株を始めるにも株式とは何かを理解しなければなりません。
以前のコンテンツでそもそも株とは何かを解説してきました。
企業は株をなぜ発行するのか、メリットは何かを理解した上で、次のステップは「株価」を理解することです。
メディアでは億万長者になったデイトレーダーに注目を浴びています。
しかし、デイトレーダーは株価を理解し、価格が動くメカニズムを独自の理論で把握しているからこそ、大きな利益を挙げているのです。
いわゆる、テクニカル分析を駆使しています。
資産運用を考える上で、伝統的な投資の一つである株式投資は非常にリターンが大きく、株価の理解が深まれば高いリターンを得ることが可能です。
まずは基礎を理解するために、今回は「そもそも株価とは何か?」「株価はどう決まっているのか?」という内容で解説していきたいと思います。
目次
Contents
1株あたりの株の価格(=株価)
株式市場における株価とは「1株あたりの」株の価格を意味しています。
株式会社が株を発行し、その発行された株を、投資家が売買を繰り返す中で「価格」が決定します。
これはモノの売買と同様「受給」で価格は決まるのと同様ですね。
例えば大きな家を1000万円で売りに出します。この時、1人も購入したい(需要)がない場合、値段すらつかず、時間が経てば廃墟になってしまいます。
しかし、10人の購入希望者が出た場合、オークション形式のように価格が上下動します。
株も同じで、100株しかは発行せず、1株100円で市場に出していても、
1株1000円で購入するという人が100人現れれば「株価」は急上昇していきます。
株価が上昇している状態は、将来的に「需要が増える」「企業業績がさらに良くなる」ことを予測して、投資家は株式購入を決断するのです。
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株価が高い企業銘柄=価値ある会社?
「株価が高い企業銘柄」は価値があるのでしょうか?
これは、一概にYESと言えるものではなく、リアルタイムの株価を見るだけでは企業の本来の価値は測れません。
例えば2019年2月18日時点ので任天堂の株価は29,675円、ソフトバンクグループは10,375円です。
任天堂が一概に価値が高い企業である、とは言い切れません。
ここで、当期純利益を比べてみます。
以下は2018/3期の任天堂の業績で、当期純利益は約1,396億円となっています。
一方、ソフトバンクの当期純利益は1兆390億円、これは任天堂の1,396億円の10倍近くがあります。
ソフトバンクの方が株価は低くても企業価値は高いのでしょうか?
さて、純利益を並べましたが、実は、これも全く意味のないことで、企業価値が直近の純利益で決まるはずがありません。
「企業の価値」とは非常に曖昧なもので、株価も「投資家が考える価値」であり、本来の価値を反映しているものではないのです。
株式投資をする際には、個人投資家は企業の財務諸表を読み込み、企業がさらなる成長をしていくことを予測する必要があります。
例えば、バリュー株投資という本来もっと評価されて株価が高いはずの企業を探し出し、「割安株」として投資をし、リターンを狙う手法もあります。
「株価」とは投資家が売買を繰り返した先に決まるもので、市場心理で動きます。
しかし、株価を予想するというのは非常に難しく戦略を考える必要があります。
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株価が上がると企業は儲かる?メリットは何か
株価が変動(上昇)するということは企業が発行した株を市場で投資家が売買を繰り返しているに過ぎませんので、
直接的には会社の利益にはなりません。
直接お金が入ってくる訳ではありませんが、間接的に社会的信頼は高まり取引が非常にスムーズに進むというメリットがあります。
また、その株主、例えば会社の創業者、役員やストックオプションを持っている社員などステークホルダー(利害関係者)は、
株価上昇時に株を売り抜けば利益を獲得が可能です。
上場株式公開時(IPO)に関しては、これらステークホルダーが自身の資産保全のために売り抜けをしてしまわないために、
通常はロックアップ期間が設けられます。
会社役員・大株主・ベンチャーキャピタルなどの公開前の会社の株主が、その株式が公開された後に一定期間、市場で持株を売却することができないよう公開前に契約を交わす制度のことをいう。
(引用:野村証券「ロックアップ(ろっくあっぷ)」)
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〜コラム〜時価総額とは?日本の時価総額ランキングを見てみよう
ここで少し箸休めに、日本の時価総額が高い企業を紹介していきます。
時価総額とはその企業銘柄が市場でどれほどの規模があるのかを見るものですが、
計算式としては「発行済み株式数×株価」となります。株価が計算式に入っていますね。
【時価総額=発行済み株式数×株価】
さて、ランキングを見ていきたいと思います。
(スマホは右スクロール可能です)
順位 | 証券 コード | 銘柄名 | 時価総額 (円) | 現在値(円) (時刻) | 前日比 (円) |
---|---|---|---|---|---|
