株式投資におけるファンダメンタルズ分析とは?代表的指標(PER・PBR・ROE・ROA等)と計算・分析方法を解説!

株式投資におけるファンダメンタルズ分析とは?使用する指標と計算・分析方法を解説!

株式を購入する際、実際にどの株式を購入するべきか悩んでしまいますよね。

特に、株式投資をしてからまだ日が浅い場合は、銘柄の多さに圧倒されてしまいます。

秀次郎
わしも資金が少ないのにあの企業も投資したい、この企業も投資したい、と忙しいわい・・。

 

そんなとき、株式購入の後押しをしてくれるのが、「ファンダメンタルズ分析」という手法です。

ファンダメンタルズ分析
家三郎
ファンダメンタルズ分析の他に、よく分類されるのがテクニカル分析・チャート分析じゃな。

今回は、このファンダメンタルズ分析について、一体どのようなものなのか徹底解説していきます。

目次

ファンダメンタルズ分析とは?

「ファンダメンタルズ分析」とは、企業の財務状況やこれまでの業績。

また、売上などを基にして、株式の価値を測る分析手法です。

 

上場企業の場合、損益計算書や貸借対照表を公開しております。

従い、その情報を基に、企業の財務状況を把握します。

 

財務状況が良ければ良いほど、その企業の倒産リスクは小さくなります。

毎年、企業が売上が伸びていることが分かれば、今後、一気に売上を増やせる可能性もあります。

 

家三郎
市況要因などもファンダメンタルズに入ってくるが、基本は四季報や企業IRを利用して、財務分析をするということじゃな。

 

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ファンダメンタルズ分析で扱う指標

それでは、ファンダメンタルズ分析で扱われる代表的な指標について、確認していきましょう。

自己資本比率

自己資本比率」とは、貸借対照表における総資本の中で、自己資本(純資産)が占める比率を指します。

 

自己資本とは、「返す必要のない」資本のことで、株主から出資された資金などが挙げられます。

家三郎
返す必要がないと言っても、株主にはリターンを提供しなければならんがの。実は借入よりこっちの方がはるかにプレッシャーなのじゃ。

 

自己資本が多ければ多いほど、企業の体力があると見なされ、「倒産しにくい」と判断されます。

株を購入しても、その企業が倒産してしまっては意味がありません。

自己資本比率を見る事で、その企業の安定性を確認することができます。

 

さて、自己資本比率の計算式は以下となります。

[自己資本比率(%) =(総資本 – 他人資本)÷ 総資産 × 100]

 

自己資本比率が何%以上で安定している企業と言えるのかは、専門家や経済学者によって意見が異なってきます。

しかし、概ね40%を超えてくると、その企業は安定した財務状態であると言えます。

 

家三郎
例えばトヨタ自動車の自己資本比率(引用:Yahooファイナンス)を見てみようかの。

 

[トヨタ自動車]前期2期前3期前
決算期2019年3月期2018年3月期2017年3月期
当期利益1,882,873百万円2,493,983百万円1,831,109百万円
EPS(一株当たり利益)650.55円842.00円605.47円
調整一株当たり利益645.11円832.78円599.22円
BPS(一株当たり純資産)6,830.92円6,438.65円5,887.88円
総資産51,936,949百万円50,308,249百万円48,750,186百万円
自己資本19,846,225百万円19,227,956百万円18,000,689百万円
資本金397,050百万円397,050百万円397,050百万円
有利子負債20,150,178百万円19,347,564百万円19,155,727百万円
自己資本比率38.20%38.20%36.90%
ROA(総資産利益率)3.68%5.04%3.81%
ROE(自己資本利益率)9.64%13.40%10.40%
総資産経常利益率4.47%5.29%4.56%

 

自己資本(19,846,225百万円)÷ 総資産(51,936,949百万円) =38.20%

家三郎
30%台後半を維持しており、比較的健全な財務状況といえそうじゃな。

 

企業の健全性を図るDEレシオとともに詳しく解説していますので参考にしてみてください。

 

企業の財務状況の安定性を測る「自己資本比率」とは?比率が高い企業・低い企業についても紹介!

2019.11.29

【DEレシオ・ネットDEレシオとは?】目安や自己資本比率との違いを含めてわかりやすく解説する!

2019.10.29

 

ROE(自己資本利益率)

「ROE」は、Return on Equity の略称で、自己資本に対して、どれくらいのリターンがあげられているかを表す指標です。

ROEを確認することで、その企業にどれだけ「稼ぐ力」があるかがわかります。

 

家三郎
崇高な理念も大切じゃが、稼いだキャッシュは本当についてきておるのか?という点は非常に大切じゃ。テレビCMをバンバン打っているが利益が追いついていない会社は星の数ほどおるぞ。

稼ぐ力があれば、今後も安定して企業規模を拡大できると予想できます。

企業規模が大きくなれば、その分、株価も上昇する可能性が高いですね。

 

ROEの計算式は、以下となります。

[ROE = 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100]

 

ROEが10%~20%ほどの数値であると、一般的に優良企業であると見なされます。

もちろん、20%以上の数値であっても、成長力があるという評価がつきます。

 

ただ、ROEが20%を超えてくる企業は、よほど急成長を遂げないかぎりは中々出てきません。

目安として10%~20%の数値が高評価の境目となっています。

 

家三郎
ROEについては次項目のROAと併せて「【ROE・ROAとは?】自己資本利益率と総資産利益率の計算方法と基準としての目安をわかりやすく解説。」でさらに詳しく解説しておるぞ!

