有名個人投資家「かぶ1000」さんのポートフォリオ首位銘柄「岩塚製菓」の適正株価を分析する

有名個人投資家『かぶ1000』さんのポートフォリオ首位銘柄『岩塚製菓』の適正株価を分析する

 

前回、有名個人投資家兼「かぶ1000投資日記」を運営する投資ブロガーでもある「かぶ1000」さんの投資手法について分析しました。

著名投資ブロガー『かぶ1000投資日記(@kabu1000)』さん流のネットネット株投資法をわかりやすく説明します。

著名投資ブロガー『かぶ1000投資日記(@kabu1000)』さん流のネットネット株投資法をわかりやすく説明。

2019年2月18日

 

本日はかぶ1000さんの現在のポートフォリオの首位で1,100万円ほどを投資している岩塚製菓について、かぶ1000さんの投資基準を満たしているのかを含めて分析していきたいと思います。

目次

岩塚製菓の事業内容

まずはバランスシートの分析に入る前に、そもそも岩塚製菓って何している会社なのか?

という方も多いと思いますので、岩塚製菓の事業内容についてまずお伝えしたいと思います。

 

岩塚製菓は新潟県に本拠を置き「JASDAQ」に上場している企業で、おかきやせんべいといった米菓を販売している企業です。

 

以下の商品についてみたことある方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。

 

岩塚製菓が販売している商品

(出所:岩塚製菓商品HP

 

 

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岩塚製菓のバランスシートから正味現金資産の金額を算定

正味現金性資産は、現金、売掛金、受取手形、有価証券から全ての負債を差し引いて残った純現金資産です。

正味現金性資産を図解

では、岩塚製菓のバランスシートを確認してみましょう。

以下は岩塚製菓の直近の2018年12末決算のバランスシートです。

岩塚製菓財務諸表

(引用:岩塚製菓の財務諸表より編集部作成)

 

では、現金性資産をこの中から抜き出します。

 

①:現金および預金:6億4400万円
②:受取手形および売掛金:45億1000万円
③:投資有価証券:507億1000万円!!

 

投資有価証券が圧倒的な規模となっていますが、これは中国旺旺の株式となっています。

 

中国旺旺は中国最大の米菓を味付けした乳製品の製造会社で大手総合商社の丸紅とも事業提携をしています。

岩塚製菓は中国旺旺の第二位の株主となっています。

 

①〜③を足し合わせた現金性資産の合計は558億6400万円となります。

 

さらに現金性資産から負債総計172億3200万円を差し引くことにより、岩塚製菓の正味現金性資産は386億3200万円となります。

岩塚製菓の正味現金性資産

 

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岩塚製菓の現在の株価水準は『かぶ1000』のネットネット株となっているのか?

かぶ1000さんは正味現金性資産が「時価総額」を上回っているのであれば、かぶ1000流ネットネット株の定義を満たし投資対象の候補となります。

 

時価総額は企業を現在丸々購入するのに、いくらの資金が必要なのかという指標で以下で算出されます。

時価総額 = 株価 ×   発行済株式数

 

現在2019年2月18日時点の岩塚製菓の株価は4,195円で、発行済株式は有価証券報告書によると5,995,000株となります。

岩塚製菓の発行済株式数

 

また岩塚製菓の自己株は368,300株となっています。

岩塚製菓の自己株数

 

市場に出回っている株式数は5,995,000株 – 368,300株 = 5,626,700株となります。

 

今までの情報より、時価総額=4,195円 × 5,626,700株 =23,604,006,500円(=約236億円)となります。

 

ここで、先ほどの正味現金性資産386億3200万円の方が時価総額236億円を大きく上回っています。

目出度く岩塚製菓はかぶ1000さん流のネットネット株に該当します。

 

かぶ1000さん流のネットネット株の基準をみたす岩塚製菓

 

信太郎
しかし圧倒的なネットネット株ですな。

 

現在の株価水準が現金性資産に追いつくだけでも、現在の1.63倍つまり6800円〜6900円までは上昇することが期待されます。

 

 

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岩塚製菓のPL項目を分析する

バランスシート上は余裕でかぶ1000さん流のネットネット株の基準を満たしています。

文句ない水準ですが業績もきになるところですよね。

 

マネックス証券」の銘柄スカウターで確認した過去10年間の売上、営業利益、経常利益、当期利益の推移です。

 

岩塚製菓の業績過去10年分

 

ご覧いただければわかる通り、営業利益に対して経常利益が大きく膨らんでいます。

 

つまり本業での利益は大したことはないものの、本業以外の配当収益が大きいことが想定されます。

バランスシート上でも中国旺旺の株を500億円以上保有していることからも容易に想像できます。

 

実際有価証券報告書の「損益計算書(PL)」項目を確認すると、昨年度は18億円の配当を受け取っていることを確認できます。

岩塚製菓のPL項目

 

ほとんどの利益が中国旺旺からの「配当金」ですが、過去5年間のEPSは概ね横ばいです。

そのことから、5年間のEPSを平均します。

EPS(Earnings Per Share)とは?株価とPERとの関係を含めてわかりやすく解説。

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2019年2月16日

 

2015/3:EPS302.8円
2016/3:EPS52.5円
2017/3:EPS219.9円
2018/3:EPS182.6円
2019/3:EPS232.0円

 

5年平均EPS197.84円となります。

概算でEPS200円が継続するとします。

 

EPS200円が10年間継続して資本収益率を10%として換算すると、今後10年間の事業利益の現在時点の価値は1,228円となります。

 

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岩塚製菓の適正株価を算出

今までの議論を元に岩塚製菓の適正な株価についてまとめて考えてみたいと思います。

まず、正味現金性資産まで株価が上昇するとすると前述の通り6800円 (最も保守的な水準)

 

さらに事業性資産まで評価にいれると純資産は503.27億円であることを考えると、8,944円 (PBR=1の水準)

さらに、今後10年間の事業利益の現在価値:1,288円まで算定にいれます。

すると、10,232円まで上昇余地があるということになります。

 

 

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まとめ

岩塚製菓は保有する中国株の評価が上昇していることを主因に、かぶ1000さんが選好するネットネット株の基準を満たしています。

正味現金性資産まで上昇するだけで現在株価4,195円の1.6倍の6,800円。

 

純資産並びに生み出す利益までを加味すると現在の約2.5倍の10,000円以上まで上昇する可能性のある、非常に有望なネットネット株となっています。

 

以上、有名個人投資家『かぶ1000』さんのポートフォリオ首位銘柄『岩塚製菓』の適正株価を分析する…でした。

 

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2019年6月5日

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マネリテ!編集部は東京大学経済学部卒の証券アナリストを中心とした金融知識が豊富なメンバーが株式投資初心者に向けて有益な情報を提供しています。株式投資を行う意義から基本用語、おすすめのネット証券・投資先情報をお伝えするメディアです。日本人の金融リテラシーの向上と明るい未来を目指しています。