1 | 7203 | トヨタ | 21,731,563,296,720 | 6,660 (9:46) | +5 |
2 | 9984 | SBG | 11,369,821,570,450 | 10,340 (9:46) | -35 |
3 | 9437 | NTTドコモ | 9,790,480,961,500 | 2,588.5 (9:46) | +0.5 |
4 | 9432 | NTT | 9,045,929,551,860 | 4,638 (9:46) | +15 |
5 | 8306 | 三菱UFJ | 7,972,410,544,316 | 583.3 (9:46) | -1.8 |
6 | 6861 | キーエンス | 7,636,721,277,600 | 62,800 (9:46) | +300 |
7 | 4502 | 武田 | 7,080,082,203,792 | 4,524 (9:46) | +16 |
8 | 9433 | KDDI | 6,826,283,983,720 | 2,696.0 (9:46) | +16.0 |
9 | 6758 | ソニー | 6,528,894,836,996 | 5,138 (9:46) | +58 |
10 | 9434 | SB | 6,402,806,664,875 | 1,337.5 (9:46) | +8.0 |
(引用:日経新聞「時価総額上位ランキング」※更新:2019/2/19 10:06)
日本の時価総額のトップはやはり、トヨタ自動車(約22兆円)です。
2位が上記でも触れました、「ソフトバンクグループ」(約11兆円)ですね。
1位と2位の間で10兆円程度の差がついており、トヨタ自動車の市場での評価が抜群に大きいことがわかります。
3位はNTTドコモ(約9.8兆円)となっており、昔ながらの自動車、通信産業が日本では評価されています。
対して、米国株の時価総額ランキングを見ると、マイクロソフト、アップル、アマゾンとテクノロジー関連銘柄が上位にいます。
日本とは対照的であることがわかります。
(スマホは右スクロール可能です)
順位 | 名称・ティッカー・市場 | 取引値 | 前日比・前日差 | 時価総額 |
---|---|---|---|---|
1 |
|
|
| 830,286,939千 |
2 |
|
|
| 803,578,018千 |
3 |
|
|
| 789,829,687千 |
4 |
|
|
| 429,706,384千 |
5 |
|
|
| 388,988,310千 |
6 |
|
|
| 387,649,265千 |
7 |
|
|
| 365,392,678千 |
8 |
|
|
| 345,629,658千 |
9 |
|
|
| 335,172,469千 |
10 |
|
|
| 328,833,570千 |
(引用:Yahooファイナンス「米国-時価総額ランキング」※最終更新日時:2019年2月16日)
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株価の見方・株価上昇と下降のメカニズム
株価の上下動は「売り手」と「買い手」の希望価格(受給)の「間」に落ち着きますが、「適正価格は市場が決める」という表現が使われたりもします。
基本的には、以下を理解していれば問題ありません。
- 買い手が10,000円で買いたい
- 売り手が10,000円で売りたい
- ==株価は10,000円
- 買い手が100円で買いたい
- 売り手が110円で買いたい
- 買い手が110円で仕方ない、と考えれば株価は110円になる
- 売り手が105円まで譲歩しよう、と考えれば株価は105円になる
どんなに優良企業でも、株価は永遠に上昇することは限りなく少なく、人気企業銘柄も停滞期を迎えるのが通常です。
企業は、「創業期」「成長期」「成熟期 or 拡大・発展」「衰退期 or 老舗企業」のサイクルを辿ります。
成長期は最も企業の株価が上昇する期間であり、グロース投資をしている投資家が投資に踏み切る時期です。
しかし、成熟期に差し掛かった企業は、新規事業を展開、若しくはその前に新しい事業への種まきがなされている必要があります。
堅実に事業を営みながら、未来への種まきをしつつ、二の矢、三の矢も考えている会社が、株価を維持し続けるのではないでしょうか。
長期投資を考えている方は投資先の企業が成熟期に差し掛かった時に備えて具体的な戦略を立てているのか株主総会などで情報収集すると良いでしょう。
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まとめ
今回は株価の概要を解説しました。
株式投資を行う上ではしっかりと企業の業績を分析し、市場でも株価が安いまま置き去りにされている割安銘柄を見つける。
または成長期に差し掛かり爆発的に市場で評価をあげる企業を探し出すことが重要です。
株式投資初心者の方は、まずは株・株価の仕組みを正確に理解した上で、少しずつリターンを大きくしていくことを目指していきましょう。
以上、株価とは?価格上昇は企業にとってどのようなメリットがあるのか、概要とその見方を簡単に解説。…の話題でした。
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