ROA(総資産利益率)

 

「ROA」は、Return On Assetsの略称で、総資産に対して、どれくらいのリターンがあげられているかを表す指標です。

総資本」とは、純資産、負債など自己資本、他人資本を問わず、保有するすべての資本を指します。

ROAが高ければ高いほど、資産を効率よく回して、利益を生み出せているということです。

 

ROAの計算式は、以下の通りです。

[ROA = 当期純利益 ÷ 総資産 × 100]

 

総資産には、負債も含まれるため、負債が多くても利益が高ければROAは高い数値になります。

したがって、ROAが高いからといって、倒産のリスクが低いとは断言できません。

家三郎
EQUITY(資本)とDEBT(負債)は分けて考える必要があるぞよ。

 

実際、ROAが高い数値でも、負債額が多い企業は数多くあります。

ROAの数値を見るときは、必ず総資産に占める負債の比率も確認するようにしましょう。

 

家三郎
負債の大きい企業といえばソフトバンクじゃな。孫さんの経営(というか人生)の特徴として、お金を借りれるだけ全力で借りて、返済するために利益を荒稼ぎするというスタイルを若い頃から一貫して実行し、今のソフトバンクグループがあるのじゃ。
秀次郎
経営者としての次元が違いますな・・・。怖くてフルレバで借入なんてできませんわ・・・。

【9984】ソフトバンクグループの有利子負債が15.7兆円と巨額!持続可能性と株価の今後の見通しを予想する。

2018.11.19

流動比率

「流動比率」とは、1年以内に現金化できる資産が、1年以内に支払う負債をどれだけ上回っているかを示す比率です。

流動比率が高ければ高いほど、すぐに現金で支払う能力が高いことを表します。

 

企業は、様々な形で負債を抱えていますが、それを上回る資産があれば、負債があっても実質、財務業態は安定していると言えます。

 

流動比率の計算式は、以下の通りです。

[流動比率 = 流動資産 ÷ 流動負債 × 100]

家三郎
流動資産・負債の定義も一応押さえておこうかの。

 

  • 流動資産:1年以内に現金化できる資産
  • 流動負債:1年以内に支払う負債

 

流動比率は、一般的に120%を超えてくると、短期の支払いに支障がないとされています。

反対に、流動比率が100%を切ってくると、流動資産よりも流動負債の方が多くなるので、支払いが滞る可能性があります。

 

支払い能力がないということは、資金繰りができずに倒産するリスクがあるということです。

家三郎
いわゆる「黒字倒産」というやつじゃな。2016年のデータを見ると544社のうち半数以上が黒字倒産というものがある。流動比率は軽視されがちじゃが、重要な指標じゃ。

会社は製品やサービスが売れ始めると一見事業が軌道に乗ったように見えるが、事業が安定するまでは特に毎月の資金繰りに注意を払う必要がある。東京商工リサーチ(東京・千代田)の調査によると、2016年に倒産した544社のうち半数以上が最終決算で黒字を計上した企業だった。

(引用:日経新聞「黒字倒産、昨年は過半」

 

倒産間際の企業は、流動比率が100%を大きく切ってくるので、注意して見るようにしましょう。

その他重要指標を以下のコンテンツでまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

【株価指標まとめ】株式投資で銘柄分析する上で最低限押さえておきたい指標(PER・PBR・ROEなど)とその見方。

2019.05.22

 

【企業分析】企業の経営状態を明らかにする『財務分析』で使用される各種指標を計算式を含めて解説!

2019.12.04

 

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ファンダメンタルズ分析はプロでないと厳しい?

ファンダメンタルズ分析は、投資や証券分析のプロでないと難しいと思われています。

しかし、基本的な分析であれば、初心者でも問題なく行えます。

 

理由として、ファンダメンタルズ分析で使用する指標は、電卓さえあれば簡単に計算できるためです。

 

ファンダメンタルズ分析は数学や物理学のような難解な理論を使う訳ではありません。

指標の計算式さえ知っていれば、問題なくファンダメンタルズ分析を行えます。

 

また、ファンダメンタルズ分析で使用するデータ(純資産、当期純利益、負債など)は、四季報などの企業データ本に記載されています。

一冊手元に置いておけば、毎回ネットで調べる必要もありません。

 

ROEやROAなどファンダメンタル分析で使われる指標は、経済新聞やビジネス本でも意外と多く登場してきます。

【株本・漫画・アプリまとめ】名著から株式投資初心者にも読みやすい勉強本・実践に生きるアプリを紹介。

2019.05.24

 

家三郎
あらかじめ、分析指標の内容を知っておけば、経済ニュースの内容をより深く知ることができるぞよ。

 

