が特徴の機能性に特化した商品です。
このように、ダブルエーは国内外で複数のブランドの婦人靴の販売を行っていることがわかります。
ダブルエーの上場理由とは?上場で得た資金の使い道を探ろう!
ダブルエーは上場して得た資金をどのように活用するのでしょうか?
ここでは目論見書から資金のつかいみちを探っていきたいと思います。
新規発行による手取り金額
ダブルエーは上場することにより手数料を引いた手取り金額で3,005,360千円獲得します。
*:有価証券届出書提出時における想定発行価格格(4,690円)を基礎として算出した見込額です。
手取り金の使途
- 新規出店に伴う固定資産等の取得、敷金及び保証金、人件費及び人材採用費の一部:1,980,000千円
- 物流センターにおける商品ピッキング業務の自動化(ロボット導入)のための資金:500,000千円
- 実店舗とEC店舗の会員統合等を目的とした顧客管理システムの開発及び行動分析、スマホアプリと自社EC店舗(WEBサイト)のユーザビリティ向上を目的としたシステム改修及び商品在庫情報のシステム連携のための資金:400,000千円
- 消費者ニーズの多様化へ対応するためのスポーツシューズ等の商品開発の資金 150,000千円
- ブランド力及び商品価値を向上させるための広告プロモーションのための資金:550,000千円
このようにダブルエーでは上場することにより入手する資金を事業拡大に費やすことがわかります。
目論見書からみる『ダブルエー』の売上高と利益推移
ここではダブルエーの業績を分析していきたいと思います。
売上高は堅調
ダブルエーの売上高は2017年に一旦大幅に減少していますが、その後は順調に右肩上がりに推移しているといえます。
気になる2019年度の売上高は2Qで前年度の半分の売上高を超過していることから、
今期も売上高は順調に伸びていることがわかります。
売上高(百万円) | |
2014年8月期 | 6,317 |
2015年8月期 | 8,242 |
2016年8月期 | 10,039 |
2017年1月期 | 4,323 |
2018年1月期 | 11,784 |
2019年1月期 | 12,773 |
2019年7月期 (第二四半期) | 7,044 |
当期純利益 (損失)も堅調に推移
純利益(百万円) | |
2014年8月期 | 216 |
2015年8月期 | 63 |
2016年8月期 | 478 |
2017年1月期 | 207 |
2018年1月期 | 660 |
2019年1月期 | 770 |
2019年7月期 | 477 |
ダブルエーの当期純利益は一見すると波があるように見えますが大きなスパンで見た場合順調に右肩上がりに伸びていることがわかります。
気になる2019年度の経常利益は2Qで前年度の半分の経常利益を大幅に超過していることから、
今期も経常利益は順調に伸びていることがわかります。
1株あたり利益も当期純利益同様の推移になっています。
見てきたようにダブルエーの業績は順調に推移しているといえます。
ダブルエーの上位10位までの大株主とロックアップ情報
ロックアップとは、株式が公開された後に一定期間、市場で持株を売却することができないようにする制度のことです。
株主 | 保有比率 | ロックアップ情報 |
肖 俊偉 | 82.64% | 180日間 |
趙 陽 | 6.70% | 90日間 |
丁 蘊 | 4.93% | 180日間 |
PANG KWAN KIN | 2.96% | 90日間 |
中井 康代 | 0.49% | 180日間 |
劉 成 | 0.30% | 90日間 |
北岡 慧太 | 0.20% | - |
丹下 祐二 | 0.15% | - |
菅沼 匠 | 0.10% | 180日間 |
佐川 明生 | 0.10% |
ダブルエーの上位株式保有者は2名を除きロックアップ解除条件なしで90日間か180日間のロックアップが設定されています。
またダブルエーの大株主は社長である肖俊偉氏の保有割合がおよそ8割と非常に高くなっているうえに、
ロックアップの条件が180日間に設定されていることから売り圧力は比較的低い銘柄であるといってよいでしょう。
気になるダブルエーの初値予想!
ここでは編集部独自のダブルエーの初値予想を公開していきたいと思います。
ダブルエーの総合評価
<<ⅰ.ダブルエー購入のメリット>>
- IPOは上値抵抗がないため、株価が上がりやすい傾向がある
- ダブルエーの当選株式数は1,035,000株と比較的当たりやすいIPOであるため、当選確率が高く参加しやすい銘柄である
- 予想PERが28倍、PBRは3.5倍とマザーズのIPOにしては割安感があること
- 大株主の大部分にロックアップが設定されているため、売り圧力が低いこと
- 業績も順調に伸びてること
- 40万円台と値嵩株であるため、意外高も期待できること
<<ⅱ.ダブルエー購入のデメリット>>
- 人気の高くない小売セクターの案件であること
- 社長保有株式数がおよそ8割と多すぎるため、一部の鞍替えに支障をきたすこと
ダブルエーの初値予想
それでは重要なダブルエーの初値を予想していきたいと思います。
第二四半期のEPS120円から想定すると通期のEPSは240円となります。
株価はEPSとPERの掛け合わせで算出されます。
ダブルエーの競合のアパレル銘柄のPERは以下となります。
銘柄 | 市場 | PER |
三井松島HD | 東1 | 7.9 |
サンエー | 東1 | 22.4 |
アダストリア | 東1 | 20.6 |
パルHD | 東1 | 11 |
パレモ・HD | 東2 | 6 |
ハニーズHD | 東1 | 12 |
グンゼ | 東1 | 19.3 |
神栄 | 東1 | 19 |
ZOZO | 東1 | 33.9 |
富士紡HD | 東1 | 13.6 |
アゼアス | 東2 | 13.8 |
夢展望 | 東M | 20.4 |
平均PER | 16.66 |
平均PERは16.6倍ですので予想EPS240円と掛け合わせると4000円程度が妥当な水準となります。
まとめ
11月1日上場のダブルエー。
当選株式数もそこそこ多く参加しやすいIPOであるといえます。
しかし、人気化しにくい小売セクターであることから公募割れのリスクもないとは言い切れないため慎重に参加を検討すべき銘柄であるといえるでしょう。
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