【4494】VCの換金目的!?東証2部小型案件のバリオセキュアの初値を予想!

バリオセキュアの初値を予想

バリオセキュア(4494)の上場日は3/30(月)で、上場市場は東証2部となります。

主幹事は野村證券で、IPOの申し込み期間(BB期間)は3月11日(水)~3月17日(火)となっています。

 

今回はバリオセキュアとはどのような企業なのかを目論見書を基に、事業内容や業績をチェックしながら詳しくご紹介していきたいと思います。

また、バリオセキュアの気になる初値予想やIPOでの購入情報もご紹介していきます。

 

バリオセキュアのIPOスケジュール

バリオセキュアの主幹事は国内最大手の野村證券です。

上場規模は、想定時価総額77.5億円、吸収金額65.1億円程度と、東証2部では中型の部類に入ります。

ブックビルディング期間3月11日(水)~3月17日(火)
市場東証2部
公募価格決定3月18日(水)
購入申し込み期間3月19日(木)~3月25日(水)
上場予定3月30日(月)
当選株式数公募0株、売り出し1,455,000株、オーバーアロットメント218,200株
想定価格1,700円
仮条件価格
公募価格

 

バリオセキュアの各証券会社の割当

それでは、バリオセキュアの引受証券会社及び引受シェアを確認していきたいと思います。引受シェアは以下のとおりです。

証券会社株数割当率
野村證券2,355,20086.5%
SMBC日興証券81,6003.0%
大和証券81,6003.0%
いちよし証券54,4002.0%
みずほ証券27,2001.0%
岡三証券27,2001.0%
岩井コスモ証券27,2001.0%
SBI証券27,2001.0%
楽天証券27,2001.0%
マネックス証券13,6000.5%

バリオセキュアの事業内容

バリオセキュアの基本スペックは以下のとおりです。

社名バリオセキュア株式会社
コード番号4494(東証2部)
設立2001年6月21日
資本金310百万円
本社所在地東京都千代田区神田錦町1-6 住友商事錦町ビル5F
代表者代表取締役社長 稲見 吉彦
従業員数70人
事業内容ネットワークセキュリティ機器と独自監視システムによる運用、監視、サポートサービスの提供。ネットワークセキュリティ機器販売、ならびにネットワーク機器の調達、構築によるインテグレーションサービスの提供

 

バリオセキュアの事業内容

バリオセキュアは、ネットワークセキュリティ機器と独自監視システムによる運用、監視、サポートサービスを提供しています。

また、ネットワークセキュリティ機器販売並びにネットワーク機器の調達、構築によるインテグレーションサービスの提供にも従事しています。

主な事業は以下のとおりです。

 

  • VSRを利用した統合型インターネットセキュリティサービス
  • データのバックアップサービス(VDaP)
  • 中小企業向け統合セキュリティ機器(UTM)であるVCR(Vario Communicate Router)の販売とネットワーク機器の調達や構築を行うネットワークインテグレーションサービス

 

同社は、セキュリティサービスで利用する機器の調達、機器にインストールする基幹ソフトウエアの開発、機器の設置/設定、機器設置後の監視・運用までをワンストップで行っています。

 

故に、エンドユーザーは機器の選定や運用サービスを個別に検討する必要がなく、手間がかからずにサービスを利用することが可能となります。

またワンストップでサービスを提供しているため、問題が発生した際に原因の究明と対応が行い易く、

エンドユーザーは問い合わせやトラブルに対して迅速にサポートを提供することが可能です。

 

バリオセキュアの上場理由は?上場による資金調達の目的を探る

バリオセキュアは上場することにより手数料を引いた手取り金額で650百万円程度の資金を獲得します。

再上場により資金調達手法を多様化するとのことです。

そもそも、同社は投資目的で設立された会社ですので投資家から見ればマイナス要素がやや多くなっています。

株式の90%程度をVCが保有しており、且つ再上場案件ということで、VCの換金目的である可能性が非常に高いです。

 

目論見書から見るバリオセキュアの売上高と利益推移

本項目では、バリオセキュアの業績を分析していきたいと思います。

売上高の推移

 売上高(千円)
2016年2月期
2017年2月期1,056,138
2018年2月期2,226,157
2019年2月期2,299,255
2019年11月1,880,298

 