 

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バリュー・グロース株投資とは

株式投資における「ファンダメンタル分析」を生かした銘柄選択の方法。

「バリュー株投資」

「グロース株投資」

 

と大きく分けて2つ存在します。

 

歴史的には「バリュー株」の成績がグロース株を上回っており、以下のようなデータが残っています。

 

■ 1970年以降利回り:

  • 小型バリュー株:年率15%
  • 大型バリュー株:年率10.5%
  • 小型グロース株年率8.8%
  • 大型グロース株年率7.6%

 

グロース株よりバリュー株。

大型株より小型株。

 

上記が、このような良好な運用成績を残していることが40年間(1970-2010)の歴史の中で実証されています。

バリュー株投資とグロース株投資

(引用:LONG-TERM INVESTMENT PERFORMANCE)

 

最も年率の高い「小型バリュー株」が40年間で$1→$303の価値と大きく増大しています。

一方で、最も年率の低い「大型グロース株」が同じ期間で$20.9ととても低いリターンとなっております。

 

「小型バリュー株」と「大型グロース株」の差はなんと15倍以上となっています。

 

なぜこのような差が出てくるのか?

 

株式投資をこれから始めるという方はぜひとも押さえておきたい知識です。

今後の投資活動にも良い影響が出てくるでしょう。

 

以下コンテンツでは、バリュー株投資とグロース株投資の概要の説明とその比較。

また、なぜバリュー株投資の方が高い年率でリターンを出せるのかを解説しています。

 

【バリュー株・グロース株投資とは?】2つの投資手法の違いをわかりやすく解説!バリュー株投資のリターンが優れている理由とは?

2019.01.04

 

 

また、「割安株」を狙う「バリュー株投資」について。

どのように、実際に割安株銘柄をスクリーニングしていくのか?

以下のコンテンツでは、具体的な株価指標などを用いて手順を解説しています。

 

バリュー株(割安株)投資!PER/PBR・財政状況を把握して銘柄をスクリーニングする方法を解説。

2019.02.18

 

 

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IR・決算情報

企業の決算情報の収集は、ファンダメンタルズ分析を駆使して、投資する株式銘柄を選ぶ際に必須となるものです。

上場企業が提出する有価証券、決算短信など様々なものがありますが、全てに目を通す時間はありません。

 

そこで、我々投資家はどのような情報を見て投資の意思決定をしなければならないのでしょうか。

ここでは、IRを始めとした、企業が投資家向けに発信するものをそれぞれ、紹介していきますので一気に理解してしまいましょう。

 

 

【IR・決算情報】ファンダメンタルズ分析に必須!有価証券/決算短信を始めとした企業が提出する書類の見方・分析活用法を紹介。

2019.10.06

 

 

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ファンダメンタルズ分析が全てではない!

ファンダメンタルズ分析をある程度使いこなせるようになると、「企業の良し悪し=指標の良し悪し」という考えに浸ってきます。

 

企業の状態をチェックするために、ファンダメンタルズ分析はとても便利です。

しかし、指標データのみで、その企業のすべてが分かるわけではありません。

 

たとえば、流動比率が芳しくない状態でも、将来に向けて有用な投資を行っている可能性があります。

また、ROA、ROEが高くても、そもそも本業の利益がそこまで大きくないこともあります。

 

データを見た上で、その企業のソフト面の情報も確認する必要があります。

様々な情報を組み合わせることで、その企業の姿が浮かびあがってくるのです。

 

株式投資を行う際も、貸借対照表に載っていない情報を如何に精査するかという点が重要です。

 

その企業が、今後どのような事業を展開していくのか等、日ごろからアンテナを張って情報を得る姿勢が大切となります。

 

ファンダメンタルズ分析で、その企業の全てが分かるということではありません。

家三郎
その点を留意して、分析を行うようにするのじゃ。

 

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まとめ

ファンダメンタルズ分析によって、企業の財務状態を数値で把握することができます。

 

一見、利益を出している企業でも、ファンダメンタルズ分析をすることで、負債が多いことが分かったり、利益効率などを知ることができます。

 

ファンダメンタルズ分析は、財務分析の専門家でなくても、計算式さえ知っていれば、簡単に行えます。

 

分析で使うデータも、上場企業であれば四季報に記載されているので、データ収集に時間がとられることもありません。

家三郎
まずは、気になった企業のデータを使って、分析してみると面白いぞよ。

 

ただし、ファンダメンタルズ分析で、企業のすべてが分かる訳ではありません。

指標の数値に加えて、実際の企業行動などソフト面の情報も考慮する必要があります。

 

数値と現実の情報を組み合わせることで、より精度の高い企業分析が可能になります。

数字ばかりに目を追われないようにして、ファンダメンタルズ分析を上手く利用していきましょう。

 

以上、株式投資におけるファンダメンタルズ分析とは?使用する指標と計算・分析方法を解説!…の話題でした。

 

【株の分析手法】株式市場の動きを見極める!ファンダメンタルズ・テクニカル分析を徹底解説。

2019.10.01

 




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