ディフェンシブ銘柄(景気鈍感株)とは?投資するメリット・デメリットから「おすすめ銘柄」まで徹底解説。

ディフェンシブ銘柄(景気鈍感株)とは?メリット・デメリットから「おすすめ銘柄」まで徹底解説。

ディフェンシブ銘柄」という言葉を聞いたことがありますでしょうか?

秀次郎
何かを『ディフェンス』つまり守っているのですか?
信太郎
直訳すると『防衛的銘柄』になるが、日本語では景気鈍感株といわれておるぞ。

つまり、ディフェンシブ銘柄というのは景気によって激しく上下動しない銘柄ということになります。

一方、景気によって価格が上下動する銘柄群を反対にシクリカル銘柄(=景気敏感株)と呼ばれています。

 

本日は以下2点について、について具体的な銘柄に触れながらお伝えしていきたいと思います。

  • ディフェンシブ銘柄はどのような業種に多く存在しているのか?
  • ディフェンシブ銘柄のメリットとデメリット

ディフェンシブ銘柄とは?景気鈍感株が存在する業種を紐解く

ディフェンシブ銘柄は最初にお伝えした通り、景気によって業績の上下動がすくなく株価も影響を受けにくい銘柄です。

秀次郎
ではディフェンシブ銘柄はどのような業種に多く存在しているのですか?
信太郎
景気に鈍感ということはいつでも一定の需要があるということの裏返しじゃ。つまり、インフラ、食料品、通信業界がデフェンシブ銘柄群となってくるな。

以下は日経新聞が上場企業について業種毎に分類したものです。

日経平均が分類した上場企業の業種

(引用:日本経済新聞)

 

赤枠で囲った以下の業種に多くディフェンシブ銘柄が存在する傾向にあります。

デフェンシブ業種代表的銘柄
鉄道・バス<9022> JR東海
<9020> JR東日本
<9033> 広島電鉄
通信<9344> NTTドコモ
<9433> KDDI
電力<9501> 東京電力
<9503> 関西電力

<9502> 中部電力
ガス<9531> 東京ガス
<9532> 大阪ガス
食品<2801> キッコーマン
<2809> キューピー
医薬品<4519> 中外製薬
<4502> 武田薬品工業 

 

例えば、鉄道であれば通勤通学は景気に関係なく発生しますし、通信も景気が悪くなったから携帯持つの辞めようとはなりません。

電力やガスも景気が悪いからといって解約することは不可能です。

一方のシクリカル銘柄は景気に敏感に反応する、鉄鋼、自動車、化学品、紙パルプ等の業種に多く存在しています。

景気が悪い時に車を買う人は少ないですし、結果的に原材料の業界にも影響がでますからね。

▶︎ シクリカル銘柄(=景気敏感株)とは?ディフェンシブ銘柄との比較から『おすすめ銘柄』まで解説。

 

ではディフェンシブ銘柄のメリットとデメリットについて触れていきたいと思います。

ディフェンシブ銘柄のメリット

ディフェンシブ銘柄のメリットについて詳しく掘り下げていきたいと思います。

株式市場軟調時の下落体制の強さ

ディフェンシブ銘柄の最大のメリットは市場に連動しない下落体制の強さです。

ではまず先ほどの代表銘柄と日経平均の動きを市場全体が軟調に推移した2018年を例に比較していきましょう。

以下は2018年10月から2019年4月末までの日経平均株価とデイフェンシブ銘柄の値動きの比較です。

9022:JR東海
9502:中部電力
9531:東京ガス
4519:中外製薬
N225 : 日経平均

日経平均とディフェンシブ銘柄の2018年10月から半年間の値動きの比較

Yahoo Financeより編集部作成

信太郎
特に記憶に新しい2018年12月の市場暴落局面においてディフェンシブ銘柄の下落率は日経平均株価を下回っておるな。
秀次郎
景気の先行き見通しが不透明という局面においてはディフェンシブ株の強みが発揮されるということですね!