上記のとおり、同社の売上高は堅調に上昇していることがわかります。

2020年3月期は、2019年11月までの数値を4/3倍すると2,507,054千円程度の売り上げが見込まれます。

前年比若干のプラスとなりそうです。

 

経常利益の推移

 経常利益(千円)
2016年2月期-320
2017年2月期119,381
2018年2月期507,797
2019年2月期443,621
2019年11月413,218

 

経常利益も、一時落ち込んだものの売上高同様安定的に推移しています。

2020年2月期は、このままのペースで推移すれば550,957千円となる見込みです。

 

EPSの推移

 EPS(円)
2016年2月期-17.49
2017年2月期9.07
2018年2月期73.94
2019年2月期63.17
2019年11月60.77

 

EPSもおおむね堅調に推移しています。

2020年2月期も、このままのペースで推移すれば前年比プラスの見込みです。

 

バリオセキュアの上位10位までの大株主とロックアップ情報

株主名保有比率ロックアップ情報
アイ・シグマ事業支援ファンド2号
投資事業有限責任組合
91.02%90日間
1.5倍
稲見 吉彦(社長)2.19%90日間
山森 郷司0.45%90日間
亀松 節子0.39%90日間
梶浦 靖史0.39%90日間
市瀬 敦彦0.38%90日間
バレス ティモシー0.32%90日間
池田 毅0.26%90日間
伊藤 英明0.26%90日間
佐々木 大祐0.26%90日間

 

ロックアップとは、株式が公開された後に一定期間、市場で持株を売却することができないようにする制度のことです。

上位株主には軒並みロックアップが付されています。

上位株主にベンチャーキャピタル等が名を連ねています。

また、同社の株式の大半をVCが保有しており、上場時の売り圧力は大きくなります。

 

バリオセキュアの初値予想

ここでは編集部独自のバリオセキュアの初値予想を公開していきたいと思います。

バリオセキュアの総合評価

 

バリオセキュア購入のメリット

  • 業績面は安定している
  • 人気の高い業種である
  • 主幹事が野村證券である

 

バリオセキュア購入のデメリット

  • 業績が悪化した場合株価が急落する可能性がある
  • VCの換金目的による上場である
  • 同日にNextOneとニッソウの上場が控えており、相対的に注目度が低い
  • 再上場案件であり、投資家の印象が悪い
  • 株式市場の地合いが悪い

 

バリオセキュアの初値予想は1,963

バリオセキュアのEPSは2018年2月末時点で73.94、2019年2月末時点で63.17、2019年11月末時点で60.77でした。

バリオセキュアの競合として考えられる上場企業として、情報セキュリティ機器の製造販売に従事する企業であるトレンドマイクロ、デジタルアーツ、イー・ガーディアン等が考えられます。

競合他社のPERを用いて同社のEPSから推定株価を算出します。

 

企業名PER
トレンドマイクロ25.84
デジタルアーツ47.38
イー・ガーディアン17.93
サクサホールディングス8.51
セキュアヴェイル35.34

 

バリオセキュアの直近の業績を鑑み、上記のうちPERは競合5社の平均値である27.00倍を用いることとします。

EPSは、同社の2017年3月期から2020年3月期までの平均値である72.71を用いることとします。

2020年2月期の想定EPSは、2019年11月末日時点のEPSである60.77を4/3倍した81.03を用います。

 

以上より、想定初値は、PER27.00倍×EPS72.71=1,963円程度となります。

 

ただし、上記想定はあくまでも相場環境が良好である場合です。

現状、米国を中心に株式市場が大幅に下落しているため、初値を下回る可能性も相応に存在します。

まとめ

3月30日上場のバリオセキュアですが、業績や利益水準も安定的に推移している点で評価できます。

一方、3月30日はNexOneとニッソウの3社同時上場であり、その中で同社は最もマイナス要素を多く含んでいる銘柄です。

取引には十分に注意したほうが良いと考えます。

 

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2020年2月2日

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マネリテ!編集部は東京大学経済学部卒の証券アナリストを中心とした金融知識が豊富なメンバーが株式投資初心者に向けて有益な情報を提供しています。株式投資を行う意義から基本用語、おすすめのネット証券・投資先情報をお伝えするメディアです。日本人の金融リテラシーの向上と明るい未来を目指しています。