偉人のポートフォリオシリーズです。
前回2020年3月末時点での「ウォーレン・バフェット」と「レイ・ダリオ」のポートフォリオについてお伝えしました。
本日は最新の2020年6月末時点のポートフォリオについて、前回からどう変わったのかという点を含めてお伝えしていきます。
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コロナショックを克服するも近年はS&P500指数と同等の成績
まずはバフェットの近年の運用パフォーマンスを見ていきたいと思います。
近年の運用リターンはS&P500指数と同等
以下はバフェットのポートフォリオの成績とS&P500指数の成績を比較した図です。
青:バフェットポートフォリオ
紫:S&P500指数
過去10年の成績をS&P500指数と比較したものが以下となります。
やはり、殆どこの10年間は市場平均と同様の成績となってしまっていますね。
バークシャー (バフェットポートフォリオ) | S&P500 | 超過リターン | |
2010年 | 21.4% | 15.1% | +6.3% |
2011年 | -4.7% | 2.1% | -6.8% |
2012年 | 16.8% | 16.0% | +0.8% |
2013年 | 32.7% | 32.4% | +0.3% |
2014年 | 27.0% | 13.7% | +13.3% |
2015年 | -12.5% | 1.4% | -13.9% |
2016年 | 23.4% | 12.0% | 11.4% |
2017年 | 21.9% | 21.8% | 0.1% |
2018年 | 2.8% | -4.4% | 7.2% |
2019年 | 11.0% | 31.5% | -20.5% |
高いキャッシュ比率が全体運用パフォーマンスを押し下げている
現在のバフェットのキャッシュ比率は直近2020年2Qのバランスシートを見る限りは約30%となっています。
キャッシュ比率が高いため、全体のパフォーマンスが以前ほど高くなってきているとみることもできます。
2019年12末に比べて現金比率が上昇していることが読み取れますね。
バフェット氏も不透明な環境の中で相当程度のキャッシュを積み増して機会を狙っているとみることもできます。
アップルだけで約45%!?「ウォーレンバフェット」のポートフォリオ
以下はバフェットの2020年6末時点でのポートフォリオです。
S&P500指数を凌駕する成績を叩き出したのは、アップルへの集中投資が功を奏しているからといえそうですね。
銘柄名 | Ticker | 2020年6末 構成比率 |
アップル | AAPL | 44.2% |
バンクオブアメリカ | BAC | 10.9% |
コカコーラ | KO | 8.8% |
アメリカンエクスプレス | AXP | 7.1% |
ウェルスファーゴ | WFC | 3.0% |
クラフトハインツ | KHC | 5.1% |
ムーディーズ | MCO | 3.3% |
JPモルガン | JPM | 1.0% |
US Bancorp | USB | 2.4% |
DAaVita Inc. | DVA | 1.5% |
ニューヨークメロン銀行 | BK | 1.4% |
Charter Communication | CHTR | 1.3% |
VeriSign Inc | VRSN | 1.3% |
ビザ | V | 1.0% |
General Motor | GM | 0.9% |
Liberty Media Corp Delaware | LSXMK | 0.7% |
マスターカード | MA | 0.7% |
アマゾン | AMZN | 0.7% |
コストコ | COST | 0.6% |
The Kroger Co. | KR | 0.4% |
その他 | 3.7% |
因みに1位のアップルには約900億ドル、つまり約9.5兆円の規模で投資をおこなっています。
ただ、アップルの時価総額は約2兆ドルのためバフェットの投資額でも全体の4.5%という規模になりますね。
更に7月以降もアップルは株価が上昇していっているため、投資比率は50%近くになっていることが想定されます。
殆ど、アップルのおかげでリターンが引き上げられているということができますね。
2020年3末時点でのポートフォリオと比較!銀行株の比率が減少
バフェットの思考を覗くためには、過去のポートフォリオと比較する必要があります。
以下はバフェットの2020年3月末と2020年6月末のポートフォリオの構成比率を比較したものです。
銘柄名 | 2020年6末 構成比率 | 2020年3末 構成比率 | 6月末 – 3月末 |
アップル | 44.2% | 35.50% | +8.70% |
バンクオブアメリカ | 10.9% | 11.20% | ▲0.30% |
コカコーラ | 8.8% | 10.10% | ▲1.30% |
アメリカンエクスプレス | 7.1% | 7.40% | ▲0.30% |
ウェルスファーゴ | 3.0% | 5.30% | ▲2.30% |
クラフトハインツ | 5.1% | 4.60% | +0.50% |
ムーディーズ | 3.3% | 3.00% | +0.30% |
JPモルガン | 1.0% | 3.00% | ▲2.00% |
US Bancorp | 2.4% | 2.60% | ▲0.20% |
DAaVita Inc. | 1.5% | 1.70% | ▲0.20% |
ニューヨークメロン銀行 | 1.4% | 1.50% | ▲0.10% |
Charter Communication | 1.3% | 1.30% | 0.00% |
VeriSign Inc | 1.3% | 1.30% | 0.00% |
デルタ航空 | 0.0% | 1.20% | ▲1.20% |
サウスウェスト航空 | 0.0% | 1.10% | ▲1.10% |
ビザ | 1.0% | 1.00% | 0.00% |
General Motor | 0.9% | 0.90% | 0.00% |
Liberty Media Corp Delaware | 0.7% | 0.00% | +0.70% |
コストコ | 0.6% | 0.70% | ▲0.10% |
マスターカード | 0.7% | 0.70% | 0.00% |
アマゾン | 0.7% | 0.60% | +0.10% |
The Kroger Co. | 0.4% | 0.00% | +0.40% |
その他 | 3.7% | 5.30% | 5.30% |
やはり象徴的なのは長年投資してきた金融株の比率を低めたことといえそうですね。
【ニューヨーク=宮本岳則】著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる米バークシャー・ハザウェイが米銀行株への投資を減らしている。14日開示した資料によるとJPモルガン・チェース株を一部売却したほか、ゴールドマン・サックスの保有もゼロになった。景気の落ち込みと金融緩和の長期化観測で、事業環境の先行きを厳しくみている可能性がある。
まとめ
- コロナショックを克服して最高値を更新している
- ただ、近年はリターンはS&P500指数と同様の成績となっている
- 約30%の高いキャッシュ比率となっている
- ポートフォリオはアップルのみで約45%をしめる
- 上位4銘柄で70%の投資比率
- 航空株を全処分し、銀行株の投資比率も下げている
- 注目されている金鉱株の投資比率は僅か0.3%