高くはないが安定した配当金

二つ目は安定した配当金が見込めることです。

信太郎
サルよ。そもそも配当金というのは何故発生すると思う?
秀次郎
当然企業が稼いだ利益からなんではないですか?
信太郎
その通りじゃ。よって利益が右往左往するような企業では配当金が安定しにくいのじゃ。

企業は基本的には事業や投資によって稼いだ『お金』の中から株主還元として実施されます。

順調にキャッシュを稼いだとしても、成長企業では配当金を出さない企業が多く存在します。

成長著しい企業では既存事業の拡張や新たな事業へ投資をして利益を伸ばすことが結果的に株価の上昇で株主に還元できるからです。

一方、ディフェンシブ銘柄は鉄道や電気、ガスといった新たな投資が必要ではない企業が多いので、株主還元として配当を実施する傾向にあります。

デフェンシブ銘柄は核となる事業から安定的にキャッシュを創出できるので、安定した配当金を受け取ることが出来るというメリットがあります。

以前米国株で50年以上連続配当金をだしているP&Gも日用必需品を売っているのでディフェンシブ銘柄ですね。

▶︎ 【アメリカ株】米国株投資の魅力と個別株・ETFの注目銘柄をわかりやすく解説!おすすめの証券会社はどこなのか?

秀次郎
では、やはりディフェンシブ銘柄の配当利回りは高いのですか?
信太郎
ディフェンシブ銘柄の配当利回り自体は高くないのじゃ。次の項で詳しくふれてゆくぞ。

ではディフェンシブ銘柄のデメリットについて触れていきましょう。

ディフェンシブ銘柄のデメリット

ディフェンシブ銘柄はメリットだけでなくデメリットもあります。

信太郎
殆どがメリットの裏返しのようなものじゃがな。

市場平均が好調な時に相対的に上昇率が低い

景気鈍感株は市場下落局面では下落耐性が確かに強いです。

しかし、反対に市場好調又は回復局面では市場平均に対して出遅れる傾向にあることも同時に意味しているのです。

9022:JR東海
9502:中部電力
9531:東京ガス
4519:中外製薬
N225 : 日経平均

市場復調時に軟調なディフェンシブ銘柄

一方シクリカル銘柄は市場下落からの回復局面では力強い動きをしていますね。

7203:トヨタ自動車
7267:ホンダ
6701:NEC
4183:三井化学
N225 : 日経平均

シクリカル銘柄の0市場回復局面での力強い動き

株価が好調になる見通しを持っているのであれば、俄然シクリカル銘柄を保有した方が高い成績を得ることができるのです。

▶︎ 【2019年株式相場見通し】米国を中心に堅調な推移が見込まれる株式市場。日経平均は25,000円を目指せるのか?

配当利回りが高いわけではない

先ほどメリットの項目でディフェンシブ銘柄はキャッシュが安定的に創出できて成長企業ではないので配当金が安定しているとお伝えしました。

しかし、ディフェンシブ銘柄は配当利回りが高いかといわれると特段高いわけではありません。

以下は先ほどディフェンシブ銘柄として取り上げた代表的銘柄の配当利回りです。

デフェンシブ業種代表的銘柄と配当利回り(2019年4月末)
鉄道・バスJR東海:0.62%
JR東日本:1.57%
広島電鉄:0.72%
通信NTTドコモ:4.56%
KDDI:3.93%
電力関西電力:3.71%
中部電:2.78%
ガス東京ガス:1.94%
大阪ガス:2.43%
食品キッコーマン:0.81%
キューピー:1.75%
医薬品中外製薬:1.36%
武田薬品工業 :4.37%
信太郎
確かにNTTドコモや武田薬品工業は高いが、シクリカル銘柄の日産自動車は6%あるからの。

東証一部の配当利回りランキングでは上位40位まで利回り5%を上回っています。

ディフェンシブ銘柄の配当利回りは高いとは言えないことがご理解頂けるかと思います。

秀次郎
あくまで、無配になる可能性が低いということに留まるわけですな。

それでは、投資妙味のあるおすすめディフェンシブ銘柄についてお伝えしていきたいと思います。

おすすめのディフェンシブ銘柄『東京電力』

秀次郎
ディフェンシブ銘柄の中で殿がおすすめする銘柄は何があるんですか?
信太郎
ワシのおすすめ銘柄は意外かもしれないが『東京電力』じゃ!!

