投資家心理が変化するきっかけは?各経済指標から株を売買するタイミングを掴もう。

投資家心理が変化するきっかけは?各経済指標から株を売買するタイミングを掴もう。

投資に関するニュースを見ていると「投資家心理」という言葉を聞くことがあると思います。

例えば、以前に「米カーネマン氏が公表「プロスペクト理論」とは?投資家心理を理解してトレードに向き合おう。」でも投資家心理については触れました。

 

この投資家心理の良し悪しによって売買は左右され、良化すれば商品に買いが集まり、悪化すれば売られてしまいます。

家三郎
株の本当の価値よりも、心理状態で価格がブレることがあるということじゃな。

 

私たちはこの投資家心理の変化を意識する機会は多いですが、一体どのような時に投資家心理は変化するのでしょうか。

ここでは投資家心理が変化するきっかけについて紹介してみたいと思います。

目次

投資家心理を読むことの重要性

投資家の方たちは何となく売買をするかどうかを決めているわけではありません。

何らかのきっかけによって投資家の心理状態は変化し、それが売買にも影響していきます。

家三郎
一部にはなんとなく売買している投資家もおるが、それは置いといてじゃな。

 

投資家の心理状態が良ければ投資家たちは商品を買おうと思いやすくなりますし、悪ければ売りたいと思いやすくなります。

そのため大勢の投資家心理が良くなると投資商品の価格は上昇します。

その影響で本来魅力的ではない商品にも買いが集まることがあります。

 

反対に投資家心理が悪化すれば価格の急落が起きたり、売りが他の商品に波及したりすることもあります。

株取引はしっかりとした理論に基づいたファンダメンタル分析やテクニカル分析をもとに分析していくことが重要です。

 

テクニカル分析に必要なローソク足の見方も学んでおく必要があるでしょう。

しかし、それだけではなく、投資家の心理分析も実は非常に重要なのです。

家三郎
すなわち投資家心理を読む事が出来ると利益を生みやすく、損失は生みにくくなるということじゃな。

 

心理というと目で見えにくいもので、簡単に読むのは難しい、と思いますよね。

しかし、実は、投資家心理はいくつかの目に見えるきっかけによって変化するものなのです。

 

そのきっかけを見つけてしまえば投資家心理は予想することが可能です。

次からは具体的に投資家心理が変化するきっかけをいくつか紹介してみたいと思います。

 

 

 

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投資家心理が変化するきっかけ

投資家心理が変化するきっかけにはいくつかあります。

家三郎
ここからは投資家心理が変化するきっかけになる出来事を例を交えて紹介していくぞよ。

 

ここで紹介するものが全てではありません。

しかし、これらの出来事が起きた時は注意する必要があるでしょう。

 

チャート

例えば、日経平均株価やTOPIXのような株価指標が一本調子でずっと下がり続けているチャートだった場合とします。

下降チャート

 

みなさんはどのような印象を持つでしょうか?

 

「ずっと下がり続けているのだから、これからも下がり続けるかもしれない」

 

こう思った方は多いはずです。

これからも株価が下がると予想されているため、株を購入しようと考える投資家も少なく、さらに株価が下がり続ける、ということがあります。

 

家三郎
では一本調子で下げ続けていたチャートが上昇を始めたらどう思うじゃろうか?

 

チャート上昇

 

「もしかするとこれから上昇に転じるかもしれない」

こう思う方もいると思います。

 

こういったタイミングで投資家心理が改善することがあります。

チャートのテクニカル分析で多くの人が知っているトレンドブレイクのような出来事が起きた場合に特に改善しやすいです。

 

チャートの基本的な分析手法を学んでおくと、株価の変動のきっかけに気付きやすくなるのではないでしょうか。

 

経済指標

GDPや失業率のような経済指標も投資家心理に変化を与えるきっかけになります。

 

経済指標には様々なものがあり、小売販売額や鉱工業生産など国全体の数字だけでなく特定の業種に関する指標もあります。

家三郎
こういった経済指標の数字が予想されていたものよりも良かった場合、投資家心理は良くなり買い意欲が高まることが多いのじゃ。

 

経済指標の上下

 

注意しなければならないのは、予想されていた数字と比べて良かったのか悪かったのか。

これをチェックしなければならないということです。

 

仮に失業率が1%だったと発表されたとします。

これはとても良い数字ですが、もし全員が失業率は1%だと予想していた場合には何も変化はありません。

ですがそんな時に失業率が5%だったと発表されてしまったら、投資家心理は大幅に悪化するでしょう。

 

家三郎
予想と比べてどの程度違っていたのかによって投資家心理は変化するのじゃ。

 

国の金融政策

国の政策によって投資家心理は大きく変化します。

アベノミクスはその代表的なものでしょう。

 

2012年の安倍内閣発足前は日経平均株価は1万円にも満たなかった状況でした。

しかし、政策導入後、日経平均株価は積極的な財政出動により投資家心理が好転。

 

家三郎
その結果、2015年に2万円を超え、2019年現在も2万円以上を維持しとるのぅ。

 

反対に景気が過熱しすぎていると政府が判断した場合は金融引き締めが行われ、そういった政策がとられると投資家は落ち着きを取り戻します。

 

一般的に「金利が下がる」と「株価が上昇」しやすいと言われています。

政府は不況を引き起こそうとは思って政策をとることはありません。

 

しかし、政策は投資家心理を大きく変化させるほどの影響力を持つという事は間違いありません。

 

金融危機、災害など

投資をする際に金融危機や災害などは最も注意しなければならない事のひとつです。

2011年の東日本大震災が発生した時は、地震直後こそそれほど株価には大きな影響はありませんでした。

 