意外に思われた方も多いでしょうが、東京電力は福島の原発事故以降も収益力は落ちていませんが株価は急落しており非常に魅力的な水準になっています。

東京電力について深く分析していきたいと思います。

東京電力の売上と利益推移

東京電力の過去10年分の売上営業利益当期純利益の推移です。

当期純利益は2011年の東日本大震災から2013年までは賠償金等でマイナスでしたが、その後はプラス圏に戻ってきています。

信太郎
直近2018年と2019年の当期利益の水準であれば、最早リーマンショックと同じ水準になっておるな!
東京電力の売上高、営業利益、経常利益、純利益

売上高を見ていただければわかるのですが、東京電力が大事故を起こしたとしても電気は生活に必要不可欠なので10年間横ばいを保っています。

更に日本は人口減少国家ですが東京に限定すると2025年程度まで人口は増加しその後の減少も緩やかになっています。

秀次郎
人口が増えれば当然電気料収入もふえますからね!
2025年位まで伸び続ける東京の人口

東京都総務局

更に今後インフレが発生したとしても、電気量を値上げすることで収益を伸ばすことができますのでインフレにも強いというメリットもあります。

▶︎ 日本のハイパーインフレの可能性と対策を徹底解説!

危機的な状況を脱したバランスシート

今後東京電力が賠償関係で倒産することがあり得るのではないかと思われている方もいるのではないでしょうか。

信太郎
しかしな、バランスシートを見る限り健全さを取り戻しておるぞ。

以下は2019年3月末時点での最新の東京電力のバランスシートです。

東京電力のバランスシート(東京電力決算資料より編集部作成)

通常の企業からすると約3兆円の純資産に対して約10兆円の負債となっています。

しかし、ドン底期だった2012年3月末のバランスシートが1.6兆円の純資産に対して13.6兆円の負債であったことから考えると大きな改善が見られます。

2012年3月期の東京電力のバランスシート(東京電力2012年3月期決算資料より編集部作成)

信太郎
やはり電力収入が安定して入ってくるからな。時間が経過するにつれて東京電力のバランスシートは安定感を増していくのじゃ。

更に東京電力は従業員数も東日本大震災発生当時の38,000人から31,000人に減らしており、費用も削減し企業努力を重ねています。

自己資本比率は東日本大震災はおろか、リーマンショックの前の水準よりも高くなっています。

東京電力の自己資本比率
秀次郎
倒産または上場廃止の心配は現状考えなくて良さそうですね!

異常に割安な株価水準

PLもBSも以前の水準に戻ってきていますが、株価の方は低迷から抜け出せておりません。

株価は下値を切り上げてはいるものの、依然として以前の5分の1程度に低迷しています。

東京電力の10年間の株価
信太郎
あまりにも安すぎるので2018年の日経平均が20%近く下落する中でも寧ろ上昇しておるな。

EPSが以前の水準まで戻ってきているにも関わらず、株価は5分の1なのでPERは4.83倍とバーゲンセール状態になっています。

▶︎  EPS(Earnings Per Share)とは?株価とPERとの関係を含めてわかりやすく解説。

東京電力のPER現状で東京電力に投資をすれば少なくとも2倍以上の値上がりを将来的に期待することは可能となるでしょう。

信太郎
更にディフェンシブ銘柄であることに加え、安すぎて市場の影響も受けにくいという点も魅力的じゃな。

まとめ

ディフェンシブ銘柄(=景気鈍感株)は安定的な需要のある内需株やインフラ株で景気の変動を受けづらいという特徴があります。

一方で株式市場が回復・好調局面では上昇の恩恵を受けにくいというデメリットがあります。

配当金に関しては安定した配当金は見込めるものの、決して高い配当利回りというわけではない点も理解しておきましょう。

現時点でディフェンシブ銘柄としておすすめなのは東京電力で利益・財務的な安全性も東日本大震災発生前の水準に戻っているにも関わらず、

株価は以前の約5分の1の水準でPERは4倍台というバーゲンセール状態で仕込むことができます。

実際2018年の市場下落局面でも上昇しておりますので、ディフェンシブ銘柄で大きな利益を狙いたい方にはイチオシの銘柄となっています。

 

以上、ディフェンシブ銘柄(景気鈍感株)とは?投資するメリット・デメリットから「おすすめ銘柄」まで徹底解説。…の話題でした。

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マネリテ!編集部は東京大学経済学部卒の証券アナリストを中心とした金融知識が豊富なメンバーが株式投資初心者に向けて有益な情報を提供しています。株式投資を行う意義から基本用語、おすすめのネット証券・投資先情報をお伝えするメディアです。日本人の金融リテラシーの向上と明るい未来を目指しています。