家三郎
しかし、週明けの市場は大荒れとなったのじゃ。

 

株式市場ではほとんどの銘柄が大幅安となり、取引が成立しないままストップ安に張り付く銘柄も多数ありました。

 

株価暴落

 

2008年のリーマンショック時も同様で、災害や金融危機によって投資家心理が一気に冷え切ることがあります。

 

こういった出来事の影響で企業の業績が悪くなったり、景気の回復が遅れたりするのではないかと投資家が予想した場合、投資家はもちろん買いを控えます。

 

景気回復のなんらかのきっかけを見つけることが出来ない限り、投資家心理の落ち込みは改善しません。

長く不景気が続いてしまうということになります。

家三郎
そのため金融危機や大規模な災害が起きた時は、投資家心理の落ち込みに特に注意する必要があるのじゃ。

 

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2019年6月3日

 

企業業績

企業の業績が悪いとその企業の株が買われなくなるというのは想像しやすいと思います。

しかしそれだけで済めば良いですが、関連企業や同業種の銘柄も買われなくなることもあります。

それが市場全体へ影響するということもあり得ない事ではありません。

 

例えば自動車メーカーの決算が良くなかったとします。

すると、その自動車メーカーの部品を作っている企業も業績が良くないだろうと予想され、投資家は部品メーカーの株を買うのを控えようとすることがあります。

 

もし業績の悪い自動車メーカーが日本を代表する企業だったとしたら、ほかの自動車メーカーはもちろん、他の業種も売り上げが悪い可能性があると予想される事もあります。

 

投資先とは関係のない企業でも投資家の心理状態が変化する可能性があるという事を頭のどこかに入れておいても損はないのではないでしょうか。

 

企業の悪材料が出た時に「買い」に転じるとしているのが、世界の投資家ウォーレン・バフェット氏ですが、詳しくは「ウォーレン・バフェットが考える株式銘柄の買い時(タイミング)を株価サイクルの上昇・下落・調整などの局面から解説。」で紹介していますので参考にしてみてくださいね。

 

特需

特需も投資家心理を良化させるきっかけになります。

2020年に東京オリンピックが開催されることが決まった直後は五輪関連銘柄が買われ、市場へ好影響を与えた事で投資家心理も改善されました。

 

このような特需は頻繁に起きることではありませんし、長続きするものではありませんが、投資家心理を改善するには十分な影響を持つことが多いです。

 

秀次郎
オリンピックは楽しみじゃのぅ!!
家三郎
・・・。

 

他にも注目の業種やテーマが盛り上がる小規模なバブル景気のような出来事は年に何度かあり、そういったものも投資家心理を良くするきっかけになります。

 

景気に左右される株式については「ディフェンシブ銘柄(景気鈍感株)とは?メリット・デメリットから『おすすめ銘柄』まで徹底解説。」でも紹介していますので参考にしてみてくださいね。

 

 

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投資家心理を知るために知っておきたい基礎知識

株取引は、投資家の心理の動きに深くかかわってきます。

ここでは、投資家の心理を知る際に知っておくとよい基礎知識をご説明します。

 

追認バイアス

株取引は、株価に関する様々な情報を多角的に判断して状況を把握しなければなりません。

しかし、明確な投資方針を持たない人は、自分の投資の行動に対して肯定的な情報しか見えなくなりがちです。

これを「追認バイアス」と呼びます。

 

プロスペクト理論

人間には、無意識のうちに損失を回避するためにリスクをとりたがるという心理があり、それを「プロスペクト理論」と言います。

株取引で利益を得ることがわかっているなら早めに確定しますが、同じ額の損失を被ってしまうとその損失を取り戻すまで待ってしまいます。

 

これにより、さらに大きなリスクを背負う可能性が高くなります。

 

アンカリング効果

過去の株価から現在の株価状況を判断し、この判断材料を使って思い込みで取引してしまうことを指します。

実際は、過去の株価と現在の株価、そして、未来の株価には関連がないはずです。

 

例えば、株価が二倍に跳ね上がっている銘柄があった場合、株価が上がりすぎているためにこれ以上は上がらないと決めつけてしまうなども、「アンカリング効果」によるものです。

 

所有効果

せっかく購入した株だからと愛着が湧いてしまい、なかなか手放せなくなってしまう心理です。

愛着が湧いて株を手放さなかった結果、株価が下がってしまい損失を出すこともあります。

 

ギャンブラーの誤謬

誤謬とは勘違いのことです。

 

例えば、コインを投げて5回連続表だったら次は裏が出るなどと考えてしまうことがあります。

しかし、実際は何回投げても表か裏が出る確率は二分の一です。

 

次は絶対に裏、などということはあり得ないのです。

株価が上がり続けているからそろそろ下がるだろうという考えは、典型的な「ギャンブラーの誤謬」です。

 

 

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まとめ

投資家心理はちょっとした出来事でもすぐに良化したり悪化したりします。

投資家心理が変化する小さなきっかけを見つけるのは簡単ではありません。

 

まずは様々な経済指標をチェックする癖をつけ、大きなきっかけに気付けるようになることから始めてみてはいかがでしょうか。

 

こういったきっかけを見つけられるようになる事が投資でのリターンに大きく影響を与えるので、しっかりと意識できるようになることをおすすめします。

 

 

以上、投資家心理が変化するきっかけは?各経済指標から株を売買するタイミングを掴もう。…の話題でした。

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マネリテ!編集部は東京大学経済学部卒の証券アナリストを中心とした金融知識が豊富なメンバーが株式投資初心者に向けて有益な情報を提供しています。株式投資を行う意義から基本用語、おすすめのネット証券・投資先情報をお伝えするメディアです。日本人の金融リテラシーの向上と明るい未来を目指しています。